……絵理を連れ歩こうにも、時間がやっぱり足りないよな…。
絵理を展示室に連れていく事も考えて見たのだが、朝のハイキック騒ぎがあった後では、俺らの展示があるあの騒がしい
建物に絵理を連れ込むのは絵理にとっては厳しいだろう……かといって絵理に一人で展示を見学してもらうのも
厳しい事だ。今のセクシーな服のボディペインティングと上気した色っぽい表情の絵理を一人にするのは危ない気がする。
そうなってくると、やはり美術部の準備室で休んでいて貰うのが一番いいかな。
根元「絵理さん、その……一人で見て回るのが不安なら、準備室で休んでく?俺の仕事の方一時間で終わるから、それで
苦にならないなら待ってて欲しいんだけど…っていうか、その後続きはまたここから…でいいかな?」
絵理「え……でも……私勝手に準備室にいてもいいの?」
根元「そりゃ大丈夫だよ。多分まだ準備室に他の奴いるかもしれないけどさ、皆絵理さんの事知ってるから」
絵理「で、でも……迷惑じゃ………」
根元「全然…と言うより皆飲み会の時絵理さんと話したりないと思ってるだろうし」
絵理「う、うん………」
今の状態で一人になる事も不安だが、サークル仲間の連中の前でじっと一時間待ってるのも不安なのかもしれない。
俺も不安と言えば不安だ。絵理に一度でも会った人間が今日のセクシー系の格好の絵理を見た時の気持ちを考えたりすれば。
朝に準備室にちょっと絵理が顔を見せた時の部員連中の反応はかなり凄かったもんな。
性格はクールで清楚タイプな絵理が飲み会の時よりも遥かにセクシーな恰好をしてたもんだから。
始めて見る娘のセクシー衣装よりも知人の娘のセクシー衣装の方が衝撃は大きい。
そしてそう言うのは見られている方にも伝わってしまうものだ。
男子部員のみと準備室で一緒になったらそいつらは絶対絵理の肌色部分が気になってしまうだろうし、
絵理もそんな雰囲気の中で耐え続けなければいけないんだろうしな。
その事を口に出して言えるほどの立場では無い俺と絵理の関係が何とも歯がゆい。
根元「じっとしてるのが面倒だったら、誰かに案内たのむとかさ…あ、でも男の奴らは駄目だよ!」
絵理「……根元くん……ひょっとして嫉妬……?」
根元「え?いや、そうじゃないというか……ってか男だと絵理さんに俺の欠点とかある事ない事吹き込みそうな気がする
だけで…って絵理さん、笑わないでよ」
絵理「別に……根元くんの欠点なら、一番ひどいの私知ってるから……」
根元「わ、絵理さんひっでえ……!で…その欠点って?」
絵理「………ムッツリな所?」
根元「…………多分不正解だと思うよ、うん!じゃ、不正解だから罰として俺がまた絵理さんを運んで……!ってあ、絵理さん
先行かないでって、ごめん……」
絵理「もう……!あれは絶対に不許可だから……」
俺とバカ話をした事で少しは落ち着いた気分になったらしい。まだ頬が色っぽく火照ってるみたいだが。
足早に歩く絵理に追いつこうとする俺だが……こうやって斜め後ろから見る絵理も何とも良いものだ。
脚は殆ど丸出し、肩を露出した格好、そして絵理の背中をお尻まで隠す長い髪の毛。
髪の毛の黒と絵理の白い肌だけが目に入り、絵理が裸で歩いてるように見えるのだから。
それは俺だけが思う事じゃないだろう。俺達の後方を歩いている別の学生や来賓達も絵理の後姿に目を奪われ
きっと一瞬絵理が何も着てない様に錯覚してしまうんだろうな。そして自分の勘違いを恥ずかしく思うのだ。
……そしてそいつらはそれが錯覚では無い事に最後まで気付かない。
はァ……少なくともこの大学内で今こうして絵理が乳を丸出しにしてプルプル小刻みに揺らしながら歩いてるのも
絵理の股間に生で外の空気が直撃してるのも知ってるのも俺だけなんだ……。
……もし部員連中が準備室にたくさんいたら、これってある意味絵理に対する放置プレイになるのかな…。
一旦知り合いになってしまった部員連中に対して絵理もつれない冷たい態度で接するってわけにもいかないだろう。
もし、絵理の秘密がばれたりしたら……もったいないような気がするけど、同じ位ドキドキ興奮する。
女子同士ならば多少身体に触る位平気だろうし、第一今日の絵理は昨日よりも露出度が激しく高い。
肩やウエスト、脚位なら触られても地肌部分だから問題は無いのだろうけど、エロいながらもやたらと似合っている
