ある日の昼休み、蟹江敬介がおにぎりを食べていると、そこへ猿渡清香がやってきた。
清香は学園で一二を争う美少女の上に成績も優秀、風紀委員長も務める才媛だが、ちょっと意地悪なところのある女子だ。
その意地悪なところが風紀委員として役に立っているので教師の受けはいい。ついでに、Mっ気のある一部の男子にも強烈に支持されている。
だが、成績も普通、見た目も普通だが、弱気で人のいい敬介にとっては、苦手なクラスメイトだった。
「あんた、何こんなところでお昼食べてんの?」
「は?」
敬介が座っているのは、校庭の花壇の脇だ。
別段、咎められるようなことはしていない筈だった。
「あんたみたいなヤツがそんなところでおにぎり食べてたら、せっかくの美しい花が台なしじゃない。目障りなのよ。それに、あんたトロいんだから、絶対ご飯粒こぼすに決まってる。校庭が汚れたらどうするつもり?」
「僕はこぼしたりしないよ」
「絶対って言える? 駄目よ、おにぎりは没収」
そういうと清香は、強引に彼のおにぎりを奪い取った。
「僕のおにぎりだよ。それがないとお腹が空いて午後の授業、苦しいよ。五時間目には体育もあるのに……」
「うるさいわねえ。だったら、これをあげるわ」
そういって清香は、ポケットから小さな袋を取り出す。
それは小分けされた《柿の種》だった。
「こんなんじゃ、お腹いっぱいにならないよ」
「何言ってんの。最近流行りのわさび味の柿の種よ? それにピーナッツの分量もばっちり6対4。あんたにはモッタイナイくらいだわ」
そう言いながら、猿渡清香は去っていった。
蟹江敬介は仕方なく、柿の種を袋を開けた。
お腹はいっぱいにならないが、それでも何も食べないよりはマシだと思った。
そこへ、でっぷりと太ったお腹を揺らしながら、校長先生がやってきた。
「お、珍しいな、ワサビ味の柿の種か。どれどれ、私にも一口食べさせてみてくれ」
「あ、でも……、これ、僕の昼食なんです」
「そんなものじゃお腹いっぱいにならないだろう。そうだ、かわりにこれを上げよう」
校長先生はそう言うと、自分が抱えていた国産黒毛和牛使用のステーキ弁当をくれた。
「え? いいんですか?」
「お腹空いたら、勉強にも身がはいらないだろう? それに伸び盛りなんだから、ちゃんとたんぱく質取らないと駄目だぞ? 私はダイエット中だというのに、つい我慢できずにステーキ弁当を買ってしまったのだ。でも、君と交換できて、ギリギリ食欲に負けずに済む」
そういうと校長先生は、ワサビ味の柿の種を食べながら、校長室へ去っていった。
敬介はなんだか凄く嬉しくなり、ステーキ弁当の透明のフタをあけた。
電子レンジで温めてもらったのか、湯気が立ち上る。なんとも美味しそうな匂いがしている。
空腹が急激に高まり、お腹がぎゅるっと鳴った。
だが、そこへまた猿渡清香が戻ってきた。
「何? ステーキ弁当? いつの間にそんなものゲットしたの? あんた、何様のつもり? ご飯粒だけじゃなく、肉汁やソースまでこぼすことになるでしょ。そんなものここで食べたらただじゃおかないからね」
「こぼさないよ」
「いえ、こぼすわ、絶対」
そういうと猿渡清香は強引にステーキ弁当を奪い取り、地面に叩きつけた。
「えええええっ」
「えええええっ、じゃないわよ、きちんと綺麗にしときなさいよ? まったくドジなんだから」
敬介はちらばった肉やご飯を片づけ、空腹に耐えながら、午後の授業を受けることになった。
体育の授業は、サッカーだった。
よりによって運動量の多い競技だったこともあり、何も食べていない敬介はとうとう貧血を起こして倒れてしまった。
気がつくと、まわりに仲間が集まって、心配そうに顔を覗き込んでいる。
彼は友人に抱えられながら保健室へ行き、ベッドで休むことになった。
しばらくすると、枕元に栗とリスが現れた。
うまく説明できないが、なぜか蟹江敬介には、栗やリスの友だちがいるのだ。
もしかしたら他の人には聞こえなかったり、意味不明だったりするのかもしれないが、敬介には彼らの言葉が理解できたし、自在に意思を疎通させることができた。
リスが聞いた。
「蟹くん、蟹くん、どうしたんだい?」
説明するまでもなく、蟹というのは蟹江敬介のニックネームである。
敬介が事情を話すと、リスは大いに憤慨し、自分のことのように怒った。
今度は栗が尋ねた。
「一体、誰がそんな酷いことをしたんだい?」
敬介が猿渡清香だと答えると、栗は真っ赤になって怒った。──いや、栗色のままだが、敬介には渋皮の下で頭に血を上らせているのがわかった。
そして、リスと栗は、仇をうつための作戦を練り始めた。
猿渡清香は同じクラスなので、敬介が保健室で休んでいることを知っている。どう考えても彼をイジメて楽しんでいるようだし、ここで待っていればきっとまた現れる筈だという結論に達した。
午後の授業が終わった頃、予想通り清香が保健室にやってきた。
「あんた、なに仮病つかって授業さぼってんのよっ」
そう言って彼女は、ベッドの上掛けを勢いよく剥がす。
