■新婚ミルク■  
 
あるところに年の離れた若い夫婦がいました。  
お嫁さんの方は、まだ子供と言ってよい年齢でした。  
夫の方が結婚適齢期に入った頃、親せき筋から小さなお嫁さんを貰ったのです。  
 
結婚したばかりの二人は小さな部屋を借り、新生活を始めました。  
あまりお金を持っていないので、椅子もテーブルも棚も、全て  
家具は夫の手造りです。  
けして裕福ではありませんでしたが、喧嘩もせず仲良く暮らしていました。  
年が離れすぎていると、喧嘩をしようにも喧嘩にならないのです。  
 
幼い妻はよい奥さんになろうと、小さいながら頑張って家庭を切り盛りしました。  
夫は働き者の真面目な男でした。  
妹のような小さなお嫁さんを、いつも穏やかに見守っていました。  
 
ところで、幼妻は毎日毎日牛乳ばかりを飲んでいました。  
飲みすぎるほど飲んでいました。  
早く大きくなって、大好きな旦那さまに釣り合うようになりたかったのです。  
 
――ある晩のこと。  
 
「ただいまー」  
お土産にケーキを買い、夫が仕事から帰宅しました。  
小さな妻を家に独りにしておくのが心配なので、いつも一目散に帰って来ます。  
 
「……よいしょ、よいしょっと。ア、おかえりなさい。あなた。  
 ごはん出来ましたよ」  
幼妻はせっせと夕飯の支度をしていました。  
ちょうど食卓の上にお皿を並べ終えたところです。  
実家のお母さんが送ってくれた野菜を使った料理が、おいしそうに湯気を立てています。  
サイズの合わない大きなエプロンを付け、ちょろちょろと立ち回る様は、  
まるで小動物です。  
 
一日の労働を終えた若い夫は、もうお腹がペコペコでした。  
手渡された着替えを受け取り、汗を吸った重い作業着を洗濯物かごに放り込むと、  
手を合わせ、さっそく夕食にガッつきます。  
ガツガツと掻き込む夫に負けず劣らず、育ち盛りの幼妻もモリモリ食べました。  
 
夫は食欲旺盛な幼妻を愛しげに眺めました。  
もっと彼女に、たくさん栄養の付くものを食べさせてあげたくなりました。  
「よし、俺の分も食べな。はい、あーん」  
自分の皿から肉を掬い、幼妻の口元に宛がいます。  
「ぁーん」  
「たくさん食べな」  
リスのようにぷっくり膨らんだ幼妻の丸い頬が、もぐもぐと動きます。  
夫は、それを人差し指でつついて遊びます。  
 
食後。  
幼妻は日課となっている牛乳の摂取を始めました。  
ストローから、一生懸命ちびちび牛乳を吸引しています。  
その様子があまりにも可愛らしかったので、夫は少しからかってみることにしました。  
 
ニヤニヤしながら意地悪く質問します。  
 
「そんなに大きくなりたいんだったら、  
 俺の出す栄養たっぷりな牛乳も飲むか? イヒヒッ」  
「ヒェーッ、あなた、牛だったの? それに、男なのにお乳でるの!?」  
天真爛漫な幼妻は、目を皿のように真ん丸にして驚きました。  
性知識が不足しているため、比喩表現が通じません。  
 
「今日から自家製の牛乳をのめば、お金の節約になるね!」  
無邪気に喜ぶ姿に虚を衝かれ、夫は拍子抜けしてしまいました。  
 
「……風呂に入ってくる」  
期待に満ち満ちた眼差しを送られ、引っ込みがつかなくなった夫は  
そそくさと浴室に消えて行きました。  
――石鹸をよく泡立て、いつもより念入りに股間を洗います。  
 
入浴を済ませ、夫は大の字になって布団に寝転がると、清潔にした巨チンを差し出します。  
すると、幼妻が上から物珍しげに覗き込んで来ました。  
 
「いただきまーす」  
「いや、そこじゃない。……股の間に、もう一つ生えてるのがあるだろ」  
小さな唇が乳首に吸い付こうとしたところを、夫が別の場所へ誘導します。  
 
初めて見る男の生殖器をしげしげと観察したあと、幼妻は素直に感想を述べます。  
「このおっぱい、変なところについてるね。毛がもじゃもじゃ。  
 なんだかぴくぴく動いてるし。  
 ……ぁむ、じゅ、じゅっ……ちうちぅ」  
それを食べ物だと信じて疑わない彼女は、迷わず口に含みました。  
頬張った途端、先走りが舌に絡みます。  
 
まるで牛の乳しぼりの要領です。  
小さな手のたどたどしい動きが、分泌と流れを促します。  
しかし吸い出すたび、勝手にストローの角度が変わるので、飲みにくいのです。  
腹に張り付きそうな程、どんどん反り返ってゆきます。  
 
「根元の、膨らんだところを手の平で押し揉んで。そこに牛乳を貯めてあるんだ。  
 ……ちょ、ちょっと力が強い。もっと優しく……あふぅ、アァッ」  
もう我慢出来ず、夫は身震いしました。  
駆け上がって来た熱い子種が、低い喘ぎ声とともにおちょぼ口に放たれます。  
 
「はぁ、はぁ……美味しいかい?」  
荒い呼吸で尋ねると、幼い妻は顔を顰めます。  
「超まずいッ! うぇ〜」  
「だよな。ごめん」  
ペッペと白濁液を吐き出す幼妻を膝に抱き上げながら、夫は反省しました。  
 
反省しつつ、本当は下の口にも飲んでほしい……とも考えていました。  
「それは、もうちょっとお前が大きくなってからだな」  
「え、なあに? あなた」  
「独り言だよ、マイハーニィ。さあ、買って来たケーキ、一緒に食べよう」  
 
end.  
 
 

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