外道魔法少女藍奈  
 
01  
 
「お願い、私に協力して。あなたの力が必要なの!」  
 突然だが、突然出てきた小さな人間に、突然こんなことを言われた経験はあるだろうか。  
私はある、今さっき言われた。  
「急に現れて何を――」  
「急に現れて何をって言いたいのね!確かに分かるわ。急に目の前にまるで絵本で見たかのような綺麗な妖精が出てきたらそりゃ驚くわよね!  
でも心配要らないよ。怪しいものじゃないから」  
 とりあえず突っ込みどころを三つ。  
 まず自分で綺麗だとか言うな、恥ずかしくないのかお前。  
 それから、どこをどう見たら怪しくないと胸を張って言い切れるんだ。  
 最後に、私にも喋らせろ。  
「えいっ!」  
 と、心の中で突っ込みを入れていると、急に自称妖精は私の体の中に入り込んできた。  
 入り込んだところがまるで液状になったかのようにとぷんと聞こえた気がしたのはもう放っておこう。  
「えええっ!何々!?何なのよいったい!」  
「申し訳ないけど、自体は刻一刻を争うの。あなたの体に無理矢理寄生させてもらうわ!」  
「それは協力じゃなくて強制だぁー!」  
 こうして私は唐突に現れた妖精によって唐突に魔法少女にさせられ、悪と戦う正義のヒロインとなってしまったのだ。  
 ただし、すべてがすべて妖精の思い通りではない。  
いや寧ろ寄生されたのがどちらのほうか知るのに、妖精も私、仙道藍奈(センドウ アイナ)も大した時間はかからなかった。  
 
 
02  
 
「霧香、こっちはもう大丈夫よ。硯と休憩に入ってきな!」  
「はい。ありがとうございます、女将さん!」  
「はぁ〜、やっと休憩かぁ」  
「弱音をはかないの、硯ちゃん。行く当てがなくて路頭に迷っていたところを助けてくれた女将さんの恩に少しでも報いるためだよ」  
「えへへ、分かってるよ。休憩行こ、お姉ちゃん」  
「もうっ、調子いいんだから…」  
 私は灯野霧香(アカリノ キリカ)といいます。今私の手を引っ張っているのは妹の灯野硯(アカリノ スズリ)です。  
 実は私たちはこの世界の人間ではありません。魔界という場所から遥々この地球を征服しにやってきました。  
 だけど魔界と地球では根本的な大気濃度がまったく違い、こちらに来た瞬間私も硯もあまりの気持ち悪さに立っていられなくなってしまったのです。  
 それを助けてくれたのが、女将さんです。女将さんは私たちが倒れていたところに偶然立ち寄り、理由も聞かずに看病してくれて、  
あまつさえ働く場所まで提供してくれました。  
 今私たちは小さな旅館「蓮華荘」で住み込みのバイトとして日夜働いています。  
 もう地球を征服しようと言う気持ちはありません。考えてみれば、私たちがほしかったのは愛情だったのかもしれません。  
 女将さんは私たちの母親代わりとして、従業員の皆さんも私たちや女将さんを支えてくれています。  
 地球なんて大きなものはもう要りません。私たち姉妹は、女将さんや皆さんの愛情があれば、満足です。  
「お姉ちゃん…」  
 休憩所、六畳の部屋に広い机がひとつ。ポットと急須、お茶葉なところは流石に旅館といった感じ。そんな場所で突然、硯が話しかけてきました。  
「何、硯ちゃん?」  
「こんな生活がいつまで続くのかな?」  
 不満なのかな、硯ちゃん。もともと魔界でもそんなに力は持ってなかったけど人の下につくってことに耐えられないのかもしれない。  
「ううん、不満じゃなくて不安なんだ…」  
「不安?」  
「もし私たちが人間じゃないなんて知ったら、女将さんどう思うんだろうって。あの親みたいな目で見られるのはもう…嫌だよ」  
 硯ちゃんが震えていた。私たちは親に虐待を受けていた。家系でも特別に力が低いからという、そんな理由だ。  
 生まれ持った力なんかで私たちを決められたくない、そんな一心で、私たちは人間界へやってきたのだ。  
 世界征服って言えば聞こえはいいですけど、言い換えればただの家出で、新居を探しに来ただけなのです。  
「親のことは忘れよう、硯ちゃん。大丈夫、女将さんならきっと『そんなことより料理持って行って頂戴』って言うよ」  
「あはは、言いそうだね」  
 硯ちゃんの目には少し涙が見えたが、もう大丈夫だろう。硯ちゃんはやっぱり笑顔が一番だ。  
「そういえばお姉ちゃ〜ん。台所係の辻平君といい調子なの?」  
 突然の硯ちゃんの口撃に、思わず口に含んでいたお茶を噴出しそうになってしまった。  
「ごほっ、ごほっ…いきなり何なのよ、硯ちゃん!」  
「え〜、だって最近よく台所に行って辻平君と話してるじゃん。ぽーって頬を赤らめながらさ。辻平君も満更じゃない様子だよ?」  
 み、見られていた…。あの時は誰もいないことを確かに確認したはずなのに。  
「私の能力を忘れてもらっちゃ困るね。気配を消して、まるでそこにあるのが当たり前のように感じさせる。私の十八番だよん」  
「す、硯ー!そこに直れー!」  
「あー、そろそろ休憩お終いだよ。先に行くよー」  
「待てー!硯ー!」  
 こんな日常ですが、私も妹もとても幸せです。  
 
