ヒュプノスウルフ。上位クラスにあてられた、この頃確認された種だ。  
高い知能を持ち、群れで行動する。  
そして最大の特徴は、その能力。  
ヒュプノ。催眠能力。精神支配――だ。  
弱い個体でもその能力を行使でき、主に第六感、勘をにぶらせる。  
集団になればその効果も増し、歴戦の戦士でさえ判断を狂わせるという。  
あのとき、わたしがカレンをひとりで行かせたのも、それなのだろうか。  
たぶん、カレンもこの能力で罠にはまったのだろう。  
そしてウルフの催眠能力、その真髄。  
精神支配。群れのトップレベルの個体が行使する催眠。  
その言葉ひとつひとつに催眠がかけられ、精液を注入することで完成を見る。  
中国での被害としては、天使がふたり、使えなくなったようだ。  
『群れを敵に回すな。ボス級にあったらすぐ逃げろ。アタシがくるまで戦うんじゃない』  
電話口で、怒鳴るように窘められた。  
A級――らしい。ひとりやふたりではものの数にもならない。  
それでも、それでもわたしはやらなくてはならない。  
友達を、助けるために。  
 
 
――夜の公園  
変身はせず、いつものセーラー服で広場に佇む。  
ここは、奴らの頻繁に現れる場所。昨日の今日だ、さすがに罠を警戒して襲ってこないかもしれない。  
けれど、待つ。こちらが未だ住処を特定できていない今、奴らに会うにはこれしかない。  
カレン。わたしの友達。わたしの親友。  
小さいときからずっといっしょで、辛いことも悲しいことも、嬉しいことも楽しいことも分かち合ってきた。  
だから、たすけなければ、救わなければならない。  
絶対に、  
『最後にフィリア、お母さんのあとを継ごうなどと考えないでください』  
絶対に、  
『リアちゃん、わたしが強ければ、なっちゃんとお父さんは救えたのかな?』  
絶対に!  
 
「ウルルルルルルルルル・・・・・・」  
――きた!  
 
 
――廃工場  
「ぁっ、ふぁあっ、ひぅん!」  
昨日までは双剣を振るっていた少女は、今、巨大な人狼にその秘部を突かれていた。  
四つんばいで、まるで犬のように。  
「ふっ、ひぁ、あっ、あぁっ――――っっ」  
感極まり、背筋を大きくそらせる。同時に、胎内に突き刺さった肉棒から精液が注がれる。  
ドピュッ、ドピュドピュ!  
「ひあん! あっ、はぁんっ」  
その衝撃でまたイったのか、小刻みに身体をふるわせる。  
少女が身体から力を抜くと、その身をコンクリートの床にぐったりと伏せた。  
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」  
呼吸を荒くし、快感の余韻に浸る。  
「どうだい? ここにきてよかっただろう?」  
秘裂から肉棒を引き抜いた人狼が、少女に問う。  
引き抜く刺激で、また軽い絶頂を味わったのか身体をビクつかせる。  
「はぁい・・・・・・ご主人様にこんなによくしてもらって・・・・・・本当に幸せです・・・・・・」  
カレンは顔を上げ、自らの主に答えた。  
そのとろけた顔に、一瞬陰が差す。  
「どおした? 何か不満でもあるのかい?」  
「それは・・・・・・んっ、ぴちゃ・・・・・・」  
潤んだ目を伏せ、カレンは主の肉棒に奉仕を始める。  
今日の昼間から、ずっと教えてもらっていたものだ。  
「・・・・・・ぁかちゃん・・・・・・」  
「? うまくきこえなかった、すまんな、もう一度言ってくれ」  
「その・・・・・・あかちゃん、欲しいなって・・・・・・」  
肉棒に手を添え、恥ずかしげに顔を背ける。  
「でも、わかってるんです。わたしたちは、どんなにご主人様達に愛してもらっても、  
子供は作れないって。・・・・・・あは、ごめんなさい、こんなこといわなくてよかったですよね」  
そういって、涙を浮かべながらカレンは奉仕を再開する。  
「・・・・・・なんだ、そんなことか。それなら、ほら。あの娘を見てみな」  
「えっ? はい、あの髪の長いひとですか?」  
視線の先には、すうすうと寝息を立てて眠っている、大学生くらいの女性がいた。  
すこし、乳房とお腹が張っているように見える。  
「えっと・・・・・・? ・・・・・・っ!」  
乳房とお腹が張っている、つまり、それは。  
「子供、できるぜ。ばんばんつくろうや」  
「はい! まかせてください! 元気なご主人様のあかちゃん産みます!」  
その顔に満面の笑みをたたえ、カレンはせんげんする。  
「あぎゃはは、ラブラブですねえ。そんなカレンちゃんにおみやげだよーん」  
そこへ、群れのナンバー2がやってきた。手には犬用の赤い首輪がある。  
「あぎゃはは、ボス、渡してあげなさいや」  
「オウ、わりいな。カレン、つけるぞ?」  
「はいっ」  
首輪を巻き、リードを繋ぐ。  
「嬉しいか?」  
「はい・・・・・・ご主人様のプレゼント・・・・・・」  
カレンは大事そうに首輪を触る。  
隷属の、証を。  
「それじゃあ、あかちゃん作り、はじめましょう!」  
主の性を受けるため、牝はまた尻を向けた。  
その顔は、親友の知る彼女ではなかった。  
 
