長い、長い週末が終わってリインは日常にもどった。  
ようやく解放された時、軍を辞めると口走ったリインをレナードは一笑に付した。  
「君は士官学校の特待生だろう? 任官義務年限があるはずだ。正当な理由なき任官拒否の罰則も知っているな?」  
金銭的な免除のかわりに一定期間の軍への従事が義務とされている。途中でやめれば費用の一括返還請求がなされる。  
リインの保証人は父親だ。迷惑をかけるわけにもいかないし、一括で返すには苦しい金額だ。  
「当分君は軍と、私とは縁が切れない。私から切るつもりもない」  
そんなリインを優しく見ながらレナードは、素晴らしい週末だった、また連絡すると言い置いて去っていった。  
屈辱的な思いで病院へと行った後官舎へと戻り誰にも見られずに部屋に入ると、ベッドにもぐりこんで疲労した心身を癒すかのように  
ただひたすら眠った。  
週明けからリインは噂が広まったのを知った。友人や上官以外にも目撃されたのだろう。  
好奇心でいっぱいなくせに、誰も正面きっては聞いてこない。友人達はうらやましいだのお似合いだの、リインにとっては  
見当違いの祝福をしてくれた。二人でいた事実は事実なので否定もできない。  
ただ親友のアネットだけは、塞ぎがちなリインの様子に何か感じ取っているようではあった。  
 
リインは徹底的に一人になるのを避けた。常に誰かと、同性の人間とだが行動し休憩場所へも足を向けず業務が終われば早々に  
官舎に引き上げた。女性用の官舎にこもり休日も出歩くことを極端に減らした。  
視線はそれでもよこされることはあった。絡みつくようなそれをリインは無視した。  
レナードもそれ以上のことはせず、元々少将と新米の少尉だ。  
顔を合わせる機会もほとんどなく緊張をはらみながらも平穏に日々は過ぎた。  
リインはプライベートでもレナードを無視した。交換した連絡先は変更してもすぐに突き止められる。着信や受信拒否は  
万が一の業務の連絡だった場合には許される行為ではない。――ただ無視することにした。  
何度か留守電に店の名と日時の連絡が入っていたが応じる気は全くなかった。  
 
なかったことにしてしまいたかった。  
 
自室にいたリインの携帯が鳴る。表示された番号は嫌でも覚えてしまったものだ。いつものように無視を決め込み留守番電話に  
切り替わった。そこに落ち着いた声で伝言が入る。  
「一時間待つ。君が来ないなら君の友人に代行してもらう。ただしその後の保証はできない」  
店の名前が告げられて電話が切られた。  
リインは少しの間意味が分からずに呆然とする。友人に代行? その後の保証? 今までの誘いにはなかった言葉に嫌な予感を  
覚えつつも、どうやら無視すれば友人を巻き込むつもりらしいレナードに真意をただすべく急いで支度をして自室を出た。  
店に到着すると申し付けられていたのだろう従業員に案内されて奥まった個室へ入る。  
二度とかかわり合いになりたくなかったレナードが、酒のグラスを手に座っていた。  
「やあ、来たな」  
案内をした従業員に始めてくれ、と合図をするレナードに詰め寄る。  
「あの内容はどういうことですか。私の友人とは……」  
「話は後だ。まずは乾杯しよう」  
レナードは新たなグラスに酒を注ぎリインに手渡す。座るように促されしぶしぶ向かいの席につく。  
不本意ながらもレナードのペースに乗せられる。かなり強い酒を食前に飲まざるを得なくなったリインは苦い顔になる。  
次々に運ばれる料理を砂を噛むような思いで食した。レナードから振られる話題に必要最小限に応えてリインは食事を終えた。  
前はとても楽しかったレナードとの食事は、今は憂鬱な時間と化した。  
味もいいのに食べた気がしなくて勿体ないと感じる。  
どうにかコーヒーまでたどりついた時にレナードがおもむろに口を開く。  
「先程の質問だが」  
リインが答えを欲した質問。それまで努めてレナードを見ないようにしていたリインがはじかれたように顔を上げる。  
途端レナードとまともに視線が合う。レナードは満足そうだった。  
「やっと私を見たな。ああ何の話だったか。君の友人達と知り合いになってから色々と相談に乗ってもらっていたんだ。  
何しろ年は離れているし、何故か君には避けられているし、若い女性の好みや心理など見当もつかないからな」  
ぬけぬけと言うレナードにリインは怒りを覚える。  
ストーカーまがいの行為の挙句さんざんに体を弄んだレナードに良い感情などかけらも持てるはずもない。  
顔も見たくないのが当然だろう。切実に関係をなかったことにしたいと思っている、それなのに友人を巻き込むとは。  
「友人に、何を。彼女達は関係ないでしょう」  
「そうだ、私と君には『関係』があるがな」  
すうっと場の空気が冷える。レナードの目が笑っていない。  
 
