「うわぁ、凄―い!」
たしかにスゲェ部屋だった。無駄に広い部屋。天井には豪華なシャンデリア。ふわふわな絨毯。壁紙も高級そうだ。
でかいテレビに、マッサージチェア、カラオケにピアノまであった。もちろん奥にはキングサイズのベッド。
「いやー、久々のラブホだけど、感動だねー!」
嫁が、テンションが高くなってくるくる回る。チワワみたいだ。
結婚して5年になるが、まだ可愛いと思えるのはこんな幼いところがあるからだろう。
「地方都市のラブホはとってもいいらしいよー」先日テレビの旅番組を2人で見ていたら、嫁が突然言い出した。
「・・・じゃ、ドライブついでに泊まってみる?」
「うん!じゃあさ、できれば、ここ泊まりたい。」
いそいそと出したのは、無料情報誌。ホテルコーナーのページを開け、指で示す。やたらと高級そうな部屋。
・・・高っ!リゾートホテル並だ。ラブホのくせに。まぁいいか。最近仕事が忙しくて遠出をしていなかった。
嫁のささやかなお願いなら、ちょっとの贅沢くらいいいだろう。―で、ここに宿泊する事になった。
「うう、寒い・・・!」
嫁が体を震わせる。確かに寒い。暖房は一応かかっているようだが、部屋が広すぎて暖かくなっていない。
ベッドボードの集中スイッチを探し出し、Minだった空調をMaxに切り替えた。
ゴォォ、という音と共に空調口から暖かい空気が部屋に流れる。暖かくなるまで時間がかかりそうだ。
「風呂入ろうか?」
「うん!」
抱きつかれて、キスされた。むふー、と胸に顔を擦り付けている。犬みたいで可愛い。駄犬だが。
風呂場もやっぱり凄かった。全身を伸ばして入ることができるジャグジー。ついでにミストサウナ付き。
2人一緒に風呂に入る時は相手の体を洗う。結婚前からのお約束。
俺の硬くなったものをボディソープに塗れた嫁の背中や腋にこすりつけて、変態といわれるのも昔からのお約束だ。
さすがに結婚前の引き締まった少女のような体ではないが、柔らかく成熟した、いやらしい女の体になったと思う。
子を生んだことが無いためか、腰の細さだけは昔と変わらない。
子ができないのは少しだけ寂しいが、嫁を独り占めできるのはある意味嬉しい事なのかもしれない。
ジャグジーに入る。嫁が俺の胸に背中を預けてきた。背中から手を回し、胸を揉む。
「あん!ふふ、えっちー。」
まぁ、大きくはない胸だが、揉める程度にはある。乳首を軽く摘む。すぐに固くなった。
これまで付き合った女の中で一番小さい胸、というのは墓場まで持っていかないといけない秘密だ。
嫁が首を回し、キスを求めてきた。突き出された舌をしゃぶり、舐め回す。
「ん、うう・・・んん・・・」
唇を奪われながら、呻くような喘ぎ声。胸を揉んでいた両手を下半身へ伸ばし、内腿をなぞる。
「あ、そこ、いい・・・」
唇を離し、うっとりと呟く。手はそのまま嫁の茂みの中へ潜り込む。指を突起へ伸ばすと、捕まれ動きを封じられた。
「だめ。感じちゃうから、ベッドで、ね?」
湯の熱さ以外で顔を赤くした嫁が耳元で呟いた。
嫁の長い髪をドライヤーで乾かし、先に上がらせて自分も後から部屋に戻る。・・・暑い。暖房が効きすぎていた。
嫁はベッドでへばりながら缶チューハイをちびちびやっていた。裸で。下戸のくせに。
「暑くない?つーか、お前酒飲んで大丈夫かよ?」
「暑いけど、スイッチわかんないー。それになんか飲みたい気分なんだもんー。」
目がすでにトロンとしていた。チューハイを取り上げ、俺が残りを飲んだ。・・・甘っ!カルピスかよ。
ベッドに上がり暖房のスイッチを切ると、嫁が背中にのしかかってきた。乳首をつまんでくる。
「さっきのお返し。どーだー、気持ちいい?」
「痛ぇよ。」
気持いいが、俺的に言ったら負けだと思う。ごまかすために背中をねじって嫁をベッドに落とした。
そのまま胸を揉み、乳首を攻める。固くなったのを見計らって、舌を這わせ、吸い、舐め上げる。
「お返しのお返し。気持ちいい?」
「う、うん・あ・・ああん。気持ち、いい・・・」
逃げるように身を捩る。逃がすまいと肩を掴み、嫁の唇を貪る。舌を絡め、息継ぎの時には耳を舐める。
「あ・・ああん・・ねぇ、大きな、声、出しても、大丈夫だよねっ?」
俺の耳に舌を這わせながら、切なげに嫁が問いかける。
アパートタイプの社宅住まいだから、隣室や階下に生活音やら声が聞こえないかと嫁が気にしていたのを思い出す。
結婚前の嫁はSEXの時は大きな嬌声を上げ、激しく求めていたのに、いつからか受身で喘ぎ声を我慢するようになっていた。
転勤族だからとはいえ、きつい思いをさせている。申し訳なくなってしまった。
「うん、大丈夫だよ。俺もHな声聞きたいな。」
嫁が恥ずかしげに微笑む。キスをしながら、下半身に少しずつ手を伸ばした。腹を触り、腰を撫でる。
茂みの奥を触ると、すでに熱く濡れていた。指を割れ目に這わせると、ぶるり、と体を震わせた。
「ねぇ、指、入れて・・・」