 
――夜の公園  
それを何と言えばよいか。  
もとはただの大型犬だったのだろう。大人のように大きな体に、黒い毛皮。  
その頭に、毒々しい紫の花が咲いている。  
「はずれ、か」  
少女の待ち人ではないが、これも敵。  
「ウッルルルルルルルルル」  
ばふん!  
興奮しているのか、花の中央から花粉をまき散らす。  
何かの腐ったにおいがあたりに散らばる。が、  
「どおせ、このにおいにも変な能力があるんでしょ?」  
とん、とん、とん、と、軽いステップでジャングルジムの上に上る。  
視界良好、来たのが奴らでないのは残念だが、あれも屠らなければならない。  
懐から愛用の銃<オーシャンオルカ>を抜き出し、構える。  
「ウルルルルルルアァ!」  
身体強化もされているのだろう、ジャングルジムまで一気に跳躍しようとする。  
しかし、  
「悪いけど、またねーん」  
バウン!  
それより先に轟音が火を噴き、犬の頭はより大きな花となった。  
 
 
――廃工場  
「妖花、ですか?」  
営みを終え、主の象徴を舌で掃除をしていたカレンが聞き返す。  
「ああ。それがあの公園にある。俺たちの能力とはまた別だが、  
そいつらも催眠をもってやがる。具体的には、女を引き寄せる」  
「確かに、ご主人様たちがよく狩りをなさっていた場所ですね。  
夜だというのになぜか人がよくいました」  
思い出せば、あの場所での狩りは3回だった。八回のうち三回。これは異常な数字だ。  
「夜にだけ発芽して微細なにおいを放つ。  
魔力も小さいから気づきにくい。俺たちがあれを利用できたのも、ただ偶然見つけられたからだ」  
「なるほど・・・・・・でも、何で今その話を?」  
「・・・・・・潮時だから、だな」  
「え?」  
「――――」  
 
 
――夜の公園  
「――ッ」  
しまった!魔力が小さすぎて、わからなかった!  
ジムの下には、大小様々な、眼、眼、眼!  
 
 
『あいつら、動物を乗っ取って、知恵も機動力もつけやがった』  
 
『貫殺天使リア』  
2.こびとのぐんぜい  
 
――夜の公園  
魔力を込め、次弾装填!  
「ウルルルルルルアァ!」  
襲いかかる中型犬を吹き飛ばす、次!  
「ヂチィ! ヂチチィ!」  
ネズミ――しかもたくさん!?  
「オーシャンオルカ、連射モード! <サーディン>!」  
パララララララララララ!  
鉄骨からはい上がる小動物をなぎ払う。けどっ、  
「ああもう、何でジムなんて選んじゃったかなあ!?」  
あまたの柱にじゃまされ、またそれぞれ別の柱から上ってくるから、狙いがつかない!  
どうする? 飛び降りる――は危険だ。ネズミ以外にもまだ敵はうじゃうじゃいる。  
わたしの身体など、さっきの大型犬にすればたやすく打ち倒せるだろう。  
けれど、このままここにいたらじり貧どころじゃない!  
まずい、まずい、まずい!どうしたら――  
あった!  
はじめの犬がやってきた方に、青いベンチ! すこし遠いけど、敵もいない!   
わたしは変身しても身体があまり強化されない。けど、集中して、魔力を足に――  
「は!」  
ガっ! 跳躍! 大空を駆ける――  
けど、わたしは大事なことを忘れていた。  
「ガァ! ガァ! ガァ!」  
そりゃそうだよね。空にもいるよね。  
ドス! ドスドス!  
とってもくさい黒い鳥が、わたしのお腹に何匹も突き刺さった。  
 
