あー、やっと部活終わったー…
今日も暑い中頑張ったから、喉乾いたな…小腹も空いたし…
コンビニでも寄って帰ろうかな…それともマックかな…
そんな事を思いながら歩いてて、ふと気付くと、何やら周りが少し暗い。
空を見上げると、あんなに晴れ渡ってたのに、黒い雲が押し寄せ…
ぽつ…ぽつぽつ…
ザー!!
うわ!?降ってきた!
バケツ…と言うより、お風呂をひっくり返したような雨!
何とか走って、ビルの軒先に雨宿り。
でも、ここまで走ってる間に、一気に頭から靴の中までびっしょり…服が重いよ…
私が雨宿りに入って少し後、サラリーマンのお兄さんが入ってきた。もちろん、お兄さんもずぶ濡れ。
私が、空を見上げてると
「凄い降り様だね」
と、声をかけられた。
「そうですね、凄いですね」
「スーツ、ずぶ濡れになっちゃったよ…まだ仕事あるのに…」
「大変ですねー」
そんなたわいもない会話をしてる間、お兄さんの目線が私の顔とその下を行ったり来たり…
何か付いてる?と思い、ちらっと下を見る…ブラ透けてんじゃん!
シャツがぺったり体に張り付いて、色どころか、形や柄までくっきり!
私はとっさに胸をカバンで隠した。
お兄さんは申し訳なさそうに
「あ、ごめん…そんなつもりはなかったんだけど、つい…」
と、謝ってくれた。
「し、しょうがないですよ…不可抗力ですし」
私はなるべく、気にしてないって感じを作って答える。
でも、心の中じゃ「見られた…お兄さんに見られた」ってぐるぐる回ってた。
その後も、たわいもない会話をしながら、雨が止むのを二人で待った。
しばらくして、さっきよりは弱くはなったけど、まだ雨は止まない。
「あーダメだ…間に合わない…」
お兄さんは時計を見てそう言い、私に
「俺、ゆっくりしてられないから行くね。風邪、ひかないようにね」
とにっこり笑って駆け出していった。
風邪ひかないようにねって、お互い様じゃん…
あーあ…雨降ってびしょ濡れで最悪…って思ったけど、悪くないね。
また雨が降ったら、お兄さんに逢えるかな…