楔と魔法少女達 桑原円BADEND おちたかみなり  
 
第三話の02から派生  
 
02  
   
 桑原を絶頂に導いたオーガーは満足気にしていた。  
 もはや彼女は自分から離れられないだろう、という征服感に溢れている。  
 しかし、ふとオーガーは桑原の唯一の装飾品であるブレスレットに目をつけた。  
何を思ったのかオーガーは桑原のブレスレットを腕力で壊そうとしたのだった。  
「そこまでだ」  
 ふと声が聞こえた。聞き覚えのある声だった。  
「成程、凄まじい魔力だ。それ以上衝撃が加わるとブレスレット内の魔力が大爆発を起こすようだな」  
 オーガーは周囲を見渡したが、声の主は全く見当たらない。  
「だがこの魔力は利用出来る。本来門を開くには余程の量の魔力か能力を使わないとだが――」  
 そう言うと、突如オーガーの足元に黒い穴が開き、オーガーと捕まった桑原が吸い込まれてしまった。  
「これならば、ブレスレットから全てを吸い取れば魔物と魔法少女一人転送するのに事足りる」  
 着いた場所は荒廃とした土地。オーガーはそこに見覚えがあった気がしたが、今は手の中にいる女を完全に堕とすこと以外に考えられなかった。  
 この場所は魔界。最早桑原に救いの手が伸びるのは叶わぬこととなったのだ。  
 
 
03  
 
 未だ絶頂の波から戻れない桑原だが、オーガーはそんなことはお構いなしとばかりに指触手で秘所を撫で上げる。  
 快楽の頂点から戻りそうになっていた桑原に、それは不意打ち以外の何者でもなかった。  
「んっ…はぁああああっ!」  
 達した後の敏感な場所を、オーガーはその図体に似合わずに繊細に撫で続ける。  
「くあぁっ、ひゃんっ…あうっ――むごぉ!もごっ…」  
 残った指触手は口の中や乳首、臍、菊門など、快感に通づるありとあらゆる所を攻め続ける。  
 そして隙あらば舐め上げることで更なる快感を与えようということも忘れなかった。  
「むぐっ、ふごぉ――んんんんんんっ!」  
 ついに口の中に白濁色の液体が放出された。  
 出口のない口の中では、少量は口のほんの少しの隙間から溢れ出し、残りの大量は喉へと嚥下するしか、この液体から逃れる方法はなかった。  
 例えそれが考えうる限り最悪の方法だったとしても。  
「…かはっ、げほっ…く、そ…頭が、もう…」  
 桑原の思考は堕ちかけていた。  
 ただでさえ止まらない疼き、そしてそれをほんの少し和らげてくれる触手の愛撫。  
 彼女が触手を見る目は、下衆な物体を見る目から何かを期待するような濁った目へと変わっていった。  
 しかし、オーガーはまだ秘所だけは愛撫のみで済ませていたのだった。  
 彼は待っていた、もはやそう遠くないであろう彼女が完全に堕ちきる時を――  
 急に秘所を愛撫していた触手が止まった。  
「…な、なんで、止まるんだよ――いや、アタシは何を…」  
 その失言でオーガーの笑みを更に醜いものとなっていった。  
 触手が再び動き出す気配はない。  
 もう桑原にも理解できた。コイツは自分から動いてくれ、挿入てくれと言うのを待っているのだと。  
「ハァ…ハァ…」  
 理解はできても止めることは出来なかった。自分の体はもう八割方堕ちている、快楽を求めている。  
 それに抗う術は既に桑原には無かった。  
「…のむ、頼む…動いてくれ、動いてくれよ、お願いだからぁ」  
 口調は強気でも、言葉には甘い感じが含まれていた。  
 もはや桑原はほどんど堕ちている。しかし、それで満足するオーガーではなかった。  
 オーガーは動かない。確かに聞こえているはずなのに、まるで反応しない。先程までの攻めが嘘のようだった。  
「動いて、動いてよぉ…はぁ、はぁ、我慢…出来ないから」  
 どれだけ懇願しようと、オーガーは動かない。  
 四肢を拘束されている桑原は、止まっている触手で擦り上げることも出来ず、劣情はどんどん溜まっていった。  
 そしてやってきた、雷のおちるときが。  
「――れて、いれてくれっ!もう限界なんだ!お願いだからいれてよぉ!」  
 もはや恥も面子も何もかも捨て去った言葉だった。  
 オーガーの笑みは最高に醜かった。  
 ついに触手が何も受け入れたことのない桑原の秘所を一気に貫いた。  
「はぎぃぃぃぃぃ!いっ、てぇぇぇぇ!」  
 処女の喪失、しかもこんな化物のこんな触手で。  
 しかし桑原に悔しさは無く、あるのは愛しい触手で貫かれた激痛と幸福感だけであった。  
「あぐぅぅぅ…はぐっ、あ…ひうっ、んああっ!」  
 その激痛も、唾液媚薬のお陰ですぐ様消え去り、一気に快感へと変わっていった。  
「はうんっ、ん、はぁっ…いい、すっげえいいよ…触手、気持ちいい!」  
 初夜を迎えた女のような面影は最早無く、今オーガーの触手で貫かれているのはただの情婦にしか見えなかった。  
「はぁっ、ん…あ、アタシの中で、震えてる…もう、出すのか?」  
「ゴアァァァァァ!」  
「ひんっ…あ、激しいっ!出して!アタシの、中に…ふあぁん!…たくさん、たくさん出して、アタシを…精液まみれに、して…!」  
 四肢を拘束している触手を含む十本の触手が膨らんだかと思うと、その十本全てから一斉に精液が飛び出してきた。  
 その精液で、桑原は真っ白にコーティングされる。その顔に苦痛の表情はなく、ただ悦楽のみが支配していた。  
「…うぷっ、はぁ…ああ、またイく!イク!はあああああああぁぁぁ!」  
 そして溺れるような量の精液で、桑原は二度目の絶頂を迎えた。  
 
