「わ、私のところにクリを摘みに参りませんか?」  
「え、栗は摘むものではなくて拾うもんじゃないの?」  
確かに彼女の御家はお金持ちで栗畑くらい幾らでもありそうだ  
 
そんなお嬢様の彼女が、何故か私みたいな普通の私にこんなにも執心なのかは良く分からない。  
ホント色々な世話をやこうとし…  
私に窘められては落胆の顔をし、誘いに乗ったときはまるで天上に昇るかのように喜ぶ。  
先生だろうが、他の生徒だろうが従えて止まない彼女の、唯一の存在が私らしい。  
 
「で、来てくださいますの?」  
こういうときは誘いに乗らないと後が大変だ。  
私は構わないのだが…まあそのとばっちりを喰らう人が必ずいるのだ。  
 
…さて、この電波をどう繋げたものか。  
 
彼女の行きたいクリ畑は…きっと女性が沢山マングリ返しの体勢で待っているので、それを刺激していってあげることだと思う。  
私の想像しているのは「普通のイガ栗の落ちている栗畑」  
 
お嬢様からの電話連絡によると、予定されていたクリ摘みに変更が必要らしい。  
ご友人は、クリは『摘む』ものではなく、『ひろう』ものだと仰られたそうだ。  
有能と自負する執事としては、これはご友人の要望にも対応すべきだろう。  
 
・・・が、困った。  
ご友人の仰る『ひろう』が私には想像がつかないが、ここで対応不可とは己のプライドが許さない。  
そこで月並みな方法だが、クリをどのように『ひろう』ものか、検索してみることにした。  
検索ワードとして、文字を入力し・・・ふと平仮名のままであった文字列を変換してみることにする。  
 
『披露』とでた。  
 
なるほど、ご友人の仰られていたのはこれかと合点がいき、取り急ぎ準備にとりかかるとしよう。  
撮影機材に、器具類、皮を剥くのに筆などもいるか。  
あぁ、動かれては画面がブレてしまうから、固定する椅子も必要だな。  
どんな風に見られているのか、ご友人にもしっかり把握して頂く為に、スクリーンに映さねばならん。  
『披露』というのだから、お嬢様や私だけでない、観客も必要であろう。  
 
さて、忙しくなりそうだ。  
お嬢様やご友人の要望を100%叶えてこそ、有能な執事。  
クリ摘みも、クリ披露も完璧にせねば・・・  
 
 
「すいません、栗拾いの準備もして頂いたそうで」  
「とんでもございません、ご要望に応えてこその執事でございますから」  
 
「あの・・・失礼ですがイガのついてる奴ですよね?むくと美味しい栗でいいんですよね?」  
「イガでお怪我をなされてはいけませんので、イボのついてモノにいたしました。  
 剥くととても美味しゅうございますので、お間違いではないと思いますよ」  
 
イボ・・・?と思いながらもあの時、わざわざ感謝の念を伝えたことを私は全力で後悔している。  
何故なら私は今、座り心地の良い椅子に座らされているからだ。  
ここでご理解頂きたいのは、座っているのではない。座らされていることである。  
肘掛にはご丁寧にもベルトがついていて、手首を固定しているし  
足にいたっては、ひざあたりと足首をベルトで固定してあって、M字に開脚させられている。  
他にも、首や肩などが固定されているらしい。はっきりしているのは、身動きが取れないことである。  
 
いくら服を着たままとはいえ、これではスカートの中は丸見えだろう。  
何よりちょっと離れた所にに、人の気配はあるのだ。それも単数ではなく複数の。  
いったい栗拾いはどうなったというのか。  
クリ摘みを見学中に眠ってしまったらしく、目が覚めたらこの状態。  
しかもアイマスクをされて、ご丁寧に猿轡までしてあるので状況を問いただすことすらできない。  
やっぱり来るんじゃなかった、あのお嬢様の一家は執事を含めて変態だったか・・・!と後悔することしきりである。  
お嬢様には、まだ小学生の弟君もいるが、彼だけはこの家風に染まって欲しくないものである。  
絵を描くのが楽しい、と学校の写生大会で描いた絵を見せてくれた笑顔を思い出すと、しみじみそう思う。  
訳のわからない状況に、軽く現実逃避をしていると部屋の中で動きがあったようだ。  
 
「それではクリ披露をはじめさせて頂きます」  
 
あれ?栗拾いだよね?  
何かイントネーション違う気がするんだけど・・・それに、拾うじゃなく拾いでしょうが。  
しかも、この声は誰だ。  
執事さんどこー、お嬢様どこー・・・??  
 
