満月に照らし出された洞窟を目指し、灰色のガウンを身に纏った少女が進む。  
「文献によれば、あの洞窟で間違いないはず……」  
 
やがて洞窟にピタピタとした足音が聞こえ、少女の行く手にいくつもの影が現れた。  
人間ではない。  
全長は1メートルほど。全身が鱗に覆われ、まるで巨大な魚に手足が生えたような姿の魔物だ。  
サハギン――大河コラーロの流域に一大勢力を築く魚人族の奴隷種だ。  
 
少女を取り囲み、サハギンたちは人には理解できない言語で何事かを囁き始める。彼らに表情というものは  
存在しないが、あるいは少女に驚いているのかも知れなかった。  
この時期になると、魚人族は大河流域の人間の集落を襲い始める。人間の女を連れ去るためだ。  
人間たちも魚人の習性をよく知っており、この時期に女が魚人の棲む洞窟に近付くことは禁止されていた。  
……にも関わらず、人間の女が自ら彼らの元へやってきたのである。  
 
サハギンの青黒い手が少女に伸びる。ガウンに鉤爪をかけ、一気に剥ぎ取った。  
ガウンの下は一糸纏わぬ全裸だった。月明かりが少女の白い裸身を艶めかしく照らし出す。  
「皆さんの――魚人族の“女王”に会いに来たの」  
少女の声は期待に震えていた。その顔に浮かぶのは欲情であった。  
「女王様の産卵を……私を苗床にして欲しくて……ああっ……もう想像しただけで溢れてくる……  
ほら、見えるでしょ……?あそこの発情してるのが分かるように、ちゃんと毛を剃ってきたんだから……」  
少女は自らの股間に指を這わせ、むき出しになった秘裂を広げてみせる。きれいなサーモンピンクの  
肉穴から、しっとりとした愛液が絶えず流れ出ていた。  
 
洞窟の奥深く、ひときわ開けた大広間のような空間があった。サハギンたちに連れられ、少女はそこで  
“女王”と対面した。  
 
魚人たちの社会は、蟻や蜜蜂のそれと酷似している。  
群れの大多数を占めるのは、性別を持たず奴隷としてこき使われるサハギン。  
全員がオスであり、恐るべき戦士であるギルマン。  
そして群れの中に一匹、多くても数匹しか存在しない、産卵のよって新たな一族を生み出す魚人のメス――女王。  
 
群れのトップである女王は魚人たちに守られながら、その生涯を無数のサハギンやギルマンを  
生み出す為の産卵に費やする。産卵場所は、普段は川底の泥の中である。  
 
だが数年に一度の満月の夜、新たな女王を生み出す為の特別な産卵が行われる。その産卵場所は川底ではなく  
――人間の女。  
あらたな女王を生み出す苗床として、魚人たちは女を捕らえて女王の下に供するのだった。  
少女が石の大広間に連れられてきたのもそのためである。  
 
(これが女王様……本当に会えたんだ……)  
女王はサハギンの倍以上の上背があり、少女を見下ろすほどの大きさだった。サハギンとの何よりの違いは  
その股間から生える生殖器である。  
たくましく屹立する、人間の巨根めいた棒状の器官。だがペニスとは違い、それは自在に収縮・蠕動する  
触手状の形態だった。  
(そう、あれはオチンチンじゃなくて……産卵管。あのピクピクしたホースの中には魚人の卵がぎっしり  
詰まっているんだ。あの触手で犯されるのは女同士の行為、レズになっちゃうんだ。ふふっ……なんだかおかしな  
感じ……)  
産卵管の先端は硬質化し、細く鋭いノズル状になっている。  
(あの産卵管を女の子の大事な部分に奥深くまで突き刺して、子宮の入り口をノズルでこじ開ける……そして  
赤ちゃんを育てる場所に卵を送り込むのね……もう待ちきれない……早く私の処女、女王様に奪って欲しい……)  
 
 
それは少女が長年夢見てきた光景。  
幼い日より賢者の学園で学び、性に目覚めたある時期、偶然にも魔物学の研究をする中で魚人族の生態について知った。  
魔物の苗床にされる女。その倒錯的な描写に、少女は虜になった。いつしか少女は、自分が魚人に犯され、卵を産み付けられ、出産する姿を妄想してオナニーをするようになった。  
 
――初めてをギルマンの女王様に捧げたい。  
その想いから少女は処女をかたくなに守り続けた。言い寄ってくる男は無数にいたが、全て断るか、付き合っても  
口淫だけに留めた。あるいは同性愛に走った。  
そして今。ようやく長年の妄想が現実になろうとしていた。  
「……ずっと……この時を待っていたの。お願いします……女王様の素敵な産卵管で……このはしたない処女穴を  
貫いてください……魚人の赤ちゃんをいっぱい、いっぱい産み付けてください……」  
 