「君の友人、アネットといったか。彼女は私に好意的なようだ。君の代わりをやってもらえたら私も楽しいかもしれない。  
だが私は知っての通りのひどい男だから、彼女を壊してしまうかもしれない。  
君にはストーカーへの耐性があったが、彼女はどうかな? どれくらい私の視線に耐えられるだろうか」  
足を組んで、両手の指先同士をあわせてレナードは笑う。  
「あなたは、どこまで……」  
それ以上続けられないリインに、心外だという表情を見せる。  
「ん? 私は年若い恋人に冷たくされて傷心の惨めな男だ。慰めてくれそうな優しい相手がいれば、それにすがりたくなるのが  
人情というものではないか?」  
リインが席を立てばレナードは迷わず友人、アネットを呼び出すだろう。そして優しい彼女ならそれに応じるはず。  
「……彼女をどうするおつもりですか」  
「君次第だろう。君が私の恋人だと私を安心させてくれれば、友人とやらの入る余地はない、何でもない話だ」  
レナードは席を立ちリインの前にくる。座ったままリインはレナードを見上げる。  
テーブルの上の両手をすくうように持ち上げ握られる。  
「ああ、それから誰だったか、君を襲おうとした輩。先日移動になった先で負傷したそうだ」  
地名を聞かされめまいを覚える、それは激しい局地的な戦闘になった地域で間違っても新米軍人が出張る場ではない。  
レナードの意向で同僚が配置転換になったのだ、そしてリインの友人達にも同様のことが起こりうると言外に告げている。  
――いや、脅している。  
レナードは笑いながらアネットを、友人達を壊すだろう。それは確信に近かった。  
リインはそんな未来は見たくなかった。傷つくと分かっていながらみすみすレナードの供物にはできない。  
「リイン」  
耳元で名を呼ばれぞくりとする。低く熱をおびた囁き。  
「君は……私の恋人か?」  
かがみこむレナードと一瞬視線を交錯させて、リインは目を閉じた。睫毛だけが震えてリインの心情を伝える。  
唇がリインのそれに柔らかく触れて離れる。もう一度触れ、今度はだんだんと深くなる。  
レナードとの口付けはリインが噛み付いた時以来だ。しかし二度と噛み付けない、抵抗できない。  
リインはレナードの脅しに屈した。  
無言の契約の証のように、レナードはリインの後頭部に手をやりひきつけて唇を貪る。やわらかく唇を食んで歯列にそって舌を動かし  
上顎へと舌先をすべらせる。そしてリインの舌をすくうように絡めた。  
「う、ん……」  
思わず漏らした声にレナードの手が耳をさすって頬をなでる。その間にもリインの口中はレナードに支配されている。  
縮こまるリインの舌を強引に絡めてしごく。口の中を犯される生々しい感覚にリインは震えた。  
ようやくレナードが離れたときにはリインの息は上がり、瞳は息苦しさのせいか濃厚な口付けのせいか少し潤んでいた。  
それでも一目でレナードを虜にしたその瞳でにらみつける。  
「恋人でも、愛人でも、好きに呼べばいいでしょう」  
そしてリインはレナードの腕の中に囚われた。  
 
