「いやっ!!やめてぇぇっ!!」  
くるみはいつもの様に園芸部の活動の一つ、温室の温度と植物の成長の観察に来ていた。  
夏休みに入って一週間、ここ最近のうだる暑さのせいで植物もこれでもか、とばかりに生い茂って  
「もう!!まるでジャングルじゃない!!奥まで入ったらどこが入り口か迷っちゃうかも…」  
 
顧問は三年前に赴任してきた若い科学の先生だった。  
人当たりが良く、女子生徒にもそこそこ人気もある。  
しかしくるみはどこか細い身体と眼鏡のせいか何か陰のある印象を持ったが  
それも何人か部員がいるだけで数ばかりの幽霊部員ばかりのこの部活に何度も顔を出しては  
熱心に植物の育て方について教わるようになり、夏休みを迎えるとそんな印象もすっかり無くなってしまっていた。  
 
それは終業式の二学期最後の部活の時だ。  
「あれっ?先生、どうしたんですか?」  
くるみがいつもの様に温室に入ると土に温度計と栄養剤だろうか、  
奇妙な色のアンプルを差しながら丁寧に植物の成長を観察している。  
「ああ、夏休みに入ったら当直の日以外は学校に来れないからね、今日ぐらいこうやって成長に気を使ってあげないと…」  
 
元々部活動に熱心なこの生徒は自分がそこまで話すと  
「大丈夫ですよ!!私の家、学校から近いから毎日でもお水あげに来ますよ!」と熱っぽく切り出した。  
 
「そうしてくれると助かるな、じゃあ夏休みのこの温室の管理は全て君に任せる事にするよ」  
「わかりました!お世話頑張りますっ!!」  
俺がわざとほっとした顔をすると役目を貰った子犬のようにはにかんで笑うこの子とは全く種の違う笑いを腹の中で転がしていた…。  
 
「ところで先生。」  
「ん、何だ?」  
「これは…何ていう植物なんですか?」  
身長155cmのくるみがすでに見上げる高さまで成長したツタと大きく広げた真緑の葉。  
それはくるみの見た事の無い植物。  
 
「ああ、これはこの学校に赴任する前に少し南米に旅行に行った時に行商から買った種なんだ」  
「へぇーっ、先生英語出来るんだ!?」  
「少しだけね、その証拠にこの植物が何かはあまり言葉が聞き取れなくて分からなかったんだよ」  
「なぁんだ、ちょっとカッコいいと思ったのにぃ。先生っていっても大した事無いのね!」  
クク…今の内に言いたい事はそれだけか?  
 
ピロリロリーン♪電話が鳴る。  
「…あ!和美と校門で待ち合わせだった!!」  
先生さよなら〜!!と走っていくボブカットの姿にもっと醜い笑いを今度は喉の奥で転がした。  
 
バタン、と温室の扉を閉めるとむわっとした土と植物の匂いがたちこめる。  
「うっ、引き受けちゃったとはいえ全部に水やるのって結構大変なのよねぇ…」  
終業式から毎日水やりをしに来てはいるが連日の猛暑でぐんぐん成長して毒々しいくらいの黄色の花まで咲いてしまった。  
「さすが南米の種だけあるわねぇ…」と思いながらくるみはどんどん温室の奥へと進むと  
後ろを振り返るともうツタと毒々しい花しか見えなくなってしまった。  
(それにしてもこの花粉変な匂い…)  
それが全ての始まりだった。  
 
温室の中程まで進むとくるみは何かさわさわとくすぐられる様な違和感を足下に感じた。  
ん?足下を見ると、成長不足のツタとすでに成長過多の太いツタが地面に横たわって足下に、いや足首に絡まっていたのだ。  
なーんだ、育ち過ぎじゃない、先生ったら植物に気ぃ使いすぎ……ひゃぁあっ!!  
 
「きゃあぁぁっ!!っえ…何っ!?」  
突然足下にツタがぎゅん!!と巻き付いたかと思うとぶわっとくるみの身体はツタに持ち上げられて宙に浮き、  
持っていた水入りのジョウロまでもが 手から離れ身体の上のツタに絡め取られてしまった!!  
 
