『慧太郎(けいたろう)ちゃん・・・』
『好きだ、恋心乃(ここの)・・・』
見詰め合う二人、立ち上る虹色オーラ
運命という名の赤い糸に結ばれた二人は、生まれた病院まで同じ幼馴染である
『慧太郎ちゃん・・・』
『恋心乃・・・・』
熱く見詰め合う二人、最早この至高のカップルにとって障害となるものなど何もない
『慧太郎ちゃん・・・ちゅー』
そして遂に初恋の実った二人はお互いに熱い口付けを___
「ちゅー・・・」
想像してみて欲しい
朝、幼馴染の『バカ』を起こしに来たら想像以上のバカ面で幼馴染が虚空に向けてキスしている状況を
「おい、起きろ」
一応一声かけてやる
「ちゅう・・・ちゅー」
「・・・もう知らん」
俺は恋心乃の部屋を出てキッチンへ向かった
作るのは、二人分の弁当と朝食
「慧くん、私がやるからいいわよ」
おばさんはそう言ってくれるが、ここは遠慮しておく
「いいですよ、大した手間じゃないですから」
我ながら手馴れた手つきで玉子焼きを作りながら、俺はそう返す
「いつも悪いわねぇ」
なんておばさんは言うが、俺が好きでやっていることだし、まったく苦にならない
めんどくさそうに言っておいてなんだが、俺は結構料理が好きだ
どうして好きなのかはわからないが、それこそ、将来はそういう職に就いてもいいかもしれないと思うぐらいに
「砂糖は多め・・・っと」
恋心乃は甘いのが好きなので砂糖を多めに入れ、焦げないうちに皿に盛る
すると、美味しそうな甘い玉子焼きの出来上がりだ
おいしそうに頬張る恋心乃の顔が目に浮かぶ
「今日は結構上手く出来たな」
一人満足していると後ろから声をかけられる
「良かったわぁ、これでいつでも家に婿入り出来るわね!!」
振り向くとおばさんが写真を撮りまくっていた
大袈裟な
「んぐんぐんぐ」
「お前なぁ」
朝食時、向かい合って座った恋心乃が一心に玉子焼きを頬張っていた
「慧太郎ちゃんの朝ごはんはやっぱり世界一おいしいね」
にぱっとほっこり笑う恋心乃を見て、呆れつつもなんだか嬉しくなる
自分の作ったものを美味しいと言って食べてくれる人がいるというのは、くすぐったいけど、嬉しい
(こういうのがやめられないのかもな)
特にコイツの能天気な笑顔を見ると悪くないなと思ってしまう
が、しかし
「お前、もう少し早く起きれないのか」
「あ・・・・」
時刻はすでに遅刻ギリギリの時間を回っていた
おばさんは既に仕事に行っている
「今日・・・学校休んじゃおうか」
悪戯っぽく笑う恋心乃に俺はたじろいでしまう
(コイツ・・・ヤる気だ)
普段はなまけんぼうでほにゃほにゃしている恋心乃だがイチャイチャに関しては恐ろしいほどの気を放つ
俺はいつも流されるままにちゅっちゅしてしまい、後で後悔するのだが、いつも負けてばかりはいられない
「ダメだ、今日はちゅっちゅはナシだぞ」
「やだ」
即答
クッ・・・なんて威圧力だ
今背中を見せたら確実にソファに押し倒される
「ちゅっちゅ」
「しないからな」
「ちゅっちゅっちゅー」
「ねずみかお前は」
じりじりと距離を詰める恋心乃、後退する俺
「ちゅー!!」
そして飛び込んできた恋心乃にカウンターを一発
「うおおおおおっチクビーム!!!」
恋心乃の乳に人差し指を、ふにりと突き立てる
見事、B地区に直撃した
「ひゃあっ!!」
その場にうずくまる恋心乃、立っている俺
勝者は一目瞭然だった
「よし、学校行くぞ」
「ううぅ・・・ちゅっちゅ〜」