引きずられるように連れ込まれたホテルで壁に押し付けられて、リインは唇から耳へと移ったレナードの愛撫を受けていた。  
逃げられないように抱きすくめられ耳に濡れた感触を受けて響く淫らな音に目をかたく閉じる。  
耳朶を噛まれもう片方の耳もすり、と指でこすりあわされる。刺激は耳だけなのに体が熱くなってくる。  
「私を焦らして楽しかったか?」  
「そんな……」  
耳元に落とされる声にぞくぞくしながらリインは否定する。焦らすどことか無関係になりたかったのが本音だ。  
レナードの大きな手が脇腹から腰を撫でている。そこからレナードの欲望が熱が伝わる。  
その熱に飲まれそうになり、リインはレナードの肩を押す。  
「シャワー、を」  
レナードが指先を握る。浴室のドアを開けリインに微笑む。  
「一緒に浴びよう」  
一人で、と言うリインを無視して強引に一緒に浴室に入ったレナードは、ネクタイを緩める。  
「私が脱がせるか、自分で脱ぐか」  
どちらもごめんだ、と言いたげに自分をにらむリインが可愛らしい。だがあまり余裕もないのも確かだった。  
囲い込んでゆっくりと服を脱がしていく。スカートではないのは警戒の証だろう。ふるり、とこぼれ出た胸に口付けるとリインが  
身じろぐ。乳首を口に含んで吸うと鋭く息をのむ音が聞こえた。  
業務上での接触は皆無と言ってよいほどになく、リインに避けられていた期間はかなり長い。  
時折見かけた姿はいつも誰かと一緒だった。視線に気付いているだろうにあの年にしては見事にそれを黙殺した。  
その豪胆さ、手を出す隙を見せない冷静さをレナードは好ましく思った。  
そうでなければ追い甲斐がない。  
だから搦め手を使った。とりあえずは人のものに勝手に手出しをした若造を激戦地に追いやり、リインの友人達が食事の礼を言って  
きたのを機に知己を得てゆっくりと外堀を埋めていった。  
仕上げはリインの親友のアネット。あれはいい手駒になる。  
リインを揺さぶるのにもってこいの存在だった。  
枷はまだ他にもあるがこの二つでリインは自分を受け入れた。  
 
強情な心とは裏腹にリインの体は柔らかい。鍛えていても男のそれとは違うさわり心地に陶然となりながら、レナードは執拗に乳首を  
愛撫する。口の中で尖りゆく感触を味わう。気付くとリインが顔を赤くして口を押さえていた。  
感じているらしい様子にもっと、と思うのは男の性か。  
衣服を取り去り、自分も服を脱いで二人では狭いシャワーブースに収まる。シーツの上に広がる髪が好きなレナードはリインの髪の毛を  
まとめて濡らさないように留意する。シャワーの湯が二人を濡らしていく。  
改めて施される濃厚な口付けに、密着する体温にリインの鼓動は早くなる。  
そちらに気をとられていると、体をすべる手の感触にはっとした。ボディーソープを手に取ってのことだろう。抵抗なくリインの体を  
レナードの手は動き回る。大きくて熱い手のひらに包むように触れられ、その熱が伝染したようにリインも熱くなってくる。  
首から鎖骨。肩から腕そして両手で手もほぐされるように泡を擦り付けられる。  
特に鋭敏な感覚器官である手は執拗にもまれ指の間も強めに触れられ、指を絡められると切ない疼きが生まれてくる。  
大きな手が背中を撫で下ろすその力強さに、身を委ねてもいいような安心感さえ生まれてくる。  
胸をすくわれるように持ち上げられソープのせいで摩擦のない指で乳首をつままれ、リインは背をしならせて胸を突き出すような  
形になってしまった。  
「ここで抱いてもいいのか?」  
からかいを含んだ声に我に返り慌ててかぶりを振る。レナードの手はそれ以上は胸にはとどまらず下へとおりてゆく。  
「自分で洗いますから」  
腰から臀部に手がうつりリインは抗う。それを無視してレナードはリインの片足を持ち上げて少し曲げた自分の膝に絡ませる。  
足先を撫でられ足首から上がってくる大きな手。膝から大腿へと手がすべらされる。もう少しで付け根、というところでレナードは  
今度は反対側の足に同様の行為をする。それも済んで足がおろされリインがほっとしたその時。  
指がひたりと付け根に当てられた。手の平と指ですくうようにもまれる。抵抗のない指が陰核をくりくりと刺激する。  
「っは、あっ……」  
次いでつままれてリインは下腹部で湧きあがる疼きに思わず声を上げる。レナードの指は陰核を、その周囲をなで上げ、さする。  
「中は……このままだとしみるな」  
流れ続けていたシャワーの湯で手を洗い、レナードの指が再びリインの足の付け根に当てられ、膣へともぐりこむ。  
「んっ、や、……あ」  
軽く曲げられた指で壁をこすられリインは熱い息を抑えられない。もみこまれるように入り込んだ指は指先の点で、指全体の面で、  
レナードはリインの中を洗い出すかのように掻いてゆく。円を描くようにぐるりと回されたかと思うと次には奥へと押し込められる。  
湿気のせいで音の響くシャワーブースにぐちゅぐちゅと淫猥な音がした。  
臀部に手を当ててもみながらリインを自分のほうに引き寄せているレナードを満足させるに十分な音、だった。  
 