 
03  
 
「そんな終わり方、させてなるものですか」  
 遥か上空から、私はとある旅館を見下ろしていた。  
「ふん、悪魔め。人並みの幸せを手に入れようなんて貴方達には分不相応なのよ」  
『ね、ねえ藍奈。私の目的は別に改心した魔界の住人を追い返すわけじゃないんだけど…』  
 頭の中で声がする。私に寄生した妖精が何か言っているようだ。  
「五月蝿い。勝手に私の中に入ってきて何を言ってるんだ」  
 まあこんな便利な能力を私に与えてくれたのには感謝してるが。  
 私は脳内であることを思い描いた。  
『あ、ああっ…やあん、ふぁあ』  
 イメージしたのは妖精が触手に犯されている図。その通りに、妖精は頭の中で喘ぎ声を響かせる。  
その声がとても淫靡で淫らでつい興奮しそうになった。  
「あはぁ、いい声。貴方はそうやって私を魔法少女たらしめる力を与え続けていればいいのよ」  
『そ、そんな…あんっ、駄目ぇ…そこ、は、気持ち…良すぎてぇ』  
 ふんっ、と私は脳内のイメージを固定させると、再び旅館を見下ろす。  
「それに、今日のメインディッシュはお前じゃない。あの旅館でのうのうと幸せを享受している魔物姉妹だ」  
 改めて、壁面透視でターゲットの確認を行おう。  
 一人は茶髪のロングヘア。おっとりしてそうな顔立ちにしっかりとした着物の着付け。どうやらアレが姉らしい。  
 もう一人は金髪のショート。笑顔が似合うボーイッシュでちょっとだけだらけた着付けの着物。見たところ妹のようだ。  
「うふふ、あのおっとりした顔がいやらしく歪んで、笑顔が卑猥に喘ぐ…想像しただけで濡れてきそう」  
 これ以上妄想していると私が自慰を始めかねない。善は急げ、早く行うとしよう。  
 そう決心すると、私は急降下して旅館の屋根目がけて突進する。  
 屋根は思った以上に脆く、あっという間に私の侵入を許した。  
 そして目の前に魔物姉妹二人の姿を確認できた。  
「貴方達、魔物ね。狩らせてもらうわよ」  
 
