斗司明の目の前で、四人の男女が絡み合っていた。
いや、一人の女を三人の男が慰み物にしていた、
と言う方が正しいだろう。
西日射す図書資料室で、
鋼線をより合わせたような、
硬く、猛々しい力を内奥に閉じ込めたような筋肉質の男たちが、
白く、柔らかさとしなやかさを備えた少女の体を、
目茶目茶に蹂躙していた。
男たちは斗司明の後輩であり、女は朱美だった。
斗司明の後輩たちは、三人がかりで朱美の体を弄んでいた。
すでに朱美の肢体に、男たちの手が這っていない場所などなく、
朱美の白い肌を、男たちが放った、汚らしい体液が汚していた。
あの日以来、斗司明は頻繁に朱美を呼び出し、
件の資料室で彼女の体を貪った。
斗司明は、自分でも情けなく思うほどに、
朱美の尻に没頭した。
性器同士での媾合を勧められてでも、
あえてその選択肢を排除し、
朱美の尻を犯し続けた。
朱美の尻の孔は、斗司明がどんなに乱暴に扱い、
行為が終わった後、ぽっかりと口を開けたまま、
精液を垂れ流す肉の洞になっていても、
三、四日も経てば元のしおらしい窄まりに戻っていた。
その三日四日が、また斗司明の理性を肉欲で焦がし尽くし、
行為に及んでは、獣のように斗司明を狂わせた。
肛姦ばかりに執着する斗司明にあるとき、
朱美は「変態ですか」と言ったこともあったが、
斗司明は自覚があるだけに苦笑することしかできなかった。
だが、その時になると、斗司明は尻にばかり固執する自分の、
情けなさを殺し尽くそうとするかのように、朱美に一層の苛虐を加えた。
今、呼び出して朱美を犯している三人の後輩は、
斗司明の好奇心と、その苛虐心がもたらした結果だった。
金さえ積まれれば、誰とでもやると明言した朱美に、
果たして本当にそうなのか、
自分の見ている目の前でもよがり狂うのか。
朱美の財布以外には何の益もないであろう戯れのために、
斗司明は後輩のゴロツキの、比較的金に困っておらず、
そして、陰惨な連中に声をかけ、連れて来たのだった。
格安で女を抱け、しかもその額の半分を斗司明が持つというのだから、
断ろうはずもなかった。
ぎらぎらと光る斗司明の視線を浴びながら、
最初は萎縮していた様子の三人も、
朱美の肢体と妙技に心も体も溶かされていった。
いや、犯されているのだ。
後輩達は朱美という淫獣を犯すことで、
その体内に、はちきれんばかりに逆巻き、溢れる、
淫毒に犯されているのだ。
斗司明はその様子を見て思った。
はじめ、朱美は男たち一人ずつを相手にしていた。
だが、不甲斐ないことに、朱美に陰茎をしゃぶられただけで、
男たちは絶頂に達してしまった。
その後、何度か順繰りに行為を繰り返したものの、
朱美の蜜壺に差し込んでも、ほとんどこらえる間もなく、
放ってしまっていたのだった。
呼吸を荒げる男たちに、
朱美は相変わらずの淡々とした表情で、
白濁と愛液でどろどろに汚れた秘処を広げて誘ったのだった。
「三人一度でも、どうぞ」と。
それを聞き、舐められていると思ったのか、
後輩たちは一気に凶暴さを露呈した。
三人は乱暴に朱美の孔を犯した。
女陰を押し開き、奥まで抉りまわす。
肛門に男根を捻じ込んで、ぐちゃぐちゃに掻き回す。
淡いピンクの唇に股間のものをくわえ込ませ、喉の奥まで突き倒す。
その乱暴さは、斗司明でさえ止めるべきかと逡巡したほどだったが、
これが自分で望んだ光景であるということに思い至ると、傍観を続けた。
朱美の女性器を犯している男は、朱美の小ぶりな乳房を力任せに掴んで、
激しく腰を使っていた。
何度目かの精を放った。
朱美の体が強張り、反り返った。
涙を一杯に浮かべた朱美の瞳が、ぐるりと瞼の裏に隠れ、
体からぐったりと力が抜けた。
