桜の舞う季節、うららかな午後。  
清潔なシーツ、開けられたカーテン。陽光がテラスを金に染める。  
母の子守歌が静かに流れ、父の手のひらが小さな命の頬を撫でた。  
子は揺りかごの中で愛らしい寝息を立てている。  
窓の外からは波がさざめいて、風が一枚、窓際に花を添えた。  
母と父に望まれ生まれた子は、いつか大きな花を咲かせるだろう。  
その花は、新たな命と出会って、また種を残す。  
そうして命は巡っていく。  
母は呼ぶ。願いをかけられたその名前。この世にたったひとつしかないその名前。  
くすぐったそうに、子は笑う。  
少女は大人になり、少年は大人になった。  
新たな少女が砂を踏むのはいつの日か。そう遠くない日に、少女は歩き出すだろう。  
それはきっと、新しい物語。  
 
 
『貫殺天使リア』  
 
 
――滅殺魔法少女ドリアン〜舞い散る純潔の白濁〜――  
女子中学生理子は普通の少女である。勉強もそこそこ、絵もそこそこ、運動もそこそこ。  
しかし、彼女にはだれも知らない『普通じゃない』ものがあったッッ!!  
「うわ〜〜ん、遅刻遅刻〜〜ッ! これじゃ安西先生にまた怒られちゃうよ〜〜!」  
ドン!  
「きゃあ☆ いったぁ〜い! いったいだれ!?」  
「やあ大丈夫かい? 急いでいてぶつかってしまったよ」  
(かっこいい・・・・・・。これって、恋!?)  
「ああ! 急がなきゃ! 遅刻遅刻〜〜〜」  
「あっ、ちょっと待って・・・・・・、道を・・・」  
ダーーーーッ! 理子は話も聞かずに走り去ってしまった・・・。  
〜理子の教室  
理子「ふー、間にあったぁ。まだせんせ生きてないよね?」  
生徒「あー理子ー。今日転校生来るんだってー」  
理子「まぢ!? 男!? 女!?」  
生徒「イケメンだってー」  
理子「やった!」  
がらららら。「うおーい、席に着けー。転校生の紹介だー」  
は! もしかして今朝のあの人・・・・・・っ!  
田子作「は、初めましてなんだな。田島田子作なんだな」  
確かにイケメンだけど、芋くさ〜い  
先生「席は秋田の隣な。」  
田子作「わ、わかったんだな。よろしくおねがいなんだな」  
理子「つーん」  
〜放課後 帰り道  
理子「ふー、かったるかったー。  
私は道を歩いていた。放課後だ。  
幼女「きゃー!」  
誰かの女性の叫び声が聞こえる。まさか淫魔?!  
よし、変身だ!  
そうっ!三宅理子の普通じゃないところとは、彼女は変身少女だったのだッッ!!  
ギュピーン!「変身完了!観察天使、ドリアンッッ!!」  
説明しよう! 観察天使ドリアンとは、三宅理子が魔法少女に変身した姿なのだッッ!  
「まづは敵の姿を確認しないと・・・・・・」  
暗視スコープで路地裏を観察する理子。そこには裸の幼女が触手に服を剥かれていた。  
理子「ゆるせない・・・ッッ!! まずは観察だ!!」  
そうゆうと理子の暗視スコープをぐるぐる回し始める。なんと敵の内蔵が見えるではないか!  
「弱点はここね!」  
理子は暗視スコープを武器のドリルに変えた。ぎゅいいいいいいいんと歯が唸る。  
「もらったああぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」  
ぎゅぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっぃぃいぃぃぃん!  
「あれ!?」  
ばしん!「きゃあ!」  
なんと触手の壁が思ったよりも厚くてはじき飛ばされてしまった!  
「いったぁーい。きゃあ!なにすんのよ!?」  
ぐるるるるr!触手がドリアンに巻き付いた!  
「うひぃぃぃ!!」  
なんと触手のねとねとでドリアンの服が溶けていくのだ!  
「ぐへへへへ・・・・・・なんだこのもっこりはぁ?」  
「触手がしゃべった!!」  
「おいおい、魔法少女様にかわいらしいチンコがついてやがるぜぇ!」  
「きゃーなにあれー、きもちわるーい」  
「いやーーーーーーーー!!」  
「おえぇええええ」  
「みないで、みないでぇ!!」  
そう、魔法少女ドリアンは変身するともともとクリのあった場所からチンコが生えてくるのだッッ!!  
「こすってやるぞぉ」  
「いひぃいん、だめぇ!感じちゃうのぉ!」  
「そのどろどろのおまんこにもぶっさしてやる!」  
「らめぇぇぇぇぇぇ」  
 
