忘れ去られた風習の一つに重陽の節句がある。  
九月九日、最大の奇数が二つ重なる日。  
秋の実りに感謝する日だ。  
そしてそれはユキの14歳の誕生日でもあった。  
涙をこらえた母親が、手ずから着付けてくれた花嫁衣裳を纏ったユキは  
村の長老に手を引かれ、震えながら朱丹の鳥居をくぐった。  
この日、ユキは神の娵となる。  
 
―――雨が降らない…  
 
―――米が実らない…  
 
―――獣すら獲れない…  
 
実りに感謝し、供物を捧げる―――  
忘れ去られた風習が復活したのはこの暑さと、日照りで雨が降らず  
森の実りや獣すら獲れず、村人達が飢え死にを目前にした為だった。  
人買いに売られずに匿われていた、山に住む狩人の娘、ユキは  
山神の娵として、生け贄に選ばれたのだ。  
 
日照り続きだと言うのに、瑞々しく色鮮やかな菊の咲き乱れる  
小さな神社の敷地に敷かれた飛び石を渡り、障子戸の前で立ち止まる。  
長老はユキの手を離すと額づき  
「花嫁をお連れ致しました。ど、どうか村に実りをお与え下され」  
そう呟くと、ユキをおいて逃げるように鳥居をくぐって帰り去った。  
独り取り残されたユキは震えながら神殿を見つめた。  
『怖い、怖いよ。おとう、おっかあ…』  
白い肌を更に白くさせ、恐怖のあまり凍り付いたように動けないユキ。  
 
『たしかにはなよめをうけとった』  
「ひいっ」  
男とも女ともつかない声が響き渡り、障子戸が開くとしゅるしゅると  
伸びてきた何かに絡め捕られ、ユキは神殿の中へと引き摺り込まれた。  
 
恐怖のあまり声も出せないユキ。  
神殿の中は暗闇であった。  
ユキの体に絡み付いた何かは音を立てながら、花嫁衣裳の上を  
這い回っている。  
ようやく闇に慣れたユキの眼に映ったのは巨大な翠の勾玉。  
そして―――  
「お花…?」  
勾玉の直ぐ下に幾枚もの花弁が重なった、見た事もないような  
大きな華が甘い薫りを放っていた。  
ユキの体を絡める何かは、その華から伸びた蔦のようなものだった。  
『としわかくうつくしいむすめよ。わがいちぞくはんえいのにえとなれ』  
再び声がした。  
「え…っ」  
それと同時に華から数えきれぬ程の蔦がユキに向かって伸びる。  
「いやあっ!たすけてっあぐっ」  
太い蔦が悲鳴を上げるユキの口を塞ぐ。  
蔦はそれぞれが自在に動き、ユキの花嫁衣裳をほどいていく。  
あるものは袂から、あるものは襟口から、ユキの体に触れるべく  
ざわりざわりと蠢く。  
『いやいやいや。怖い。怖いよ。助けてっ誰か』  
口を塞がれ、涙をこぼしながらユキは必死でもがく。  
せめてもの抵抗と、口中の蔦に思い切り噛みつくと、口の中に  
蜜のように甘い粘液がどっと溢れだした。  
『甘い…』  
予想外の甘さに一瞬抵抗を弱めたユキ。蔦はするするとユキの口から  
抜け出る。すると  
「んう…」  
ユキの体にじわり、と汗が吹き出した。  
体が火照り、着せられていた花嫁衣裳が鬱陶しく感じる。  
鼻腔を刺激する甘い薫りが、更に火照りを助長するかのようだ。  
「…あぁ…」  
自分の吐息までが甘い。  
あれだけ恐怖を感じた体を這い回る蔦が今では  
「気持ち良い…」  
性を知らずに山奥で慎ましく生きてきた少女が頬を染め  
蔦の与える快楽に酔い始めていた。  
蔦は衣裳、襦袢を剥ぎ取り、その裸身の上を巧みに蠢く。  
「くぅん」  
蔦は薄桃色の小さな先端を捕える。  
膨らみかけた乳房を捏ね回しながら乳首をしごく。  
「あっいやあ…。こすっちゃいやぁ…」  
敏感になった乳首は、小さいながらもぴんと尖り、蔦の愛撫に  
応えて赤く色付く。  
「こんな…こんなのって…あふうっ」  
自然と声が漏れる。  
「あっちくびぃ…んっ」  
羞恥に肌を染めながらも次第にユキの体は快楽に目覚めていく。  
蔦からは甘い粘液が吹き出しぬらぬらとユキの体を濡らす。  
「どおしてこんなっ…ああっちくび吸われてるっ」  
蔦の先端が割れると、尖り切った乳首にぱくりと食いつく。  
割れた蔦の中には細かい絨毛がみっしりと生えそれが更に乳首をこすり立てる。  
「ひいっあひっ」  
男の手も知らぬ両乳首を化け物染みた蔦に吸われ、擦られ  
ユキは感極まった声を上げる。まだ触れられていない筈の足の間から  
透明な蜜が湧き出し太ももを伝って流れる。  
 