「前よりも濡れているな。私の指は気持ちいいか?」  
羞恥で頬を染める、いや今回は少しばかり快楽も伴っているらしいリインはレナードの視線を避けるように、顔を斜めに向ける。  
もう一本増やした指でゆっくりと抽送するとリインの手がレナードの腕に置かれ、離そうとするかのようにかすがるかのようにか  
力がこめられる。  
とろりと粘液が指から伝い中があやしく蠕動を始める。ここでイかせてもいいが、もう一つのお楽しみもあることだとレナードは  
リインの中から指を引き抜いた。  
リインは壁に背中を預ける。既に疲労し体が重だるい。そんなリインの体の泡をざっと流してレナードは『お願い』をする。  
「私の体も洗ってくれるか?」  
嫌々ながらボディーソープを手に取り、レナードの真似をして体に手をすべらせる。  
意識して見た事のなかったレナードの体と感触が目の前にあり、改めて自分との違いを思い知らされる。がっしりした骨格や  
鍛えられた筋肉、そして古傷。レナードが軍という苛烈な場所で生き残り過ごしてきた歴史を感じる。  
大きな背中や胸、自分より太い腕や手を洗いその下へと行かなければならないリインは目のやり場に困る。  
レナードの体の中心で陰茎が反り返っていた。  
「先に足を」  
そう言われ視界に入れないようにとかがみこんで足を洗う。手首をとられて立ち上がると陰茎に導かれる。  
「ここも洗ってくれ」  
触れたそれは熱くて硬くて、手を引こうとしたリインの手は大きな手に包まれて上下させられる。びくりと脈動する陰茎は  
リインには目の毒だ。それでもレナードはリインの手で丹念に洗わせる。  
レナードが熱い息を漏らし、自身で泡を流した。  
自分でやるからと言っても聞き入れられずふかふかのバスタオルで体を拭かれたリインはバスローブを羽織らされる。  
レナードも同様の姿になり抱き上げられてリインはベッドに運ばれた。  
 
