こよみとみやこ。  
 
 
それは、土曜日の夜のことです。  
 
私は、目を丸くして聞き返しました。  
手から滑り落ちそうになったペットボトルを、何とか取り直し。  
 
「え?よみさん、今、何……」  
「みやちゃんって、エッチでイッたことある?」  
 
瞬時に、自分の顔が紅くなっていくのがわかります。  
「な……な、ないですよー。だ、ていうか私……」  
「おおう。もしかして。みやちゃん、バージンだったりする?」  
 
ウン、と  
うなずくので精一杯、でした。  
 
よみさん、こと朝比奈こよみさんと、私、麻生都子はクラスメイトで、  
同時にこの学生寮のルームメイトでもあります。  
うちの学校は出席番号順で寮の部屋が割り当てられるので、  
今年の春から、よみさんと一緒のお部屋で生活をしています。  
 
よみさんは社交的というか、明るくて、花がありますね。  
クラスでも、かなり友人が多いほうです。  
対して私はと言うと、真面目だけが取り柄で内気だから、交友関係はあまりひろくありません。  
 
それでも、よみさんは寮以外でも仲良くしてくれて、そのお陰か以前より少しずつ、  
お友達が増えた気がしています  
そういうところはとても感謝しているのですが、如何せん……こう――  
 
「カルチャーショック、ってやつ?」  
「は、はい……」  
「そーかそーかー。でも、オナニーくらいはしたことあるよね?」  
「?! はぶっ、ぐふ、げほっごほっ……」  
 
口に含んだ炭酸飲料が、のどに詰まってしまい。  
 
「そ、そ、そ――」  
よみさんは、なんでそんなことをサラッと聞けるんでしょう?  
「ねぇ、ちょっと試してみたいものがあるんだけど……いいかな?」  
「え? は、はぅう……」  
「痛くしないからさ。……ね?」  
 
 
そしてこの時、なんで私は断らなかったのでしょう。  
 
 
「こ、これは流石にハードルが高すぎます、というか無理ですよー!」  
「だいじょーぶ。今日は土曜だから巡回の先生は絶対来ないし、もう遅いから他の誰かがくる心配もないし」  
「で、ででも……」  
「そうやって言うこと聞かないと、イタズラしちゃうぞー?」  
 
そう言って、よみさんは私の胸…ち、乳首を摘んできました。  
「ひんっ!」  
「ほれほれ〜。早くココに脚開いて座って」  
よみさんは、本やらコップやらを片付けたテーブルに腰掛けるように促すのです。  
「んー。じゃあ、脱がなくていいから取りあえず座ってみよっか」  
 
うなる私に、よみさんは妥協点を見出したようです。  
服を着たままなら、確かに恥ずかしさも少し薄れます、  
けど……!  
 
「こ、こうですか?」  
「そうそう。よくできました♪」  
ナデナデ....  
「あわわ、何してるんですかああ!」  
「えー。だって、みやちゃんおっぱいカンジるみたいだからもっとしてあげようかなーって思って」  
「う、うぅ……」  
 
そうなんです。  
私は、乳首が凄く敏感で……  
 
「オナニーの時もさわってるんでしょ?」  
「へっ? あ……はい…」  
きっと顔が真っ赤になったままに違いないです。  
恥ずかしい…  
凄く恥ずかしいです……。  
 
「ふふ、このままでちょっと待っててね」  
 
よみさんは、そういって台所のほうへ向かいました。  
ひとりになってわかったけど、顔が熱いだけじゃなくて、胸がどきどきいってます。  
緊張と、恥ずかしいのと、何だか自分でも訳がわかりません……。  
 
間もなく、よみさんは戻ってきました。  
 
「お待たせ〜。折角やるならいっぱい気持ちよくなってもらおうと思ってさ、コレ」  
 
よみさんが持ってきたのは、白いスポンジ?のようなものと、所謂……潤滑剤に使うローションでした。  
ローションは辛うじて見たことがありましたが、白いまるっこいのは一体?  
 
