がたんごとん。列車は線路をなぞっていく。  
あの場所へ、あの娘のもとへ。  
わたしの隣には、だれもいない。  
帰り道は、ふたりだよ。  
 
 
――夜、山中  
結局、メグミさんとアキラさんにはなにも言わず出てきてしまっていた。  
まだカレンがここにいると決まったわけじゃないし、なぜだかこれはわたしが解決したかった。  
だから、ひとりで。  
ひとりで、ここにいる。  
「うーん、やっぱり無理があったかなぁ」  
で、現状。  
11時をまわっても、捜索の甲斐なし。  
突発的に来たから、宿もなし。  
オウフ。  
その上、寒い。そりゃあ寒いさ、この季節の夜だもん。コスチュームがある程度寒気を和らげてくれているけど、肌にぴしぴし来る。  
さて。  
「どうしましょ・・・・・・」  
恐ろしいことに、さっきから同じところをぐるぐる回っている気さえしている。  
町の灯りも木々に遮られて見ることができない。  
ザ・遭難。  
「・・・・・・遭難した? そうなんだー」  
しゃれにならねえ。  
もしかしたらデスパイアのいるかもしれない場所でこれは、ちとまずいのでは。  
・・・・・・お腹減ったなぁ。  
手近な木に背もたれて座り、リュックからごはんを取り出す。  
ツナマヨおにぎり、たまごサンド、烏龍茶濃い味。  
和洋中三種の神器。  
「うむっ、もぐもぐ・・・・・・」  
まずはおにぎりから。うまー。  
「もふもふ・・・・・・はふっ、はふはふっ」  
たまごサンドうまー。  
このふたつを交互に食べ、合間に烏龍茶を飲むのがわたしのジャスティス。  
「んー、とりあえず下降りないとなー・・・・・・」  
 
もぐもぐしながら今後を考える。かさこそと足下近くの落ち葉が崩れた。うわ、でっかいムカデ。冬でもいるもんだなぁ。  
他の女子みたく「きゃー!」とか言って逃げたりはしないけど、虫はやっぱりキライ。わたしだって女の子なのだ。  
「よっと・・・・・・」  
サンドイッチを口にくわえたまま、場所移動。ふたつくらい間を空けて、また木に座り込んだ。  
ばっさぁ、と目の前の落ち葉が盛り上がる。  
「ぎぎぎぎぎ」  
うわ、でっかいムカデ。8メートルくらい?  
・・・・・・メシ喰ってる場合じゃねぇ!  
「オーシャンオル・・・・・・うあ!?」  
銃を構える暇もなく、ムカデがその巨体を覆い被せてきた。肌を這いずる小さな足が、生理的嫌悪感をわき上がらせる。  
「きっ、きもちわるい! どいて! どけぇ!」  
「ぎぎぎぎぎぎぎ」  
じたばたとムカデの下で暴れるも、悲しいかな、わたしには重すぎてちっとも持ち上がらない。  
この状況、わたしにはどうすることもできない。  
が、どうすることもできないのは相手も同じ。この密着状態を少しでも解いたら、すぐにわたしの弾丸が頭を射抜く。  
今の膠着状態は、ムカデがわたしに完全にのしかかっているから生まれているだけだ。  
どうやらムカデの小さな足ではわたしの障壁が貫通できないらしい。さっきからコスチュームをかりかり引っ掻いているだけだ。  
デスパイアは朝日を浴びると弱体化する特質がある。その特質は、弱いデスパイアほど顕著に表れるはず。  
だったら、朝まで待てばいい。朝日を浴びた瞬間、撃ち殺してやる。  
・・・・・・けど。  
「・・・・・・うえっ」  
視界いっぱいに広がる無数の節足。たまに顔に当たってくるからすごいキモイ。  
キモイってか、やばい。今まで虫型なんてたくさん倒してきたけど、間近で見るとこんなに気色悪かったなんて・・・・・・。  
「ぎぎぎぎぎぎ、ぎきゅぅぅぅぅぅ」  
「ああっ、動くな! やめっ、きもちわるっ」  
やばいやばい、これやばい。吐き気する。つかなにその変な鳴き声。ムカデって鳴くのかよ!  
しばらくその不快な光景と格闘していると・・・・・・。  
「ぎぎぎぎぎぎ」  
「ぎぎぎぎぎぎ」  
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・  
「・・・・・・へ?」  
四方八方からムカデの這いずるがさごそという音と、ムカデデスパイアの鳴き声が聞こえてきた。  
「も、もしかしてさっきの・・・・・・っ」  
仲間を、呼ぶため!  
「っいた! こ、この・・・・・・っ」  
銃を持つ右手に無数の足がのしかかる。視界は節足で埋まり、自分の周りには大量のデスパイア。  
まずい。  
「ぎぎぎぎぎ」  
急に視界が開けた。わたしの上のムカデが、その上半身を持ち上げ蛇のようにわたしを見下ろしている。  
「く、この・・・・・・っ! きゃあ!?」  
 