そらす顔を上向かされレナードと目が合う。髪はまとめていたものがほどかれてシーツに流れている。  
それを掬い取ってレナードは指の間で滑り落ちる感触を楽しむ。  
「――卑怯者」  
低い、リインの声に戯れをやめ上からじっくりと見下ろす。敵意に満ちた瞳が実にそそるのをリインは知らない。  
「大嫌いの次は卑怯者か。つくづく私は外道なようだな」  
笑い混じりに感想を言って、レナードはリインの体に唇を落とす。  
しっとりと温かい感触に半ば夢中で触れていく。細い骨格を代表するような鎖骨や人目に晒さないために白い胸元。しなやかで  
レナードを拒絶したり、すがってきたりするわがままな手指。  
じっくりと口付けて唇で食んだり、舌で舐めたりしているとうっすらとリインの体が汗ばんで、紅潮してくる。  
手を重ね指を絡めると無意識に握られる。今やレナードの頭は胸にあり、その髪の毛さえリインの肌を刺激している。  
吸い付かれた乳首を歯でしごかれリインは身を捩る。  
逃げないリインをじっくりとレナードは追い詰めていく。息が荒くなるのをリインは我慢できない。  
歯を食いしばって声を上げまいとするリインは、皮肉にもレナードの嗜虐芯を煽っている。  
唐突に目の前に指が突き出されレナードを見上げると命令を下す。  
「指をしゃぶれ」  
意味が分からずそれでも口元に持ってこられた指に顔を背けると、唇に押し当てられる。  
「咥えて、舐めろ」  
一瞬噛みちぎってやろうかという衝動にリインはかられた。ぎり、と下からレナードを見据える。レナードも視線をそらさない。  
緊張ただよう時間が過ぎて、先に目をそらしたのはリインの方だった。  
それを承諾ととり、レナードが口をこじ開けて指をいれこむ。  
「大嫌いな卑怯者に抱かれるのを選んだのは君だ。私が憎いなら私を殺せ。ベッドの上ほど無防備な場所はないからな。  
私を殺せないなら私に抱かれていろ。君は私のものだ」  
違うと叫びたいのに、口の中に指があるために果たせなかった。  
敗北感にまみれながらリインはレナードの指に舌を這わせる。口をすぼめて指を吸い上げた。  
レナードもされるままではなく、リインの口の中を押さえこすり、好きに動いている。  
足を抱えられレナードの顔が付け根に埋まる。  
シャワーブースでの愛撫の余韻の残るそこに口と、リインの口で濡らした指での刺激が加えられた。  
リインの体が震えて、足指に力が入る。中を揺らされて陰核を吸い上げられたとき閉じたリインの目蓋の裏に光が走る。  
レナードの指が内腿に食い込み尖らせた舌が膣内に入ってくる。ぬるりとした粘膜とざらついた表面が指とは違う刺激を伝える。  
腰が浮き、足が震えるリインに駄目押しのようにレナードは音を響かせて溢れた粘液をすすった。  
細かな痙攣がリインから生まれる。陰核を吸って軽く歯を立てた時、リインは背をしならせて硬直した。  
「――っ」  
声にならず、見開いた目も映したものを認識せず、ただリインは自分の中で爆発した何かにがくがくと身を震わせた。  
その感覚は鋭く強くリインを押し流した。  
 
ベッドに投げ出されたように沈んだリインは自分の息が荒く、喉が乾いて苦しいのに気付く。  
さっき白い世界になったようなそこは何の変哲もないホテルの一室だった。  
体が重くどこかに引きずり込まれそうなリインは自分の頭に腕枕をしたレナードにようやく視線を向けた。  
嬉しげな、慈しむような眼差しを向けているレナードをぼんやりと見る。  
「初めて達したな」  
レナードの手で絶頂といわれるものを経験させられた。そのことを認識したリインはレナードの張り巡らせた蜘蛛の巣に捕らえられた  
獲物の心持ちを味わった。  
大嫌いといい、卑怯者となじったレナードに感じてしまった。リインは内心で己を呪う。  
まだ力の入らないリインの足を抱えてレナードは挿入した。いまだ蠕動し収縮するそこはきゅうっとレナードを締め付ける。  
経験の少ないきつさと絶頂を極めた後の壁の動きはレナードの脳髄に快楽を送り込む。  
奥へと誘い込むような襞の動きは貪欲で、絡んでくるこの間よりも熱い内腔に溶けてしまいそうだ。  
誘いを無視され期間があいたせいか、きつさは最初の頃のようなのに絡んでくる感覚は違っていてひた、とレナードに吸い付き  
ざらついた前壁は往復するたびに亀頭にえもいわれぬ快感をもたらす。  
すぐに果てそうになるのを我慢して、レナードはリインの腰を抱えなおしてリインを揺らす。  
前回中でリインの弱そうな所を指で探し当てたが、そこを抽送のたびに刺激すると締め付けが強くなった。  
リインの手が落ち着きなくシーツをつかむ。  
自分にすがれとばかりにそれを引き剥がしてきつく抱きしめる。  
腰を使って奥へと突き、こすりあげる。  
リインの息がまた熱くなり、耳元で煽ってくる、ひときわ強く締められたときレナードはたまらず精を放った。  
襞が絡んで最後まで搾り取る。互いに汗にまみれこれ以上ないほど密着して。  
さすがに中では絶頂というわけにはいかなかった様だが、レナードは満足だった。  
「素晴らしかった、リイン」  
また一歩自分のものにしたリインに早く自分のところに堕ちてこいとばかりに口付ける。  
 
 
以上続く予定  
 
 
 

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