――満月は中天に差し掛かっていた。女王はゆっくりと少女へ歩き出した。  
  神聖な儀式、新たな生命を産む宴の始まりだ。  
 
少女をここまで連れてきたサハギンたちは何事かを叫びながら、少女を床へうつぶせに横たわらせた。  
両手足を押さえつつ、尻を高く突き出させる。  
(バックからするんだ……女の子として、初めては正常位で、抱き合ったりキスをしながらするのを夢見て  
いたけど……でも後背位のほうが正常位より深い挿入が出来るっていうよね……)  
胎内の奥深くまで犯される。そのことを想像しただけで少女の背筋を快感の震えが駆け巡る。  
 
少女の両脇腹が女王の大きな手でがっしりと掴まれた。同時に、少女の秘裂に固い感触。  
産卵管の先端がおしあてられたのだ。  
「ああ、早く……早く来てぇ……はぅっ?」  
背後で女王が腰を動かし始める気配がした。と同時に、産卵管が一気に膣内へと押し込まれた。  
プツプツ、と処女襞を引き裂き、異形の生殖器官が奥へと侵入していく。膣口の括約筋は限界まで拡張し、メリメリと音を立てていそうだった。  
処女を引き裂かれた痛みが下半身を走る。だが快楽に蕩けた少女には、それすらも快感だった。  
「気持ちいいっっっ、女王様の産卵管で女にされて、とっても痛いのにとっても気持ちいいのぉぉっっ!!!」  
 
そして産卵管の先端が、遂に少女の奥深く……子宮に到達した。  
(ああ、当たってる、子宮がコリコリされてる……赤ちゃんの部屋に入る入り口を探してるんだ……)  
子宮口を探りあてるのに大した時間はかからなかった。産卵管の先端が入り口を強引にこじ開け、子宮内へと  
ねじ込めれらていく。  
(ひうっ!!!本当に赤ちゃんの部屋に入っちゃった!じゃ、じゃあいよいよ……)  
産卵が始まるんだ。そう思った瞬間、膣内に埋め込まれたホース状の産卵管がビクビクと蠕動運動を始めた。  
「ひうっ!た、卵がっ、卵がおくりこまれてるぅぅぅっ!!!」  
子宮の中へ、産卵管の先端から射精のような放出が行われる。まずは羊水が、そしてそれに混じって無数の卵が  
産み落とされ始めた。  
「ま、まだ出てくるよぅ……一体どれだけ産むつもりなのぉ……?」  
産卵管からは間断なく放卵が続いた、永遠のように思える数十秒……そして、ようやく動きが止まった。  
(はあっ……お腹、ぽっこり膨らんじゃってる……これで私、魚人のママになったんだぁ……)  
ズルズルと音を立て、産卵管が引き抜かれて始めた。少女は腹の中を掻きだされる感触に震える。  
膣内から粘液の糸を引きながら、産卵管が先端まで引き抜かれた。少女の愛液や鮮血、その他様々な液体にまみれ、湯気が立つようなソレが、  
 
――再び少女にあてがわれた。膣口の上の窄まりに。  
「えっ?どういうこと?産卵がまだ終わってなかったの?……いや、それよりも……そっちの穴は……!」  
女王の産卵管が、今度は少女のアヌスへと押し込まれる。  
濡れそぼった生殖器官を少女の菊門はやすやすと呑み込んでいった。  
「きっ、気持ちいいっ!汚いお尻の穴なのに気持ちいいのぉ!こんな感覚はじめてなのぉぉぉっ!!!」  
身も世もなく叫び、少女は少しでも多く快楽を味わおうと必死に腰を振る。  
膣と違い、人間の腸ははるかに長く深く伸びている。どこまで深く挿入されたのか、少女には見当もつかない。  
その腸の奥深くまで産卵管が埋め込まれ、再び産卵が始まった。  
 
アヌスから産卵管が引き抜かれた。少女は床に伸び、人外の快楽の余韻に酔いしれた。  
産卵を終えた女王はサハギンを従え、ひたひたと広間を去った。月明かりのなか、広間には少女の裸身だけが  
横たわっていた。  
(これから……どうなるんだろう……)  
ぼんやりとした頭で、少女は思考を巡らせる。  
(体外受精……魚人族の生殖は、まず女王が産卵を行い、それに魚まり人の牡、ギルマンたちが精液をかけて  
受精させる……つまり……)  
 
