※注意※  
以前に投下した分の話よりも時間軸は過去になります。  
以前寝取られてどうのこうの、と話していた部分の話になります。  
そのため寝取られ要素にご注意ください。  
 
また、気にするほどではないかと思いましたが一部エロとは  
関係なく流血してる人がいるのでご注意を。  
 
 
 
 
タランは湖のほとりで湖面を見下ろすようにして立っていた。  
月は中天、それだけが明るく辺りの景色を浮かび上がらせている。  
周囲は黒い影のような木々だけで人里は遠く、獣の気配しかしなかった。  
ざわざわと梢が鳴る。タランは湖面を見据えたまま口を開いた。  
 
「精霊エリュドアーレ。まだここに棲んでるんだろ。  
聞きたいことがある。出てきてくれないかな」  
 
反応はない。タランはもう一度その名前を繰り返し呼び掛けた。  
「さっさと出てきてよ。大したことじゃないよ。ついこの間ここで魔法か  
何か儀式を行った奴がいるだろう。それが誰か知りたいだけだ」  
 
だがやはり何も起こらず、湖面はただ風を受けてわずかに揺れただけだった。  
タランは舌打ちをすると、おもむろに自分の片手の形を変えた。  
鋭いかぎ爪がついた、短い羽毛に覆われた手だ。そしてもう片方の手のひらを  
わずかに切り裂いて傷をつけると、その手をまっすぐに伸ばした。  
じわりと滲み出た血が、湖面の側へと傾けた指をつたってポタポタと落ちていく。  
だが、その赤い雫は湖面に落ちる前に止まり、弾けて霧散した。  
 
すると急に水面に波紋が広がっていき、その波紋の中心から女性が現れた。  
女性は、一目で人間でないと分かる容姿だ。青く透き通った体に虹彩のない瞳。  
額には鱗のようなものが張りついており、それがやわらかな光を放っていた。  
そして遅れて女性のやや後ろに、上半身は人と同じだが鱗のある長い下半身を  
持った女たちが控えるようにして現れたのだった。  
女性は唇を動かさず声を発した。  
 
『穢れた血を妾の中に入れるな。醜き者よ』  
 
その女性の言葉にタランはにぃっと唇をつりあげた。  
「ようやく出てきたね、湖のヌシが。さっさと質問に答えな。もう帰りたいんだよ僕は」  
『お前の問いに答えてやる必要を感じぬ』  
 
「たかが精霊のくせにずいぶん居丈高じゃないか」  
 
『貴様、御方さまになんという口を』  
『はよう去ね、二度とその姿さらすな』  
侍る女たちが尖った歯をむき出しにして吠える。それを見てタランは笑った。  
「はは」  
おもむろにタランが腕を振ると空を切る音と共に、湖の主の額に向かって  
黒い錐のような塊が飛んだ。湖の主が眉を歪めると、その足元から  
水が渦巻きながらはい上がり錐を包み込み押しつぶすようにして流していく。  
タランは湖の主から向けられた威圧のようなものを受けとめると悪びれなく言った。  
 
「ただ質問に答えてくれればいいだけなのに。こんな無粋なことさせないでくれよ」  
 
『無礼な恥知らず者め。妾の前からその醜き姿を消すがよい』  
 
湖の主はタランに向かってゆっくり腕を持ち上げたが、横から聞こえた  
ひっ、という声にその手を止める。意識を向ければ女たちのうちの一人の腹に  
黒い錐の先があてられていた。  
 
「おっと危ない。もう少しで、お取り巻きの体に大穴が開いちゃうね」  
 
湖の主の額に水のゆらめきのような筋が浮かぶ。  
諦めたように主がかぶりを振ると、湖面の上に細かな水の粒で幕ができあがった。  
タランが目をすがめて見つめているとその幕に蜃気楼のような影が映り始めた。  
『湖こそ妾、妾こそがこの湖。妾が見た風景の記憶の残滓がこれだ。  
これを見たら疾く去るがよい』  
 
映っているのは男だった。頬のあたりに複雑な紋様の刺青がある。  
その身にまとったローブはくすんだ灰色だが、至るところに赤黒い染みがあった。  
男はふらふらと湖に近づきながら水際に膝をつく。  
「女神エリュドアーレ……、我らの愚かさをお許しください」  
遠いが確かに聞こえる声は男のものであろう。  
「不甲斐なき我らのせいで湖の底にお隠れになったのは存じております。  
信仰を捨てた者どもは私自らが誅しましてございますゆえ……」  
そう言うと男は懐から短剣を出し、それを掲げる。  
先が湾曲したその短剣は血に染まっていた。  
 