今日の絵理のボディーペインティングをファッションチェックとして観察して来るかも知れない。
本当ならそんな危機に絵理が陥るようなら俺がフォローすべきなんだが、生殺し状態の長引く俺。
ソフトな範囲で困っている絵理と言うのも面白いと思ってしまっていた。今から一時間仕事だから現場にいられないのは残念だけど。
うん、大丈夫だよね、絵理……これ位は切り抜けてくれるよね……戻ってきた後バレずに無事でいてくれよ、絵理…。
五分もしない内に美術準備室にたどり着く。さて……どんなメンバーが残ってるのやら……。
どんなラインナップでもそれなりに面白そうだ。他の男連中が絵理をエスコートする様な事が無ければ。
根元「うぃ〜〜っす……入るぞって……あれま……女子ばっかりやたらと残ってるな」
扉を開けると副部長を含めて女子の部員ばかりが五人程。
当然ながら絵理以外はみんな着衣であるのはハッキリわかる。大勢の着衣の女子の中に全裸ボディペインティングの絵理を放置。
女子部員の面々は絵理の秘密なんて知らないのだが、なんか絵理を苛めてるっぽい様な背徳感。
副部長「あら、お帰り根元君……じゃなくて今から展示室の仕事でしょ?早く……!」
女子部員A「あ、香春さんも?どうしたの?」
根元「ああ、それなんだけどさ……俺今から仕事行くんだけど、その間絵理さん一人で放っとくわけにもいかないからさ、
ここで休んでいて貰うか、仕事の間、誰かに絵理さんの事頼めないかな〜って思って」
女子部員B「なるほど……全然〜大丈夫!今、男子の連中みんないなくなってるしさ!香春さん、入って〜」
女子部員A[なんか絵理ちゃん、顔少し赤くなってない?……あ、もしかして根元くん…ふふふ」
根元「無い無い…品行方正な俺が真面目な絵理さんにそんな事するわけないだろ」
女子部員A「いや、まだ何も言ってないんだけど……ちょっとまって…今前半物凄く都合のいい事言って無かった?」
絵理の頬がまだ少し赤くなってたか…。まぁ、今日の露出度の高い恰好だと皆絵理の表情まで気になってしまうらしい。
そして表情を見ていた視線はそのまま絵理の身体の方に移って行く。
副部長「……?!やだ、絵理ちゃん……その脚、どうしたの……包帯なんか巻いて!」
絵理と同じ学年にあたる副部長は遠慮がちに入ってきた絵理の足首に巻かれた包帯を見て目を丸くする。
根元「ああ、ちょっとさっき絵理さんが怪我しちゃって……」
副部長「怪我しちゃってって…根元君、貴方何自分で誘った女の子に怪我させてんのよ!」
絵理「……ッ…!ち、違います……そ、その……私全然怪我なんてしてなくて……この包帯、偽物で……」
根元「あ、ちょっと、絵理さんッ……」
女子部員C「え?何ですか……偽物って……」
絵理「その……怪我はしてないんだけど……根元くんがどうしても巻いとけって心配してくれて……」
女子部員B「どうしてもって……何かふかい訳でもあるの?え〜何?」
女子部員達はさっそくそのネタに飛びつこうとしてくるが、流石に理由と原因を話せるわけがない。
女子部員D「そう言えば……根元センパイ朝早く香春さん連れて行っちゃいましたけど……」
女子部員A「ああ、そうそう!何か報道部が問題起こして飾りを壊しちゃって、人が巻き込まれかかったって…あ、でも
誰か女の子がそれを見事に助けたとか聞いたんだけど……。あッ……もしかして、絵理ちゃん、その人?」
女子部員B「え〜〜〜〜!?何、それ本当?どうして絵理ちゃんが?」
副部長「じゃ、まさかその時に怪我したって言うの?」
女子部員A「駄目じゃん、根元君、絵理ちゃんにそんな事させちゃ……」
根元「あ、ああ……うん、そうだよな……」
参ったな……こんな流れは予想外だった。絵理に対面した事のある女子部員の連中はその絵理が足首に包帯を付けてつけてるのに
真っ先に興味を持ってしまっていた。
出来れば気付かずに絵理をガールズトークに巻き込んでやって欲しかったんだけど。
女子部員C「大丈夫なんですか、絵理さん、歩ける状態なんですか?」
絵理「だから……全然怪我とかしてなくて……ね、根元くんッ……」
絵理が俺の方にしきりに助けを求める様に視線を送って来る。
根元「あ〜……取りあえず、その……今絵理さんその事に触れて欲しくないらしいから、今は聞かないで置いてあげてくれない?
