このまま大きな絶頂へ向かっていくと思っていたところで、彼は突然私から離れた。
「ぁ、はぁ、んっ…、…??」
身体は何も触られていなくても震えているような状態だった。
「これで、ね。」
そう言って彼が取り出したのはファーがついた手錠だった。
「大丈夫。もっと気持ち良くなるよ」
普段の彼の好印象と、先程までの信じられないほどの快感が私の背中を押した。
おそるおそる承諾すると、私の両手首は小さくまとめられ、ベッドのパイプに固定された。
手にはめられたそれと同じような可愛らしい色の拘束具は私の両足首にもはめられ、
私は足を広げたような格好のままベッドに固定された。つまり、じんじんとしている
その部分を彼のほうへ見せ広げているというような格好になった。
その事実だけで私の気持ちははやくも高まっていた。
「んっ…」
さっきの続きをはやくしてほしくてたまらなかった。
自然に浮きそうになる腰をなんとかおさえようとしたそのとき、彼がそこに近づいた。
期待に震えあがった私の身体に触れたのは、しかし彼の指だった。
「あぁっ…な、に……?」
ぬるぬると、何かひんやりしたものを塗りつけられている。
最初は穴の周りを撫でて、次に念入りにクリトリスを触られる。
「大丈夫。一応合法のだから」
そう言われたのと同時に、腰がガクンと跳ね上がった。
「ひっ……?!」
「…ふぅん、即効性とは聞いていたけど…」
彼は楽しそうに私の下半身を眺めている。私の目からそこは見えないが、
クリトリスがどくどくと脈打つような感覚でいっぱいだった。
彼の指がそこに触れた。
人差し指だけでぐるりとクリトリスのまわりを擦り上げられ、私の目からは涙がこぼれた。
「ひあああっ!!」
触れられた部分に熱い快感が走る。それに浸る間もなく、彼の指がまた動く。
今度は指の腹でつんつんとクリトリスの側面をつつきまわされる。
やはり中心に触れることはない。それでも皮ごしに伝わってくる快感がそこからぞくぞくと駆け抜ける。
「あっ、はぁ…んっ、んぁあっあっ」
私は今度こそ、自分のクリトリスがむくむくと勃起していくのをしっかりと感じていた。
そんな私のクリトリスを、彼は淡々と責め抜いていく。
散々つつきまわされたそこを、今度は親指と人差し指でふにふにと優しく摘ままれる。
「んっ、あっ、あぁあっ」
勃起して皮からはみでていた部分が、ぐりゅぐりゅと、皮の中にはいったり出たりしているのが分かった。
「やぁっ…も、揉んじゃだめぇ…っだめっ…ぁ、ああっ!」
イク!!と思う寸前、そこから彼の指が退いた。
「や、そん…なっ…んんっ、は、ぁ、」
「もうちょっと我慢してね」と、彼はまた爽やかに笑う。
その冷静さとは正反対に、私はじれったくてたまらなくて、首を横にぶんぶんと振った。
もうイカせてほしい。せめてさっきまでのような、小さな絶頂感でもいい。
だけど拘束されてからは、その小さな絶頂ですら1度も味あわせてもらえなかった。
自分で触りたい、こねくりまわしたいという欲求はしかし今となっては叶えられない。
私の波が落ちついた頃を見計らって、彼がそこに舌を伸ばす。
「…っひ、やああああああっ!!ああっ!ん、あ、ああっ!!」
突然ぺろぺろと舐められ、私の腰はまた跳ね上がった。
拘束された身体では、腰と首、それに指先しか力を込めて動かすことができない。
彼の舌は止まらなかった。
ちゅっちゅっと数回キスをされたあと、ちゅうううう、と長い時間吸い上げらたり、
またぺろぺろと舐められたり…何度目かに唾液を使って吸い上げられ、私は首を横に振ってそれに耐えようとした。
「あ、ああああ!だ、だめっ…い、いく、いく、あ、あああっ…!」
けれど彼は唇をそこにつけたまま、吸い上げることだけをストップした。
そのまま吸い上げていてくれれば、またはチュポンと音をたてて唇を離す動きさえ与えられれば、
確実に今イケていたのに。目前に見えていた絶頂はまたお預けされ、私の身体はぶるぶると震えた。
「も、だめ…っい、イカせて…っくださ………っお願いだからぁっ…」
彼はこれまでにないくらいゆっくりと、そうっと静かに唇を離した。