「……私の血族ももはや私を残すのみ。ですがいずれ他の地に逃れた者が  
戻ってまいりましょう」  
男の目はらんらんと輝いている。まるで狂った獣のような目であった。  
 
「その時まで、我ら一族に授けられた守護を失うわけには参りませぬ。  
女神よ、どうか我が命を来たる日までの糧にしてくださいませ」  
 
それだけ言うと男は短剣の刃を己の手首にあて、勢いよく滑らせた。  
痛みに顔を歪めながらも男は、ぼたぼたと落ちる血で円を描く。  
出来上がった円の中心に座すると男はぶつぶつと何事か低く呟いた。  
すると鮮血で描かれた陣が光を発したのであった。  
 
「おお……我が、女神よ……!」  
男が、命も魂も捧げようとしている女神の徴を見たのは実に数十年ぶりの事であった。  
彼の妻も子供たちでさえも女神の力や存在を疑い、新たな神の信仰へと  
帰依し、女神と男を裏切った。  
男は、己がしている事の正しさを証明した思いで歓喜した。  
そして次の瞬間、湖の水が渦巻き立ち上ったかと思うと、  
光る陣ごと男を飲み込み、その身体を水中へと引きずり込んだ。  
 
女神と呼ばれたエリュドアーレは、男の命と魂と献身の心、  
短剣が吸った幾人もの人間の血とそれにまつわる怨嗟を糧に  
湖の底からもう一度その姿を現した。  
そしてかつてのように湖に眷属たちを呼び込んだのであった。  
 
「なーんだ」  
タランが頭の後ろに手を組んだまま気の抜けた声をあげた。  
「ご信徒さんがあんたの復活のために魔法を使ったわけね」  
 
湖の主は水晶のような瞳を遠くに向ける。主が体を動かすと青い雫が  
キラキラと舞って落ちた。  
『……あれは妾に力を与えるため命を捧げ果てた。見上げた忠義よ。  
あれの子がまだおれば、妾は十全の護りを授けたものを。  
少なくともあれと血の繋がりしものは、妾の好意を受けるであろう』  
 
「女神ねぇ」  
タランは含みのある口調で言った。案の定、女たちの雰囲気が不穏なものになっていく。  
「湖に隠れてたってのは、もうその姿を保つので精一杯だったからだろ?  
力が足りなくて威厳を保てないから。……憐れだねぇ、新しい信仰に人間を  
奪われたカミサマってのは。ああもう信徒もいないんじゃカミサマじゃないか」  
 
『妾を侮辱するつもりか』  
「いいや、ただ同情してるだけ。だってさっきの生贄さんのおかげで  
また力を取り戻したみたいだけど、このままじゃ百年も経てばまた逆戻りだろ」  
 
『いずれあれと血の繋がりし者の誰ぞかが戻ってくる』  
タランはそれを聞いて鼻で笑った。  
「戻ってくるもんか。もう新しい場所で新しい生活してるんだから。  
あんたも女神だとか何とかそんな驕りは捨てて信仰の力に頼るんじゃなく  
湖から離れて水精として生きるなり、なんなりすれば?」  
 
『誇りも何も持たぬ、やくたいもない妖魔に言われる筋合いはない。  
我が一族はいずれ必ず妾の元に帰ってくる! 妾の守護を求めて……』  
 
「――あっ、そう。好きにすりゃいいさ。馬鹿馬鹿しい」  
 
するとタランの鼻先を飛び魚のような羽根の妖精たちがヒュンと飛んで過ぎた。  
驚いたタランが視線で追うと、妖精たちは湖の主の周りを旋回して飛んでいた。  
すると湖の主の唇が笑みの形に変わる。主が腕を持ち上げると、妖精たちは  
魚の姿に戻り、しばらく腕の周りをくるくると回っていたが、その透き通った  
体の中へと入り湖へと戻っていった。  
 
『わらわの“目”と“耳”がお前の魔力を辿って面白いものを見つけたぞ。  
久しぶりに血族以外の魔女を見たが、この娘がお前の契約者か。  
ずいぶんと騒ぎになっているようではないか、お前のねぐらは』  
 
