「ステラぁ」  
ステラは馬丁のジャックに呼び止められて首を傾げた。  
「何ですか?」  
「ちょっと手伝ってくんねぇか」  
「構いませんよ」  
ステラはにっこり笑って引き受けた。  
「何すればいいんですか?」  
「藁ん中によぅ、ナイフ落としちまったんだ。危ねぇだろ? だけとこの老いぼれの目が役立たずでめっかんねぇのさ」  
ジャックは逞しい体躯をしている現役の馬丁だが、かなりの高齢だった。  
「すまねぇなぁ、時間大丈夫か?」  
「今交代したところですから。しばらくは大丈夫ですよ、ジャックさん」  
「そうかい」  
ステラはジャックと連れ合って屋敷から少し離れた場所にある馬小屋に向かった。  
「汚ねぇし臭ぇが、我慢してくれ」  
確かに、馬小屋は生き物に特有の臭いで充満していた。  
ステラはちょっと顔をしかめたが、早く終わらせようと藁の集まっている奥の方へと進んで行った。  
闖入者に、小屋の中の馬たちが鼻息を荒くする。  
「きゃっ!」  
「はは、興奮してら。お前さんが好きでしかたねぇからな、そいつは」  
何か霧のようなものを吹き掛けられて、ステラの上半身が湿った。鼻息……いや鼻水だろうか。  
「もう、何するのよ」  
犯人はつやつやと光る黒い毛並みの馬――ルーファスの愛馬であるネロだ。  
彼に文句を垂れながら、ステラは藁の山に落ちたナイフを探し始めた。  
「どこらへんに落としたんですか?」  
「多分……そっちじゃなかったっけかなぁ」  
ステラは光があまり射さない壁の角を中心に探した。しかしナイフは見つからない。  
「ないですね――」  
「どれ……」  
ジャックがステラの近くに寄り、前屈みになっているステラの後ろから藁を覗き込んだ。  
「おっかしいなぁ……」  
――と、ジャックの手がステラの腰を捕まえた。  
「――!? ジャックさん!?」  
「ひょお、いい身体してんなぁ」  
「ちょっと、やめてください!」  
身を振るステラの後ろから、老人の体重がかかる。  
「きゃあっ!」  
重みに耐え切れずステラは藁の山へと倒れ込んだ。  
「ステラぁ、いいもん持ってんじゃねぇか」  
「やだっ、やめてくださいっ」  
馬乗りになられた状態で身動きできないステラの身体をシワまみれの手がはい回る。  
「おっぱいもでかいなぁ」  
「やだ、離して……!」  
「いいじゃねぇか、少しくらい。旦那さまに毎晩可愛がってもらってんだろ?」  
 
「――! な、何で……」  
「屋敷の連中は皆知ってらぁ。よっ、と」  
「あ、何を……!」  
動揺している間に、ジャックはどこからか取り出した縄でステラの手首を拘束してしまった。  
「外して……!」  
「んー、終わったらなぁ」  
にやにや笑いながらジャックはステラのスカートをめくりあげた。  
「お、黒かぁ。食い込んでるエロいやつだな。旦那さまの趣味かぁ?」  
「やっ、ちょっと……!」  
恥ずかしさで顔から火が出そうだ。まさか、ジャックにこんなことをされるなんて!  
「さ、生尻生尻」  
「やっ、やめて!」  
あっという間に下着が下ろされる。  
「おーっ、やりまくってる割にはきれいなピンク色だなぁ」  
「やだ、いや、見ないで――ひあっ!」  
老人が二本の指で媚肉を開かせた。いきなり空気に晒された蕾が震える。  
「ステラのおめこは甘そうだなぁ」  
「いやあっ!」  
ジャックは尻の間に顔をぴったりとくっつけ、舌を伸ばしてきた。  
じゅるじゅると卑猥な音を立て啜られ、ステラの身体が跳ねる。敏感な身体の熱が高められていく。  
「お! 汁が出てきたなぁ」  
「やあ! 嘘!」  
「嘘なもんかぁ。ほれ」  
今度は蜜壺に指が入れられ、抜き差しされる。  
「あっ、いや、だめ、だめぇっ!」  
「うわ、すげぇ。あっちゅう間にびしょびしょだ。つぅことは……」  
蕾を擦られ、皮を剥かれ、全身に痺れが走った。  
「ひゃああっ! あっ、ふあっ、ひぁっ」  
「にしても、こんなに濡れるなんて、お前すんげぇ好きものだなあ。ド助平メイドだ」  
ボタンが外され、エプロンもスカートも脱がされる。  
ブラウス一枚を羽織っただけの格好にされ、たわわな乳房が揺れるのがまる見えになった。  
「うぉお、こんなにでかくて気持ちいいおっぱい初めてだぁ! 手に吸い付くわ!」  
「も、やめてぇっ……!」  
ジャックの手で豊かな乳房が形を変えられ、まるで牛の乳を搾るように引っ張られる。  
「だ、誰か……助けて……!」  
「いいのかい? 男共が来たらまわされちまうぜ?」  
「……!」  
恐ろしいことを言われ、ステラは青ざめた。  
「なに、そんな趣味はねぇから安心しな。誰も来ねぇよ。……俺たちがたっぷり愛してやらぁ」  
「……? やっ……」  
胸を搾られ、背中を舐められ、尻を撫で回される。  
悲しいことにステラの秘所からは蜜が滴り、藁を濡らしていった。  
「ひっ……! いやあ!」  
蜜壺に指が何本か入れられ、掻き回され、関節を曲げて中の壁を刺激された。  
 