ムカデの顎がコスチュームを破き始めた。セーラー服の真ん中からまっぷたつになり、白いブラが外気に晒される。  
暴れようとしても、無駄だった。足に、手に。増えたムカデが押さえ込みをかけている。  
ぶちん、とひとひらの容赦もなくブラのフロントからちぎり取られる。寒気にあてられ乳首が硬くなっているのを感じる。  
「ぎっ、ぎぎぎぎ」  
ムカデの頭が下へ下へと向かっていく。大の字に地面に貼り付けられたわたしは、抵抗さえ許されない。  
「や、やめっ・・・・・・」  
「ぎぎぎぎぎ」  
ムカデの顎がスカートに触れる、  
その、瞬間。  
「ぎぎ、ぎ?」  
つー、とムカデの頭が胴体からずれていく。お豆腐を横から斜め切りしたような、そんなずれ方で。  
ぼとりと重音を落ち葉に乗せ、わたしにのしかかっていたムカデは絶命した。力をなくした胴体がまたわたしにのしかかってくる。  
「もう、リアちゃんにさわらないでよ」  
と、少女の声がして、わたしの上の死骸が打ち払われた。そこら中のムカデたちが、遅れて警戒音を発する。  
「ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいい!」  
「はぁ、気持ち悪いなぁ・・・・・・」  
声の主の姿をようやく確認できる。確認するまでもなく、知っている声。  
夜の暗闇に映える小太刀をきらめかせ、  
切れた雲から覗く月明かりに照らされた漆の髪をのばし、  
かつて、あの夏休みに姿を消した、  
「久し振り、リアちゃん」  
彼女は、  
 
「カレン・・・・・・」  
双剣天使、カレン。  
やっと見つけた、大切な人。  
 
 
『貫殺天使リア』  
27/幸.銀銃堕落  
 
 
――夜、山中  
「カ、レン?」  
やっと見つけた、大切な人。  
その顔に張り付いているのは、見たこともない表情だった。  
こんな、粘り着くような、こんな、絡みつくような表情を、わたしは知らない。  
ねえ、なんでそんなににやにやしてるの? わたしの知ってるカレンは、そんな顔しないよ。  
「危なかったね、リアちゃん。ちょっと待ってて、すぐこいつら片づけるから」  
「ぎぎぎぎぎぎ!!」  
集まっていたムカデたち、遇わせて6体が突然の乱入者に襲いかかる。原始的に、顎を開いて。  
「うるさいなぁ・・・・・・。『君の影草』!」  
ムカデたちに一撃ずつ突きが入り、彼らを吹き飛ばす。しかし、厚い装甲は貫けたものの、致命傷には至っていない。  
あれ? なにかへんだ。『君の影草』なんて技、わたしは知らない。  
起きあがったムカデたちは再び牙を唸らせる。ガチガチと不快音が6重奏を奏でる。  
「ねえリアちゃん、知ってる?」  
先刻と同じように、同時に飛びかかるムカデ。しかしカレンは、立ちつくすだけで目もくれない。  
「君影草――鈴蘭って」  
突如、ムカデたちの体がびくんと跳ねる。ぶくぶくと傷口から濃い紫色をした泡が吹き出てきた。  
「毒が、あるんだよ」  
断末魔さえなく、あまりにあっけなく、ムカデたちは倒れる。ばたりと、腹を見せて。  
「カ、レン? なに、その魔法・・・・・・?」  
カレンは特殊魔法を使えなかった。それに毒魔法なんて、デスパイアしかつかえない魔法のはずだ。  
「ん? 今の?」  
にっこりと、ねっとりと笑うカレンは、  
「そうだね、教えてあげるよ。私たちの家で」  
え、発音できたかわからない、それほど自然体で、  
「――『悪し君』」  
いともたやすく、わたしを昏倒させた。  
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
 