それを聞いてタランの顔色が変わった。  
「詳しく話しな」  
 
『こざかしい仕掛けがしてあったせいで、この子達にはそれ以上は見も  
聞いてもいないようだ。……醜き者よ、間に合うといいな。  
新しき信仰の徒はまつろわぬものにどう振る舞うかよく知っているだろう』  
 
「…………!」  
タランはすぐにでも戻りたい衝動にかられたが、今この場で湖の女たちに  
向かって背を見せることに激しい抵抗があった。  
湖の主はそんな彼の狼狽ぶりを嘲笑う。  
 
『妖魔が一匹いきがって、巣を離れたすきにそれを壊されて慌てて戻るか。  
なかなか滑稽な姿よの。……安心おし、妾はお前ごとき手にかけたりはせぬ。  
言ったろう、穢れた血はいらぬ。妾の元から疾く去るがよい』  
 
タランはぎりっと奥歯をかみ締めたが、急ぎ黒梟に転身すると  
来た路を全速力で飛翔した。  
村の近くに降り立つと、たたらを踏みながら人の姿を身にまとう。  
急いで中に入ると、村に張ったアニエスの結界は破れてはいないようだった。  
思わずほっと息を吐く。  
(まだ、殺されてはいない……)  
 
歩みを早めると、村の中は確かに大騒ぎだった。  
松明を持った男たちが頭をつきあわせて深刻な顔で話し合っていた。  
女たちもその周りで心配そうな顔をしてたたずんでいた。  
 
「馬でご領主さまの所まで行こう。お力添えいただくのだ」  
藁色の髪の男ががっしりした体にいくつかの荷物を抱えて言った。  
だが、隣の男が首を振る。  
「今から行ったって無駄だよ……もうアニエスは連れて行かれたんだから」  
 
「その後の話だ…! 万が一にでも魔女は火あぶりだなんて話が出たらどうする。  
知り合いがそんな目にあう所なんか誰も見たくないだろ。  
それに、うちの娘はアニエスに懐いてるんだ。……一生の心の傷になるぞ。  
ご領主さまはお優しい方だ、異端にも寛容だと聞く。事情を話せば  
きっと力になってくださる」  
 
どう話を振ったものか迷っていると、村の女の方が先にタランに  
気がついてバタバタと駆け寄ってきた。  
 
「ああ、タラン……あんたどこに行ってたんだよ! この大変な時に」  
「お師匠様に頼まれ事をされていて……一体何があったんですか?」  
 
複数の人間から話を聞いてタランにも大体の事情が飲み込めた。  
そしてタランは心の中で毒づく。  
(馬鹿じゃないのかあの女……ッ! あれだけ慎重に様子を窺ってたくせに  
一番最悪のタイミングで名乗り出て。村の娘なんか見捨てりゃ良かったんだ)  
 
「タラン……、大丈夫かい?」  
声をかけられ我に返ったタランは思わずこめかみに手を当てた。  
「すみません、ちょっと……驚いて」  
 
「そうだろうね……ああでもどうしたら良いんだ。  
若いのは武器をもって押しかけろとか息巻いてるし」  
 
「……そもそもアイツが娘たちに色目を使い始めたあたりから  
男たちは我慢ならなかったみたいだよ。でも、押しかけるって言ったって  
相手は何たって司祭様だ……真っ向から歯向かったらどんな事になるか」  
「だからって放っておくのかい! アニエスは村の娘をかばって  
あの男の所に行ったんだよ! 傷ものにされるのを承知で!」  
「傷ものだって!? あんたそんなはっきり言うんじゃないよ!!」  
「だってそうじゃないか!」  
 
村の人間同士で争い始め、収拾がつかなくなりそうになってきた所で  
タランは強く手を打った。パン、という破裂音が大きく響く。  
その場にいた全員がタランの方を向いた。  
 
「大丈夫。アニエスは魔女です。なにか策を考えてるはずです」  
 
力強い言葉であったが、村の人間の数人はでも……と呟いた。  
またタランは手を強く打つ。次は皆、タランの目を見た。  
先ほどまでの喧騒が嘘のように村の中は静まり返っていた。  
 
(――そうだ、僕の目を見るんだよ。上手く暗示にかかってくれよ。)  
タランは三度まばたきをすると目を大きく見開いた。  
その瞳孔が不思議な色を放っていた。  
「心配しないで。……さぁ皆さん。このまま家に戻って朝を待っていて。  
大丈夫、すべて上手くいく。アニエスは、上手くやる。何もかも大丈夫」  
 
