僕は触手。名前はまだない。
名前というか、世間一般ではバケモノとか触手とかセクハラメーカーと呼ばれているらしい。
真に心外なことである。
僕は人間のお母さんから産み落とされたらしく、いつもお母さんに孝行の意味で僕の胎内にて気持ち良くなってもらっているのだけれど、これは近親相姦になるのだろうか。
よく解らない。
ちなみに母さんに気持ち良くなって貰ってるとは言え、ぶっちゃけると僕は母さんを孕ませたりしたことがないため、広義ではまだ童貞であるらしい。
何でも無機物相手に童貞を捨てたやつが仲間にはいるらしく、盛大に馬鹿にされていたのは記憶に新しい。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
今、僕は美人のお姉さんを捕まえたのだ―――あぁ、これが狩りというやつなのか、と身を震わせて見る。
なんでも魔王とかを倒す勇者の仲間の、僧侶という人らしかった。
僕は丁寧に優しく捕らえたかったのに、僧侶さんが恥ずかしがって抵抗するから、僕も少し手荒な手段に出てしまった。
僧侶のお姉さん?今は僕の胎内で、傷の治療も兼ねて眠って貰っている。
僕の胎内に溢れる液体に浸かってもらっているのだ。
ただ、暴力的な人だから、魔法(?)を使われないように、口に僕の手を入れて、武器は全部捨ててしまって。
服の中に隠し武器とかがあるといけないから、服も破り捨てて。
両手両足を力いっぱいに縛り、拘束しきっていれば、もう暴力は振るえないだろうしね?
「・・・・ぁ・・♪」
ほら、噂をすれば、僧侶さんが目を覚ましたみたいだ。
顔を真っ赤にして、譫言みたいに小さく息を吐いては震えてるよ。
「・・ぁ・・・♪し・・主よ・・・・ぅんっ♪わ、わたしは・・はぁぁっ♪ば、バケモノに捕われて、気持ち良く、なる、ヘンタイにぃぃぃっ♪な、なって、なってしまいましたぁぁぁぁぁっ♪」
ビクンと僧侶さんが震えると、チョロチョロとオシッコを漏らしてしまう。
人間の栄養の残りカスみたいだけど、触手にはすごく栄養のある飲み物なんだ。
僕は、僧侶のお姉さんを胎内から出してあげることにした。
確かに美人だし、僕の子供も産んで欲しいけど、やっぱりこういうのは互いの合意があってこそだと思うんだよ。
という訳で、拘束を解いて、胎内からゆっくりと出してあげたんだ。
「・・・は・・ァ・・?ど・・して?」
裸のままの僧侶のお姉さんに、お姉さんの着ていた服をかけてあげる。
きっと仲間に馬鹿にされるんだろうな、なんて思いながら、僕はお姉さんの前から立ち去ろうとして。
僕の身体にしがみつくお姉さんに、気がついたんだ。
「す・・すてないでぇ・・・・あなたの子供も産むし、どんなにひどいことをされてもいいから、私を食べて・・私を、あなたのエサにしてぇ・・・」
僧侶のお姉さんが、顔を真っ赤にしてお願いしてくる。
これが人間のいうプロポーズなんだろうか?
とかく、お姉さんが望んでいるなら、これはもう合意に間違いないんだ。
僕は、僕の恋人になってくれたお姉さんを、もう一度、さっきより優しく胎内にいれてあげる。
それから、僕は縄張りへと帰ったんだ。
お姉さんと二人きりの甘い時間を邪魔されたくなかったから。
お姉さんは、僕がたっぷりためた唾液の中で、自分を慰めていた。
その姿が、とってもエッチで。
僕は、やっぱりこの人に選ばれて良かった、なんて思ったんだ。