後で俺が説明するからさ……って絵理さんッ……いたたッ……」
絵理「……喋っちゃダメッ……」
女子部員D「…?あー!もしかして根元先輩香春さんに何かイヤらしい事したんじゃ〜?」
根元「いや、それは無いって。そんな事したら怪我してるのは俺の方……ってああ、ごめん絵理さんッ…」
女子部員C「実曽和さん……実曽和さん……根元さん、そろそろ……」
副部長「あ、本当!!こんな所で時間つぶしてる場合じゃないわね……ってわけで根元君、さっさと仕事に行ってきなさ〜い!」
根元「うわッ?あと一分しかねえ……じゃ、絵理さん、本当に悪いけど……一時間経ったらすぐ迎えに来るから…!」
絵理「え……根元くん……ぁ……」
女子部員A「根元く〜ん!戻ってきたらもっと詳しく聞かせてね〜!」
根元「馬鹿、絶対秘密だ、秘密……ッぐごッ!?」
絵理:「あッ………」
女子部員B「あ、根元君こけた〜!」
副部長「ああ、本当に……根元君、多少そそっかしい所あるとは思ってたけど、ここの所重症よね……」
女子部員A「で、絵理ちゃん……ふふふ…そんな根元君はどんな感じ?」
絵理「えっ……?」
女子部員D「香春さん、何飲みますか?ウーロン茶でいいですか?」
女子部員C「絵理さん、どうぞ、ここ……」
絵理「でも………あ……」
女子部員B「いいからいいから……私達飲み会の時びっくりしたけど根元君が絵理ちゃんにぴったりくっ付いてるから、
全ッ然会話らしい事出来なかったんだし〜、ああ、蛍なら今はいないから」
(視点変更)…………
私は誘われるままに席に着く。せっかくニコニコと笑って誘ってくれてるんだから応じないのは失礼だけど……。
でも、こう言う時何を切り出せば……そもそも彼女達が興味を持っている根元くんとの関係をどう説明すればいいのだろう。
副部長「しっかし、以外よね〜……部長とかが女の子連れて来るのわわかりそうだけど、根元君がよ!いままで一番男共の中で
女っ気無さそうだった根元君が絵理ちゃんをよ!」
女子部員A「そうっすよね……カルチャースクールで出会ったモデルさんとかならまだしも、根元君が絵理ちゃんに
声かけたってすごい事だと思わない?」
女子部員D「香春さん、根元先輩に最初なんて言われたんですか?」
絵理「え?駅で雨宿りしてる時に声掛けられたんだけど……傘に入らないかって……」
女子部員B「ん〜…そこは前にも聞いた〜。根元君の第一声が知りたいのよね!」
女子部員C「私も知りたいです……」
絵理「え……?えっと……間違ってるかも知れないけど……『よッ!彼女、一人?今、雨宿り中?』…だった、かしら…」
副部長「ぶッ?!んっ…ごほっ…こほっ……ん、ま、マジ?」
女子部員A「やっだ〜……根元君、そんな声のかけ方したんだ〜!イメージ合わない〜」
女子部員C「…ッやだ、本当ですか……根元さんが……」
私があの時のセリフを思い出して言ってみると、思わずジュースを噴き出しそうになってむせたり笑い始めている。
女子部員D「根元先輩の声、明らかに裏返ったりして無かったですか?」
絵理「……そうだったかも……」
ここ最近私にやたらとかまって来る根元くん……どうも部内のイメージでは意外と女の人に奥手と言う事らしい。
女子部員B「でも、それで絵理ちゃんをモデルに誘ったんでしょ?考えてみれば凄い事よねー」
副部長「根元君が自慢したがるのもわかるけどね……」
女子部員A「あ、そういや私と暎子は絵理ちゃんより一つ下なのよね…蛍のせいでそのまんま私らまで絵理ちゃんって呼んでた…」
絵理「え?そ、そんな事、気にしないで……」
どうやら、副部長さんは私と同学年……そして根元君の同級生が二人、後輩が二人。