その言葉と共に、タランの瞳を見つめていた村の人間たちの目が、  
夢に落ちるようにふっと焦点を失った。  
そしてそれぞれがきびすを返すとふらふらと自分の家へと戻っていった。  
誰もいなくなった村の真ん中でタランは司祭の屋敷の方向に顔を向け、  
強く睨み付けていた。  
 
*  
 
司祭の館の一室でアニエスはただ一人待たされていた。  
部屋の中は薄暗く、おそらくは香がたかれていた。  
大きく息を吐いてアニエスは胸元を押さえた。  
(大丈夫……きっと、うまくやれる)  
アニエスは司祭を暗示にかける心づもりだった。自分の言うことに従うようにだ。  
そうすればあの男を村から追い出すことができる。  
 
村の娘が毒牙にかかる前に一刻も早く出ていってもらいたいのだ。  
行為の最中であれば相手は完全に無防備になる。暗示もかけやすかろう。  
 
なるべくならあの手の輩とは関わりを持ちたくはなかった。  
だが、こうなっては仕方ない。むしろ普通に暗示をかけるより、  
性的な関係を持ってかける方が操りやすいかもしれない。  
そう自らに言い聞かせアニエスは覚悟を決めた。  
 
部屋を照らす燭台の炎が揺らめいている。  
アニエスは口の中で小さく呪文を唱えた。ぽ、ぽっと丸い光が目に見える  
ようになりその中心に火と光の精霊がいるのが分かった。  
アニエスは髪を数本引き抜くと魔力を編み、光の精霊に話しかけた。  
 
小さな身体をチカチカさせて精霊は答える。  
アニエスは知っていた。ある種の精霊は人の目をごまかす業が使える。  
服の布地ごしに胸の契約印に触れ、精霊に問いかけた。  
これを今ひととき人の目に見えなくする事はできるかと。  
精霊はチカチカッと強く光を放ち、アニエスの周りを飛んだ。  
魔力をかけた髪が溶けるようにして消えていき、代わりにぱちん、と  
小さな泡がはじけるような音がする。魔法がかかったのだ。  
アニエスが礼をいうと、精霊ははにかむように瞬いて姿を消した。  
 
しばらくすると、戸の向こうから複数の人間の話し声が聞こえてきた。  
(来た……)  
アニエスは思わず身構える。くだんの男は酒瓶を手に、部屋に入ってきた。  
聖職者らしい慎ましさや清らかさも、人を導くに足るカリスマも  
感じられない男だった。野心を抱くも挫折し、そのために世を  
拗ねているようなそんな中年男だ。男は法服ではなく、薄い夜着の  
ようなものを身につけており、飽食と怠惰による醜悪さを  
露わにしていた。  
 
「待たせたかね。身支度をしていたのでね」  
「いえ……」  
立ち上がったアニエスの近くに腰掛けると、男は体を揺らして  
寝台をきしませた。手にした器に酒を注ぎ、それを一息に呷る。  
そして口元に滲ませた赤い酒の滴をぐいとぬぐい、男はにやりと笑う。  
 
「さて、アニエスといったかな。……聞くが、おまえは本当に魔女なのか?」  
その視線を受けてアニエスは笑った。というよりも、顔を笑みの形に  
作ったという方が正しいが。ひきつっていなければ良いと思ったが、  
男の反応を見ると問題はないようだった。  
 
「それは……司祭様がお調べの上で判断されることではありませんか?」  
「なるほどな」  
アニエスの言葉に男は、頬杖をつきながらゆったりと言葉を返す。  
 
しばらくアニエスの体をねめつけていたが、では、と切り出して男は言った。  
「確かめようではないか。魔女は体に印があると聞く。……服を脱ぎなさい」  
 
言われるがままにアニエスは服の紐をゆるめ、それをばさりと床に落とす。  
明かりに照らされた裸身を男はじっくりと見つめていた。  
 
「ほぉ……これは、なかなか……」  
形良く膨らんだ乳房に、小さな桜桃の実のような乳首。  
すっきりとした腰に小さな尻。  
それをじろじろと無遠慮に眺め回すその視線にさすがにアニエスも  
羞恥を覚え、わずかに頬を紅潮させた。男は唇をわずかに舐めて湿す。  
 