 
04  
 
「な、何ですかあなたは…」  
 突然の闖入者に、私は常識ある疑問を投げかけられたと思う。  
 ただし、それが常識ある回答に繋がるかというと必ずしもそうではない。  
「魔法少女藍奈。貴方達二人、魔界から地球を侵略しに来た魔物でしょう」  
 まるでこちらの回答など求めていないような話し方である。  
 魔法少女、いや藍奈と名乗ったこの少女は、薄い桃色のセミロングの髪を持ち、白いフリルや赤いリボンを付けた服に同じくフリルのミニスカート、  
白いブーツに白い手袋、魔法少女というより天使のような純白の格好であった。  
 しかし、それに全く似合わない話し方とまるで汚いものでも見るような目付き、そして羽の代わりに生えている無数の赤黒い肉々しい触手が  
天使とは全く別の者、寧ろ私たちより悪魔らしい悪魔のような印象を与える。  
「お姉ちゃん…」  
 硯ちゃんがまた震えてる…大丈夫、私が絶対に守るから。  
 私は硯ちゃんの頭を抱えて魔法少女を睨む。  
「なんだいなんだい、大きな音が聞こえたかと思ったけど…こりゃ何の騒ぎ?」  
「あ、女将さん…」  
 私たちと入れ替わり立ち代わり休憩に入っていた女将さんが駆けつける。  
 それを見た魔法少女は女将さんに目をつけたようで、視線を私たちから外す。  
「ああ、こいつらの保護者…といったところか。まあ魔物を保護したことは見逃してやる。でもとっとと逃げないと巻き添え食らうぞ」  
「はあ?何いってんだお前。何でお前のような年端も行かない女の子があたしたちの娘をどうこうしようってんだ?」  
 娘…嬉しい響きだったが今は感動している場合ではない。  
「ふん、分かってないようね。こいつらはね――」  
「やめてっ!」  
 私は静止したが、元より魔法少女に私の静止を聞く気など無いようだった。  
「――人間じゃないのよ。魔物、わかる?  
このちっぽけな旅館に来たのだって、偶然を感じてるかも知れないけど、そいつらの意思どおりだったっていう可能性だってあるの。  
だからとっとと逃げなさい。邪魔だから」  
 恐れていたことが、伝えられてしまった。硯ちゃんの手前、女将さんなら大丈夫だろうと言ったが、実際にそんな保証はどこにもないのだ。  
「だから…なんだ?」  
「は?」  
 しかし女将さんから出てきた言葉は、やはり女将さんらしかった。  
「残念だけど、そんなことを気にする暇もないくらい娘たちは役に立ってくれているさ。それになんだっけ、狩る?狩るって言ったっけ」  
 女将さんは一回深呼吸すると、一気に吐き出した。  
「巫山戯るなよ!お前が娘たちの何を知ってるんだ!娘を看病していたときに何て言っていたか分かるかい?  
『お母さん、お父さん、もうやめて下さい、御免なさい』だぞ!親に謝っていたんだ!詳しくは聞かないけど、よっぽどのことがあったんだ!  
それでも気丈に働いてくれている娘たちを狩るだと、どんな人でなしだよ!魔物?だからなんだ。  
私は魔物なんて知らないけどね、心優しい魔物だって居るだろう。だったらそれでいいじゃないか!」  
 女将さんの啖呵に私も硯ちゃんも涙が溢れそうになった。  
 嬉しかった。私たちを受け入れてくれた女将さんが、ううん、お母さんが私たちを守ろうとしてくれる。  
 それに触発されたように、魔法少女に対して尻込みしていた他の人達も、一斉にこちらの味方に回ってくれた。  
「そうよ!霧香ちゃんも硯ちゃんもとてもいい子じゃない!」  
「私もいろいろ手伝ってもらったわ、魔物だろうと関係ないよ!」  
「もし二人を狩るってんなら、俺たちも相手をするぞ!」  
 そんないろんな声を聞いて、魔法少女も考えを改めてくれただろう。  
 そんなことは起こりえるはずがないのに…そう思ってしまった。  
「はぁ…あー、そうか。つまりアレだ。あんたら全員魔物を庇うってことか。いいやいいや、話し合いお終い。得る物なし。  
素直に狩らせてくれれば旅館を修理するくらいやってあげたんだけど――」  
 魔法少女は呆れたようにため息を吐いて、一言。  
「じゃあまあ全員狩るって事で」  
 それを言い放った魔法少女はとても冷たい濁った目をしていた。  
 
