ある日の夕方、突然、見知らぬ女の子が大きめのカバン2つで来た。
自己紹介すれば、18歳、一応大学生。
大学の近くで一人暮らし。家賃、月3万円、1軒約5m四方。
約3m四方と2m四方の二部屋、水洗ではない和式便、狭い台所。
はっきり言うと、入れたく無い。
しかし、追い返したところで、今からだと交通手段はタクシーだけ。
その上、双方の両親からの手紙を持っていた。
中学校と役場に手続き済みだと。
母親の親戚の結婚相手の親戚の娘さん。
だが、色々有って同居させる。
妹にするか嫁にするかは、娘の20歳の誕生日までに決めろ
などと書かれている。
家賃や水道光熱費、食費や学費なども、細々と。
拒否権は無いらしい。
この娘も、言い含められ覚悟は出来てるらしい。
さて、どうしよう?
「観た通り、ここで二人は狭い。まあ、ふた部屋あるから広いほうを使いなよ」
と言って、気が付いた。
「今から、今日明日ぶんの食い物買わないと・・・。」
「何か無いの?おにいちゃん?」
「ええと、あのダンボール箱の中とこの冷蔵庫の中。で。なんで『おにいちゃん』」
「オジサンというには若いから。
そうだ、着替えないと。このミニワンピと、こっちのランニング・シャツにスカート。どっちが好き?」
一方のカバンから引っ張り出す。ワンピも袖なしだし、丈は双方とも短い。シャツの丈も長くは無い。
「迷う?」
「あー。ごめん。玄関先に立たせたままで。とりあえず入って。」
カバンは玄関・・・と言うか台所に置かせて
机と言うか、暖房、兼、寝具、兼、卓袱台、に座ってもらう事にする。
つまりコタツだ。
「正座? じゃあ、ソックスは膝下が良いかな?」
靴下を出す。5本指に分かれている、足首か隠れるていどの。
と、立ち上がると
いきなり脱ぎ出す。
あわてて目を、いえ顔を逸らすと・・・
「おにいちゃん。
これから先、何年か、何ヶ月か、この家に一緒に居るのだから着替えくらいで動揺しないでよ。
一応、親戚同士なんだし、最悪、16歳になったら内縁の妻になる覚悟は出来てるし。
あとね、何か事故とか災害とか有った時に、すぐにわかるようによく見ておいて欲しいの。」
「………」
「パンツ、何色が好き?ねぇ。おにいちゃん?」
ぱんつ一枚になった彼女は手で「おにいちゃん」の顔をもち、そこそこ育った胸が見えるように首をまわす。
「白、ピンク、クリーム、水玉、みんな綿でお子様パンツ。」
「このイチゴはレース編み、スケスケ。一応アソコだけは綿。お兄ちゃんが見て楽しむならこれかな?」
「脇がヒモが良ければ、この、花の綿のか、こっちの編みこみ。お兄ちゃんが脱がすのは簡単、ヒモを解くだけ。」
何を考えてるんだ?この娘。
「この部屋に有る、漫画とか雑誌とかを見ると、
パンチラ、胸ちら、そして、ミニスカとノーパンでお出かけとか、裸エプロンで家事とか、そういう女の子を好きそうだね。」
仕舞った!閉まってなかった。と言うか、言い訳できない。
「だったら、私がそういう理想に近い事する。で、どのパンツ?」
「………」
「解ったわ、このパンツね。」
さらに一枚出す気配。
「で。このブラと。ほーら下半分だけ、これだと胸ちら、乳首ちら、出来て、垂れ乳には、なら無いよ。」
目を瞑ってるから何を着てるか解らない。
「でワンピと。スカート。どっち?ねぇ?」
「ワンピ着て見せて」
「着させて、ね?じゃ無ければパンツとブラだけでいる。」
「おにいちゃん。」
なんだか、硬いのだか柔らかいのだか、突起が唇に触る。
汗臭い、だから、多分。胸。
「ちょっとだけ口開けてね。」
・・・・開けるものか!
「5年前、高校受験を、おにいちゃんが、おにいちゃんのパパとママに言った時のお約束。覚えてる?」
・・・・?
「お返事は?いいえ?それとも、はい?」
この突起が当たっている時に?、噛み切ってしまうだろ?
「あの時の、お・や・く・そ・く」
・・・・・・
!!!
・・・・・・
なんだろう?
遠くから声が聞こえる。
「どうしたのよ? おにいちゃん? 冷たい汗ね、顔色真っ青だし、震えてるし。」
「追い討ち掛けるけど、思い出したなら、良いわ。」
そうだった、今日まで会っていない、この子を幸せにする事を条件に、進学を許されたのを思い出した。
高校の、大学の、この家の、保証人。学費と家賃を肩代わりしてくれている。
「もっと力、抜いて、私に寄り懸かって楽にしなさい。」
出来ない。出来る訳ない。
「あなたが、今、何を考えているとしても、私は今から、学校では義理の妹、家では許婚です。」
「だから、あなたが、全世界の人間のうち唯一、甘えてかまわないのが私です。」
ここまで聞こえて、あとはわからなくなった。
夜中。ふと気が付く。
等身大のフィギュアが隣に寝ている。
買った覚えないぞ?
布団を剥ぐと、全裸、幼い顔つきにかなり控えめな胸。
暖かい。息してる。こんなに精巧なのか?
兎に角トイレ。
「おにいちゃん。気が付きましたか?」
しまった、彼女だ。
「パパとママの命令に反しない限り、おにいちゃんの命令に従います。どうか幸せにして下さいね。」
え?と、メイレイ?
「あなたが、私の主人。マスター。私はスレイブ、あなたの人質です。」
おそらく寝言だろうから、
「じゃあ、学校に間に合うように朝飯と弁当をお願いして良いかな?。それまで寝てて良いから。」
「おにいちゃん?はじめてのお家で怖いから、手を繋いで欲しいなぁ?」
「良いよ」
おやすみ。