「こちらへ」  
 
手招かれ、近寄ると男はアニエスの体にべたべたと触れ始めた。  
「どうにも印らしいものはないようだな……」  
「………っ!」  
わざわざ男は乳房を執拗になで回し、その頂をなぶる。  
ふるふると震えるそれを手のひらで揉みしだきさえした。  
身体の線を指でたどられてアニエスはそのざわつく感触にぞっとした。  
 
印はいくら男が眺めまわしても見つからないようだった。  
男の目的は別であり、本気で見つけようともしていなかったが、  
アニエスが本来あるものを隠していたのは確かだ。  
男の手は下腹部を辿り、丘を下りその奥へと突き進む。  
 
「………っ!」  
男の指はアニエスの秘唇を割って強引に中に入っていった。  
だが、そこが青い果実のように強く押し返す感触がなかったことに男は眉を上げる。  
「お前は……処女ではないようだな。分かっているのか?  
婚姻をしていない女が処女ではないということはそれだけで罪深い……。  
それともお前はその若さで既に寡婦か?」  
「あ……やっ、あ…」  
男の太い中指に内側を乱暴にかき回され、アニエスは声をあげた。  
大して濡れているわけでもないそこを弄られて感じるのは  
快楽よりもむしろ痛みだった。  
 
「寡婦ならば、若い身体をもてあましているのではないか」  
「……わたし、は寡婦ではありません。夫を持った事は  
ない……です、から」  
「なんとまぁけしからん娘だ。魔女だと疑われても仕方がないことだぞ。  
……さぁ、こちらへ来い。魔女かどうかきちんと確かめてやる」  
 
ぐい、と手を引かれアニエスは寝台の上で男に抱えられるように  
腰を下ろした。背後から抱きすくめながら男はアニエスの乳房を揉みしだく。  
形が変わるほどの乱暴さで扱われてアニエスは悲鳴をあげた。  
「いた……、痛い……っ」  
腰のあたりに男の屹立を感じる。興奮した男は彼女の首筋に  
熱く息を吐きかけながら体をまさぐっており、アニエスは胸を  
占める不快さと共に肌に鳥肌が立つのを感じた。  
 
行為の主導権を男に与えたままではいけない。  
そう思うもののアニエスは焦りからか上手く捌くことができず男の  
勢いに引きずられ、蹂躙されるがままにいた。  
男はアニエスを寝台に押しつぶす。  
「膝をたてろ」  
 
うつ伏せにされたアニエスは唇を引き結んだまま従わなかったが、  
かまわず男は彼女の腰をつかみ、後ろ側から入り口をさぐった。  
「ぅ……ああ」  
指でその場所を広げられアニエスは思わず声を漏らす。  
男は媚肉の柔らかさをしばし楽しんでいたが、場所を定めると  
組み敷いた女を一息に貫いた。  
「あああああっ」  
襞を肉の剣で押し広げられる痛みにアニエスは思わず叫んだ。  
熱く体の内を埋めるおぞましい感触に意識が一瞬白く塗りつぶされる。  
 
男は具合良いとばかりに息を吐いた。  
「……ふ、う…っ、犬のように……つがうこの体位は魔女の体位と  
言われるそうだ……! いいぞ、女……もっと力をいれて締め付けろ!」  
ずぶ、ずぼっ、と出し入れされてアニエスの  
その部分は己を守るために体液を滲ませていた。  
「あ……ぐう……っ、うっ」  
「なかなかお前も気分が出てきたようではないか……!」  
 
後背位の経験はアニエスにもある。だが、このように  
力づくで犯されると痛みと嫌悪感で気が遠くなりそうだった。  
「うっ、うっ……あああ、んんっ」  
「いいぞ! いい……出るッ」  
ずぶっ、ずびゅびゅっ、と男は女の柔筒の中に欲望を注ぎ込む。  
熱い濁流を注がれてアニエスは突っ伏しながら唇をかみ締めた。  
「――――ッ!!」  
「ふ……ふふ、この体位で気をやるとは、魔女のようではないか」  
「は……あっ……」  
放心の態のアニエスの体を男は裏返し、その唇を吸おうとした。  
「いや……っ!! 嫌!」  
 
するとアニエスは激しく拒絶をし、嗜虐趣味の気のある男は  
その反応にそそられて強引に唇を重ねた。  
「ん……んん…っ」  
蛭だ、とアニエスは思った。蛭が唇に、首筋に、胸元に落ちて這っていく、と。  
男はアニエスの中で再度力を取り戻し、張り詰めた肉棒で中をかきまわした。  
アニエスの体にだんだんと、ぞわりした感触が広がっていく。  
 