 
05  
 
 どいつもこいつもくだらない。敵う訳ないのに何故向かってくるのだろう、こう言うのを馬鹿というのだ。  
 結局私の触手で魔物姉妹以外は全員絡めとった。  
「み、皆…御免なさい、私たちのせいで」  
「お、女将さん、皆…ううっ」  
「謝るなよ、霧香。泣くんじゃない、硯。私たちは全員自分の意志でやったんだ、悔いは…ぐぅぅっ!」  
 拘束されて尚お涙頂戴をやられては堪らない。私は女将と呼ばれた女の拘束を少し強めた。  
加減がまだ分からず、他の場所からも悲鳴が聞こえるが…まあどうでもいい。  
「後は貴方達だけ。大した力もないようだしとっとと狩るか」  
「お、お願いです!私はどうなってもいいですから、妹と女将さん達は助けてください!」  
 ウザい、まだ分からないのか。最早お前一人がどうこうして解決できる問題ではないというのに。  
 だがこれを利用すれば面白い事になりそうだ…。  
「んーまあ私も人間にはあまり手を出したくないし…魔物であるお前たち姉妹を狩れればそれでいいかな」  
「う、うう…硯ちゃん…」  
「お姉ちゃん…私は大丈夫だよ」  
 鳥肌が出るほど寒い茶番劇だが、我慢するとしよう。  
「交渉成立ってことで。ほら、こっちに来なさい」  
 そう言うと、私は触手をゆっくりと下ろし、人間たちを開放していった。あまりの締め付けに、全員気絶している。  
 そして私の目の前に立った姉妹を見比べる。どうやら胸は妹のほうが少し大きいようだ。  
「じゃあまずはストリップでもしてもらおうかな」  
「え、ええっ!?」  
「どうしてそんなことを…」  
「魔物を狩るってのは何も殺すのだけじゃない。魔力を根こそぎ奪って魔法少女の力にするのも方法としてはあるのよ。  
ほら、早くする。別にそこに転がってる人間から吸いとってもいいんだけど…」  
 そう言って焦らせる。焦りは正確な判断を出来なくさせるから、混乱させるにはもってこいだ。  
「わ、わかりました」  
 そう言って姉の方が着物を脱ぎ出し、あっという間に下着姿になった。  
 色気のない脱ぎ方だが、まあいい。  
「ううっ…恥ずかしいよぉ」  
 妹の方も姉に付き従って脱ぐ。色気のない脱ぎ方に色気のない下着。  
 それでもこの恥辱は私の心を更にどす黒くする。  
「何やめてんのよ、下着も脱いで全裸になれっつってんのよ。全裸になったらこれに奉仕しなよ」  
 そう言って姉妹に一本ずつ触手をチラつかせる。  
「うっ、くさ…これいったい何なんですか」  
「貴方達を天国に送るものだよ。まあ地獄かもしれないけどね」  
 下着は脱いだが、まるで男性器のような触手に奉仕することは未だに抵抗があるのだろう。両方共ちらちら見ては目を逸らす。  
「あーいいよいいよ、じゃあ量も質も悪いけどこっちの人間から…」  
「や、やめてください!…ちゃんとしますから」  
「私も頑張るから…女将さん達には手を出さないで」  
 御託はいいからとっととやれよ、面倒だな。  
「んんっ…れろっ……」  
「もご、むぅ…」  
 舐め始めたはいいが、姉妹二人とも稚拙すぎて全く悦楽を感じない。やはり処女なんてこの程度か。仕方がない、こっちから動かしてやろう。  
「んぐぅ!ごぉ、やめ…むぅぅぅぅ!」  
「ん、んん!げぶっ、んんんんんっ!」  
 激しくストロークを繰り返してさっさと触手精液を口の中に出した。無理矢理はやっぱり気持ちいい。  
 それに、この精液は魔力を吸収しやすくする効果もある。ぶっちゃけてしまえば発情させるのだ、女だろうと男だろうと。  
「はぁ、はぁ…何なの、これ…」  
「お姉ちゃぁん…変だよ、私…何かおかしいよ」  
 こうなったらもう秘所もその他も準備は万端の筈だ。私は四本の触手を姉妹の秘所と菊門目がけて勢い良く突き入れた。  
「ぎっ、ああああああああ!」  
「いいいいいいいいっ!」  
 姉妹の秘所から破瓜の血が舞う。流石に両方一辺に入れると苦痛を伴なうだろうが、まあそれも魔力を吸収する上でのスパイスだ。  
 やはり魔物だろうといい魔力を持つ処女は美味しい、思わず私も濡れてきてしまう。とはいえ触手では魔力が循環してあまり意味が無い。とすれば…  
 