 
――朽ちかけた民家、まだ崩れていないひと部屋  
「ぁ・・・・・・うぅ」  
目が覚めると、知らない場所だった。  
空は枯れ木色の板で覆われ、月の光もない。  
頭がぐらぐらする。視界が揺れる。気持ち悪い、吐きそうだ。  
「あ、リアちゃん起きた? ・・・・・・っと、辛そうだね」  
「ひゃれん・・・・・・」  
舌がぴりぴりする。ぐちゃぐちゃだ。ぐちゃぐちゃだ。  
「今治してあげるね。その前に・・・・・・『あふよう』っと。『悪し君』、解除」  
ずるずると波が引くように吐き気が消えていく。かわりにぼんやりとした高揚感が残った。  
「カレン、家に、家に帰ろう・・・・・・?」  
ふらつく体を起こしてカレンに縋る。視界が安定してきて、ここはどこかの部屋で、わたしがいるのはベッドの上だということがわかる。  
「家? 家なら、ここだよ」  
ベッドに押し倒される。力が入らない、カレンがわたしを組み伏せる。なんで、なんで?  
「私の家は、ここ。リアちゃんの家も、今日からここ」  
カレンの瞳に吸い寄せられる。なにを言っているのかわからない。ふわふわする。  
「ここにいれば、もう戦わなくていいんだよ。苦しい思い、しなくていいの」  
頭を撫でてくれる。うれしい、な。  
「ここにいれば、怖いことなんてないよ。ご主人様が、私たちを幸せにしてくれるの」  
破けたままの服を通り、柔らかな指先がわたしの胸にかかる。ご主人様? ご主人様って、だれ?  
「かわいいおっぱいだね。ちょっと大きくなった?」  
感触を楽しむように撫でる。カレンの唇がわたしを惑わす。  
「ふふ、ちゅっ・・・・・・」  
「ひゃぅっ・・・・・・」  
その唇に、わたしの胸が吸われる。カレンの口腔で、舐められ吸われ、弄ばれる。  
ぼんやりとする。カレンの頭を抱きしめて、じっとりとした幸福に浸る。ああ、今わたし、顔赤いだろうなぁ。  
持て余していたカレンの右手がわたしのスカートに伸びてくる。ジッパーを外す。  
促されたと感じて、腰を上げてみた。するりとスカートが抜ける。  
白魚のような手のひらがショーツに潜り込んでくる。そこに走る亀裂を、つうとなぜる。  
「んっ」  
「おっぱいは大きくなっても、ここはまだ子供のままだね。いいんだよ、それで。  
 すべすべの肌、きもちいい」  
なんどか亀裂を行き来した後、ついにクレバスを割り広げられる。中指が熱を持ったわたしの本性に押しつけられた。  
あれ、わたしってなんのためにここにきたんだっけ?  
「リアちゃん、キス、しよ?」  
「んっ、ちゅ・・・・・・」  
ふと浮かんだ疑問は、カレンの口づけで吹き飛んだ。舌と舌が絡み合い、唾液が混ざり、熱い体温を交換しあう。  
わたしの牝を暴こうとする中指が女穴に侵入する。既に水気を帯びたわたし自身は、すんなりとカレンを歓迎した。  
そのまま、中指が根本まで入ってきた。それにカレンは悲しそうな顔をする。  
「リアちゃん、もう、汚されちゃったんだね」  
「・・・・・・あ」  
いやだ。そんな悲しい顔しないで。捨てないで。見捨てないで。  
「ごめんなさい、カレン、ごめんなさい! 許して、ごめんなさい!」  
 