 
――廃工場  
「俺たちは、ここを離れる」  
勤めを終えたカレンに、主は出し抜けに言った。  
「天使に存在が知られた。お友達の方は少々惜しいが、あんな訳のわからん花まででてきてる。  
さすがに留まるわけにはいかん」  
妖花は、その性質上群れに一株でも存在すれば瞬く間に増殖する。  
天使と妖花、二つの存在が危険、との判断だろう。  
「そこでだ。身体の脆弱なメスは多くは連れて行けん。  
おまえは、ここでお別れだ」  
「そんな・・・・・・う、うそです! いやです! ご主人様と離れたくありません!」  
カレンの顔が絶望に染まる。まるでこの世の終わりのように。  
いや、本当に終わりなのだろう。彼女にとって、この陵辱と調教に満ちた世界の。  
「なんでもっ、なんでもしますから! おねがいです! おねがいですぅ!」  
哀れな子犬を見た主人は、口角をあげ、  
「じょおだんだよ、冗談。捨てるわけないだろう?」  
と、自らの犬をなでる。  
泣き顔から一変、花のような笑顔に表情を変えたカレンは、そのおおきな掌をうけとめた。  
カレンの心は、堕ちきっていた。  
 
 
――夜の公園  
「ゲフ!」  
地にたたきつけられる。肺の中が全部抜けたみたい。呼吸がうまくいかない。  
「ヂチイ! ヂチイ!」  
オーシャンオルカがどこかへ運ばれていく。  
「っまず・・・・・・」  
頭がぐらぐらする。立ち上がれない。  
「ウルルルルルルル・・・・・・」  
茶色い大型犬が、わたしの身体を公園の隅の垣根の方へ引きずっていく。  
「あうう・・・・・・」  
指先もうまく動かない。貧弱な身体が恨めしい。  
どさ!   
目的地に着いたようだ。これでわたしもおわりかな?  
それとも、こいつらと同じように苗床になるのかな?  
ヂチイ! ヂチイ!  
ばりばりばりと、コスチュームが破かれる音がする。  
よだれが肌にあたって、不快だ。  
ずるり、垣根からツタが数本と、巨大んな花弁が顔をだした。  
ヤバイ、負ける。  
「っつうらぁ!」  
渾身の力を振り絞り、ネズミどもを振り払う。  
ふらつく足をたてる。視界は揺れている。  
けど、逃げないと――  
「ウルルルルルルアァ!」  
「きゃん!」  
後ろから犬に押し倒される。せっかく立ったのに。  
「くっそ・・・・・・はなせぇ!」  
暴れるも、全然効果が見られない。  
 
ぼふん!  
顔の前あたりで大きな音がした。  
それと同時に、犬が強く背中をたたく。  
「げふ! ぜっ、ぜっ、っぜぇ!」  
思わず咳き込んでしまう。何か腐ったようなにおい。  
酸っぱくて、甘ったるくて。  
「はぁ、はぁ、・・・・・・ぅくっ」  
身体がしびれる。前進が火照る。  
あ、これやばい。媚薬だ。  
気づいたときには遅かった。おしりの布も全て取り払われ、  
じっとりとした汗をかいたわたしの丸みがあらわにされる。  
むず痒い。変な感じだ。気づけばわたしは足をこすりあっていた。  
これだ。でも違う。足りない。刺激が足りない。  
よだれなんて拭ってられない。ソコが疼いてしょうがない。  
「はぁっ、はぁっ、はぁっ」  
「ウルルルルルル・・・・・・」  
硬くて柔らかいものがソコにあてられる。  
まってたよ。はやくきて。  
「ルァァ!」  
「んっ・・・・・・あぁん!」  
ずぐり。わたしの待ち人が蜜壺を貫く。証が太ももを伝う。  
あれ、はじめてはすきなひとにじゃなかったっけ。  
どこかで冷静なわたしが話しかける。  
けど、いいじゃん。  
ぱん! ぱん! ぱん!  
「ひゃん! あん! あぁん!」  
すごい。おんなのこって、こんなにきもちいいんだ。  
「あっ、あっ、あっ、あっあぁ!」  
 
どぷん!  
不意に、熱が子宮を打つ。これが、射精。  
「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ」  
あつい。あつい。あついよ。  
ぐりぐり、ずず。  
恋人が向きを変えた。わたしとお尻を合わせる格好。  
それと、違和感。  
なんだか彼の根本が太くなった気がする。  
ビュ! ドビュビュ!  
「きゃうん! あっ、あぁ!」  
また射精。今度はたくさん。  
満たされてる。わたしの中が。  
「あぅっ、はぁっ、あっ、あぁーーー!」  
頭が白くなる。まぶたが閉じていく。  
薄れいく意識の中、わたしはふたり分の足音を聞いた。  
 
こびとのぐんぜい.end  
 

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