「なあなあ兄ちゃん!彼女に振られたって、ホントや?」
「……香織。俺ひさびさに実家帰って来て、妹相手にそんな話ばしとうないんやけど」
「いいやんいいやん。なあ、ホントや?
前に兄ちゃん帰って来た時、眉毛こんなんして『俺、彼女と結婚するかもしれん』(キリッ)て言うとったあの彼女やろ?
何でフラれたんよ?何で何で?」
「……うるさい!……他に好きな人ができたけん、もう一緒にいられん、泣きながらそれだけ言われて…何をニヤニヤしとると!」
「いやいや、まあ今回は残念やったけど、また次の娘探したらいいやん」
「そう簡単に行くか。気持ちの整理がついとらんし、俺はお前みたいにモテるタイプやないけん」
「……彼女候補なら意外と身近におるかもよ?例えばこの部屋に」
「……お前しかおらんけど」
「あたしでいいやん。こんなに美人で頭も良くてスタイルもよし。彼女に最適やろ?」
「……そんなん言って俺をからかう為にこんな話ばしに来たと?」
「ま、マジやっ!うぅ……せっかく兄ちゃんの彼女になれると思って……小さい頃からずっと好きだったのに……」
「香織、お前、泣いて……」
「……!……って!あはは!兄ちゃん騙されよる!うそ泣きに騙されよるばいあはははは!」
「こ、この……」
「嘘は女の性分やけん、涙の裏で何考えよるか分からんよ☆あははー、じゃあ兄ちゃんお休みー」
(ったくアイツは……でも、うそ泣きって、あんなに顔が真っ赤になるもんなのかな……)