「・・・・・・」  
なにか言ってよ、怖い、怖いよカレン。  
「ひゃんっ」  
く、と中で指が折り曲がる。カレンはねっとりと笑い、  
「いいんだよ、リアちゃん。怖かったでしょ? もう、大丈夫だよ」  
そう言って、またキスをしてくれた。  
そうして、更に人差し指もぬるりと差し入れられる。2本の指がゆるゆると抜き差しを繰り返す。  
「あっ、あぅ・・・・・・カレン、カレン・・・・・・」  
「きもちいい? それじゃ、もっときもちよくしてあげる」  
狼のように瞳をぎらつかせたカレンは、わたしの浅いところに火をつける。かと思えば、また奥をゆったりとほぐす。  
わたしは犬のように息を荒らげ、与えられる快楽に身を任せる。ぐちゅぐちゅと浅ましい鳴き声が部屋に響く。  
「そろそろ、イキそう?」  
「う、うんっ。わたしっ、もうっ」  
それを聞いたカレンが、なぜか動きを止める。なんで、なんで?  
「準備もできたし、ご主人様にしてもらうんだよ。これでリアちゃんも、ご主人様のペットになれるの」  
「ご、しゅじんさま・・・・・・?」  
ぬるりと透明な糸を引いたショーツがわたしから離されていく。熱い、熱いよ。  
「そう、ご主人様」  
カレンがわたしの上からどく。大きな影が視界に入った。  
その影は、灰色の毛並みをたたえた狼、  
「デ、デスパイア・・・・・・っ」  
ヒュプノスウルフ、その親玉だった。  
「あ、あぁ・・・・・・」  
逃げたい。逃げたい。怖い、怖いよ。身体が動かない。怖い、よ。  
「ふん・・・・・・、どれ」  
「ひゃぁ!?」  
べろりと剥き出しのクレバスが舐められる。身体が震えて、鼓動がときめく。  
「んー、いけそうだな。よくやったな、カレン」  
「えへへ、ありがとうございます、ご主人様。  
 さ、リアちゃん。力を抜いて・・・・・・」  
カレンがわたしの亀裂を広げてみせる。カレンに頭を撫でられる。  
ぐ、と熱い、硬いものが、あたる。  
怖い。怖い。怖い。  
「よっと・・・・・・」  
ぐちゅ、ず!  
熱い。怖い。怖い。  
「やだ、カレン、助けてよ、カレン・・・・・・」  
「リアちゃん、違うよ。今からリアちゃんが助けられるんだよ」  
ぐぐ!  
「あぁ!」  
ぐ・・・・・・ずん!  
熱い。怖い。熱い。  
 