(……気持ちがわるい…)  
 
このままでは自分が保てない。  
嫌悪感と恐れだけでは術がうまくかけられるはずもない。  
危機感を覚えたアニエスは、自分に触れる男の手をその唇を、  
いつも自分に触れるそれと思えるよう目を固くつぶった。  
それは触れ方も感触も全く違う。それでも意識して快楽の方へ気持ちが  
振れるよう努力した。明滅する意識の中でアニエスは従順に  
腰を動かし、必死に記憶をたどる。  
(「――アニエス」)  
そして自分の名を呼ぶその声を思い出す。  
それだけでアニエスの心は少しずつ落ち着いていった。  
 
次に目を開けたときアニエスは己がなすべき事を思い出した。  
村の娘たち。恋のおまじないや、占いが大好きで、口うるさい  
大人たちの目を盗んでやってきてはアニエスにそれらを頼み  
屈託なく笑う彼女たち。アニエスは彼女たちの可愛らしさが好きだった。  
罪なく汚れもない、そんな可愛らしさが。  
彼女たちには幸せな恋や、愛を掴んでほしかった。  
 
――だから。  
 
(守らなくちゃ……)  
 
男の手がぐっとアニエスの体にかかる。一度精を放たれた場所は  
ぬるついて、最初よりずっと男の抽送を容易にしていた。  
「あ……、あ」  
熱を湛えながら感極まったような振りをして男の欲望を誘う。  
どくんという感覚と共に二度目の精がそこに放たれた。  
それを受けたアニエスはしばらくの間、くったりと横たわっていたが  
弾む息が落ち着くと男の手を取って言った。  
 
「……司祭さま」  
艶のある声で相手を呼び、その手をしっとり濡れた乳房へと導く。  
「わたし、こんなの初めてで……。ほら、胸がまだこんなに早く鼓動を  
打っているのがお分かりになりますか?」  
吸い付くような感触を楽しみながら男はやに下がった顔をする。  
「おお、そうか……。だがな、快楽に酔うのは良いことではない。  
罪深いことだからな。まぁしかしそれも仕方のないことだ。  
お前たち女にはこれがついているのだから。誘惑の罪を犯すものがな」  
そう言ってアニエスの性器に触れる男の言動に一瞬アニエスは  
剣呑な目を向けそうになったが、穏やかな笑みを浮かべながら  
それを隠し、男に足を絡ませた。  
 
「司祭さまのなさることなら罪とは見なされませんわよね。  
でしたら……もっと、してくださいませんか……?」  
そう言いながらアニエスは男に嫣然と微笑んだ。  
その紫の瞳が揺らめくように光を帯びる。  
 
(暗示をかける時は、相手の意識を自分に集中させる)  
前に教えてもらった事を思い出しながら、アニエスは司祭の目を  
じっと見つめる。揺らめく光は男の精神を確かに乱し始めていた。  
表情に淫らさを滲ませ、欲望に目がくらんだ男はアニエスにふらふらと手を伸ばした。  
「よかろう……可愛いやつめ、今宵は楽しもうではないか」  
だが、その手をアニエスは掴んで止めた。  
「待って」  
「何故だ、なぜ止める……!」  
「気持ちいいことをしたいでしょう。ならば私の言うことを聞いて」  
「なんだ、なにを聞けと……っ」  
アニエスは男の逸物に触れ、撫でさすり怒気をゆるめさせると  
三度瞳を瞬かせ、男をじっと見つめた。すると段々男の目がとろんと  
夢うつつのようになっていく。アニエスはゆっくりと言い聞かせるように、  
男の無意識のはざまに刻みこませるように言葉を紡いでいった。  
「それでいい。……眠りに落ちる前に私の声を聞くがいい。  
穏やかに甘い眠りを貪りたければ、私の言葉に従え」  
「おまえの……言葉……したがう…」  
「そう、それでいい……。私の言うことには全て従うと誓え。疑いをもたず」  
「全て……従う…」  
うつらうつらと男は頭を傾かせながらアニエスの方へと倒れこんだ。  
寝台に伸びた体はぴくりとも動かなかったが、男のその目は見開かれたまま  
何を映すでもなくただ小刻みに揺れていた。  
(このままこの男が意識を失えば、その後の行動が掌握できる……)  
 