 
06  
 
 ああ…好きな人に捧げるはずだった処女がこんなところで…。  
 だけどこれで他の人の安全は…え!?あの人、何で辻平さんに近づいてるの?  
「う、うう…畜生、俺は一体」  
「うふふ、おはよう」  
「うわっ!お前は霧香ちゃんと硯ちゃんを狩りに来たって言う…ううっ」  
「やっぱり何の抵抗もない人間は匂いだけで発情しちゃうわねえ。ふふっ、貴方の立派に勃起した童貞チンポ。私が食べてあげる」  
 や、やめて!皆には危害を加えないって約束したでしょう!  
「五月蝿いなあ。貴方達があんまりのんびりしてたから、まあ利子だよ利子。貴方はそこで喘いでればいいのよ」  
 そう言うと私の中に入っている触手が一層激しく動き出す。  
「んああっ、あん、いやぁ!お、お願いだから…ひぃん、彼に手を出さないでぇ」  
 快楽に堕ちそうな心を私は必死で繋ぎ止める。  
「ん?ふうん…なるほどそういうわけか。それならまあ――」  
 一瞬、ほんの一瞬気が緩んでしまった。そんなわけ無いのは最早分かっていたのに…。  
「――尚更、食べたくなってきた…んんっ」  
 いつの間にかズボンもパンツも下ろされた彼の勃起した肉棒を、魔法少女は容赦なく自分の秘所で咥えはじめた。  
 その秘所には私たちと同じく破瓜の血が見えたが、彼女が苦痛に苛まれている様子はない。  
「あはぁ、いいよぉ。セックスって初めてだけど、こんなに気持いいんだね…ふうんっ!ほら、貴方も動いてよ」  
「う、う、くそっ…腰が勝手に、気持ち…いい」  
 私は気が狂いそうになった。私のせいでここが襲われただけでなく、何の関係もない人まで巻き添えにしてしまった。それに彼まで…。  
「ああんっ、気持ちいい!凄いよ、これ凄くいい!」  
 突然声がした。妹の声ではない、誰か別の女の人の声…。嫌な予感、いや予感と言うには具体的すぎるものだった。  
 喘いでいたのは従業員の人達だった。触手に拘束され、精液の匂いで発情してしまった彼女たちに、その声を止めることなど出来るはずもなかった。  
「はあんっ!気持ちいいよぉ、もっとして!もっとアソコ突いてぇ!」  
 私たちよりも後輩の学生アルバイトの女の子も処女だったようだが、そんな面影はもうどこにもない。  
 着ていた着物ははだけさせられ、触手に対してまるで娼婦のように喘ぎ狂う。  
「ああっ、御免なさい!こんなの気持よすぎて耐えられない、夫の物よりずっといいの!」  
 私たちをサポートしてくれた従業員さんも喘ぎを止められない様子だった。  
 彼女には夫がいたはずだが、触手の動きはそんな事実を忘れさせるほどに彼女を突き狂わせる。  
「んん、くぅっ…はぁあ、こんなに、気持ちいいの、知らない…」  
 そして女将さんも例外ではなかった。年齢より若く見える柔肌を蹂躙され、豊満な胸を扱かれる。  
 その攻めに対して、さっきまで抵抗していた女将さんでも耐えることは無理だった。  
「お、姉ちゃん…私、もう、我慢できないよ…ふああっ」  
 硯ちゃんも最早堕ちるのは時間の問題だった。喘ぎを我慢しなくなっている。  
 そして、私ももう限界まで狂い始めていた。  
「うん、私も…もう駄目。イこう、硯ちゃん…ひうっ!皆…ああ、一緒だから」  
「お姉ちゃん…一緒に、イってくれるの?嬉しい、ん、ああっ、皆で一緒に…いれるんだね」  
「あはっ、私ももう駄目かなあ。じゃあ全員でイっちゃえ」  
 魔法少女がそう言うと、触手のストロークは先程までの比ではないくらい早く、テクニカルになっていった。  
 そして魔法少女のセックスも限界が近いようだった。  
「いい、イク、イクっ!はああああああああああっ!」  
「お姉ちゃん、お姉ちゃんっ!一緒にイこう、一緒に…ひああああああああっ!」  
「あははっ、ほら、貴方もイっちゃえ。…あ、熱いのが、んんんんんんんっ!」  
 そしてわたしたちはみんななかよくくるっていった。  
 