そこは私の愛液でべっとりと濡れていた。
自分で膣を収縮させてみても、それにあわせてクリトリスが動くのが分かるのだけれど、
あとほんのすこし、ぎりぎりのところでイケない。
「かわいそうに。ぴくぴく震えてるよ、ここ」
そう言われながら視線を送られるだけで、もう絶頂に達しそうだった。
イキたい、イカせて、お願い、それだけが頭のなかにいっぱいだった。
「お、おねがいしま…っ………、っ」
次の瞬間、何が起こったのか分からなかった。
「……・・っあ゙っ!ああ゙ぁああああああああああああああああ゙っ!!!!!!」
待ち望んでいたはずの絶頂は唐突にやってきた。
ガクガクと全身が震え、口の端からは涎が垂れていく。
涙でゆがむ視界の隅で、愉しそうに笑う彼と目があった。
「だ、だめだめだめっあああああああっい、や、だめえええええっ!!!ああああ!!!!」
私のクリトリスのまわりで何かが蠢いていた。まわりだけではない、皮からつきでている
中心の核の部分にもそれは直にしっかりと触れ、ヴヴヴヴヴヴと振動し、
ぐちゅぐちゅとそこをこねていた。
頭の中が真っ白になる。
それは確かにローターの音で、アタッチメントについたイボのようなものが様々な角度から私のクリトリスを
弄り倒していたのだが、そのときの私にそんなことを考える余裕などなかった。
ただ気持ち良い。気持ち良くて涙が止まらない。
「い、また、だめっまたイクイクっイクウぅううううう!!!……っぁあああ!!あっ、あん!!!」
腰はずっとゾクゾクしっぱなしで、じわじわという痒みのようなものがクリトリスから全身に広がっていく。
「んぁあああああ、や、だめぇ、おかしくなっちゃ…っあっイッ…く………っっ」
振動が強くなった気がした。ローター音が更に高い音で私を責める。
「あああああっ…?!も、だめなのぉお…っイッてるのにっ気持ちい、あっあああああ…っひっ?!」
ふいに、ぐにゅりとした快感を、私がとても感じる部分、クリトリスの上側のところに感じた。
それはそのあともピチャピチャと音をたてて動き続けた。
彼の舌の動きに間違いなかった。さっきからずっと求めていたもの。この動きと、それに従う大きな絶頂。
クリトリスの中心ではいくつものイボがぐりゅぐりゅとそこを責め立てる。
皮の中にまで入り込んでくるイボが信じられないくらいに気持ち良い。
彼の舌は私のクリトリスをはじいたり、吸いついたりと水音を止ませない。
触られていないはずの乳首はビンビンにたち、
何も入っていない膣内も自分できゅうきゅうと締め、だけどもう何も分からなかった。
そう、何よりも気持ちの良い、クリトリスへの信じられないほどの快感以外は。
ぢゅるるるるる、と一層強くそこを吸われ、その唇の中では舌とイボがクリトリスにむかって跳ねまわり、
私は最後の絶頂を向かえた。
「………………・・・っ!!!!!!!!、ぁ・・・っ・・・・・んぁっ…ぁ・・・ひっ」
声にならない快感だった。全身はベッドに大きな音をたてながら波打ち、腰がくだけて力が入らなかった。
そこで私の意識は途切れた。
気付いたら私は帰宅していた。
腕時計を見る。日曜の午前10時だ。
そうださっき、先輩にタクシーで家まで送ってもらったんだった。
会社用のスーツを脱いで、風呂場へ向かう。
あれからのことはあまり覚えていない。
身体はふいてもらったらしいが、それでも何故か下半身が汗ばんでいるような気がしてシャワーを浴びたかった。
脱衣所でふとそこをみおろし、自分の目を疑った。
見覚えのある、半分皮につつまれたものはそこになく、
かわりに中心のほとんどが皮から突き出て、充血した状態のクリトリスが存在していた。
気のせいとは思いにくいくらい、サイズもかなり成長している。
その日はシャワーを浴びてさっぱりしてからも、クリトリスは勃起したままで
しっかりと流したはずの愛液も1日中止まらなかった。
昨日から何度もイッているのにもかかわらず、
あの体験を思い出して一人でそこを弄らないわけにはいかなかった。
おかげでクリトリスの勃起は、数日間おさまらないままというはめになったのだった。
<おわり>