「ご主人様を、感じる?」  
「動くぜ、リア」  
ぐい、ぐい、ぐい。デスパイアが前後に動き始める。  
熱い。熱い。熱い。  
「あ・・・・・・あぁ・・・・・・っ」  
熱くて熱くて、何も考えられない。  
まるで、そこが熔けてしまっているよう。  
「ほれ、だすぞ。なぁにだいじょぶだ。一発受けりゃ天国さ」  
「・・・・・・出す? 何を・・・・・・い、いやぁ! やめてぇ!」  
「おう、気づくのはえーな。カレンといっしょだ、嬉しいだろう!?」  
ぐに。私のおしりとオオカミの股間が密着する。  
そして・・・・・・。  
どぷ! どぷん!  
「ぁ・・・・・・ぁ・・・・・・ぃ、いやぁぁぁぁぁぁっ!」  
あつい、あつい、あつい!  
だめだ、流されちゃだめだ。だめ、ここで流されたら――!  
ドクン。心臓が跳ねた気がした。ドクン。ドクン。  
「くぅ・・・・・・ん・・・・・・だめ、だめぇ、ひゃぁん!?」  
未だ硬さを失わない肉棒が、私の最奥をもう一度たたく。  
ドクン! 心臓が跳ねる。  
ビクン! お腹から、背中を伝ってあたまに電流が走る。  
デスパイアが腰を打ち付ける。そのたびそのたび、白いもやがわたしを覆い尽くす。  
人のセックスと同じ体勢で、獣に身体を犯される。まるで獣に愛されているような感覚。  
恥辱、恐怖感。  
困惑、想い、使命感。  
それよりも尚大きい、この感覚は、この電流は――  
「いやぁ・・・・・・いやっぁ・・・・・・ぁん!」  
「どうだ? きもちいいだろ? これから毎晩、カレンといっしょにしてやるよ!」  
「くぅ・・・・・・はぁっ」  
きもちいい、きもちいい、きもちいい。  
わたしがわたしでなくなる。  
あぁ、これが。これがカレンの幸福。カレンが教えようとしてくれた、至福。  
「おお、もう牝の顔になってんな。そっちの方が似合ってるぜ」  
デスパイアが体位を変えた。獣と獣の、獣背位。  
「あぅ・・・・・・はぁっ」  
充足感。満ち足りいていて、あたまのもやが大きくなる。  
一突き一突きが狂おしく心地よい。獣。牝。わたしは、女じゃなくて牝。  
ただ突くだけの動きに、緩急が加わる。  
「ぁぅっ、くっ、はぁん!」  
ぱん!ぱん!ぱん!  
甘い刺激が脳を灼く。口元をよだれが伝う。  
あぁ、きもちいい。  
 
「どうだ!? お前は牝だ、わかっただろう!? 牝になるのは、気持ちいいだろう!?」  
「あぁん! ひゃうっ、くぅあ! んぁあ!」  
きもちいい。牝になるって、きもちいい。  
これが? そうか、これが。  
「おまえは、こうしてっ! よがっていればいいんだ!」  
デスパイアの声が心を蹂躙する。何も考えられない。  
ぐちゅ!ぐちゅ!ぐちゅ!  
あぁ、わたし、すごくしあわせ。  
「嬉しいだろう!? おまえはずっと! こうしていられるんだ! 言え! 犯されて、嬉しいですと!」  
うれ、しい?  
「はぅ・・・・・・うれ・・・・・・あぁん! しい!」  
「そうだ! いえ!」  
おかされてうれしい。おかされてうれしい。  
「おかされてうれしい・・・・・・おかされてうれしい!」  
「誓え!一生を、俺様に、ご主人様に、捧げますと!」  
「ささげますっ、あぁっ! いっしょぉを、ごしゅじんさまに、ささげます!」  
「そうだ、それでいい! そぅら、ご褒美だ!!」  
「あっあっあぁっ、んあっ、ふぁあん! あぁぁぁぁぁぁぁ!」  
どぴゅ!どぷん!どぷ!  
先ほどよりも大量で、熱く、悦ばしいものが身体を満たす。  
その瞬間、あたまがまっしろになった気がした。  
そして・・・・・・。  
「はぁ・・・・・・うく!?」  
何か大切なものが、奪われていく感覚。  
大事なものが、魔力が、人の矜持が。  
「ぁ・・・・・・あぁ・・・・・・」  
「くくっ、リア、よかったぜ」  
ずるり、熱杭を抜いて私を起きあがらせる。  
私のソコを見やると、ご主人様の精液と、わたしの愛液でどろどろだった。  
「誓いの、口吻だ」  
ご主人様が舌を私の唇につける。  
私は迷いなく、舌を絡ませた――。  
 
 
あれ、わたしってなんのためにここにきたんだっけ?  
まあ、いいや。  
 
 
 
 
銀銃堕落.end  
 
 
 

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