テーブルの上にはスナック菓子の袋が広げられ、ジュースの入ったペットボトルが紙コップと一緒に置かれている。
私の向かい正面にいるのが副部長さん、そしてその両隣りに後輩の二人、私の両脇を同級生二人が座っている。
やだな……私は自分の秘密の理由上、人に囲まれるような配置がどうしても苦手だった。
その苦手な状況に置かれていると私は自分でも表情が硬くぎこちない物になっていると自覚している。
昨日は根元くんの友人の本田君に頼まれてコスプレ喫茶で少し仕事をしたけど…あんな硬い表情で良かったのか不安になった。
今日の格好……自分でも少し派手すぎるかもしれないと思っていたけど……でも根元くんの行動を考えると
地肌を出していないといつバレてしまうのか……もしまたあんな抱っこなんてされて彼が服だと思ってる部分に
彼の肌が触れたりしたら……不安な気持ちと……そして彼を少しからかってみたかったのかもしれない。
今日より露出の低い昨日のコスプレでも根元くんが興奮しているのがわかったから。
彼は気付いているんじゃないのか……でも、私の事を脅そうとする様子も無くて……。
恥ずかしい事だけど、特定の男の人と付き合った経験は今まで無かった。そして根元くんとの事が始まってから私は以前よりも視線に敏感になっていた。
今までは私の秘密を嗅ぎつけられてる様子も無くて、誘いも何とか断る形で済んで来たけど…。
私が彼に対して最初に抱いていたのは紛れもなく警戒の気持ちだった。最初に会った時にボディーペインティングの話を持ち出した彼を。
おかしな事だとは思うけど、そんな彼に対する警戒の気持ちが薄れて来ている。
それどころか彼が私をいろいろ引っ張り回してかき回してくれるのを、どことなく嬉しく思ってしまっている。
彼が私を脅すつもりが全く無いのなら、このまま……でも、私の秘密…そうしなければならない理由を彼が知ったら…。
副部長「あれれ?どうしたの絵理ちゃん?ひょっとして根元君のこと考えてたりして?」
絵理「っ?!え……違ッ……」
女子部員A「そうかしら〜。だって絵理ちゃん昨日根元君と部室で……ね?」
女子部員D「ぶっちゃけ、根元先輩とどんだけ進んでるんですか、絵理さん?」
女子部員B「そうそう、縄で縛られてたって一体何だったの?男子には言わないからさ教えて?」
絵理「ちょ、ちょっと……昨日のは本当に何でも無くて……それに根元くんとは今日で会うの五回目だし、進んでるなんて…」
女子部員B「でも、その服装、根元君に頼まれたんでしょ、昨日みたく」
絵理「え………?そんなに問題ある、かな………?」
この格好に反応して来たのは根元くんだけじゃなくて、現に今も剥き出しの肌やお腹…胸の谷間にまで視線を感じた。
女子部員A「そりゃもう……朝も思ったけど、凄い肌色よね〜、絵理ちゃん……しかも首にチョーカーまで」
副部長「絵理ちゃん、服装センスはあるんだけど……ハッキリ言うと絶対男共が良からぬ事考えそうよ」
女子部員C「私、今日朝眠かったけど、いっぺんに目が覚めたです」
女子部員D「しかし香春さん、最初見た時はもっとクール&ビューティーってイメージだったけど…なんかホントに可愛いっすね」
絵理「あ……そんなに見られると恥ずかしい……んだけど……ぁ……」
私はこう言う状況になってしまうと機転の利いた事を言う事がすごく苦手だ。
もっと葛城さんみたいに明るくて面白い子なら、周囲を笑わせるようなリアクションを取る事が出来るんだろうけど。
男でも女でも相手が一人ならもう少し私の頭の回転も、言う事の内容もマシになるんだろうけど、大勢の人に囲まれて
会話の中心にされている状態では冗談の一つすらなかなか浮かんで来ない。