条件反射でツッコミをいれてしまったが、猿轡のせいで唸っているようにしか聞こえない。  
それに対して、「ご友人様の同意も頂けたようですね」とか言ってるお前は誰だ!  
心の声が聞こえた訳ではないのだろうが「当家主治医でございます」と自己紹介をされてしまった。  
いや、自己紹介いらないから。開放してくれれば、いいだけだから・・・!!!  
 
「披露に入る前に、クリトリスの説明からはじめましょう」  
 
そう言いながら、主治医さんの手はスカートをまくりあげ、内ももから膝あたりまでをすーっと撫でていく。  
続けて指先を立てた状態で、ショーツのラインを追い、腰骨を辿り、足の付け根をさわっていく。  
線を引くようにショーツの上を人差し指で、すっと辿ってから指先が細かく動き始めた。  
ちょ、待って何してやがりますかぁ主治医さん・・・!!  
 
「クリトリスは男のペニスと同じで、興奮すると大きくなります。  
 大きさも感度も人それぞれですから、どこをどうすれば気持ちいよいのか、把握することが大事です」  
 
パキッと何かを折るような音の後、ショーツがひょいとずらされた。  
うー、と唸って抗議したのと同時に、クチュっという音がして、露出した箇所に何かが塗りこまれていく。  
クリトリスから尿道口、そして内に続く入り口へと、ゆっくりと丹念に塗られていく。  
充血し熱を感じて腫れてきた肉壁の形状を確かめるように、指がゆっくりと動いているのがわかる。  
冷たい何かと絡んだ毛を指に纏わせながら、穏やかに攻め立てられて喉が鳴った。  
 
「男の場合、何度もオナニーをしているうちにイキ方を覚えていきますが・・・  
 クリトリスも同じで、一度イキ方を覚えてしまえば、何度でもイクようになります。  
 覚えさせるコツとしては、まず指やクリトリスをしっかり濡らしておくこと。  
 乾いた状態でいきなり触れば、女性は痛みしか感じません。  
 すると、痛い体験だけが記憶にのこり、クリトリスへの刺激を嫌がるようになってしまいます」  
 
うぎゃー!待って、授業でもするような口調だけど、説明って誰にしてんの!  
もしかして今、この大股開いちゃってるこの格好を誰かに見られてるってことぉ!?  
 
焦る私を置いてきぼりに、何かを言いながら主治医さんは私のショーツの中で手を動かしている。  
最初は冷たかったのが、ゆっくりとした手の動きに促されて、体に馴染んでいく。  
ぬるぬるとした感触に煽られて、そっと触れられるだけで背筋まで熱が走り抜けていくような感覚。  
も、やだぁ・・・。  
くちゅくちゅと音を立てて片手でクリトリスを弄りながら、もう一方はひだの深さを測るように指でなぞるのがたまらない。  
 
「まだオーガズムを感じたことない女性の場合、このように視覚を遮断するのも有効です  
 聴覚、気配に敏感になるということは、神経が研ぎ澄まされますので。  
 さてここからは、本格的にクリ披露をしながら説明させていただきます」  
 
本格的!本格的ってなんだ!  
ショーツのはしが摘まれた、と思ったらシャキンという音とともに、ゆるやかな締め付けが消えた。  
お気に入りのショーツだったのに、切りやがったー!?と思えたのはほんの僅かだった。  
不意打ちのようにクリトリスを、何かで撫でられてくぐもった声をあげてしまう。  
上下に動くそれは、びくりと震えた箇所を見逃さず、どんな動きが快楽を生むのかひとつひとつ掘り起こしていく。  
快楽へと意識を蕩かす動きは、自分の理性をも溶かしていくようだった。  
 
「筆の感触は、気持ちよいですか?  
 綺麗なピンクも、まだ皮をかぶったままの小さいクリトリスも可愛いですよ」  
 
触れるか触れないかの優しいタッチで、クリトリスの上を円を描くように筆先が動いていく。  
もう片方の指は、花びらを開きながら入り口付近を上下になぞっていた。  
筆と指にもてあそばれて、声が出したいのに出せないのが、こんなに辛いなんて知らない。  
もどかしいくらいにゆっくりとした動きで、クリトリスをぐるぐると転がされる度に、体が熱くなっていく。  
筆と指の愛撫が、快感を重ね合わせるように熱を高めていくと、自分で下の口が開いて、とぷりと愛液を吐き出したのがわかった。  
 
「とても素直な身体でよろしいですね、ヨダレをたらして欲しがってらっしゃいますよ  
 ・・・さて皆様はこちらにご注目ください。  
 このように大きくなったクリトリスは、下から包皮が剥けていきます」  
 