男たちは、その後十分以上、失神し、肉人形と化した朱美を犯し続け、
ようやく槍を収めた。
精液でぐちゃぐちゃに汚れ、ボロ雑巾のように床に横たわる朱美を尻目に、
斗司明は後輩達から料金を徴収すると、
後は自分がやるといって帰らせた。
重い鉄の扉が音もなく閉じると、斗司明は内側から鍵をかけた。
この部屋の鍵を持っているのは朱美だけで、
こうしてしまえば、もう誰も入ってくることはできない。
次は自分が楽しむ番だと思い、
振り返った時、すでに朱美は状態を起こしていた。
長い黒髪にまとわりついた、
生臭い白濁を鬱陶しそうに指で拭い去り、舐めとる。
朱美は普段の清楚な挙措からは思いもしないようなことに、
細い足を組んで、あぐらをかいていた。
散々に犯され、緩んだ秘裂からは、三人が流し込んだ体液が、
どろりと溢れ出していた。
「三人がかりの割には、あまり良くありませんでした」
そう言いつつ、股間に指を差し込み、中のものを掻き出す。
「乱暴なばかりで、気持ちよくありません。
お金がもらえないのならば、彼らとはもう願い下げです」
朱美は掻き出した白濁を、指で掬い、しゃぶった。
「だが、俺はもっと乱暴だぞ」
ぎらつく欲望を隠そうともせず、斗司明は言った。
「あなたは別です。
主の行為に対して感じ、より楽しみ、
そして楽しませるのは、奴隷の義務ですから」
朱美はすっくと立ち上がった。
床と尻との接点から、細い糸が曳いた。
細い体は全身がべたべたと汚らしい体液で汚れ、
乳房やふともも、二の腕といった、
男たちに掴まれていた部分は赤味を帯びている。
目元には涙の跡があり、いくらか疲れた様子ではあるものの、
その気怠るっぽさが、朱美に一層の艶めかしさを加えた。
「それで、これからなさいますか、ご主人様」
いつもの、淡々とした様子で朱美は訊いた。
「もちろんだ」
斗司明は舌なめずりをしそうな様子で答えた。
朱美は斗司明に背を向けて膝立ちになり、左右の尻肉を掴んだ。
「いつもの通りですね」と、朱美は尻肉を割り広げた。
斗司明の愛用の孔は、すでに蹂躙され、ぽっかりと口を開けている。
縁は赤味が差し、内側から溢れてくる白濁を滴らせていた。
「お前は、俺にあいつらので一杯になったとこに入れろって言うのか」
斗司明の声に険が入った。
肝の小さいものならばたじろいでしまうような声色だったが、
朱美は動じた様子もなく、
「申し訳ありません。では、少々お待ちください」と言った。
朱美は膝立ちのまま、大きく脚を広げると、
しっかりと自分のふとももを掴んだ。
そのままゆっくりと腰をおろしていく。
尻が大きく開いた。
「お見苦しい上にお聞き苦しいことになりますので、
それが嫌なら耳を塞いでどこか別のところを向いていてください。
終わったらまたお知らせします」
そう言われたものの、斗司明は朱美の尻を凝視続けた。
朱美が深く息を吸い、そして鋭く息を止めた。
下腹部に力が集中する。
直腸内の空気が、汚らしい音となって噴出し、
中に溜まっていた異物を排泄した。
腸液と交じり合った精液が、びちゃびちゃと音を立てて、
朱美の尻から零れ出し、床の上に穢れた体液溜まりをつくった。
「さすがに、恥ずかしいですね」
肩越しに振り返った朱美は、頬を少し赤らめていた。
朱美は、さらに尻の孔に指を差し込んだ。
ほぐれきった肛門は、二指を簡単に根元まで呑みこんだ。
朱美はさらに深くに捻じ込む。
朱美の尻は拳の半分ぐらいまでを飲み込んだ。
深く突き込んだ指先を曲げ、軽く爪を立てるようにして、
男たちの残滓を掻き出す。
爪が腸壁を擦る刺激に、朱美はわずかに身をくねらせつつ、声を漏らした。
ぽたぽたと白い濁りが滴った。
