「ふふふ・・・。」
ここは、闇に包まれた場所。
数箇所に立てられた消えかけの蝋燭以外、光が全く存在しない薄暗い密室。
ここは光どころか音すらも外部から入ってこない全ての情報が遮断された世界。
そして、光に照らされた謎の魔方陣と邪悪な悪魔をかたどった13体の彫像
に囲まれ、ひとり不気味にほくそえむ一人の男。
「我が永遠の野望、ついに叶うときがきたようだ。」
全身を漆黒のローブに覆われた黒尽くめの男。
ローブの隙間からたまに覗かせる猛禽類のような鋭い狂気に満ちた瞳。
彼は、一体何者なのだろうか?
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。
じゅげむじゅげむのあぶらかたらぶ〜!我は求め訴えし究極の魔術よ!
今こそ我が野望のためにその持てる力をオープン・ザ・ゲート!」
彼が唱えるおどろおどろしくも馬鹿らしい謎の呪文。
一体これは何の呪文なのだろうか?
そして、彼は最後に大きくこう叫ぶ!
「顔もスタイルも全部僕好みのスーパー萌え萌えぽみゅぽみゅエクセレント
で、何でもかんでも僕の欲望に忠実なメス奴隷ウエルカム〜!」
彼がなんともわがままで贅沢で明らかに自分の身の丈にあっていないような
大それた願いを口にすると、そのとき魔方陣の中心から溢れんばかりの
なんだかとっても凄すぎチック当社従来品比30%増なまばゆい光が
飛び出し、その中心には何やら人らしいものの存在が現れる。
彼は、その存在を確かめるために愛用のUVカット100%のサングラスを
装着してその場所を凝視することにした。
すると目に飛び込んできたのは最近のマニア系月刊漫画誌で大流行中の猫耳メイド服姿のロリ顔巨乳メガネっ娘の姿だった。
彼は、心から湧き上がる大きな感動に思わず、1Mくらい跳び上がって喜ぶ。
「やった〜!実験は大成功みゅ〜〜〜〜!!」
どうやら、彼の野望、それは自分にとって都合のいいメス奴隷をつくることだったようだ。
そのために2ちゃんねるで呪術用の道具や儀式を研究し、時には家一軒半焼させたことも、2ちゃんねらー一人を実験台にして病院送りにした事もあった。
大いなる理想のためには犠牲がつき物。
そして、その甲斐があってついにその野望が叶うときがきた。
彼にとってまさに、感無量だった。そのため目からは涙がぽろりよだれもだらり。
「さ〜あ、子猫ちゃ〜ん♪僕のおもちゃになりましょうね〜♪」
夢が叶い、愛と情熱のパトスがビンビン全開最高潮モードに突入した彼は、
早速目の前の猫耳少女を押し倒すことにしたのだが・・・?
「あれ?なんで僕がそこにいるの・・・?」
目の前の少女の意外な一言により思わず目を点にする彼。
「何を言ってるんだこのメス奴隷は?」
「わわっ、何だ?この柔らかくて大きなもちもちっとしてちょっと魅力的な物体は!?」
もみもみ。
「わ〜お♪巨乳♪僕様好みぴゅ〜♪ふみゅ?スカート、エプロン?メイド服???
なんで僕はこんなものを着ているんでスカポンタン?」
目の前で自分の体を確かめながら狼狽する少女に、かなり混乱している様子の彼。
「まあいい、どっちにしろ押し倒せれば関係ないか♪」
・・・。いや、意外と落ち着いているようだった(汗)。
「アニメ好きなぼくにはたまんないみょ〜〜〜〜〜〜〜っ♪」
そういいながらその10万ボルトほど電波を発している危険な瞳をぎらつかせる
主人公○○○雄。
もはや、彼は電波の単位すらわからないほどの電波を帯びているようだった。
人間、こうなったらおそらくおしまいだろう。
それくらい、彼は病んでいるオカルト&萌え兄オタクであった。
そのころ少女は・・・?
「みゅふ?萌え萌えみょ〜〜〜。こ〜のやけにプリプリらびゅぴー萌えりんちっくな小娘たんは誰だろみゃお〜?」
部屋に飾られている呪術用の鏡に映る自分を見て・・・。
「つ〜か、僕様っ!?ちょべちょべしょっく☆」
驚いているようだった。
その時、そのセリフに妙に過激に反応する○○○雄。
「家畜如きが僕様名乗るなんて生意気っちゅ!許せないっぴょ!」
どうやら、彼は自分のポリシーにこだわるタイプのようだ。
この1人称はダサイが一応彼のポリシーらしい。
「でも、僕っ娘っていうのも僕様的には萌え萌え溜まらんOKみょ〜。」
だが、これもまた彼なりのこだわりだった。
何故なら、彼は心の底からの萌え萌えヲタだったのだから・・・。
「て、わけで・・・。美少女は見たら早速犯して差し上げるのが社交界のマナーみょ〜。
『お前の物は俺のもの』って昔ソクラテスも言ってたみょ〜。
雌奴隷ちゃ〜ん。覚悟はいいかな?ぐふふふふふ・・・。」
「!?」
混乱していた少女だったが、眼の前で不気味に笑う男の姿を見てすぐに我に帰る。
眼の前の男に思わず驚きの声をあげる少女。
「ぎょぎょっ、そういえばっ!お前は一体何者みょ〜?」
すると、男はにひひといやらしく口元を歪め、少女の体をその野獣のような視線で嘗め回し陵辱する。
視姦された少女は生理的嫌悪感を感じたらしく気持ち悪そうに少し後ろに下がる。
まあ、ここで嫌悪感を感じるのは人間として当然のことだろう。
すると、妙に自身に満ち溢れた顔になった彼は、部屋の端っこからもってきた
愛媛直送の完熟ミカンのダンボール箱の上に乗り、自信満々、少女を見下すような
高圧的な視線で高笑いを始める。どうやら、彼は他人に何か言う時には
必ず相手より高いところにいないといられない性質を持っているようだ。
に、してもミカン箱10段はいくらなんでも積みすぎでしょうw。
「がはははは!むひゃひゃひゃひゃ、みゃぎゃぴょぴょぴょ!
僕様はなあ、この世で一番の超絶美形。
日本最強の暗黒裏魔術師でありながらネット小説界のオタク王、そしてアンダーグラウンドの申し子である文武両道才色兼備。
身技体何でも揃った完全無欠のニュータイプ!10年後には世界の支配者になる予定の笑顔が素敵なナイスガイ!
って、うわわわわ〜〜〜〜〜っと!」
自信満々の大演説をしていた彼だが、流石にミカン箱を高く積みすぎたらしく、バランスを崩し
当然・・・。
グラっ。
「うわっち!」
ドカっ!
バラバラバラバラっ!
落ちた。
どうやら彼は今までの文章でわかるかもしれないが相当のオバカさんだった。
あっけにとられる少女。
「落ちた・・・。」
だが、少女は平静さを取り戻して少し考えてみる。
「どういうことみょ。何で眼の前に僕様が・・・!?」
果たして、少女のこの不可思議な発言。これは一体どういうことなのか?
だがその直後、彼が発する衝撃的な発言に、
少女はさらに、もはや正気にかえって来られないのではと言うくらい
の大きなショックを受ける事になってしまう・・・。
「僕様の名前はっっっ○○○みょおっ・・・・・・!?」
なぜなら・・・。
「ズガーン(驚)!それは僕様の名前みょ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
説明しようと思ったが、おっと、もう時間だ。
てわけで、正解は次回お楽しみにってことでさよ〜ならw。