「はっ、ぅうんっ、あっ」  
小石の様に固く尖った乳首を吸われユキは夢中で喘ぐ。  
「あっあふっ、あっ?!」  
体の奥からとろとろと何かが溢れ甘い声が漏れる。  
 
「ちくびっちくびおかしくなるぅっ」  
それが極みとも判らず、少女は乳首を擦り立てられ吸われ達してしまう。  
「ひあああっ」  
背筋が反り、触手にくわえられた乳首を突き出す。  
「ふあ…はぁ、はぁ…」  
くたりと力が抜けた体。  
しかし凌辱はこれからであった。  
滑る触手はするりと伸び、ユキの両脚に絡み付く。  
「ゆ、ゆるして…」  
呟くユキの声など聞こえないかの様に、ガッチリと絡んだ触手は  
幼女に小用をさせるかの様に大きく両足を割り開いた。  
「きゃあっ」  
力が抜けたとは言え、これほどの辱しめは、少女には耐えられない。  
悲鳴を上げるユキ。  
しかし体は全く動かない。もがくユキの秘処に触手が殺到する。  
「ひいっ、いやあああっ!」  
甘い粘液と乳首責めで潤っているとは言え、誰も触れた事のない  
処女地を滅茶苦茶に触手でなぶられ、ユキは恐怖する。  
「誰かっ、誰かたすけて…っ、いやあっ!ひいっ」  
何よりユキの心を恐怖に陥れるのは、体の奥で燠火の様に燻る  
甘い性感だった。  
触手によって目覚めさせられつつあるそれは、ユキを確実に変えていく。  
「あっ…んんっ」  
人の指ほどの触手が、ユキの濡れた花弁をやわやわと撫で摩る。  
細かい毛の様な襞にびっしりと覆われた触手が蜜の溢れる壺口を  
撫で上げる。そして、処女の秘処の頂点にある小さな桃色の肉芽に  
細い触手が絡み付いた。  
「んひいいぃっ」  
ユキの体が跳ね上がる。  
「そこ…はあっ?!」  
自らも知らぬ女の泣き所を責められ、ユキは甲走った声を上げる。  
「ぉはあっ!やめてっ!ひいっ!」  
ぷっくりと膨れ、コリコリにしこった肉芽を捏ねられユキは叫ぶ。  
蜜壺からはぷしゃぷしゃと蜜が溢れ、涙の溜まった目尻が下がる。  
そして、ぱっくりと開いた花弁に何かが押し当てられた。  
「ひっ!」  
快感に酔いしれたユキの顔が一瞬で恐怖に歪む。  
知識のないユキにも分かる。  
それは男性器によく似ていながら、悪夢の様な姿であった。  
男の腕以上もある太さ、長さ。  
ぶっくりと膨れた亀頭の様な先端には半透明のイボがびっしり並び  
しかもそれがびくり、びくりと蠢いている。  
竿には細い絨毛が生え、その絨毛の間を何かが動く。  
それが濡れそぼったユキの秘処を刺し貫いた。  
 
―――ずちゅんっ!!  
 
