今日は彼の誕生日。
早めに会社を出て、手料理でもご馳走しよっと。
普段、こんな時間に電車に乗ることないんだけど、思ったより混んでるわね。
ん?!誰か触った?
ううん、電車が揺れたせいよね
あっ!今度は反対側から?
ダメ。触らないで…
今度はまた別の方向から…身体ごと押し付けてきた。
そんなに強く揺すらないで…
もう四方八方から触られまくってる
あっあぁ……もう……ダメ……
*
「ばかだなぁ。そんなに泣くなよ」
「でも、せっかく買っていたケーキ、満員電車でもみくちゃにされちゃった」
皿の上には見るも無残なケーキが1つ置いてあった。