しかし、そこに敬介の姿はなく、並べられた枕の隙間に、可愛らしい一匹のリスがちょこんと座っている。
リスはクルミの実を器用に小さな手で回転させながら、キキッと鳴いた。
「何? リス?」
清香がそういうと、リスはちょっと首を傾げて、不思議そうな表情を見せる。
わずかに警戒しながらも、清香はそっと手を伸ばす。
リスは、じっと座ったままだ。
清香の指先がそっと触れた。
リスはまた、チチっと鳴くが、逃げようとしない。
彼女はその小さな動物の愛らしさに負け、静かにその柔らかな身体を掴もうとした。
その途端、リスは彼女の腕を這い登り、肩の上に停まってまた小さく鳴いてみせた。
「や、やだ、可愛い〜」
彼女が肩へ手を伸ばすと、反対側の肩へ、そこへ手を伸ばすと今度は腕を這い降りる。
もちろん、リスの移動は速く、そう簡単に捕まらない。
だが、決して逃げるわけではなく、まとわりついてくる小動物の魅力に清香は虜になり、警戒心というものをまったく抱かなかった。
リスは彼女の身体を駆け登り、そのふさふさの尻尾で首筋や頬を撫でることで嬌声を上げさせ、そして突然ジャンプして床に降り立ち、再び彼女の足を駆け上がった。
「え?」
足の内側を駆け登ったリスが、スカートの中でキィと鳴いた。
頭を下腹部を包み込む下着の縁にかけ、その内側に頭をつっこんでくる。
「ちょ、ちょっと……」
清香は慌ててスカートの上から股間を押えるが、リスの動きの方が速かった。
くにくにと身体を左右に揺らしながら、上下逆さまにパンツの中へ潜り込む。
「や、やだっ」
彼女の手がスカートの中に差し込まれ、下着の上からその柔らかい生き物を押えた瞬間、立ったままの清香の身体がびくんと震えた。
「あっ」
リスの小さな手が、敏感な襞の内側に分け入り、一番気持ちのいい小さな器官を包み込むように掴んでいた。
突然の刺激に、清香は思わずしゃがみ込んでいた。
そのまま、長い尻尾を揺らして身体を震わせる。
「あっ、い、いやっ」
電気が走ったような衝撃が、清香の身体に走る。
それは間違いなく性的な快感だった。
彼女は両足を閉じる形でしゃがんでいたが、小さなリスは自由に動き回ることができた。
リスが小さな手で小陰唇を両側に押し広げる。
少し顔をのぞかせた突起に、長くて細い舌を伸ばして上から絡み付ける。
「あんっっ」
清香の身体が前方に傾き、膝が床につく。
そのまま腰が前後に揺れ、背中が反らされる。
リスの舌が、次第に固く尖っていく突起から一端離れ、再び巻き付いて絞り上げる。
人外の快感が、彼女の理性を奪っていく。
「あっあっあっあっあああああっっっ」
清香の上げる声は次第に熱く、途切れなくなっていた。
それと同時に、前後に揺れる腰の動きも速くなっていく。
自分でも気づかぬうちに、パンツの中にいる齧歯類の身体を床に押し付け、股間でその柔らかな感触を楽しみながら、同時に敏感な突起には舌と手によって与えられる鋭い快感を感じていた。
「ああっっ、だ、駄目ぇぇっ」
彼女はいつの間にか大きく太股を開き、股間を床に押し当てるようにして、ぺたんと座っていた。
その開かれた股間の中心から直線上にある部屋の隅に、静かに時を窺うものがあった。
栗である。
だが、快感に我を忘れた清香は、気付いていない。
腰をくねらせながら顔を上に向け、何かを求めるかのように口が開いている。
その開かれた口からは、絶え間なく荒い息とあえぎ声が漏れ続ける。
やがてその声がさらに激しくなり、鋭い快感が股間から頭のてっぺんに走り抜けた。
彼女が絶頂に達しようとする気配を感じ取り、勢いよくリスが動いた。
全身を後退させ下着の外へ身体を出す。
だが両手は彼女の襞へ押し付け、思いきり左右へ開いたままだ。
「ああああっっ、いや、いくいく、いくぅぅっっっ」
清香の背中が反らされ、一瞬動きが止まった。
その時、栗が動いた。
勢いよく、清香の股間目指して転がり出す。
大きく開かれた太股の間へまっすぐに入り込み、愛液でしとどに濡れた下着の上からぶちあたる。
栗のイガが、パンツの生地をつきぬけ、上下逆さまになったリスが広げた襞の内側に入り込む。
激しく勃起した突起の上に、回転する細いイガが押し当てられ、半分めくれ上がった包皮の内側に入り込んだ。
栗のイガがさらに包皮を持ち上げたところで突き刺さった。
「うぁぁああっっっっっっっ!!!」
猿渡清香の全身に、波のような震えが走った。
鋭い痛みとともに強烈な快感が走り抜け、彼女はそれまで味わったことのない絶頂へ至った。
むき出しになった陰核が痙攣を繰り返し、彼女は口から泡を噴きながら、身体を震わせ続けた。
そして、じわっと大量の液体が床を這い、身体が崩れた。
あまりの快感と痛みに、彼女は失禁し、同時に意識を失っていた。
その時初めて、保健室のカーテンの影から蟹江敬介が姿を現す。
震える右手に持つ携帯には、たった今起きたことの全てが動画として収められていた。
彼は衝撃的な清香のアクメと、そして何より栗とリスの責めに感動の涙を流していた。
どっとはらい