「いやぁぁぁっ!!やっ!いやっ!何これっ!!」  
突然の出来事にパニックになったくるみは大声をあげるがそんな事はお構いなしにツタは容赦無くしゅるしゅると手足に絡まりはじめる。  
「だっ…誰かぁ…助け…っせんせぇ!!」  
もがけばもがく程くるみの手足に執拗に絡まっていくツタに  
自分に対して何か意志の様なものを感じで背筋に冷や汗がどっと吹くのが解った。  
土に差さった温室の気温は33℃、すでにくるみの顔と身体は涙と汗でびっしょりと濡れて、  
とうとうくるみの手足はツタによって宙に浮いたままぎっちりと縛り付けられてしまった。  
 
縛り付けられてなお虚しい抵抗を続けるくるみは、はっとツタの変化に気が付いた。  
くるみの肉付きの良い脚やふくらみ始めた胸めがけてさわさわと細いツタがのびて来たのだ。  
「………!!」くるみは全て悟った…。  
「誰かぁ!!誰か助けてぇぇっ!!」犯される!!  
ちろちろとのびるツタがくるみのセーラーの襟下をくぐりブラジャーの中の柔らかい胸に侵入するといよいよくるみの目に涙が溢れた。  
「いやぁぁっ!!」胸に気を取られている内にツタは蛇の様に脚の付け根を目指して這っているとも知らずに…。  
 
「ぃやぁっ…ゃ、やめてっ…」  
ツタはあまりの恐ろしさにぶるぶる震えてすすり泣くくるみのセーラーを少しずつだがさわさわと捲り上げていった。  
「ひっ!!」されるがままにぎっちりと拘束された身体がびくんと揺れた。  
くるみがスカートに目をやると気付かない内にツタはくるみのスカートの下の見えない部分にまで忍び寄り  
脚の付け根の、とうとうショーツに辿り着いてしまった。  
すっかり捲り上げられたセーラー、そして次の瞬間、絶望とに目が眩むくるみは信じられないものをその目で見る事となる。  
「あ…あ…っ!!」  
 
「………!!」  
恐怖で言葉が出ない。  
スカートの下に侵入した棒の様に太く成長したツタと葉によって観察されるように  
太ももやショーツの中心の縦に割れた筋をちろちろと撫でさすられて訳も分からず羞恥に耐えていた時  
ガサガサッ!!と入り口から誰か人の気配を感じた。  
「だっ、誰っ!?お願い助けてぇっ!!」  
こんな姿を誰かに見られる羞恥よりも今は一刻も早くこの現実から逃れたくて必死に叫ぶ。  
ガサガサと葉やツタを掻き分ける音が近づいてきた。  
くるみの心にほんの小さな安堵が灯ったその瞬間、ツタの奥で何かがキラリと光った  
 
くるみははっと息を飲んだ。まさか…まさかそんな事…。  
キラリと何かが光った時、ツタを掻き分ける音が止まった。  
 
「クックックッ……」  
聞き慣れない陰気な笑い声。でも、この声…。  
「ま、まさか…」ツタの中から手が見え、一気にくるみと隔てたツタを引きちぎって現れた、その姿。  
「あぁ…くるみくん、毎日欠かさず水やりを、ありがとう。感謝しているよ」  
「先生!!」どうして…どうしてなの…?  
この教師の前でくるみの姿は宙に高く掲げられたまま、捲られたセーラーからは暴れたせいで  
ブラから今こぼれそうな胸が晒されていた。  
 
そんなくるみをこの教師は薄笑いを浮かべ、喉の奥でクックッと笑いを転がしながら満足そうに見上げていた。  
「…先生…早く…助けてくださぁい…」いやいやをして泣きながら懇願するくるみだが  
「こんなに育つのは予定外だったが、君のお陰でいい今年もいい実が付けられそうだ。」  
「いい…、いい実って……?」その時ブラの下に潜ったツタが小さな乳首にきゅうっと絡まった。  
「ひゃんっ!!」  
「感謝するよ、くるみくん」  
この教師は手を後ろ手に組んで教壇に立つようにこの植物について“授業”を始めた。  
 

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