「やっ、そこはっ……やめ、あ、っ、あ、出ちゃ……っ!」  
そこを責め立てられると何が起きるのか、ステラは十分に理解していた。  
「へぇ、ここか?」  
わかっているだろうに、ジャックはしらじらしい台詞を吐きながら、指を激しくさせた。  
「やっ、あっ、だめ、……いやぁ――っ!」  
耐え切れず、ステラの秘所から淫水が孤を描いて飛び散った。  
「潮まで吹くとはなぁ。驚きだ。可愛い顔してこんなにすげぇ淫乱女だったなんてな」  
ステラは言葉もなく、ただ嗚咽と快楽で身体を震わせる。  
するとジャックは指を抜き、ポケットから縄を取り出してステラの手首を支柱に結び付けた。  
「やだ、何するの……!」  
いやな予感しかしない。がっちりと二重三重に結ばれた縄が柔らかな手に食い込み、ひりひりと痛む。  
「いい格好だなぁ」  
ステラは支柱を前に低く腰を突き出すような体勢にさせられた。  
ジャックはステラの尻たぶを掴んで揉みながら、にやにやと気持ち悪い笑みを浮かべた。  
「今いいもんやるからなぁ……」  
そして一旦ステラから離れる。  
老人の手の感触がなくなったことにステラはほっと息をついたが、  
この身動きできない状況では不安は消えなかった。  
「ほら、ネロ、お前さんの大好きなステラだ」  
馬の鼻息が近くなり、ステラはびくりと震えた。  
――まさか。  
「ほれ、もうちょい屈め」  
ステラは恐怖のあまり、声が出なくなった。  
ますます近づいて来る馬。その胴の下に潜りこまされるような格好。  
「俺の息子は役に立たねぇが、その代わりにとっておきをくれてやる」  
興奮した馬が鳴き、ステラの背中にその胸が押し付けられた。  
「う……そ……」  
横からジャックの手が伸び、ステラの尻が持ち上げられる。  
そして――  
「ほれ――行け――」  
熱い塊が、ステラの秘部に添えられた。  
「――!!!!」  
ありえない太さの塊――馬の男根が一気に侵入し、ステラの中が押し広げられ、おぞましい痛みが襲う。  
「か……はっ……」  
声にならない叫びを馬が聞くはずもない。最奥まで容赦なく突かれ、ステラの思考が飛ぶ。  
「どうだ? ネロのちんこは気持ちいいか」  
「……い……っ……や、ぁ……っ」  
下手に動けば蹴られる。  
狭い膣道をめりめりと広げられ、腹まで突き破られるのではないかと思うほど突かれ、  
ステラは痛みと死の恐怖に耐えていた。  
「ひ……っ……」  
馬に犯されている。ステラの頭では考えつきもしない悪夢だ。  
 
「可愛いなあ、ステラ。……ネロも喜んでるぞ」  
ジャックの言葉などもうステラの耳には届かない。  
ただ出入りする馬の肉棒を受け入れ、快楽を感じないほどの生理的嫌悪感に身を震わせる。  
時間自体はそんなに長くはかからなかった。  
だが、自分の中に熱い馬の子種が注がれているのに気づいた時、ステラは絶叫した。  
「…………やあああぁ!」  
長い放出を終えると、ネロは満足げに鼻を震わせ、すぐにステラから自分を引き抜いた。  
長い舌でステラを一舐めし、水を飲みはじめる。  
「どうた、すごかっただろ?」  
藁の中で突っ伏したステラに、もはや意識はなかった。  
 
終わり  
 
 

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