雨…雨が降っている  
私は図書室の窓の外を、ぼんやりと眺めていた  
最近、雨の日になると、ある事がしたくて堪らなくなる  
もう、夕方  
そろそろ頃合だ  
もう生徒もほとんど残っていないだろう  
ここは誰もいない図書室、私だけの空間  
一人きりのストリップの始まり  
ベストを脱ぎ、ブラウスのボタンをはずしていく  
ブラウスを脱ぐと、普段隠された肌が露になる  
ブラジャーは質素なもの、飾り気の無い私にはお似合い  
前屈みになり、ブラのホックをはずす  
右手で肩紐をつかみ、手を下ろす、左胸が露になる  
左手でも肩紐をつかみ、手を下ろす、両胸が露になった  
私の胸は、大きくも無く、小さくも無い  
乳首はもう立っている  
私は背中を反って胸を突き出し、中指で乳首に触れる  
中指だけで乳首をコリコリする、もどかしい感じがして好き  
でも、ダメ  
今は家に帰らなくちゃいけない  
私は乳首から指を離し、ドアの前に行く  
今の私は上半身裸、誰かに見つかったら大変  
私はドアを開けて、わざと身を乗り出して誰もいないか確認する  
もし誰かが居たら、もしもその人がこちらを見ていたら  
そんな事ばかり考えてしまう、そんな事ばかり想像してしまう  
やっぱり誰もいない、誰もいないことは音がしないから分かってた  
廊下に出る、上は裸、下はスカート  
誰もいない廊下に、スカートだけの私  
この非日常的な感じに、私はゾクゾクしてしまう  
もし、見つかったらどうなるんだろう、捕まっていろいろされちゃうかも  
私はスカートの中のショーツに手を掛ける  
そのままショーツを下ろし、右足を少し上げて引き抜く  
私は今、ほとんど自分の足しか見えない、視界が狭いとドキドキする  
もし誰かがどこかの部屋から出てきても、すぐには隠れられないかも  
今度は左足、これで私の身に着けてるものはスカートだけになった  
私は目を閉じ耳を澄ます、雨の音しか聞こえない  
スカートも脱いだら、正真正銘の裸  
でも脱がない、全裸ってあんまり好きじゃない  
私は図書室の中に戻って、下着を鞄に入れる  
ブラウスを着て、ベストと鞄を手に持って昇降口へ  
鞄の中には折り畳み傘がある、でも使わない  
今着ているブラウスは、水に濡れるとよく透ける  
ベストを着ずに雨の中を歩く生徒はいないだろう、私以外は  
私は下駄箱で靴を履き、雨の中歩き出す  
雨はそれほど強くない、この分だと家に着く前に止むかも知れない  
雨に濡れたブラウスが透けてる  
今、誰かに会ったら、その人は絶対胸を見る  
男の人はいやらしく、女の人は蔑むように  
その場面を想像するだけで、私の体は熱くなる  
スカートが濡れて腰と太股に張り付く  
後ろから見たら、お尻の形がはっきりと分かるだろう  
動きにくいけど、いやらしくて好き  
雨がだいぶ弱くなってる、急がなきゃほんとに誰かに見られるかも  
 
帰り道は住宅街を通る、人も車もほとんど会わない  
でも、時々人とすれ違う、そんなときは相手に背中を向けて携帯をいじくる振りをする  
左腕にベストを掛け、手には鞄を持ち、右手で携帯をいじる  
今、私のお尻はスカートが張り付き、背中にブラのラインは無い  
それでも背中を向ける、前からだけは見られてはダメ  
私の顔も、胸の大きさも、色も、形も、全て見られてしまう  
 
 
後ろの人は見ているのだろうか、私のお尻を  
気づいているのだろうか、ノーブラな事に  
ほんとに見られているかは分からない、気にしてさえいないかも知れない  
それでも妄想の中の人は、私に蔑みの視線を向ける  
形のはっきり分かるお尻を見て、肌色が透けブラの見えない背中を見て  
この女は露出狂だ、と  
妄想の中の私は、大勢の人に囲まれている  
大勢の視線を感じながらも、どこも隠すことができなかった  
体にぴったりと張り付いた、ブラウスもスカートも体を隠す役割を果たしていない  
子供が一人近づいてきて話しかけてくる。ねえ、お姉ちゃん、ここも見せてよ、と  
私は動くことも、声を出すことも出来なくなっていた  
その子は私の前に立ち、スカートを掴んでゆっくり持ち上げた  
まだ、誰にも見せたことの無い部分が露になる  
多分、人より薄い毛も、多分、もう濡れてるアソコも  
大勢の人に見られてる  
それでも私の体は動かない  
私は今、隠すべき場所を何一つ隠していない  
そう思うだけで私の心も体も高ぶっていく  
あはっ、こんなに濡れてる、お姉ちゃんって、すっごく、エッチだね  
その言葉を聞いた時、私の中を何かが駆け上がっていった  
その衝撃に私は我に帰った、帰り道で何を考えているのか  
今日の雨は特別な雨だ、スカートの中までこんなに濡らすんだから  
どのくらい妄想に浸っていたのか、いつの間にか雨は止んでいた  
家まであと少しだけど、もう時間がない  
私は一刻も早く帰るため、走り出す  
普通のサイズでも、ノーブラで走れば結構揺れる  
もしも窓から外を見ている人がいたら、ノーブラなのが分かってしまうかも知れない  
それにここは家の直ぐ側、顔を見られれば私が誰か分かってしまうかも知れない  
私は、右手をおでこの前に出して、顔が少しでも隠れるように走る  
だんだん空が暗くなってきている、早く帰りたい  
あと少し、そこを曲がればもう家だ  
こんなときに限って、家の前で近所のおばさん達が話をしている  
ベストを着れば不自然なところは無い、でもそれはもったいない  
せっかくここまで来たんだから、この格好で帰りたい  
あたりは薄暗くなり、周りの家の照明も強くない  
今なら、大丈夫かも知れない  
私は胸元を隠さずにおばさん達に近付き、こんばんわと挨拶をする  
おばさん達も挨拶を返す、ただそれだけの会話  
たったそれだけの事で、私の心臓は早鐘をうつよう  
胸を見られて、ノーブラに気づかれたかも知れない  
雨が上がったばかりなのに、ベストを着ないで手に持っていた私を変に思ったかも知れない  
かも知れないを確かめる術は無い、それでも構わない  
私は家のドアを開ける、まずはお風呂に入ってさっぱりしよう  
 
次、雨が降ったとき  
私はいままで通りでは、満足できないだろう  
 
 
終わり  
 
 

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