目を覚ますと、俺は一匹のイカになっていた。  
『なんじゃ、こりゃ!』  
慌てて起きあがろうとするも、体に力が入れにくい。  
どうにか現状を打破しようと、じたばた藻掻く・・・  
・・・ベッドの上でうごめくイカ・・・結構、シュールかも知れない・・・  
『落ち着け・・・落ち着け、俺。』  
俺は・・・そう、自分に言い聞かせると、  
あらためて、自分の体を観察する事にした。  
腕(らしきもの)は細く、頼りない感じである・・・  
(どうやら、足・・・とは感覚を共有しているらしい。)  
『・・・動かせる・・・か?』  
指先(?)に意識を集中してみる・・・  
すると、ゆっくり微かに、先の方が動き始めた。  
『よし・・・いい感じだな・・・』  
 
数分後・・・俺は触手を、ある程度自由に動かせるようになっていた。  
 
『・・・だから、どうした。』  
動かせるから、何だというのだろう・・・  
結局、根本の解決には至っていないのだ。  
 
『昨日の事でも、思い返してみるか・・・』  
俺が、そんなことをつらつらと考えていると・・・  
・・・突如、ドアがノックされた・・・と同時に、ドアが開け放たれる。  
「タカくん、そろそろ起きないと・・・遅刻するよ!」  
いつものごとく、駆け込んできたのは、幼なじみのユナだった。  
 
「もう、いつまで寝て・・・」  
と言いかけ、硬直するユナ。・・・まあ、当然である。  
幼なじみを起こしに来たら、ベッドの上に人間大のイカがいるのだ。  
固まらない方がどうかしてる・・・数瞬後、彼女は大きな声を上げた。  
 
慌てて逃げ出すユナ。だが、すぐに足をもつれさせて転ぶ・・・  
『お、おい、大丈夫か、ユナ?』  
と、声をかけてみたものの、ユナは  
「ヒッ!」  
と、喉の奥から息を漏らすだけである・・・言葉は通じてないらしい・・・  
 
ベッドから、必死に後ずさるユナ・・・  
制服のスカートが乱れ、太股がのぞく・・・  
・・・俺は、その光景に興奮を覚えていた。  
『何考えてるんだ・・・相手はユナだぞ?』  
頭ではそう考えても、体は正直に反応する・・・  
俺はユナに向かって、無意識に触手を伸ばしていた。  
 
思ったよりも伸びた触手が、足首にからみついた瞬間、  
ユナは声にならない声を上げて、体を震わせた。  
青色のスカートが紺に染まっていく・・・  
どうやら、お漏らししてしまったらしい。  
ユナは、惨めさと恐怖に顔を歪ませている。  
しかし、そんな表情も、俺を興奮させるだけだった。  
 
俺は、怯えた表情のユナに向かって、  
本格的に触手を伸ばし始めた。  
 

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