 
07  
 
 他愛ない。悪魔といえど所詮はこんな物か。  
 しかしこいつら、まだまだ良質の魔力を持っている。いつか強大な魔物が襲来した時のために力を蓄えておこう。  
 そう考えた私は、あの旅館にいた人間すべてを触手の苗床とした。とはいえ別に触手で孕ませて産み出そうとしているわけではない。  
それでは魔物どもとしていることが変わらない。私は私の触手を使って、ただ力を吸収しているだけに過ぎない。  
 人間のほうは持っている魔力も少ない。近いうちに、まあ最低限生きられるくらいの魔力を残して廃棄しよう。それまで楽しめればいい。  
 何せ私はあの外道な魔物共からこの日本、いや地球を救っているのだ。これは税金のような物。  
 それに強制徴収というわけでもない。きちんと彼らからは気持ちよく徴収している。私は魔力を、彼らは快楽を。至極当然の理ではないか。  
「ああん、またアソコで精液出てますぅ…もう霧香は、触手があれば何も…ふああんっ!」  
 灯野霧香はスタンダードに秘所で快楽を感じるようにした。  
 最早これは壊れている。触手と快楽のこと以外は何も考えられないだろう。  
「ふぐぅ、ら、乱暴にしちゃ…駄目だよ。お尻はデリケートだから…それに、硯は逃げないから…ね?」  
 灯野硯は菊門を中心に開発している。どうやら尻は魔力を吸うには適してない器官のようだが、  
まるで注射器のようにジワジワと体に魔力が入ってくる感じはなんとも言い表せない。  
 他の人間も、少ない魔力をギリギリまで吸収している。あの辻平とかいう男はギャグボールに目隠し、後ろ手に手錠をかけて、  
苗床であるここに放置している。触手の匂いと女の喘ぎを聞いて、彼の肉棒は何時射精してもおかしくない状態だが、そんな勝手なことはさせない。  
魔法で自由に射精を出来なくしている。この男が壊れるのも時間の問題だろう。たまには私の性欲を満たす肉人形として可愛がってあげよう。  
『藍奈ぁ…もうやめようよ、ひぃっ!そ、そんなところ触っちゃ駄目!』  
 そういえば、私を勝手に魔法少女にしてくれたあの馬鹿な妖精は、未だに私の体内で触手責めにあっている。  
こいつには魔法少女になるための力を放出してもらわないといけないから、無闇矢鱈に壊すわけにはいかない。  
だが自分の意志で私に協力するよう、ゆっくりと体内で調教してあげる。  
 さて、次はどんな魔物を狩ろうか。聞いた話では、ある街のビルディングで社長秘書をしている魔物が居るそうな…。  
更に魔物の保母に、魔物の女子学生。全く世も末だ、ここまで魔物に侵略されているとは。  
 だが、私に目をつけられたのだ。これらの魔物たちは例外なく私の魔力の糧となってもらおう。邪魔する奴は老若男女容赦しない、全て糧にする。  
何せ私はこの世界を守る唯一無二の存在、魔法少女なのだから――。  
 
外道魔法少女藍奈 END  
 
 

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