とある修道院は男子禁制だが、魔物(触手も含まれる)を封じ込める魔石所持に対する検閲は厳しくなかった。
エステル修道院で唯一、魔石・ディザスターアメジストを持ったフローラが魔界から出てきちゃった触手を見つけたのは、あくまでただの偶然である。
しかも、みなが寝静まっている夜中に彼女が修道院の裏庭を歩いていて、そこにひょっこり触手(しかも人格つき)が現れたのは、絶対に全くの偶然なのである。
「なんだてめー、オレ様に……――ってぎゃああぁぁぁ!!」
魔石から放たれた紫の光が触手を包み、光の粒子となって紫水晶の中へ吸いこまれた。
こうして彼はこの魔石抜きには現世にいるのが難しくなってしまった。
「てめーコラ! このサムソン様に奇怪光線浴びせるとは良い度胸じゃねえか!」
「あ、あの……私…………」
「いいからさっさと出しやがれ! さもねえとぐっちゃぐちゃにしちまうぞオラ!」
「だ、だめですよ…………その、このままでも……話せますし……」
「うるせえな、うだうだ言ってねえでさっさと出せっつってんだよ! お前が夜な夜なオナってんのみてここに‘落ちて’きてやったんだろがコラ!」
「え…………///」
「あんだよ、かわいい反応しやがって! 解ったらさっさとこっから出しやがれ!」
フローラ、顔を赤く染めながらも魔石から触手を召喚する。
といっても外見は、キツい三白眼とへの字口をつけただけの、黒くて丸いボールなのだが……
「フンッ! ったく、これからずっとあんなせまっ苦しいところにいなきゃなんねえとは、やってらんねえぜ」
と言いながらも、ボーry 触手はバウンドしながらフローラの全身をなめるように観察し、ニヤニヤする。
ウェーブがかったピンクの髪と、紫の瞳。
それに、十五歳にしては発育の良い身体、反して十五歳にしては幼い、整った顔立ち。
こんな可愛らしい美少女を犯せるなら、魔石暮らしも悪くない。
「おう、何ボケっとしてんだよ! おめーが脱がねえとやりづれーだろが!」
「え…………」
「それともなんだ、無理矢理ヤって欲しいのかゴルァ?!」
「い、いえ……その………………」
フローラは何か言いにくそうに口をもごもご動かしているが、サムソンにはさっぱり聞き取れない。
「聞こえねええよっ! 言いたいことがあんならはっきり言えや!」
「そ、その……………………そ、そんなに……………………」
「…………あー? …………あぁ」
触手は得心したように頷いた。
「要するにおめーは気持ちよくなりて――――むごっ?!」
大声を出したらすごい勢いで口をふさがれた。
少女の顔は真っ赤になっている。
ようやく手を離すと、触手はやっぱりすごい勢いでフローラに迫った。
「てめー! 何しやがんだ!」
「ご、ごめんなさいっ」
少女はふとももに両手を埋もれさせながら謝った。
「で、でもっ」
と言葉を継ごうとする彼女を見て、サムソンは仕方なく落ち着いてやった。
「でも……その……………………――き、気持ちよく……なりたい、です…………///」
恥ずかしそうにうつむきながら童顔を上気させる美少女を見て、触手はものすごくいやらしい笑いを浮かべて、言った。
「しょうがねえな……これからみっちり気持ちよおくしてやっから、覚悟すんだなっ!!」
言下に――黒いボーry 触手はばらけて無数の触手となって、純白の衣をまとったシスターの少女に殺到した。
その日は夜中じゅう、修道院の裏庭に可愛らしくてあえやかな嬌声が発されていたという…………