“ちょっと、来い! (゚Д゚#)”  
昼休み、惰眠を貪ろうと目論んでいた俺の目の前に、達筆な文字&顔文字付きの紙が突き出された。  
半ギレ気味に目を上げれば、クラスメイトの花梨(かりん)が睨んでいた。  
メガネ美人が睨むと怖さが乗数的に増加する。  
自慢のツインテールも逆立って見える。ええ、マジギレなう、ですね。わかります。  
 
ブレザーのネクタイを捕まれ、書道部の部室へ連行された。  
がちゃり、と鍵を開け、畳部屋へ俺を放りこむと後ろ手でまた鍵をかける。  
花梨はここの部長で、鍵を顧問から預かっているからこそできる貸し切りだった。  
経験上、貸し切り=折檻に繋がるわけだが。  
何だ、何かやったか!?必死で記憶を辿るも、頭の中の容疑者は黙秘権を行使していた。  
花梨が俺のネクタイを掴み、俺の顔を自分の顔の位置まで下げる。首が締められて苦しいっす。  
でも、シャンプーのいい匂いだぁ。くんかくんか。  
「ァアー!ウーガー!クー!キー!ワァアー!!」  
いきなり花梨が顔を真赤にして俺に吠えかかる。普段、決して声を出さない花梨が。  
いや、出せない、という方が正しいのか。  
 
花梨は生まれつき聾だった。声は慣れない者が聞けば、意味を成す人の声としては認識できない。  
だから、花梨は人前で絶対に声を出さない。自分の発声が異質だという事を、身を以て知っているから。  
花梨の声を聞ける、という事は特別扱いという事で誇れる事なのだが・・・。  
いかんせん、卍解状態の花梨の声は、慣れている俺でも聞き取れなかった。  
 
落ち着いて、言いたい事を書いてくれ、と伝える為にうろ覚えの手話を使う。  
えーっと、「安心」―胸を両手で撫で下ろす形―  
でもって、「書く」―右手をペンの形にして、左の手のひらに書く感じ―  
花梨は理解したのか、ふー、ふーと息を荒げながらメモ帳にしゃしゃ、っと筆ペンで書き殴る。  
 
“さっき、クラスの子にキスしていたでしょ!!”  
―繋がった。昼休み開始直後に、隣の女子に「耳の透明ピアスの留め金が難しいからやって」とお願いされて、  
あいよ、とやってやったのだ。  
花梨の席から見たら、頬にキスしているように見えなくもない。  
溜息交じりに、自分のメモに書き、花梨に見せる。  
“ピアスを留めた。クラスでキスするわけない”  
“雌犬のピアスなんか留めないでよ!!”  
雌犬の漢字の流麗っぷりに感心しながら、筆談による説得は無理だとあきらめる。つーか、メンドくさい。  
 
後は、実力行使のみ。花梨を抱きしめ、キスをする。じたばたと抵抗されるが、腕力で離さなかった。  
抵抗が収まり、キスを受け入れ始めた。唇をついばみ、舌先でちろちろと相手の舌を舐める。  
「くぅ・・・ん・・」  
子犬が甘えるようの声。おー、よしよし、かわいーなぁ。  
俺は無言で、ゆっくりと大きく、口の動きで花梨に言葉を伝える。  
『え・い・ち・し・た・い』  
花梨が、阿保、馬鹿、無理、と言わんばかりにおろおろと首を振る。冗談だったのに。  
 
その様子を見て俺のSっ気が発動した!嫌がる花梨のブレザーを脱がし、ワイシャツのボタンをいくつか外す。  
ピンク色のブラが出てきた。お、飾りがいっぱいある。今日は脱がされるつもりだったかな!?などと妄想。  
ホックが背中側だったので、脱がさずに上にずり上げた。ぷるん、と程良い大きさのおっぱいが登場した。  
大きさは、まぁ良いでしょう。乳首は淡い桜色。美しいッ!と鑑賞している間に腕で隠された。  
 
てめぇ、美の鑑賞を邪魔すんじゃねぇ!と逆ギレ気味に花梨を抱きしめて拘束しながら足払いをかけ、畳に優しく寝かせる。  
逃げ出そうとしたので、両手を掴んで花梨の頭の上で抑えつけた。  
おおー、おっぱいがワイシャツから飛び出てイヤラシすなぁ。  
花梨は相当嫌そうな顔しているが、キニシナイ。乳首をちゅちゅ、と吸う。ほれ、固くなった。  
体は正直だなぁオラオラ、と脳内で絶叫しつつ、両方のおっぱいに吸いつき続ける。  
 