 
04  
 
「おい、あれ見てみろよ…」  
「AVか何かの公開録画か?」  
「いや…なんなのアレ」  
 夕方の街中。人の量が多いことで有名なとある場所だが、今、その人ごみはまるでモーゼの割った海のように道の中心から裂かれていた。  
 その中心を闊歩するのは二人の人間らしきもの。  
一人はそのファッションをするにはどう考えても遅すぎたと言わんばかりの時代錯誤の侍スタイル。  
もう一人は金髪ポニーテールで穴だらけの黄色い衣装を着た少女だった。  
 少女には首輪が付けられ、四つん這いで歩かされていた。更に注目を浴びていたのは、その腹であった。  
 少女は妊娠していたのだ。少女の腹には新たな生命が宿っている。勿論その生命は人ではなく、忌み嫌う魔物の子。  
「どんな気分だ?妊婦のごとく膨れた腹をぶら下げて人に見られながら犬畜生の如く街を闊歩するのは?」  
 急に侍のような人が話し始めた。  
「…殺す。隙を見せたら真っ先に分割してやる。隙を見せなくても無理矢理殺す」  
 対する少女は少女とは思えない汚らしい口調と鋭い目で侍を睨む。  
 人を殺す視線とはこういうふうなことを言うのだろう。  
「その格好、この状況でそこまで吠えられるなら十分だ」  
 やはり彼女の仕事は完璧だよ、と小さな声で言ったのには、周囲に居る人間は愚か、少女にも聞こえなかった。  
 そんなやり取りなどお構いなしに、周囲の人間は、ある者は携帯電話で写真を取り、ある者は目を逸らし、またある者はムービー撮影まで開始していた。  
「…クソッ、アタシを見るんじゃねえよ…」  
 それは少女のプライドをズタズタにするには十分な行動であった。それでも彼女は鋭い目をやめることはしなかった。  
「さて、『触手群生地』の話では、君の腹の中の魔物はもう十分君の魔力を吸って、最早何時出産することになってもおかしくない、と言っていたな」  
「何だと!おい、今すぐ戻るぞ!」  
 急に少女が慌てだした。その言葉が些細なミスを孕んでいたとも知らずに。  
「おやおや、出産より人に見られるのが嫌なのか。まあ出産は痛みなど無い、ただ快楽だけだと知っているからな、君は。  
随分と淫乱な女になったものだ」  
「!……」  
 少女はしまった、とばかりに口を紡ぐ。このような状況で、冷静さなどあったものではなかった。  
 最も、どちらを選んでも攻め口が変わるものではなかったのだが…。  
「なあに、時が来れば見られてることなど気になるまい。苦痛も恥辱も外聞も面子も何もなく、ただ快楽に狂い悶え喘ぎ堕ちる。  
それが魔物の出産だ。だから遠慮などせずに存分に出すがいい」  
 侍男がそういったすぐ後、少女は急に腹、いや子宮に違和感を感じた。  
「ぐううっ…!」  
「ふむ、始まったか」  
「くっ、あああぁ!ぁん、ふひゃぁぁぁぁ!」  
 少女は悶え始め、四つん這いを維持できなくなり下腹を押さえて道の真中に転がる。  
 少女の下着である黒いスパッツは秘所の部分に穴があいており、そこからは愛液が洪水のように垂れてきていた。  
「うあっ、ひううう!あくっ!動く、なぁ…あひゃぁぁぁぁぁ!」  
 少女の秘所から触手の先っぽのようなものが出たり引っ込んだりしていた。  
 少女の子である触手は、体内から少女を犯しているのだ。  
「あんっ、ひぐぅぅぅっ!こんなのが、気持ちいいなんて…ありえねえ…くひゃぁん!」  
 そしてついに出産の時が来た。  
「くあああっ…嫌だ、出てくる出てきちゃう…ぐぎいいいいいいいいい!」  
 以前に魔物を生んだことで拡張させられていたとはいえ、魔物は少女の魔力を吸って腹の中で出産直前まで、現在進行形でどんどん肥大化していた。  
「ああああああああああっ!」  
 絶叫してはいるがしかし、彼女の痛みはどんどん快楽に変わっていっていた。  
「くああああああああああんっ!全部出る、全部出ちゃう!生まれちゃうぅぅぅぅ!」  
 ちゅぽんという音と共に出てきたのは、蕾のような植物系の魔物だった。  
 