「ぎゃあああっ!!!」  
ユキは絶叫した。  
 
蜜壺からは蜜の混じった破爪の血が溢れ、男根触手を伝い落ちる。  
「いだいっ!いだいよぉおっ、たしゅけれっ、ぬいてへぇっ」  
華奢な少女の体を凶悪な触手が蹂躙する。  
「かっ、かはっ」  
息も絶え絶えのユキ。  
しかしその様子が次第に変化してゆく。  
「は…っ、かっ、あぁ…」  
激痛は徐々に治まり、変わって何とも言えないむず痒さの様な  
不思議な感覚が蜜壺を支配してゆく。  
「んんっ、なにこれ…、ああっ」  
ユキの頬が紅潮し、声が甘く乱れる。  
「痛いのにぃ…痛かったのにぃ…。ふあ…あん…」  
あれほどの激痛が嘘のようだ。  
心臓が早鐘の様に打ち、目の前が白くなる。  
触手からは女芯を狂わす粘液が常に分泌されているのだ。  
まだ幼い少女であろうが、粘膜に直接擦り付けられ狂わずにはいられぬ。  
男根触手が抽送を繰り返す度に、ぐちゅん、ぐちゅん、と淫らな  
音が響き、壊れてしまったかの様に蜜が吹き出す。  
 
腫れ上がった肉芽と乳首、捲れ上がった花弁。  
どこもかしこも紅く染まり、自らの蜜と汗、触手の粘液で滑っている。  
「あっ、あっ、あっ」  
熱い。  
体の芯が蕩ける。  
開いたままの口から涎がこぼれ、腰が自分の意思とは無関係に  
かくかくと動く。  
男根触手を受け入れ、ベロリと捲れた秘処は、蜜で白く泡立つ。  
もはや逃れようもなく、ユキは絶頂に達そうとしていた。  
「ぉはあっ、ぁっあっあっ」  
それを察したものか、男根触手の亀頭が倍程も膨れ上がる。  
しかし…  
『としわかきむすめよ。じゅんびはととのった』  
薄れかけた理性が一瞬で引き戻される冷ややかな声。  
『おまえはこをはらむ』  
 
「ひっ!」  
ユキは恐怖した。  
こんな、おぞましい姿形の化物の子を孕むと言うのか。  
「い、いや…」  
だが、蜜壺は解れ、熱い蜜を滴らせながら男根触手をくわえ込んでいる。  
 
『わたしのたねがおまえのなかにやどる』  
巨大な触手がずぶずぶと蜜壺を犯し、子宮の入り口をぴたりとふさぐ。  
その侵略のような行為すら今のユキには快楽であった。  
「なかでっ、ながでおおきくなっでる…っあああっ!」  
―――そして  
触手が爆発した。  
 
「ひぎゃああああっ!」  
―――ブシャアアア!!!  
ユキの中に白濁した液体がぶちまけられ、収まりきれない液が  
蜜壺から噴出する。  
―――びゅるるるっ!  
「出てるぅうっ!ひゃああっ!」  
亀頭にびっしり生えたイボの一つ一つが子種である事をユキが知ろう  
筈もない。  
 
「いやああっ!孕む!孕みたくないいっ!あああっ」  
腰を振りたくり、涙を流しながらユキは絶頂した。  
「ひぎいっ!孕むっ!気持ちよくて孕むっ!ひあああっ!」  
叫びを上げ、遂には白眼を剥いてユキは意識を手放した。  
ただ、男根触手にをくわえ込んだ蜜壺だけが、ひくりひくりと震え  
蜜と子種を垂れ流し続けた。  
 
 
 
 
美しい少女がふらふらと歩いていた。  
美しくも異様な風体の少女。  
少女は全裸であった。  
静脈が透けて見える程に白い肌。艶やかな黒髪。  
まるで夢心地の様な表情。  
潤んだ瞳。  
唇の端からは涎が零れ糸を引いて乳房に垂れている。  
華奢な体とは不釣り合いな程に大きな乳房。  
その先端は硬く尖り、白い液体が漏れていた。  
そして、何より異様なのは膨れ上がった腹である。  
臨月を越えたかと思われる程に大きな腹からは、今にも生まれそうである。  
 
―――何が?  
 
少女は三ヶ月前までユキと呼ばれた利発な狩人の娘であった。  
それが今は壊れかけた様で枯れ草の生える道をふらふらと歩いている。  
「はあん…」  
ユキはペタリと地面に座り込んだ。  
「あはあ…」  
そして痴れた顔つきで自慰を始めた。  
「ああんっきもちいい…乳首こねるときもちいいよぉ…」  
左手でせわしなく乳首をいじり、右手は肉芽をはじく。  
「ひあっ、おまめいいっここすきぃっ」  
肉芽を弾きながら激しく蜜壺に指を挿入する。  
「ああっまたやっちゃうぅっ!何回もっ」  
そこは、あれから何度犯されたのか、開ききっており、襞が伸びて  
少女とは思えぬ乱れようであった。  
「はぁっはあぁっ!あああっ」  
びくん!と背筋が反り返った。  
「ひあああああ…」  
迎える絶頂。しかし―――  
誰が通るとも知れない道で足を広げ自らの秘処を弄くり回す、  
惚けた少女の顔が、突然強張った。  
「うまれる…」  
そして思い出す。  
神と言う名の化け物に犯され、孕まされた事を。  
ごそり、と少女の腹が動いた。  
 