「かー、はぁー、んん・・・」  
花梨が少し感じ始めて、少しHな息をし始めた。  
抵抗が弱くなったので両手を離した―途端、花梨が頭突きをかました!  
うげええ!追撃を防ぐためガードを固めたが、何も起きない。  
両手のガードの隙間に花梨の手が差し込まれ、優しい力で広げられた。  
マッハ突きを覚悟した俺に、花梨がキスをした。  
ぽかん、としている俺を横目に下着を脱ぎ、スカートのポケットに突っ込む。  
また寝っ転がり、恥ずかしそうに横を向きながら、俺に手でおいでおいでをした。  
飛んだ。俺、飛んだね。ルパンばり。偉大なるイカロス様、人は、萌えで飛べました。  
 
花梨とキスしながら、あそこに手を伸ばす。少しだけ、濡れていた。前回は強く触ったら痛そうだった。  
教訓を生かし、今回はできるだけ優しく触る。そーっと、ぷくん、て膨らんでいる外側をふわふわ撫でる。  
ヒダヒダの所をさやさやして、一番真ん中の所を下から上まで指でなぞり上げる。あ、濡れてきた。  
なんか、うれしいね。もっと感じて欲しい。真ん中の上、クリトリスのあたりをやわやわと触る。  
「くう・・ん。くぅん・・・」  
キスをしながら花梨が子犬みたいに鳴く。可愛すぎて萌え死ぬる。ミトコンドリアが狂いそうです。  
 
突っ込みたい!必死でズボンを脱いで、チンコ出して、ゴムを着け・・・ありません。死ね俺。  
花梨がナニダラダラシテンダボケ、という感じで俺を見る。メモにサラサラっと。  
“ゴム忘れましたサーセン”  
蹴り飛ばされ、無様に部屋の隅まで転がり壁にぶつかる。背骨が折れるかと思った。  
目の前にパサリ、と半紙が落ちてきた。見事な行書体で「部室内イチャラブ禁止」―花梨の作品。悪夢だ。  
当の花梨は自分のブレザーから財布を取り出し、何かを掲げた。  
そ・・それはッ!日本の至宝オカモトコンドーム0.02EX!!  
黄門様の印籠の前に、俺は悪代官ばりに平伏した。  
 
俺の前に転がってきたゴムちゃんをいそいそっと装着し、花梨の中に入った。ぬるん、と呑み込まれる。  
熱くて、柔らかくて、すぐに出そうだった。あそこだけじゃなくて、接している肌全てがしっとりと吸いつく。  
本当に一つになった感じがした。歯を食いしばりながら、ゆっくりと動かす。  
「ん・・、ああ・・ん・・・」  
花梨も痛がる様子もなく、眉をひそめてHなのを我慢している感じ。小さな喘ぎ声でも凄くいやらしい。  
前回に比べて中がより濡れているし、柔らかくなったような感じがした。  
花梨がニコッ、と笑いかける。本当に、可愛い。頭まで真っ白くなって、腰が勝手に激しく動く。  
花梨が口で手を噛みながら、我慢している。時々、ん!んん!と喘ぎが漏れた。もう、我慢出来ない!  
びゅ、びゅーと音が鳴った気がするくらい、射精する。花梨の中がきゅ、きゅと絞めつけてとても気持ちがいい。  
射精が止まり、花梨の体に突っ伏すと、強く抱きしめてくれた。  
 
お互い背を向けて自分の後始末。うわー、なんか気不味いよねーこの時間。  
始末を終えて花梨の方を向くと、既に一寸の隙もなく立ち、腕組みをして俺を見ていた。  
怖いっすよ笑って笑ってー。ヘラヘラっと媚びの笑顔を振りまく俺の前に、ふわりとメモ用紙が舞い降りた。  
“手話ヘタクソ。教えてやるから帰りに家に来い。誰もいないから。”  
嬉しくて上を向いた俺の唇に、花梨の唇が被さった。途端に昼休み終了10分前のベルが鳴った。  
慌てて戻ろうとする花梨の手を捕まえ、こちらを向かせる。伝わるかな?  
 
花梨を指さした後、左手で自分の心臓を抑え、右手でその上を大きく回すようにさすった。  
 
花梨の顔がぱっ、と輝いた。俺に飛びつくように抱きつき、耳元で囁く。  
「あー・・うぃ・・しーてぇー・・るー・・!」  
ぎゅー、と力のかぎり花梨を抱きしめた。やった、伝わった!  
おっと、授業、授業。手をつなぎながら、俺達は教室へ走った。  
 
 

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