朝っぱらから一体何をやってんだ俺らは
「おかえり〜慧太郎ちゃん」
さて想像してみて欲しい、家に帰ると当たり前のように幼馴染が自分の部屋のベッドに裸で包まっている様を
「何やってやがる・・・」
「ちゅっちゅ〜」
人間語しゃべれ
「だーかーら、今日はちゅっちゅしないっつったろ」
「やだよ、ちゅっちゅするもん」
ものすごい執念だ
「ああもうわかった、わかったよ・・・ちゅっちゅしような」
「やったぁ!!ちゅ〜・・・ん」
まずはキス
これは俺達の決まりごと
お互いの意思の確認だ
「胸また大きくなったか?」
「ん・・・ふぅ・・・だって慧太郎ちゃんおっぱい星人だし」
ちょうど俺の掌に納まる程度の形のいい胸
こういうなんと言うか、色んなところがぴったりと自分に嵌るのがすごく嬉しい
俺達は一緒になるために居るんだなって思うから
それを恋心乃に言ったら「あたりまえだよ〜」と言われたっけ
なんとも恋心乃らしくて可愛い
「そういや、あんまり言わないな俺」
「あっ・・・ふぇ?」
「可愛いってさ、ごめんな」
「ううん、いっつも慧太郎ちゃんちゅっちゅしながら言ってくれてるよ」
そういう時だけしか言わないのか俺
ちょっと自己嫌悪
「これからは、もっとちゃんと言うようにする」
「えへへ、また恋人レベルがアップしたね」
するりと俺のズボンに侵入した手が、しゅこしゅことムスコを扱きあげる
「うっ・・・こら、今俺のターンだぞ!」
「あったか慧ちゃん棒、恋心乃の冬のお供だよ!」
この頭の悪いネーミングセンスはどうにかならんものだろうか
と、思っている間にも俺の『あったか慧ちゃん棒』は臨界に近づいていく
まずい、このままでは挿入れる前に終わってしまう
「恋心乃、手ぇ止めてくれ・・・出そうだ」
「仕方ないなぁ」
漫画やゲームの主人公ならいざ知らず、ただの学生の俺は何度も射精できるわけではないんだ
わかってくれ恋心乃・・・
「じゃあ、本番ちゅっちゅだね♪」
「超嬉しそうだな」
「うん、慧太郎ちゃんとちゅっちゅするの大好きだもん!」
俺に跨り、自分から腰を下ろしてく恋心乃
初めてのとき以外は、俺から挿入れたことはなかったりする
恋心乃いわく「慧太郎ちゃんにご奉仕だよ!」だそうな
多分初めてのとき俺がテンパって腰を抜かしたのに気を使っているんだろう
「ふにゃ・・・はいったぁ♪」
嬉しそうな恋心乃の声
こうやって繋がると一緒な感じがいつもよりもっとして嬉しいらしい
腰つきも卑猥な水音に合わせて激しくなる
「んにゃ・・・ふにゃあっ・・・けーたろちゃんしゅきぃ・・・んちゅぅ」
腰を振りながらちゅうちゅうと俺の唇に吸い付く恋心乃
「俺も・・・好きだ・・・」
照れくさくて中々素直に言えない言葉
けれど、もっと照れくさいことをしてる今なら、なんだって言える
「ふにゃああああああ!!!」
「うっ・・・・・!!!」
恋心乃が達するのと同時に、大量の精をぶちまけた
「今日もちゅっちゅしたね〜」
「ああ・・・そうだな」
ベッドに二人で寝転がりながら、心地よい疲労感を感じながらだべる
今日は逃げ回っていたが、俺だってちゅっちゅが嫌いなわけじゃない
「今日はずっと添い寝してて欲しいな」
「ん?おばさんにちゃんと言ってきたか?」
「うん!ちゅっちゅしてくることも言ってきたよ」
「それは言わんでいい・・・」
最後の最後に爆弾を落としてくれる恋心乃に呆れつつ、俺は恋心乃が風邪を引かないように、毛布を深くかぶせるのだった