「これはね、美顔とかに使うっぽいんだけどやわらか〜くてこするとめちゃめちゃイイんだ。  
みやちゃんにすっごい使ってあげたくて……」  
 
ほら、とよみさんはその美顔用の柔らかいスポンジで私の左頬に触れます。  
 
「ひううっ……」  
「あ。そうだそうだ。これって、こんにゃくが原料らしいから、体にも安心だよ?」  
「う……」  
 
私は、また胸がどきどきしてくるのを感じていました。  
それは緊張からではなく、期待からだったのでしょう。  
 
あのフワフワですべすべのスポンジで、身体を擦られると判ったのですから。  
 
「みやちゃん、これ熱すぎない?」  
「あぁっ……ん、だ、大丈夫です」  
 
部屋着のワンピースの裾をたくしあげ、トロトロトロ〜と、おへその下へ温められたローションがまぶされます。  
ローションなんて使ったの初めてで、もうそれだけで何かヘンな気分になってしまいそうでした。  
 
「や、ん、はぅ……」  
「ふふ。ねえみやちゃん、どんな感じ?」  
「あ、あったかくて…ぬるっとします……」  
「やっぱりね。もう乳首立ってる」  
「あぁっ!」  
 
キュ、っと摘まれた乳首からじんわりと甘い快感が迸ります。  
よみさんの指先についていたローションがおっぱいにも触れて、気持ちいいっ……。  
 
「はっ……くぅう……よみさんっ」  
 
一頻り私のおっぱいをいじって、よみさんが急に顔を近づけてきました。  
「ねぇ、みやちゃん」  
「はいっ、…何でしょう?」  
「今日から……いまから、都子って呼んでいい?」  
「えっ、は……はい」  
「よかった。それじゃ続けるね、都子」  
 
よみさんは、一瞬ふわりと笑った後、私の脚の間に顔を落としました。  
既にその時、私は頭がぼーっとして、何が起きているのかわからなくなっていました。  
 
くにゅくにゅぐにゅくにゅ....  
 
例のスポンジは存外心地よく、それほど時間がたたないうちに声が抑えられなくなっていました。  
よみさんは私の足元に跪くようにして、丹念に私のアソコを責めてきます。  
 
「ひゃんっ!よみさ、ぁああん……」  
 
よみさんの手が、スポンジが、私の…クリトリスを、ゆっくりといやらしく擦り上げてきます。  
最初は周りからやさしく刺激され、中心に届く頃にはすっかり抵抗できなくなっていました。  
いえ、抵抗をしなかったのかもしれません。  
 
「すごいね、都子のここ……すごいことになっちゃってるよ」  
「あはっ、んん……そんなこと言われ……も……ッ!」  
「都子、気持ちいいの? おしりがビクンビクン動いてる」  
「あっ……や…だ、めぇ」  
「ダメ? ならやめるけど」  
 
よみさんは、本当に手をすっとひいてしまうんです。  
そうされると、やさしくジワジワ刺激されていたアソコがじれったくって、余計に腰が揺れて。  
 
「や…うぅう……やめちゃ、だめ……です」  
「フフ、都子ってこんなにエッチな子だったんだあ」  
「あぁ……」  
 
からかわれているだけなのに、触られてるところがずくんずくん疼いて、もっと欲しくなって……。  
 
「真面目そーっていうか、マジメなのにね。いつも、みんなの前では」  
「あっ!?あぁああ……、んっ!いぃい……」  
 
くにくにくに....  
 
「こんな顔、学校では絶対しないもん、ね」  
 
それは愉しそうに、よみさんがスポンジを上下左右させます。  
そのリズムに合わせて、どうにも我慢できず自分からお尻をふってしまいます。  
部屋の中は暑いわけでもないのに、しっとりと汗をかいていました。  
 
最近、その、ひとりでしてなかったから……反応も早かったみたいで  
腰の後ろについた手がつりそうになるほど、身体をのけ反らせてしまいます。  
 
「うくっ……だめ、だめですっ、よみさんっ。それ以上……する、と……」  
「あー。都子、もしかしてイキそう?」  
敏感になったクリトリスによみさんの吐息がかかり、私の身体が一層大きく跳ねました。  
 
「あんっ! らめですっ……んん、はぁあっ」  
 
するとまた、よみさんはスポンジを引っ込めました。  
私はまだもっともっとして欲しくて、堪らずよみさんのしなやかな腕を掴んでしまいました。  
 
「どう? 気持ちよかった?」  
「あっ……あ、……ッ」  
「だいじょーぶ。もうイカせたげるからね」  
 
そういうとよみさんは脚の間から顔をあげ、今度はスポンジではなく指で、私の熱くしこったクリトリスを擦り始めました。  
今度は私の目を見つめたまま、です。  
 
「ひゃあん!あひ、あっ、あ、だめえぇええ!!!」  
「ほーら。そんなおっきな声、だしていいの?」  
「……ふぐ!?」  
 
我に返ると、自分が想像よりずっと大きな声で喘いでいたのに気付き、口を噤みました。  
 
「ふふふ。都子、すーっごいカワイイ」  
耳元でそうささやいて、よみさんの指の動きが一気に加速しました。  
「熱…い、よみさんの指ぃいっ、が……くんっ」  
「ほぉら、イッていいよ」  
 