広間に無数の影が現れ、少女を取り囲んだ。  
それらはサハギンよりも一回り大きく、たくましい体は鱗に覆われている。だが股間には裂け目が生じ、  
普段は体内に収納されているペニスが屹立していた。  
少女はうっとりと微笑んだ。  
「おいで、ギルマンたち……私をみんなで犯しぬいて……  
女王さまにいっぱい産みつけられた卵……あなた達のチンポミルクで受精させて欲しいの……」  
 
“ギルマンの生殖は、雌雄が放出した卵と精子が体の外で受精する。  
受精した卵は泥の中で細胞分裂を繰り返して体を形成し、1〜2日でふ化する。ふ化したばかりの魚人の全長は2mm程度しかなく、体は透明で形は親とは全く異なっている。このような段階の魚人を仔魚という。  
仔魚は川底生活を続けながらプランクトンなどを餌にして成長し、徐々に体の形を変えていく。  
ふ化からおよそ1〜2カ月経過すると、体は次第に親の形に近づき、稚魚と呼ばれる段階に達する。  
この頃になると、川底生活を終えて地上の群れの下へ上っていく。半陸生活に移行した稚魚は、新しい環境の中で成長して成人し……”  
 
賢者プリニアスの「博物誌」にある魚人の生態に関する一節が少女の頭に浮かんだ。  
少女は魚人たち――牡器官をいきり立たせたギルマンたちに取り囲まれ、昼夜を問わず輪姦されていた。  
今も一匹の魚人が彼女を床に押さえつけ、青白い肉棒を秘所に突き入れ抽送を繰り返している。  
 プリニウスは堅物の老人だった。「博物誌」に描かれたのは魚人たちの通常の生殖方法で、「女王」を誕生させる儀式――人間の女を使う行為については何一つ言及していない。だが参考にはなるだろう。仔魚の成長などは  
川底でも女の腹の中でも変わらない。  
洞窟にはかすかに太陽の光が差し込んでいた。すでに昼間だ。子宮と腸に産み付けられ、受精を終えた卵がふ化する頃合だ。  
 
肉棒が出し入れされるたびに、少女の体内からごぽりと泡立った魚人の生臭い精液があふれ出す。  
少女の内股には細かく黒い斜線が無数に引かれていた。胎内への射精を終えるたび、ギルマンはタールの棒で  
内股に斜線を一本引いていく。直腸へ射精された時はお尻に書かれているようだ。  
受精が終わっても、ギルマンたちの陵辱がやむことはない。出産の日まで、少女の胎内の仔魚たちは川底の微生物の代わりに、ギルマンの放つ牡のミルクを養分にして育つのだ。  
一匹のギリマンが少女に近づく。生臭い牡器官が少女の顔に押し当てられた。少女はその意図を素早く理解する。口いっぱいに咥えこんだ。  
「んっ……すごい……とっても臭くて、大きくてはち切れそうなの……」  
少女の食事もまたギルマンたちの牡エキスだった。仔魚を養うだけあって栄養たっぷりで、これまでに少女が飢えを感じたことがなかった。もっとも、ふつうの食事を取ろうにも、魚人の食べ物は人間には受け入れがたいだろうが。  
秘所を犯されながら、少女は上の口で必死にギルマンの牡器官を吸いたてる。  
ギルマンはすぐに絶頂に達した。肉棒が爆ぜ、少女の口内に大量の牡エキスが溢れ出す。  
(すごい……とっても濃いミルク……生臭くてむせ返りそうだけど、それが今では病みつきになるの……)  
 
上の口を冒したギルマンに対し、秘所を犯しているほうは比較的年長のようだった。がっつかず、ゆっくりと腰を  
動かし、少女の胎内を楽しんでいる。  
少女の見るところ、ギルマンは本質的に人間の男と変わらない生き物だった。種族繁栄の使命よりも、自分たちの  
欲望を満たすために少女の肉穴を犯している。  
女王には絶対服従しているものの、ひとたびその箍が外れると、ギルマンは欲望のままに行動する。  
魚人が人間社会を襲うのは、女王が死亡した群れからギルマンが離脱して外の世界で暴れまわり始めたというケースがほとんどだ。  
 
(ちゃんと膣や腸の中に出しているからいいけど……ちゃんと奥まで入れて射精しないと、赤ちゃんがミルク飲めなくてかわいそうだよ……んっ?)  
ピクリ、と、少女の奥深くに胎動があった。ついでお腹の中からも。  
(孵化してたんだ……魚人の赤ちゃんが私の中で生まれてたんだ!)  
少女は歓喜で涙を溢れさせた。  
ギルマンが腰を引き、奥深く埋没した牡器官を引き抜こうとする。  
「駄目!ちゃんと赤ちゃんにミルクあげないと駄目なの!」叫ぶや否や、少女は両足をギルマンの背中に回し、  
がっちりと固定した。  
ギルマンのペニスは引き抜かれず、少女の胎内を奥へ奥へと沈んでいく。ほどなくペニスの先端が子宮口にこつんと当たった。  
「ふふっ……ギルマンのひょろ長オチンチン、しっかり奥まで届いたの……待っててね赤ちゃんたち……  
お母さん、ギルマンのザーメンミルク、いっぱいいっぱいお絞りしてあげるから……  
ピストンなんてさせない、子宮口にザーメン発射口が当たっている今の状態のまま、膣全体を収縮指せれば……」  
今や少女は、一人の母としての決意に瞳を輝かせた。  
 
