むかーし、むかーし、  
あるところ…じゃなくて西の西のそのまた西の腐る程西の国に  
おじ〜さんとおばぁ〜さんがおりました。  
二人の老夫婦は余勢を別に山に芝刈りにも川へ洗濯にもいかずマターリ暮らしておりました。  
ある日、お婆さんが気分転換に川へ散歩にいくと、  
なんと人間の半分はあるんじゃないかってくらいでかいモモが流れてきました。  
 
〜えぇ、その時は本当に我が目を疑いましたよ。まさかあんな物体が流れてくるとは…〜  
(リーラー・J・ニコラスの手記から抜粋)  
 
とりあえず食料として家に持ち帰り、このままじゃどこにも置けないから  
爺さんが桃を半分に斬ると、なんか人間の赤ちゃんが中にいました。  
 
二人はその子に「桃太郎」と名づけませんでした。  
「ピーチ」とも名づけてません。  
普通に「ルーク」と名づけました。  
 
ルークはすくすくと育っていきました。  
ルークは「この爺さんと婆さん、不死身なのかな…」と思う程18年経っても元気な二人に  
海の向こうのオークがいる島にオークを征伐にいくと言いました。  
オーク達は時々島から出ては略奪の限りを尽くしていたのです。  
 
爺さんはキビダンゴという東のお菓子を渡して激励しました。  
ルークは「なんでこんな物を持ってるんだ?」と思いました。  
婆さんはオーク達を倒したら肉が減りかけてるからちょっと肉を持ち帰ってきて下さいね、と言いました。  
ルークは「明らかにおかしいだろ」と思いました。  
何はともあれ旅に出ました。  
途中でなんかケルベロスとピカチュウとフェニックスが仲間になりました。  
仲間に何か変なのがいますが気にしちゃあいけません。  
一人と三匹は海を渡り殺戮の限りを尽くし、略奪されたお宝とオークの肉を持ち帰りました。  
そしてルーク(と三匹)は英雄になりましたとさ。めでたしめでたし。  
 
それから二年後。  
オークの島に動く影があった。  
島の首領のレッドオークのドレッドととその妻、ブルーオークのルーブル。  
二人はちゃっかり隠れて生き延びていた。  
そして二人は娘を作った。おい、そこのお前、変な想像はするなよ。所詮モンスターだぞ。  
その娘は禿げ上がる程驚く速さでアッ!と言う間に16歳の美少女に成長した。  
「ふふ、これだけ美麗ならばあの男も惑わされるだろう」  
「そうね……さぁ、行きなさい。貴女の最初の仕事よ。メイドとして奴の家に乗り込み、  
 我らの敵を抹殺するのよ!」  
 
こうしてメイド…もとい鬼の娘、クレアはルークの家へと向かっていったとさ。  
めでたし、めでたし。めでたくねーよ。終わってねーよ。  
   
そんなこんなで鬼娘クレアはメイドとしていともたやすくルーク家に侵入した。  
で、またーりと一年が経過した。  
 
 
どたどたどた。  
現在、クレアは床掃除中である。  
(全く、何でこのクソ寒いのに雑巾なのよ!)  
ルーク家の掃除用具はほうきと、ちりとりと、はたきと、雑巾と、バケツ、これだけである。  
オークを打ちとった褒美はあるのに何故掃除機とか買わないのかっていえば、  
ルーク本人の意見によるものである。  
「やっぱ、掃除って機会でやるより人の手でやった方がいいと思うんだよね」  
とのことで。  
 
(それにしても、ジジイとババアが別の国に移住していったのは嬉しい誤算だわ)  
爺さんと婆さんは昨日、に平穏な国に移住していった。  
「あっちの国の方が、面白いモンスターがいるらしいからの」  
変な老夫婦である。  
(これで気兼ねなく、ヒッソリと奴を殺すことができる…!)  
とかボンヤリ考えていたらバケツにぶつかった。  
どんがらがっしゃんばしゃん。  
@言う間にクレアはびしょぬれになった。  
すぐに音を聞きつけ、ルークが駆けつけてきた。  
「何、どうした?大丈夫か?」  
「あ、はい…平気です…なんともないです」  
たちあがろうとしたら再びこけた。(床濡れてるから。)  
「本当に大丈夫か?」  
「だ……大丈夫です………」  
 