コソリと聞こえた瞬間。  
よみさんの熱くてやさしい指が、強めに私のクリトリスを……トントン、と弾いてきました。  
 
「んん!……あ、…あん、あっ、き、きちゃう! イッく、イくぅうううう!!!」  
 
 
刹那、頭がショートたように真っ白になり、  
声もほぼ我慢できず、あっけなく上りつめてしまいました。  
 
――腰が、ガクガクします……。  
 
「都子、すごいね……」  
「はぁ、はあ、はあ……うぅう、よみさ、ん」  
 
熱く潤んだ目で私を見ながら、よみさんはまたスポンジで私のクリトリスを責めにかかります。  
 
「あ、だめえっ! まだ、まだいまイッたばっかりだから……!」  
「そか、都子は知らないのかな」  
 
私のアソコに這わせていた指を舐めつつ、よみさんは妖艶に笑いました。  
「女のコってさ、何度もイケちゃうんだよ」  
「……へ?」  
 
よみさんは、また私の脚の間に腰を下ろしたのです。  
 
むにゅむにゅむにゅ....  
「あっ、あっ、だめですぅ……よ、ふぁああ」  
「ガマンしなくていいよ〜」  
 
また、くる!  
「んんぅうっ!んは、あだし、また、いっちゃぅううう!!」  
 
汗をべっとりとかいたおしりをゆさぶって、欲してしまう。  
それでも、よみさんはスポンジで私の勃起したクリトリスを擦るのをやめません。  
 
私ってこんなにエッチだったのか……  
なんて考えていると、また絶頂の波が目の前に現れます  
まったく抗えるわけもなく快感に飲み込まれ、腰が、お尻が、ぷるぷるとふるえて。  
 
「はぁ、はぁっ、はああ……らめです、よみさんんっ――」  
 
次の瞬間、またイクところでした。  
そこで、よみさんはまた手を引っ込めたのです。  
 
ジンジンと火照ったクリトリスが、一秒でも待てないというように私を急かします。  
――が、流石によみさんの目の前で自慰をするなんて訳には……  
 
「みーやこ」  
「ハア、は、よみさん……」  
「またイクとこだったっしょ?」  
「なっ……は、ハイ……」  
「イキたい?」  
「……!」  
 
「ねぇ。都子。イキたい?」  
「い、はい……イキたいです」  
「じゃあ、かわいく乱れてお願いしてみて??」  
「え……」  
 
そ、そんな恥ずかしいこと――  
出来るわけ、が……  
 
「よみさんっ」  
「はい」  
「い、」  
 
ゴクリと私ののどが鳴りました。  
よみさんが私を見つめている。  
何にも代えられない、よみさんがくれる快楽を感じたいだけ……  
 
「イカせてください。私の、えっちな…く、クリトリスを……、イカせてください!」  
「ふふふふ……よくできましたっ」  
 
私のアソコに、再びよみさんの熱い指が触れました。  
そして、クリトリスの根元を左右にぐりぐりとされると、また頭が真っ白に……  
 
「く、あぁああああああ!よみさ、ん、またい、イぐうううううううっ!!」  
「いーよ。いっちゃえっ」  
 
ピンピイン、とクリトリスを弾かれ――  
 
「あ、あああぁあああッ!イ、いぐ、ひ、イってるぅううう!うぁあぁぁぁああ!!」  
 
何がなんだか…気がつくと、よみさんと一緒のお布団の中に居ました。  
ぎりぎり、着替えが自分でできたのは覚えています。  
 
「都子ってめっちゃ乱れるんだね。ホントかわいいー」  
「ひ、ひどいですぅ……あんなになるなんて……」  
「でも、すっごくよかったみたいじゃん。またしようね?」  
「んもう……スポンジはいいです」  
「あれ〜? 気に入らなかった?」  
 
「そうじゃないです」  
 
不思議そうな顔をするよみさんに、少しだけお返しを。  
 
「あのスポンジより、よみさんの指のほうが何倍も何百倍も、気持ちよかったんです。だから――」  
 
そこまで言うと、私の頬にあたたかい手が触れました。  
 
 
この後どうなったかは、えーっと……ご想像にお任せします。  
 
fin.  
 

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