「うっ……ああっ……ま、また生まれるぅ……」  
メリメリと膣肉を押し広げ、新たな生命が少女の体内から押し出されていく。  
サハギンたちが掘った水溜り。少女は臨月のようなお腹を抱えて水溜りの上にまたがり、大便を排泄する  
ポーズを取り、魚人の出産を行った。  
広がりきった膣からようやく仔魚が飛び出し、そのまま溜め池のなかに落ちていく。と、休む間もなく体内から  
新たな異物感がこみ上げてきた。  
「……こ、今度はお尻の穴から……ああっ、すごい大きさ!も、もしかして“女王”なのぉ……?お尻の穴で  
女王が育つなんて……」  
 
稚魚をサハギン・ギルマン・女王の仔魚へと分化させる要素。それは仔魚の食餌――ギルマンの精液の多寡だと  
考えられている。  
多くの精液を摂取した稚魚が女王となる。ゆえに新たな女王を作りだすために産卵場所は人間の女の体内を使い、  
産卵後は女をギルマンが輪姦し続けることで、体内の稚魚に大量の精液を供給するのだ(人間の女を苗床にするのは、他にも理由があるとも言われる)。  
 
腸は子宮よりも遥かに長大な器官だ。子宮に産みつけられた卵と違い、腸内の稚魚はギルマンの精液があまり届かず、もっぱら腸内の排泄物を餌とする。ゆえに大抵はギルマンかサハギンとなり、女王が育つ確率は極めて低い。  
そう考えられてきたのだが……確率など当てにならないものだ。  
肛門括約筋が限界にまで伸びきり、遂には裂けるのではないかと思われた。激痛の中、通常の仔魚の二倍はあろうかという女王のからだが菊門を通過し、溜め池へと生れ落ちていった。  
(はあぁ……こ、これでやっとみんな生まれたの……?)  
脱力し、少女は肩で息をしながら床にへたり込む。膨らみきっていた腹も、すっかりしぼんだ。体の中身がごっそりと抜け落ちてしまったような感覚に捕らわれる。  
 
少女の周りではサハギンが奇声をあげて溜め池を覗き込み、仔魚の選別作業にいそしんでいた。  
小さな仔魚、サハギンやギルマンの幼生は外へ運ばれていく。彼らは川に放流され、普通の仔魚とおなじ生活を  
送るのだ。  
溜め池には将来の“女王”だけが残された。数は3匹。これは多いのか少ないのか、少女には分からなかった。  
 
ひたひたとこちらに近づく足音がする。少女が振り向くと、そこには懐かしい“女王”の姿があった。  
「――良くがんばりましたね。“女王”は一匹生まれれば幸運です。あなたは十分以上の役目を果たしてくれました」  
「えっ?」  
耳を疑った。魚人の口から出たのは帝国公用語――人間の言葉である。女王は人間と同じように少女へと騙りかける。  
「私の“母”――私の苗床となった人間の女性は、私を産んだ後も人間社会には戻らず、自ら望んで苗床となり  
続けました。あまり優秀な苗床ではなく、結局“女王”は私しか生まれなかったのですが、彼女は私を本当の娘として  
育ててくれました。人間の言語を教え、教育を施してくれたのです」  
 
女王が目配せすると、サハギンたちが次々と進み出た。その両腕には何かを一杯に抱えている。  
それは財宝だった。色とりどりの瑪瑙、翡翠、そして見たことのない古い時代の装飾品。  
「あなたの働きに報酬を与えましょう。河の中をかき集めさせた品々です。宝石や、古い遺跡に眠っていた物……私たちには価値のないものですが、あなた達人間にとっては……」  
「――いえ、そのようなものは必要ありません」  
少女は女王の体に腕を回し、抱きしめた。  
「私もあなたのお母様と同じ道を歩みたいと思います。赤ちゃんたちを育てて……そして……」  
少女の内股からは、再び欲情の疼きがこみあがっていた。  
「女王様の愛の証をください……また私の中にいっぱい、いっぱい卵を産みつけて下さい……」  
 
 

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