ましてや今日の面積の狭いボディーペインティングをじっと見つめられていたりするのでは。
女子部員D「でもでも、絵理さん服のセンスはあるのに、あんまり化粧とかしないんですね…香水の匂いとか全然しないし…」
女子部員B「あ、じゃあウチらと一緒に化粧品の売り物、見に行かない?買ったけど封も開けずに使い損ねてる化粧品の販売近くの部屋でやってるの!」
絵理「化粧品……私…あんまり経験無くて……」
副部長「まあ、化粧って案外やらない人に習慣づけようと思っても数日続いてもすぐに飽きちゃいそうよね」
私の場合はもともと化粧にあまり興味が無いのもあるけど、それ以上に私の体質にも起因していた。
女子部員A「ん〜…じゃ、絵理ちゃん…飲み会の時からずっと髪型、ロングのストレートだけど……ひょっとして
根元君にもその髪型しか見せてないの?ふ〜〜ん……ね、ちょっと髪型チェンジしてみない?」
絵理「え……でも私あんまり髪の毛をいじると……」
本当は髪型を変える事に興味が無いわけじゃない。ただ髪の毛を伸ばした状態なら背中を隠すのに便利だからあまり弄らないだけ。
副部長「まあまあ……髪型変えると、本当に気分も変わるし周りのイメージも変わるもんよ。根元君が戻って来た時、ビックリした所見たくない?」
女子部員B「うんうん!根元君が思わず鼻血噴いちゃいそうな髪型とか、やってみようよ〜!」
絵理「ま、待って……どうして根元くんの名前が……」
女子部員B「だって根元くん、絶対に絵理ちゃんにメロメロになってるの間違い無いし!」
女子部員D「あ、それ私もそう思ったです!ここ数日の根元先輩様子変わってたですよ、本当に」
絵理「で、でも……それじゃかえってそんな事したら恥ずかしい……ぁっ、ちょっと…?」
向かいの席に座る3人が立ち上がると私のいる席に一斉に向かって来る。私の座っている席は椅子が繋がっていてしかも両側を後輩の子二人がいるから逃げられない。
絵理「きゃぁっ?んっ……」
女子部員B「あ〜〜〜ん、絵理ちゃんエッチな声〜」
その一言に自分でも耳まで真っ赤になるのがわかった。だってしょうがないじゃない……さっきあんなにたくさんの子猫の毛で身体を刺激されて、
恥ずかしい位に敏感になってるのに…第一、私は人一倍触られる事に敏感に反応しちゃうのに…。
副部長「絵理ちゃん感じやすいのね……この声きいたら絶対根元君コーフンしそうよね」
女子部員A「でも、本当この鎖骨から肩の部分、色っぽいよね。もう私らとは肌の色もボディラインもレベルが違うわ…」
立ち上がるよりも先にその3人に肩に手をおかれ、それとなく抵抗を封じられてしまう。
絵理「ぁっ……やッ……はァ……あ、あんまりそう言う触り方っ……んんっ……」
指先でなぞる様な触り方で首筋や肩を触られると、どうしても自分でも淫らだと思う声が漏れてしまう。
根元くんでもそんな触り方は……あ、でも昨日この部屋のロッカーで根元くんに背中や脇腹をいっぱい触られて…。
やだ、私……何で根元くんの事なんか考えて……もしそんな事考えてるのが彼女たちに悟られちゃったら、またからかわれる。
女子部員C「やだ……絵理さん……ちょっとエッチっぽい……せ、先輩達……そんなに触ると……」
向かいの席にいた3人は私の肩や首周りをさらに面白がって触り始めてしまう。だめ…このまま触られて困る部分にまで触られたら…。
女子部員B「へぇ……こんだけ胸あったら肩凝りそうだけど、あんま凝ってる感じないじゃん…むにむに……」
絵理「きゃっ…ひゃぁん……やッ……そんなに指……食い込ませないで……」
副部長「髪の毛サラサラ……ねえ、どのシャンプーとリンス使ってるの絵理ちゃんは……」
絵理「別に…そんなに特別なのは……」