アニエスは冷たい瞳で男を見つめていた。  
こんな男はずっと術をかけていた方が世のためのような気もしたが  
今自分が行っているのはどう言い繕おうと、人の心を操る魔の術だ。  
ずっとかけていたら男の精神は壊れてしまうだろう。  
だから首尾よく男がこの村から出ていったら従属の効果は切れるようにしなくては。  
その時に上手く事がまわるよう偽の記憶も必要か……と考えていたその時だった。  
 
突然、窓の方からガンッ、バンッと何かがぶつかるようなすさまじい音がした。  
 
アニエスは驚いてそちらを見たが、その音に男もまた目を覚ましてしまった。  
そして何が起きていたのか気付かぬまま飛び起き、目をしばたかせた。  
「……何の音だ! いったい……なんだ!?」  
 
その目には今やはっきりと色がある。男は自分を取り戻してしまったのだ。  
アニエスは思わずほぞを噛んだ。何が原因か知らないがあと一歩だったのに、と。  
すると、またガンッと音がして窓の留め金が外れて落ちた。  
 
窓が開かれ、風が室内へと入ってくる。それと一緒に、逆光になって  
ただ黒い影にしか見えない人物が桟を乗り越え部屋の中に入ってきた。  
 
アニエスはあっけにとられ、男は恐怖に顔を引きつらせながら見ていると  
その人物は顔をあげ、口をきいた。  
 
「こんばんは、司祭様」  
その声にアニエスは目を見開く。  
「良い夜ですね」  
そう言って声の主はくっくっと喉の奥で笑った。もう間違えようがなかった。  
(タラン……)  
まさか来るとは思わなかった。彼はほかならぬ自分が命じて魔法が  
使われた箇所の捜索に行かせたのだから。今、村には自分一人しかいない。  
だから、自分だけで何とかしなくてはいけないと思っていたのに。  
 
「なんだかずいぶんお楽しみだったみたいですね」  
そんな事を言いながら一歩ずつ近づいてくるタランに、司祭はおびえて  
寝台の上を後退り、壁にどんと背をつけた。  
「なんだ……お前は誰だ、何者なんだ……!?」  
 
タランがちら、とこちらに視線をよこす。  
アニエスはなぜか急にいたたまれない気持ちに苛まれ、うつむいた。  
それを静かに見ていたタランだが、その目を壁に張り付いたままの男に向けた。  
「ひっ……」  
男の悲鳴を愉快げに聞き流し、タランは男の方へと手の平を向ける。  
「よせっ……!」  
ちらつく殺意を見とがめてアニエスはタランと男の間に割って入った。  
舌打ちと共にタランは反射的に手首を返す。じゃっと空を裂く音がして  
男の首のすぐ横の壁に斬り裂いたような傷がついた。  
「ひいいいいっ!」  
「邪魔するんじゃないよ、アニエス」  
歩いて近づき、タランは割って入った彼女を突き飛ばすようにして  
その場所からどかした。そして再度男に手を伸ばす。  
震える男の首筋にその焦点が定まった。  
「が、ぐあっ……」  
タランがぐっと力をかけるように動かすと、離れている男の首元に手の形が浮き上がった。  
そのままタランが腕を動かすと共に男の体が宙に浮かんだ。  
「ぐ…る、し………っ!」  
空中でバタバタともがく男を見てアニエスは慌ててタランの腕にすがり付いた。  
「よせ……やめろ!!」  
魔法を使うその手を下げさせようと必死に力をかける。  
「殺すんじゃない!」  
「何でさ。意外とこのオッサンの事が気に入っちゃったとか?」  
だがタランの腕はびくともせず、そして邪魔をするアニエスの事など  
見もせずにそんなことを言う。さすがにアニエスも腹がたち、タランの腕を  
放り投げるように離すと叫ぶ。  
 
