お外ですっぽんぽんで居ることが許されるのはいつまでだろう。
幼稚園児でも、パンツくらいは穿いているかもしれない。
ましてや、もう高校生になった私が、屋根のない場所で、裸になっているなんて……。
胸はわりと膨らんでいるし、股間の毛だってちゃんと生えているというのに……。
私は小さい頃からずっと犬を飼っている。
お庭で犬の身体を洗ってあげるのは、私の役目だ。
犬を洗うのは、夏がいい。私も一緒に水浴びできるから。
私が記憶があるのは4歳くらいからで、それくらいの頃には私はお母さんと一緒に飼い犬のゲンを洗っていた。
そのとき私は、お母さんに言われた通りに裸ん坊になっていた。
その頃はもちろん、ちっとも恥ずかしいと感じなかった。
それが小学生になり、中学年になり高学年になるにつれて、裸でいることが恥ずかしくなってきた。
人前では裸になってはいけない(家でならいい)って教わってきたし、クラスの男子に裸を見られることに恥ずかしさを覚えるようになってきていた。
同時に、「家」なのに「お外」な、庭という場所が私には不思議に思えてきていた。
もしお外で裸でいたら、普通は怒られるし、私も恥ずかしいし、いいことなんてない。
でも、自分の家の庭で、愛犬のゲンを洗うときだけは、裸にならないといけない
(いけないことはない筈だけど、何故か私はそう思い込むことにしていた)。
中学1年生になった夏の日。今年の私の身体は、去年までとは違う。
胸が微かに膨らんでいたし、お股に産毛が生えていた。
「ゲンを洗う時は裸になりなさい」とお母さんに言われたのは、もうずっと昔。
私はお母さんも誰も家にいないときにゲンを洗うことにしていた。それは、「無知な子供」のふりをして、ゲンを口実に、裸になってしまいたかったから……。
「ここは『お外』じゃない、『お庭』なんだ」「犬は裸で洗うものだ」そう自分に言い聞かせて。
家の中で全ての服を脱いで、私は日射し照りつける真夏の庭に、素っ裸で出て行った。
「お、ゲンを洗ってあげてるのかい?楽しそうだね」
お隣のおじいさんが、いつも塀越しに話しかけてくれる。このおじいさんだけは、私が小さい頃から裸でゲンを洗っていることを知っている。
「あ、はい!」
目上の人に話しかけられちゃったんだから、姿勢を正さなきゃ……私は塀越しに、お爺さんに見えるように気をつけの姿勢になった。
ああ、身体隠したいのに……おっぱいもあそこも、見られちゃってる……。
「なっちゃん(私)はいっつも裸ん坊で元気だね」
「え、あ、ありがとうございます……」
おじいさんは毎回、私がゲンを洗う間中ずっと私の方を眺めていた。
お隣のおじいさんが見てくれているせいで、私は裸を見せることが大好きになってしまった。
裸で居たい、裸を見てもらいたい……そんな私の気持ちを知ってか知らずか、おじいさんはいつも私を見てくれる。
ホース片手にゲンとじゃれ合うときにぷるぷると揺れるおっぱいも、不意に突き出したお尻も、全て見られちゃってる……。
高校一年生となった今年のある日、もう私はゲンを洗い終えたというのに、まだ私はすっぽんぽんのまま、おじいさんと塀越しにお話していた。
「なっちゃんは今年も裸なんだね」
「だって、犬を洗う時は裸じゃないといけないし、ここは自分の庭だし……」
私はやっぱり気をつけの姿勢のまま。濡れた股間のヘアが光っているのが、自分でもわかってしまう。
こんなはしたない、恥ずかしい場所をみせてしまっている自分がとても惨めで、でもそれが何故かとても気持ちがいいんだ……。
そして私は縁側に腰掛けて、そのまま後ろに寝転んで大の字に仰向けになった。
裸ん坊でひなたぼっこ。お隣のおじいさんに向かって、完全にあそこを、晒しちゃってる。
ああ……この解放感がやみつきになるよ〜。私、すごく恥ずかしいのに……。
真夏の日光に身体を晒す私の、股間をくすぐりながら通っていく風がとても心地良かった。