「別に、もう十分綺麗だから…ムリにやらなくてもいいぞ?」  
「あ、いや、これも仕事ですしっ!」  
「まぁまぁ、今日はもう休め。体壊すといけないから」  
と、流石(一応は)勇者。軽々クレアをお姫様抱っこして  
ベッドの方へ運んだ。  
ちなみに現在一時(夜中の)。  
クレアはずっと計画を練りながら掃除してたので時間が経つのが気づかなかったのだ。  
ちなみに当のクレア本人はと言うと。  
(何コイツ!軽々しく私を持ち上げるんじゃないわよっ!  
 あ、でも顔近くでみるとカッコイ…じゃない!そうじゃなくて…殺すから!ぶち殺し!)  
なんか混乱してた。  
 
深夜三時。  
クレアはまだ寝ていなかった。  
隣にはルークが羨ましいぐらいグッスリ寝ている。  
ちなみに二人で同じベッドで寝てるのは、  
ルークがウッカリでかいベッドを二つ買っちゃったからである。  
「……今なら殺すことができる…!」  
今更の様に呟きながら、コッソリと鍵をかけておいた引き出しから  
ナイフを取りだす。  
「…今までだったら…殺気を感じとられて殺せなかった…だが!」  
そして、ルークの胸の上に構える。  
「ずっと一緒に暮らしてきて…意識の波長を全て理解した今なら殺せる…」  
 
「長かったぞ…ここまで………!………さらばっ!」  
 
──  
ナイフは、ルークに触れるか触れないかの位置で止まっていた。  
「………何故……」  
 
「何故、私は………」  
 
 
それからのクレアは、いつもに増してボンヤリしてる様子であった。  
心配になったルークは色々と彼女が元気になるよう取り組んでみたが、全て失敗だった。  
 
そして数週間後の朝。  
 
「あ〜〜〜〜〜〜よく寝た〜〜〜〜〜っ………  
 ………あれ?クレア?」  
ルークが目覚めると、横で寝てるはずのクレアの姿はなく、かわりに手紙が置いてあった。  
「何だコレ?えーと、ルーク様へ……」  
 
『ルーク様へ。  
 今まで申し訳ございませんでした。  
 私は貴方に嘘をついておりました。  
 私は、貴方が殲滅したオークの生き残りの娘です。  
 父上と母上の命で、メイドになりすまし、貴方の元へと潜入したのです。  
 それは貴方を殺すためでした。  
 私はメイドとして、貴方を殺すために一年、機を伺っていました。  
 ……ですが、結局は私は貴方を殺すことができませんでした。  
 何故なら、私は知らずしらずの内に貴方を愛してしまったからです。  
 でも、今さら貴方にこの思いをうちあけることはできず、  
 だからといって父上と母上の元へ戻るわけにもいきません。  
 悩んだ末、私は自らの命を絶つことにしました。  
 今までありがとうございました。 そして、最後までご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。』  
 
「………ッ!」  
瞬時に、彼は駆け出していた。  
家中探したが、どこにもいなかった。  
(……この辺で……人気のない所………)  
彼は、ハッとした顔つきになったかと思うと、外へ駆け出していった。  
起きたばかりで、パジャマに裸足なのも忘れて。  
 
 
ほとんど誰も近寄ることのない森に、クレアはいた。  
木にかけた縄で、今にも首を吊る所だった。  
「さようなら──父上、母上、─そして、ご主人様…」  
と、その時。  
森の奥からもの凄い勢いで突進してくる影があった。  
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!」  
そいつ─ルークは、今まさに縄に首をかけようとしているクレアを押し倒した。  
「何考えてるんだよお前!!自殺なんて……誰も喜ばないだろ!!」  
「…ご主人様………でも、私は…」  
「お前が良くても俺は絶対許さねぇぞ、こんなこと!!」  
「でも!……私…もう……んむっ…!?」  
──泣きながら何かを言おうとしたクレアの口を、ルークが唇で塞いだ。  
「なぁ、頼むよ…死なないでくれよ……」  
クレアを体を、きつく抱き締めながら言う。  
「………好きなヒトに…死なれたくないんだ……」  
 
 

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