シュっと強めに筆が下から上へと撫でられると同時に、身体がぎくんと痙攣した。  
自分のあごが上がり、アイマスクの覆われた目じりに涙が浮かぶのがわかる。  
視覚を覆われると、身体が過剰に快感も音も気配も知らせるから、全部が気持ちいいんだ。  
筆の動きに合わせるようにして、腰が揺れてるのだってわかる。  
猿轡をされているから、嬌声が漏れないだけで、それすら身体の内部に響くようになってるのもわかる。  
 
「女性の身体は、面倒がらずに時間と手間をかけてゆっくりと愛撫することが肝心です  
 快感は与えられるだけ与え、身体で覚えさせると後が楽しいものですよ」  
 
指が一本だけ内部にもぐりこみ、上側に向けてぐっとこすり付けられている。  
筆は相変わらずジェルと生み出した愛液を塗りこめるように動くたびに、腰が跳ねるように震える。  
内部からクリトリスを押し上げられ、筆先は剥かれた芯をゆるゆるとなぞる快楽が繰り返される。  
鋭敏になりすぎた感覚は、手を這わせる主治医だけでなく、他の気配や視線までも感じ始めていた。  
クリトリスへの刺激の強弱の波に、それを眺める複数の視線が重なって肌が小刻みに震える。  
 
きゅ、と硬くしこっていた芯を指と筆で挟まれ、ガクガクと身体が震えだすのがわかる。  
快感が背筋をかけあがり、大きく跳ねると、愛液がどろっと噴出す。  
それを見て笑いをこらえたような吐息を感じると、一本だけ再び指が差し込まれる。  
 
「こうやってクリトリスを刺激し続け、イクのを体験させ、覚えさせることが大事なんです  
 恥ずかしがらなくてもいいですよ、好きなだけまずは感じてください  
 そのうち快感が羞恥になる位、この処女膜があるのがばからしい位、感じやすい身体になりますから」  
 
う、処女ってバレてる。  
・・・お医者さんだもんね、主治医っていう位だから。  
 
なんて思うのと、締め付けている指が内側からぐっと強く押されたのは同時だった。  
筆での刺激で腫れあがっていたクリトリスが、ちゅっと吸われたのは。  
そのまま強く吸いあげられ、舐められ、唇で挟まれ、軽く歯を当てられる。  
クリトリスに与えられる様々な刺激を与えられる度に、内側からクリトリスを押す指を締め付けてしまう。  
痙攣にも似た震えに逆らうように、舌先で転がされる優しい刺激がもうたまらない  
 
ぬめる舌でクリトリスをねじられ、捏ね回され、内部からはグリグリと押し上げられる。  
快楽にもみくちゃにされるように高められた熱が、苦しくて、苦しくて  
ばらばらになるかのように感じながら、与えられる愛撫にに身を任せるしかないのが苦しい。  
 
「う、うー・・・・! うっう!」  
 
かりっと食まれた、と動じに許容量を越えた快感に、突然絶頂はもたらされた。  
悲鳴のような嬌声が猿轡に吸収されると、ぐったりと落ちるように身体が崩れ落ちた。  
足の間から背後へと、主治医さんが移動していくのをぼんやりと感じた。  
 
「このようにイッた後、クリトリスに集まった血液は膣へと移動いたします  
 見てください、ほらクリトリスがまた体内に引っ込んでいるのがわかりますか?  
 勃起したままですと、挿入時に邪魔になりますので戻るんですね  
 膣へいった血液は、愛液の材料になりますので濡れます。  
 そして重要なのがちょうどクリトリスの裏側にあたる、Gスポットに血液が集まり盛り上がるということです」」  
 
花びらを開き、とろけきったそこを見せ付けるようにして何かを喋っている。  
あぁ、また視線が集まっている。  
くちゅ、と音をたててまた指を内側へ差し入れると、壁を擦るようにして押し上げられた。  
イッたばかりの身体は重く、もとより固定されて動けない身体はかんたんに快楽へと押し流された。  
 
「つまり内側からの快感を追いやすく変化するということです  
 ゆったりとした刺激から、大きい動きへというのを意識しながら、内側からクリトリスへ刺激を送ります」  
 この時、外側では引っ込んだクリトリスをノックをするように刺激を続けるのが良いでしょう」  
 
包皮をかぶせるようにして、クリトリスを軽く押さえると振動させながら刺激を与えられる。  
時折、内側の指と連動させるようにノックするような動きを、優しく細かく叩くをランダムに繰り返されるのに全身がふるりと震えるのがわかった。  
快楽を追い始め、次の動きを待ちわびていると、ゆっくりを指が引き抜かれる。  
するっと離れていく気配と、抜かれた指の喪失に戸惑っていると声がきこえた。  
 
「ではお坊ちゃまと、ご学友はこちらで実践させて頂きましょうね  
 お嬢様はそちらでしっかりと、執事殿に感覚を刻み付けていただいてください。  
 それでは私は失礼します」  
 
 

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