「トリックオアトリート」  
「ふえ?」  
突然目の前に『ちょうだい』と言うように手を出した彼に、私はつい間抜けな声を出してしまった。  
「急にどうしたのジャック?」  
「今日はハロウィンだろ。だから」  
「え……でも私お菓子持ってないよ……」  
「そっか。じゃあイタズラさせてもらうわ」  
「きゃああああっ!?」  
言うが早いかジャックは私をドンっと突き飛ばし、その場で組み敷いた。  
両手首を押さえつける彼の力が強くて、地面と挟まれて痛い。  
「やっ……何するのジャックやめて!」  
「何って、イタズラだけど?」  
じたばたと暴れる私を気にも止めず、ジャックは私の服を脱がしにかかった。  
帯を解かれてしまえば緩んだ衣服は簡単に捲られ、裾から侵入した腕が簡単に乳房に到達する。  
「あっ……やぅ……!」  
首筋に吸い付かれてむず痒い快感が体を走る。  
思わず零した嬌声に満足したのか、彼は攻める手を更に敏感な場所へと進めてきた。  
「何でっ……何でこんな事するのよジャックぅ……っ」  
「そうだな……ウィンが可愛いから?」  
「は……?」  
思いもしない返答に、私は再び気の抜けた声を出してしまった。  
「お菓子食べさせてくれないし、代わりにウィンを食べる事にするわ」  
「ちょ、待っ……やだやだやだあああああっ!!」  
抵抗したものの結局最後まで――というか、彼の気が済むまで何度もされてしまった。  
こんな形で結ばれたくなかったので、来年は私の方からイタズラしてやろうと思う。  
 
 
 

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