 
05  
 
 よく見るとそれは生まれたばかりなのに人の顔並の大きさであったのだ。  
「この大きさ、成程魔力を十分に吸った魔物だ。成長も早ければ魔力吸収効率も段違いだろう」  
「はぁっ…はぁっ…テメエまさか…」  
 少女と侍男が話しているうちにも、花はまるでVTRの早送りのように花を開き始める。  
 元々蕾だけで茎も根もないという姿も驚く場所なのではあるが、もっとも異常なのはその雄しべや雌しべの部分だった。  
 まず数がおかしかった。明らかに普通の花の雄しべ雌しべの量ではなかった。  
そして触手には、まるで男性器や搾乳機を模したような形を持っていた物もあったのだ。  
「…くっ」  
「おいおい、そんな唾棄するような目で見てやるな。そんな形でもお前の子供なんだ。存分に愛を注いでやるがいい」  
 侍男がそう言うと、完全に開花した花形の魔物が出産直後で息の切れた母親に触手を絡みつけてきた。  
「ううう…離せぇ…」  
 拒絶の言葉は発していても、体が出産のダルさで思うように動かない少女はあっという間に花の触手に宙吊りにされてしまった。  
 そして搾乳機状の触手で両胸を、男性器状で秘所と菊門を、細めの触手で陰核をそれぞれ攻めだした。  
 あっけないほど簡単に宙吊りにされた少女に、それに抗う術などない。  
「あああっ!む、胸が…ふっくぅぅぅぅっ!」  
 出産した後の胸からは勿論母乳が溢れ出し、花はそれをまるで赤ん坊のようにどんどんと吸っている。  
 少女の方も、魔物を生み出した母体だからだろうか、尋常でない量の母乳が吸い出されていた。  
「あぅんっ!し、尻にまで…やめ、はぁあん!」  
 アナルセックスなどと言う言葉は聞いたこともないようなウブな少女だったが、それでも彼女はしっかりと菊門の触手で感じていた。  
「んきゃあああぁぁぁ!アソコが…アソコが壊れるぅぅぅ!」  
 少女の秘所の触手は一般男性の物よりも大きかったが、それでも少女の秘所はそれを二本も受け入れているのだった。  
「あぐうううううっ、駄目だ、イクっ。イクイクイクぅぅぅぅぅ!」  
 少女が絶叫すると、花は急にすべての触手をヒートアップさせ、フィニッシュの段階に入った。  
 そしてついに両方に限界が訪れる。  
「あ、あ、嫌あああああああああぁぁぁぁっ!」  
 少女の長い絶叫と共に、男性器状の触手からは相当な量の白濁液が飛び出し、少女を真っ白にコーティングさせた。  
 そして体を支えている一本の触手を除く全ての触手を少女から離したのだった。  
 それはまるで母を気遣う息子のようにも見えたのだった。  
 