触手ガチンコを扱き、おまんこにも触手が入った!  
「あぁん! おちんちんしこしこしちゃらめぇ! おマンコもずぼずぼしたらとんじゃうのぉ!  
 ああん! らめ、いぐっ、イクッゥウゥゥゥゥゥゥ!!」  
どぴゅどぢゅ!  
「あっはあぁぁぁぁぁん! おちんぽみるくでてるのぉ!まっしろな精子が女の子の身体からでていくの!  
 女の子なのに射精しちゃってどぴゅどぴゅしてるのお! またイクぅ!」  
「あ”ーーーーーーーっ! おマンコもイク!おマンコずぼずぼ射精しながらイクのぉ!  
 イグッ! らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」  
「あぁん!まだイッてるのにらめぇ!同時にイクッ! おマンコおチンポ同時にイッちゃう!  
 っおほぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!いぐうぅぅいぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう!!!」  
「ぐへへへへ・・・・・・魔法少女がきたねえもんだ・・・・・・」  
はっ!私は負けちゃいけないんだッ!  
復活ッ!ドリアン復活ッ!  
「私は負けない!必殺!キャンディブレイカァァァァァァァァッッ!!」  
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!」  
ドゴオオオオオオオオン!!  
今日も敵を倒した・・・・・・。理子は下半身の痛みとクリの痺れを感じながら家に帰る。  
がんばれ魔法少女ドリアンッ!負けるな魔法少女ドリアンッ!  
 
〜Fin〜  
 
 
――津南の友達、木崎の家  
「・・・・・・なにこれ」  
「魔法少女ドリアンwwww俺が作ったwwww」  
何と言えばいいのか。いやはや。突然呼び出されたと思ったらこれだよ。  
「なにか言いたいことがあったら言ってくれッッ!」  
いっぱいあるけど、なにも言いたくありません。  
「それよりゲームしようぜゲーム。俺はテレビゲームやりにきたんだよ」  
「えー。しゃーないでござるなぁ。なにする?」  
こいつの家は最新ゲームがたくさんある。据え置き機どころか携帯ゲームさえ持ってない身としては、寄生できるのはありがたい。  
「ああこれなんてどうナリ? このまえ出たデカっとクリーチャー。縮めてデカクリ」  
「もはや原型ないし、苦情もつけらんねえな・・・・・・」  
ていうか口調を統一しろ。  
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
 
 
「うおぉぉぉ! ドンダコスつえぇ!」  
「早く火炎瓶投げるでコポォ!」  
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
 
 
夕暮れ、カラスの帰る時間。  
さすがに長居はまずいので、そろそろお暇。  
「そんじゃあまた・・・・・・、徹夜、いっちゃう?」  
「やっちゃう?」  
こいつとは小学生からのつきあい。ずっとこんな感じである。  
そうそう、これも言わなくては。  
「ああそうだ、俺、今年は二年参りいけねえわ」  
「でゅふう? なんで・・・・・・、ってまさかッ!」  
そのまさか。  
「じゃあなー」  
「こら待て! 幸せ満喫してんじゃねえぞこらぁ! リア充になってんじゃねえ!」  
なんかすごい剣幕で怒ってる・・・・・・ふりをしている。目が笑ってるぜ。  
なんだかんだ祝福してくれてるかと思うと、心が温かくなる。  
人ではないけれど。  
俺は、人ではないけれど。  
それでも、嬉しい。気遣いが心遣いが、友情が親情が、嬉しい。  
大きな太陽を背にして手を振り、またあいつも手を振り返す。夕日と子どもたちの笑い声、変わらない合い言葉。  
「んじゃ、また!」  
そろそろ、月が出てくる頃だ。  
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
 
 
――リアの町、商店街  
遅いなあ。やっぱりこの時間にメールしたのは無理があったかな?  
一日を照らした太陽が傾き、その身を月へと変えようとする時間。  
商店街に用もないのに立ちぼうけである。不審者極まりない。  
「うーん・・・・・・。10分で着くって言ってるけど・・・・・・」  
さすがに無理だろう。てかもうすぐ15分。  
「んー・・・・・・」  
「わっ!」  
「わひゃあ!?」  
後ろから声をかけられて、体が硬直する。振り返ると、アキラさんとメグミさんが笑っていた。  
「どーしたんだよ、こんな時間に。買い物か?」  
「こんな所にひとりでいちゃ、危ないわよ?」  
アキラさんとメグミさん。この町を守る天使のふたり。及ばずながら、私も天使。  
「で、どーしたんだ? 買い物袋もぶら下げずに」  
「あっ、えーっと、その、待ち合わせというか・・・・・・」  
その答えを聞いたメグミさんが、瞳を煌めかせる。  
「ははーん、イブにできちゃったカレシのことね? あらあら、お熱いこと」  
「なぬ! リアちゃん、ホントか!」  
「あはは・・・・・・」  
大当たり。目ざといなあ。  
「そう言えばふたりとも、カレシじゃなくても気になる人とかいないんですか?」  
このふたりなら引く手あまただろうに。運転以外は秀才麗女のメグミさん、ケーキの香りのアキラさん。ぷぷっ。  
「カレシ、ねえ・・・・・・」  
「そんなのを求めていた時代が、アタシにもありました・・・・・・」  
あ、遠い目。  
・・・・・・。  
なに、この沈黙。ていうか、去年のイブの日から感じるふたりの間の微妙な感じ。  
気になる人って単語にもちょっと反応したし、このふたり、なんとなく怪しい。  
そういえば・・・・・・、  
――『メグミさんの理想の人って、どんな感じですか?』  
  『そうね・・・・・・、とりあえず、元気のある人かな?』  
とか言ってたし、  
――『アキラさんの好みってどんな人ですかー?』  
  『あー、なんだ、アタシの全てを、こう、包み込んでくれる人?』  
とかも言ってたな。  
・・・・・・おお、まさか。  
 