「いぎいぃっ」  
少女が悲鳴を上げる。  
少女の胎内に巣食う何かが、出口を目指して殺到したのだ。  
「ひはっ!はっ、はあっ!」  
ユキはがばっと足を開いた。  
「あああっくるっ」  
自慰の名残で蕩けていた表情に恐怖が宿り、化物の子を産む絶望が蘇る。  
「いやっ!助けて!産みたくない!産みたくないの!」  
ボロボロと泣きながらも、蜜壺からは蜜が溢れ出す。  
「産みたくないッ!ばけものの子なんか産みたくないっ!」  
出産の準備を整えるため、少女の胎内のソレは女をよがり狂わせる  
粘液を大量に分泌しはじめた。  
「いやあっ?!あひひいっ!」  
それだけでユキは絶頂に達してしまう。  
ぷしゃあっと蜜を吹き出し、腰を振っていきんでしまう。  
「おああっ!いいっ!いいっ!産むっ!産んじゃうぅ!」  
子宮口を推し開き産道を通り抜けて、蜜壺を犯しながらそれが降りてくる。  
「ぎいいいいっ!!」  
ユキは絶叫した。  
恥骨をきしませ、それが産まれた。  
―――びしゃあああっ!  
同時に乳首から白い母乳が溢れる。  
「あああああああ…っ」  
 
それはあの日ユキを犯した触手と大きさ以外は変わらぬ姿をしていた。  
粘液を滴らせた緑色の触手の塊。  
人間でいえば、頭部にあたる場所に花弁のような赤色の鰭がある。  
「ばけもののこがでた…」  
その姿を見た刹那、ユキの理性の箍は外れた。  
 
出産で緩み切った尿道からちょろちょろと尿がこぼれ、蜜と混ざって  
太股を濡らす。それすらユキには心地よい。  
「はあああっ!」  
再び少女の体が跳ね上がった。  
孕んだのは一匹だけではないのだ。  
「うまれるっ!またうまれるぅっ!」  
少女の瞳はすでに輝きを失っていた。  
「おはあっ!またきもちよくして!おまんここすりながらうまれてぇ!」  
ユキは自ら乳首と肉芽ををこねくり回し、犬の様に腰を振りながら  
化物の子が産まれる快楽に酔いしれる。  
盛大に蜜を吹きながら、二匹目が産まれた。  
一匹目は母親となったユキの乳首に吸い付き、母乳を貪りながら  
男根触手を膨らませ、父と同様にユキを犯した。  
「いひいいいっ!きたあ!ばけものちんぽきたぁ!」  
びろびろにひろがった肉襞に我が子の男根を受け入れ奇声を上げる。  
「おおおっ!またっ!うまれるっ!ばけものちんぽにおかされながら  
ばけものうんじゃうぅ!」  
一匹目が男根触手を引き抜くと、ずるぅうっと三匹目が引きずり出された。  
「ぎひいいいっ!ごわれるぅ!まんここわれそうなのにいいっ!」  
もはや広がり切って壊れている蜜壺。  
しかしそれすらユキには分からぬ。  
次々と産まれる触手の化物逹。  
産まれた化物逹は父に習って母親を犯そうとユキに群がる。  
蜜壺に入れ損なったものは肛門や口に子種をぶちまける。  
「ああっ!いいっ!ひあっ!おおおっ」  
子種でドロドロになったユキはただ喘ぐ。  
化物の粘液浸けになったユキにとってはすべてが喜びだ。  
絶望的な快楽の中で、ユキはひたすら産み続ける。  
「もっと…。もっとおかして…。ばけものうませてぇ…」  
 
 
 
かつて荒野だったそこには暗く深い森となり、紅い華が咲き乱れていた。  
触手は根となり、頭部は葉や華となり、緑の森となり広がる。  
そして深い深い闇の底で、壊れ狂った少女は犯され続ける。  
山神の娵として、緑を育む為に。  
 

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