 
06  
 
「ふふっ、素晴らしいな。本能で母を犯すとは随分と優秀な血族のようだ。それに、中出しされたのだ。また魔物の子を妊娠しただろう。  
更にその魔物、どうやら母を気遣って精液の中に魔力を入れて注入したらしいな。実に母思いじゃないか」  
「……長話しやがって、半分も耳に入ってこねえんだよ」  
「ククク、全身を犯されてまだ強気な口を叩くか。やはりお前は最高だよ。…ところで、気づかないのかね?」  
「何がだよ、変態侍…」  
 侍男はニヤニヤしながら答えを返す。  
「母に自分が吸ったのと同程度の魔力を返してしまっては、魔物側の魔力量はプラスマイナス0だ。  
ではそれをプラスにするために、一体魔物は何をするだろうか?」  
「……まさかっ!」  
 少女が気づいたときには遅かった。  
 花はいつの間にかピンク色の花粉を飛ばしていた。周囲で少女の痴態を見物していた男女はそれをまともに吸ってしまう。  
「な、何だ…ぐぅ!」  
「い、いや…なんか変な気分になって来て…」  
 いつの間にか見物客は招待客へと変わっていた。触手乱交の招待客へと――  
「クソッ…」  
「安心しろ、どうやら男は気絶しているだけのようだ。魔力は一片たりとも無駄にできないからな。良く出来た魔物だ」  
 元々少女の痴態で多少なりとも当てられていた女性たちが、魔力入りの花粉で発情するのにそう時間はかからなかった。  
 
「ああんっ!こんなの、いつもよりずっとイイ…」  
「はあぁ…乳首気持ちいいの…もっと、もっとぉ」  
「ん…ちゅぱ、ああ、キスだけでイッちゃいそう…」  
 ある者は自分で自分の秘所を慰め、ある者は勃起した乳首を痛くなりそうなほどいじり倒し、またある者は近くの同性との行為に及んでいる。  
 最早見物人の中にマトモな人など一人としていなかった。  
 そしてその行為を見ていた花は、ついに自ら行動を起こした。  
「ふあああああっ!気持ちいい、気持ちいいのっ!自分でするより気持ちいい!」  
 OLのようなタイトスカートとスーツに身を包んだ女性は、秘所に入れられた男性器触手によって、その利発そうな顔を歪め、気が狂いそうなほどの悦楽を余すこと無く享受していた。  
秘所からは破瓜の血が流れていたが、彼女がその痛さを口に出すことはなかった。  
「ああ、何これぇ!怖い、怖いよぉ!怖いけど、気持ちいいのぉ!」  
 制服を着た学生の少女は、触手にスカートを捲られ、びしょびしょのショーツの上から既に十分に勃起した陰核に巻きつき、まるで男性の自慰のように激しく擦っている。  
それによる快楽と何が何だかわからない恐怖によって、少女の精神は崩壊寸前であった。  
「ああ、パイズリだけなのにこんなに感じるなんて…もう私、これ以外何もいらない…じゅるるるっ」  
 エプロンを付けた買い物帰りの主婦は、触手によってその上着を真ん中から切り裂かれ、半ば強制的に触手をその豊満な胸で挟んでいた。  
最初はグロテスクな触手に嫌悪感を抱いていたが、花粉の影響によって、彼女は自ら進んで触手を満足させる動きをしていた。  
「ん、んっ…ああん、私たち、これで繋がたんだよ…」  
「ちゅっ、ああ、嬉しい…もっとしてぇ」  
 レズプレイをしていた二人の少女は、四本の触手で秘所と菊門に同時に挿入され、ゆっくりと徐々に快楽の炎が大きくなるような感じで動かされていた。  
無論彼女たちの4つの穴はすべて処女であったが、まるで今までずっとそうであったかのように、秘所も菊門も触手を受け入れる際に抵抗はなかった。  
 これを見ていた宙吊りの黄色い衣装の少女は、うなだれるでも壊れるでもなく、ただ侍男のほうをギロリと睨めつけていた。  
「そう、その目がいい。自分は絶対に堕ちない、ということがひしひしと伝わってくる目が。  
それが作られたものだとしても最高だ。まだまだお前で楽しめそうだよ」  
「ぶっ殺す!いいか、テメエは八つ裂きで収めねえ!欠片一片も、存在も、この世に残してたまるものか!」  
 少女は吠える。しかし少女は心の何処かで気づいているのだ。もう自分も堕ちてしまった方が楽なのではないかと。  
だが少女はその考えを許さなかった。頑なに、自分は屈するわけにはいかないと。  
それが早々に負けてしまい、敵の捕虜となって魔物作りに従事することになった自分ができる、友人への罪滅しだと、彼女は思っていた。  
「さて、次の出産散歩は何時にしようか…帰るぞ、円」  
 そう言って、侍男は少女の首輪を引っ張る。侍男の行動を理解したかのように、花は少女を宙ぶらりんにしていた触手を解き、優しく少女を地上へ下ろす。  
「ぐっ…」  
 まだダルさの残っていた少女は、侍男に引かれるがまま、闇の中へ消えていった。  
 あとに残ったのは、花に犯されている女たちの喘ぎ声の大合唱のみであった――  
 
桑原円 BADEND  
 
 

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