ある程度を掻き出すと、朱美は犬のように這いつくばり、
自分の尻から流れ出した体液の混合物に顔を近づけた。
紅い舌が、異臭を放つその液をねっとりと舐め取る。
「何をしている」
たまらず、斗司明は質した。
「お掃除です。
こうして、汚物を残したままにもできませんので」
そう言うと、朱美はまた床に溜まった汚穢に舌をつけた。
尻が高々と上がっている。斗司明がその背後に立つと、
どろどろに汚れたままの女陰と、口を開き、
赤々とした内臓の内側を晒した肛門が眼を射た。
斗司明はいきり立つ己の分身を解き放つと、
後輩の一人がやっていたように、
朱美の尻肉を乱暴に掴んで、押し広げた。
口を開けたままのその孔に、亀頭をあてがう。
「せっかちですね」
肩越しに朱美がこちらを見て言う。
「こんなの見せられたら、誰だって我慢できないぜ」
斗司明は一気に突き込んだ。
すでに十分にほとびれていたそこは、
ほとんど抵抗もなく、斗司明を受け入れた。
朱美が嬌声をあげた。
滑らかな背中が強張り、反り返った。
いつものような締め付けはないものの、
熱く、柔らかい直腸内壁が、斗司明の陰茎を包み込む。
斗司明ははじめから激しく抽挿を行なった。
朱美が髪を振り乱して悶え狂う。
唇を噛んだ、その隙間から、快楽と苦痛の叫びが儚く零れた。
斗司明の腰が朱美の尻を激しく叩く音が響く。
潤みきった朱美の肛門は、剛直が深く差し込まれると腸液を溢れさせ、
引き抜くと、また腸液を吐き零した。
斗司明は朱美の尻を離すと、今度はふとももを掴んだ。
大きく股を開けさせ、朱美の体を持ち上げる。
朱美は上体を起こし、斗司明の胸板に背中を預けた。
朱美の体は、ふとももと尻の孔だけで支えられ、宙に浮いた。
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、
朱美は断末魔の如き悲鳴をあげた。
「お前は獣だ」
斗司明は朱美の耳元で囁いた。
「俺なんかは足元にも及ばない、いやらしい獣だ」
激しく続けられる腰の律動に合わせて、
朱美は呆けたように喘いでいる。
「獣はペットなんかにはならない。
自分でエサを探し、貪る。
お前の場合のエサが男なんだろう。
なら、俺も獣としてお前を征服して」
一際強く、腰を尻に打ちつけた。
朱美の体が激しく仰け反った。
「俺のエサにしてやる」
斗司明は朱美の中に精を放った。
朱美は声にならない咆哮をあげた。
それはより強い、凶暴な獣に、生きたまま喰われる獣の、
断末魔の叫びだった。
朱美は所在なく宙を引っ掻いていた両手で己の乳房を掴んだ。
しどけなく広げられた女陰から、絶頂の迸りが飛散し、
薄暗い部屋に、雌の獣の臭いを撒き散らした。
★
気息奄奄となった朱美を床に下ろし、
なおも斗司明は彼女の内臓を犯し続けた。
今にも絶え入りそうにもかかわらず、
朱美の直腸はなおも斗司明から精を搾り取ろうと蠕動し、
朱美自身も腰をくねらせた。
斗司明が疲れきって、朱美から引き揚げた時には、
すでに室内は暗くなっていた。
窓のすぐ側の街路灯の明かりが、カーテン越しに射し込み、
床に二人の影を作った。
朱美は未だ床にひれ伏すようにして突っ伏している。
だらしなく開いたままの尻の孔から、
斗司明の精液と朱美の腸液が交じり合ったものが滴って、
また床に液溜まりを作っていた。
力なく、喘ぎつづける朱美を尻目に、斗司明は己の逸物をしまいこんだ。
部屋を後にしようとする主は、奴隷に命じた。
「お前の尻から流れ出てるやつ、さっきみたいにちゃんと掃除しとけよ」
肩越しに見た奴隷が浮かべた表情は、
内臓を貪られる淫獣が表す、恍惚の微笑だった。
「はい、ご主人様」
(了)