相変わらずアキラさんは少女趣味だったけど、なんというか既にアタリのついてた感じだったな・・・・・・。  
まさかまさか。  
「ところでおふたり、イブとクリスマスはどう過ごしたんですか? ふたりっきりでラブラブ?」  
「んあ!? ええっと、その、な!?」  
「普通に、普通に家にいたわよ!?」  
嘘つけ。こっちは遊園地に遊びに行ったって情報を持ってるんだ。ありがとう店長さん。  
ふむ、ますます怪しい。これは調査の必要があるな・・・・・・。  
コイバナコイバナ。乙女乙女。  
「ところでアキラさん・・・・・・」  
『おーい、リアー!』  
「!」  
小走りで駆けてくる男の子。沈む夕日をバックにして、黒い影になっている。  
「ケンジ! おそいよぉ!」  
「いやー、さすがに10分は無理があったぜ・・・・・・」  
息を切らして笑う彼。イブに告白され、恋人になった彼。  
「ひとりで待ってたのか? 悪いな・・・・・・」  
「いや、メグミさんたちと・・・・・・、あれ?」  
ふたりの姿がどこにもない。空気読みやがった。  
「? どした?」  
「いや、何でも・・・・・・」  
よけいなことを。いやよけいじゃないけど。  
「ああ、で、どうしたんだ? なんの用事?」  
「・・・・・・えっとね、ちょっと、ついてきて」  
「ん? どこに?」  
「海」  
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
 
 
ねえ、もう春だね。  
そうだな。  
新しいクラス、楽しみだなあ。  
千崎さんと瀧上さん、いっしょのクラスになれるといいな。  
えへへっ、もちろんケンジもだよ?  
・・・・・・ありがと。  
あー、照れてる照れてる。  
うっせ。  
・・・・・・。  
・・・・・・。  
・・・・・・。  
大丈夫。俺が、いるから。カレンちゃんの代わりにはなれないけど、俺がいるから。  
・・・・・・、いつか、戻ってきてくれるよね。  
ああ、大丈夫だ。  
・・・・・・てへへ、お母さん、だってさ。  
まあ、ぴったりじゃないの? 微妙にそんな雰囲気はある。  
こっ、この歳で!?  
老けてるって意味じゃねえぞ!? ただその、なんというか、お母さんといえるなにかが・・・・・・。  
・・・・・・もしかして、マザコン?  
・・・・・・いやいや。  
っごめん。  
ん、気にしてない。  
・・・・・・。  
・・・・・・。  
・・・・・・。  
・・・・・・。  
・・・・・・あっ、お月さま!  
・・・・・・ほぁー、きれいに見えるもんだなあ。  
月あかりだけで、こんなに明るくなるんだね。  
そうだな。  
海もきれいに見える! すごい!  
・・・・・・なぁ、リア。フィリア。  
ん? なーに?  
目を、閉じてくれ。  
・・・・・・ん。  
・・・・・・。  
・・・・・・。  
・・・・・・。  
・・・・・・はじめて、でした。  
・・・・・・俺も。  
なんか、恥ずかしいね。  
初だなあ。  
そういう君だって、顔真っ赤だぞっ?  
なにおうっ。  
あはははっ。  
ふんっ。  
・・・・・・ねえ見て、あれ。  
 
 
――・・・・・・  
 
 
まだ肌寒さの残る海岸。白砂にくぼみをつけたふたりは歩みを止める。  
言葉はなく、ただぼんやりと。夕日は沈み、金色に輝く月の影が波を照らしていた。  
止まることなく姿を変え続ける波は、まるで人の心を写すかのよう。  
ふわり。薄桃色の可憐が一枚、そよ風にのって少女の瞳に飛び込んだ。  
桜だ。もう、咲いてるんだね。  
ああ、そろそろだったっけ。  
短い会話が終わる。浜の端、桜の木が2本。  
ふわり、ふわり。風にのって花弁が舞う。木を覆い尽くすほどでもない、蕾の残った桜の木。  
大地にしっかりと根を張り、力強く自分を示す。きれい、との言葉も出ずにふたりは心を奪われる。  
そういえば、この頃は夜の散歩に出かけていない。少年の中に暖かな疑問がふと浮かぶ。  
ふわり。桜が一枚、波にゆれる。  
月の出ている夜。  
海は静かに潮騒を立てて。  
大地に根付いた桜はその恵みをいっぱいに受け咲き誇り。  
一匹の魚が、月面に跳ねた。  
それを見たふたりは、手を繋いで歩き出す。  
ふたりの歩みは白砂に残る。  
まっすぐ伸びたそれは、未来へと繋がる足跡。  
いつの日か、彼らは新たな命を紡ぐだろう。  
それはきっと、遠くない未来。  
 
 
 
貫殺天使リア the end.  
 
 

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