駄目…髪の毛を撫でられると髪の毛で背中とかくすぐったいから……このままじゃ身体がイヤらしい反応を見せてしまう…。
女子部員A「……ね、絵理ちゃん……ちょっと胸、服の上からタッチして見ていい?」
絵理「えっ……や、やだッ……それは、ダメ……」
男子を相手にする時以上に女の子と一緒にいたりするとこう言うじゃれ合いがあるから困る。私は自分が通っている大学でも良く友人達にこう言う事をされてしまうことが度々あった。
でも、極端に踏み込んで来られては困る秘密を持つ私。だからそれ以上の事は許可する事はどうしても出来なくて。
それ故に段々私は友人達から容姿はいいけど面白みはあまり無い友人という評価を受けるようになっていた。
女子部員A「え〜、蛍は触ってたのに……うしろからムニムニと……」
絵理「そ、それは……」
副部長「って私らも目的忘れてちゃいけないわよね。絵理ちゃんいい声出すもんだからついつい……」
女子部員B「じゃ、絵理ちゃん……ちょっとこっちに座って見てくれる?テーブルに座ったままだと触りにくいから…」
絵理「う、うん………」
離れた位置に置いてある背もたれの無い一人用の椅子の上に座る様に促されそれに座る私。
本当はかなり躊躇いがあった。テーブルの前に座ってる時はテーブルが衝立になって身体を前から見られのを軽減してくれてたから。
幸い椅子の表面の跡がお尻につく事は無さそうだけど、椅子と接触するお尻の質感がリアル過ぎると思われるかもしれない。
でも断るわけにもいかなかった。彼女たちも別段何かしら悪気があってやってきてるわけでは無くあくまで親切心でしてくれてるから。
それを断るようでは私を大学祭に誘ってくれた根元くんまで女子部員の人達からの評価が下がってしまうかもしれない。
副部長「さって……座って貰ったはいいけど……ぶっちゃけどんな髪型いっとく?」
女子部員A「道具使わないと出来ないような難しいのは却下とすると……やっぱポニーテール?」
女子部員B「私、絵理ちゃんがうなじ出してる所みたいな…あれ、浴衣着るときみたいな結い方してみない?」
副部長「絵理ちゃんはどういうのやってみたいの?」
絵理「え?私……昔から髪型弄った事無いから良く分からなくて……」
副部長「あら、そうなの?でも羨ましいわね〜…すっごいいい手触り……」
絵理「きゃっ……あふぅっ………ん………」
椅子に座っている私の背中をそこにかかっている髪の毛ごと三人が撫でて来るのがやたらとくすぐったい。
女子部員A「取りあえず、三つ編みとかやってみない?三人でやれば、すぐでしょ?それ以外は三つ編みの後で」
副部長「うん、そうしましょ、私三つ編み編むのが得意よ」
女子部員B「でも三つ編みじゃ多くても二つよ?二人しか出来ないよ」
副部長「じゃあ、いっそ三つ編み一本に纏めちゃわない?3人交替で」
副部長さんと女子部員の一人が私の背中側の髪の毛をフワリと持ち上げる。
女子部員B「はぁ…この感触だと三つ編みとかしても解けば即まっすぐに戻っちゃうわよね…私もお手入れ気をつけないと〜」
女子部員A「って言うか瑛子〜…アンタは外食ばっかの生活控えないといけないわよ」
副部長「あ、絵理ちゃん……こんな所にホクロ発見!」
絵理「えっ?あッ……ちょっと……」
副部長さんが私の背中にあるホクロをツンツンとつついた。
女子部員A「あら本当……へぇ……でもこのラインにあるとすっごくセクシーだよね」
女子部員D「うんうん、いけない秘密知っちゃった気分っすよね」
女子部員B「って言うか〜…根元君の描いた絵の方にも、ちゃんとこのホクロ描いて無かった?」
副部長「う〜ん……そうだっけ……私、背中以外の所の描きこみがすごくて驚いてたんだけど」
絵理「えっ?ぇ…嘘ッ……」