曙光蝉
学名:シケーダ・ティトノース
山林などに住まう、極めて大型の蝉の一種。
大型犬並みの巨体を持ち、小型の同族と違ってあまりうるさくない、しかしより遠くに響く低い声で鳴く。
この声は特殊な周波数を含んでおり、これで雌の体内にある「共鳴板」が振動する事により雄へカウンターシグナルが送られる。
雄はこれをたよりに雌を探し出して交尾するわけだが、まれに人間の女性が受信してしまう事がある。
受信した女性は、腰や下腹部などに疼くような感覚を覚え始め、次第に性欲が募り我慢できなくなる。
更に曙光蝉の生息域にいた場合、雌と間違われ犯されてしまうのである。
これは蝉鳴症(ぜんめいしょう)と呼ばれる症状で、共鳴板の形状と女性の骨盤の形状が酷似している為に起こるとされる。
わずかな形状や骨密度の差によって起こる珍しい現象で、とくに性徴期の女児に多くみられる。
古い伝承によれば、この蝉は元々人間であり、女神との恋の結果、捨てられてこのような姿に変えられたのだという。
女性を襲う習性についても古くから知られており、女神と同じ女を憎んでいるからとも、
逆に思慕を捨て切れず、人肌の温もりに飢えているからともいわれる
今目の前で行われている行為から、僕は目を逸らす事が出来なかった。
黒々とした甲殻に覆われた巨大な蟲が、女の子を河原の砂利の上に組み敷いて犯している。
薄い組ガラスの様な透明な翅をもつそれは、彼女より一回りも大きい巨大な蝉だった。
か細い吐息を漏らしていた少女の声が、不意に高くうわずり、その嬌声に反応して、僕は初めて少女の顔に気が付く。
それはよく知っている、近所に住む幼馴染の少女だった。
良く歯を見せて笑う口元は、今は半開きのまま湿った熱い吐息を漏らし続けている。
いつも着ている袖無しのシャツは激しい動きでめくり上がり、腰から乳首にかけて白い日焼け後を晒していた。
下半身はホットパンツを膝まで下ろして膝を曲げた、ちょうど野外で放尿する時の体勢をひっくり返した風になっており、
ふっくらと白く映えるお尻の割れ目の先には、パノティエ(長耳族)の特徴の一つである丸い綿毛の様な尻尾が、
秘裂から滴り落ちる蜜によってすっかり濡れぼそってしまっていた。
まだ性が本格的に分化し始める前の、不安定で未成熟な幼い秘裂は不釣り合いなほど紅く充血し、
おあずけを食らった犬のように涎を垂らしながら、堅くすべすべした殻に覆われた性器を
機械的に突き込まれ、
腰をくねらせながら貪るように飲みこむ。
その光景を、僕は近くの灌木の茂みから覗き見ていた。
よく知った女の子が、醜悪な蟲に犯され、あまつさえ快楽を覚えて乱れている。
(助けなきゃ)
その光景に、理性はそう判断する。でも、動けない。
これまで生まれたままの姿で川で泳いでも、一緒にお風呂に入っても何も感じる事は無かったのに
なぜ、こんなに目を離せないんだろう…
「ひうっ、はっ、あはぁっ」
彼女が腰を反らして頭を振り、ウサギの様な長い耳をふり乱す。
もはや快楽を感じる以外の余裕がないほどに、彼女は蝉との交わりに没頭していた。
蝉は性器を出し入れする度に、その腹を小刻みに震わせており、僕はそれを、
犯しながら、鳴いているのだと理解した。
「あうううっ、もっと、もっとぉ…まだ収まらないよぉ……
もっとおなかの奥、ズポズポしてぇ……」
襲いかかる感覚に耐えきれないかの様に、蝉に強くしがみついて哀願する彼女。
その顔は既に涙と涎でてらてらと光っており、上気して紅潮した肌色と相まってとても艶めかしく見えた。
いつもは男の子みたいだな、と思っていた短い髪も、今は却ってうなじや鎖骨を露に引き立てる。
今まで一度だって見た事の無い、「オンナノコ」の顔の彼女。
ここに来て僕は初めて明確に、自分は彼女のこの姿をもっと見たいのだと悟った。
その欲望のままに、僕は無意識に足を踏み出す。
「!!」
不意に、彼女と目があった。
ただただ快楽に溺れ、蕩けて泳いでいた目線が急激に定まり、もともと涙にぬれて紅潮していた顔に
更に明らかな羞恥によるそれが加わっていった。
「いやぁ……みないでェ……ボクのこんな格好…蟲なんかにエッチされてる所なんか見ないでよォ……」
涙目で懇願するそれとは裏腹に、彼女には限界が近づきつつあった。
喘ぎ声がだんだんうわずり始め、反対に身体はのけぞったまま硬直しただただ抽送を受け入れる。
「あっ、あっ、あん、ダメぇ!ま、また、イ、イッちゃうよおぉぉぉぉぉ!!」
その甲高い声が真夏の野山に響くのと、彼女の胎内に蟲の水っぽい精液が注ぎ込まれたのはほぼ同時だった。
一瞬彼女の下腹部が「ぽこっ」と出っ張ったかと思うと、それはすぐに腹圧に押されて排泄され、
おしっこでも漏らしたかの様に、蟲の性器を伝ってぽたぽたと地面に滴り落ちた。
「あ……出てる……蟲のせーえきぃ……」
茫然と呟く彼女を見ながら、僕はいつしか堅くなっていた股間の先から盛大に精を放っていた。
それからしばらくして夏が過ぎ、蝉たちのシーズンは終わった。
その次の夏も、更にその次の夏も蝉たちは唄っていたが、もう彼女の「症状」は再発しなかった。
むしろ変わったのは……
「こぉら!なにぼーっとしてんの!」
不意に強烈に背中を叩かれ、僕は小言を呟きながら振り返る。
そこには、あの時より少し髪を伸ばし、短いスカートを穿いた彼女が立っていた。
「いやあ、また夏が来たなあ…って」
そう返すと彼女は
「……また、思い出してたんだ、あの時の事…」
そう言って、少しほほを染めて俯きながら悪戯っぽくはにかんだ。
「いや、忘れられるようなインパクトじゃなかったろ、あれ…」
「ふうん、そっか。それじゃさ…」
そう言うと、彼女はおもむろにスカートの前をめくり上げる、
そこには何もつけておらず、ウサギの様な柔毛が薄く生え始めた秘裂から、もう既に大量の愛液が溢れていた。
「ボクもね…ちょっと思い出しちゃったんだ。だから…また、お願いね。」
そう言った彼女の内股を、愛液の粒が尾を引いて這い下り始めていた。