ゆっくりと、人差し指を割れ目の中に入れる。くにゅり、と呑み込まれた。熱いスープに指を入れた感じ。
指を曲げ、上をちょんちょんとつつく。ゆっくりと、指を中で前後左右に動かす。
「あ・・はぁっん・・ああん・・」
嫁が耳元で普段よりも大きく喘ぐ。ひどく興奮して、指の動きが早くなった。
「あ!あ!いいっ!指、もう一本、入れてぇ・・・!」
懇願され、聞き入れた。一度指を引きぬき、今度は中指と人差し指で中に入れる。
中指を真っ直ぐにし、人差し指を曲げて、嫁が一番感じる所を狙って別々に動かした。
人差し指はクリトリスの裏あたり。中指は上のザラザラした場所。痛みを感じさせない程度に激しく動かす。
「あ!ああん!ちょ、ちょっと待って!ストップ!」
手を押さえられ、動きを止められた。指先で膣内の肉がヒクヒクと動くのを感じた。
「どした?」
「ごめん、ちょっと、感じ過ぎて、怖くなっちゃった・・・」
へへ、と泣きそうな顔で笑った。さすがに昔の様に泣かせても強引にイかせる気にはなれず、そっと指を抜いた。
抜く動きに感じてぴくり、と嫁の体が動く。唇をついばむようなキス。
「今度は、私が、してあげるね。」
体を押され寝かされる。腰の上に嫁が屈み込んだ。亀頭を舌が這い回る。竿を下から上に舐め上げられた。
玉袋をひとつずつ口に含まれ、転がされる。舌を肛門まで伸ばし、下から性器の先端まで舐め上げられる。
そして、ぬるりと性器が口に呑まれた。ぐちゅ、ぐちゅと音を立てながら激しいストローク。
動かしながら、舌を絡ませる。顔を左右に傾け、頬肉で擦り上げる。ぐちゅ、じゅぷという音が部屋に響く。
「ま、待った!ストップ!」
今度は俺がギブアップする番だった。口内に射精しても良かったが、今日は嫁の中で果てたかった。
「あれー、早いよー?」
アルコールと自分の行為に酔った目で、俺を笑う。くそー。
嫁は膝立ちになってにじり寄り、仰向けになったままの俺の顔に股間を当てた。
「ねぇ、舐めてぇ・・・」
とろとろと熱い愛液を流す割れ目に舌を突っ込んだ。強く跳ねるようにクリトリスまで舐め上げる。
「あ!いや!ダメ!激しいっん!」
言葉と裏腹に股間を顔へ押し付ける。唇でクリトリスや襞を甘く噛む。噛むたびに腰がびくり、と痙攣した。
股間が顔から離れた。激しく唇を貪られる。唇と口内で、互いの性器の味と匂いが混じり合う。
「ねぇ、入れたい・・・」
嫁が俺の腰の上にまたがる。手で性器を保持して、入れやすいように介助した。ゆっくりと性器が呑み込まれる。
熱い。やがて、中へ全て呑み込まれた。腰の上に嫁の愛液が熱く広がる。反応して、中でビクリと性器が動いた。
ぐちょ、ぐちょと音をさせながら嫁が腰を上下させる。柔らかく締め付けられる。
「あ、音が・・あん・・!恥ずかしい・・あん・・・!」
ぐちゅ、ぐちょと水っぽい音が股間から響く。動きの度にあん!あん!と声を張り上げる。
俺も嫁の腰を掴み、より奥へ突き刺す。嫁が腰の角度を変えた。俺の性器の先端に少し固い肉が当たる感触。
「あ!奥ぅ!当たってるぅ!ああん!奥いいのぉ!!熱いよぉ!ああん!」
嫁が髪を振り乱し、俺の上へ被さってきた。歯が当たるのも構わず激しいキス。互いの腰の動きが合い、激しい衝撃。
「ダメぇ!熱いぃん!イく!イっちゃうよぉ!」
俺ももう限界だった。力の限り、嫁を抱きしめる。
「ああ!イくの!?私も!私もぉ!」
性器に痛みを感じるくらい、激しく射精した。体が痙攣する。射精の度、嫁も喘ぎもできずに体を痙攣させていた。
4度、5度と射精した。ぴくり、ぴくりと嫁の体が微かに痙攣する。目があった。照れくさそうに笑う。
「好き・・大好きだよ・・。」
優しく、キスされた。息を落ち着かせると、嫁がゆっくりと腰をあげ、俺の性器を引きぬいた。
とろり、と流れ出た白い精液が俺の性器と嫁の割れ目を繋いだ。
嫁と自分の始末をし、ベッドに潜り込んで嫁を抱き寄せた。
普段ならシャワーを浴びてから眠るが、今日は2人ともバテていた。2ラウンド目どころの話では無かった。
トロトロと微睡んでいると、嫁が俺の胸におでこをこつん、とくっつけた。
「ねぇ、もし、子供できなくても、ずっと、私の事好きでいてくれる?」
時々放たれる質問。いつもなら軽快なジョークのオブラートに包んだ上で、ずっと好きだと伝えるが、今日は余裕がなかった。
たまには、クサイ言葉で真っ直ぐに言うのもいいかもしれない。
「当たり前だ。2人で楽しく生きていこう。ずっとイチャラブしよう。老人ホームでもイチャラブしよう。」
せっかくだ。心にしまっていた誓いも伝えておこう。
「お前が最後まで寂しい思いしないように、死ぬ時は俺が看取ってやる。それまで絶対に生きるから。
その後で俺はお前の思い出だけ抱えて死ぬから。ずーっと、愛してる。」
嫁は震える声で、バーカ、クサイんだけど、と呟いた。胸が熱く濡れている感じがするのは気のせいだろう。
そだな。恥ずかしいな。でも、マジだよ、おやすみ、と呟きながら瞼を閉じた。