「違う! いいか、こんな男でも殺したら教会が黙ってない。  
それこそ魔女を殺せ、悪魔を殺せって話になるぞ」  
その言葉にタランが初めてアニエスの顔を見た。目は笑っていないが、  
話を聞く気にはなったようで剣呑さがわずかに削れている。  
アニエスは息を吸ってもう一度叫んだ。  
「真っ向から聖職者たちと一戦構える気か? こんな男のために  
そんな危険をかぶるのはごめんだ。穏便に済ませよう、タラン……!」  
しばらくじっと考え込んでいたタランだがふと表情をゆるめた。  
「なるほど……一理ある」  
そう言ってぱっと手を開くと苦しんでいた男の体がどさりと落ちた。  
シーツを乱しながら男はゲホゴボッと男は激しく咳き込んで喉を押さえていた。  
タランは寝台にのぼると、ずかずかと男の近くまで大股に歩いていく。  
「…………っ!」  
近くにしゃがみこむと、タランは恐怖に歪む男に向かって首を傾げて見せた。  
「オッサン、良かったね。アニエスが僕を説得できて。死ななくて済んだよ」  
そしてにっこりと笑う。その表情は思いの外優しく、男は一瞬だけ  
恐怖を忘れて息をついた。だがタランは次の瞬間豹変し、男の頭に  
手をかけるとぐしゃっと乱暴に押さえ付けた。  
 
「だけどね覚えておきな。下手に女に手を出すとこういう目にあうんだよ」  
ぐぐ、とめりこまんばかりに力をかけられた男のうめき声が響く。  
そして仰向かせると、爪をたてるようして男の顔を掴んだ。  
その近くに膝をつき顔を合わせると、うなるような低い声で言った。  
 
「僕の目を見な、このクソ野郎……!」  
 
アニエスは音もたてず、事の成り行きを見守っていた。  
タランの瞳が部屋の中で、暗闇の中の獣のように光っている。  
そうしてしばらくの後にタランは男を解放した。男は放心状態のまま呟きを繰り返していた。  
「かえる……王都に、かえる……そうだ、こんな所にいてはいけない」  
 
言いたいことは色々あったが、アニエスはもう口を挟まないことに決めた。  
タランは男を捨て置き寝台から立ち上がるとアニエスに声をかける。  
「行くよ、これ以上の長居は無用だ。早く支度して」  
「わかってる。ちょっと待って」  
言われた本人はようやくおおっぴらに動けると、シーツを引き寄せて  
巻き付けながら自分の服を探していた。  
「……ずいぶん素敵な姿にされたじゃないか」  
「やかましい」  
タランの言葉に構わず、アニエスは服を取ろうと身を屈めた。  
だが次に立ち上がった瞬間、ぱたぱたっと生白い液体が足の間から  
落ちてきて思わずひっと声をあげてしまった。  
それを見て憎まれ口を叩いていたタランですら、さすがにばつの  
悪い顔をして押し黙ってしまう。アニエスは恥ずかしさと情けなさで  
頭に血が上ったまま無言で服を引き掴み、その場で急いで身につけた。  
 
気詰まりな沈黙が落ちたがタランは窓に向かい、外を見た。  
アニエスに背を向けたままぽつりと言う。  
「帰るよ」  
「……うん」  
 
大きな鳥にでも化けて飛んで帰るかと思っていたが、タランは人の姿のままを保っていた。  
背に捕まるよう促されたアニエスが体を寄せると、彼の匂いが急に懐かしく  
感じられ、思わず彼女はうろたえた。急に苦しい気持ちになる。  
「あれ」はなんでもないことだった。必要なことだった。  
だから自分が気にすることなど何もないのだと。  
それが何に対しての感情なのか自分でも良く分からないまま、ただそれだけを  
心の中で繰り返す。ぎゅっと力をいれて体を寄せると掴む手がアニエスを背負いなおした。  
 
*  
家に戻ってきたアニエスはふーっ、と大きく息を吐いた。  
妙な気分だった。苦しい。胸の奥がもやもやする。体もあちこちが痛いが  
それよりもむしろこの不快感の方が嫌だった。  
それを的確に表す言葉を探しアニエスは一言呟いた。  
 
「疲れた」  
「……そりゃそうだろうよ、疲れるようなことをしてきたんだから」  
「それもそうだ。喉も渇いたし……」  
アニエスは水差しを探した。わずか数刻のことが、ずいぶん家をあけていたかの  
ように感じられ不意に鼻の奥がつんと痛む。アニエスはぐっと奥歯を噛み締めて  
それを耐えると、手にした水差しから器に注いで一息に飲み干し、唇をぬぐった。  
何気ない行動だったがそれがきっかけとなって、不意に思わずあの男が唇をぬぐう  
動作を思いだしてしまった。すると次々にあの男の言葉、あの男のした行為がよみがえっていった。  
 
蛭のような唇が首筋から胸元をたどり、足の間に熱をもったものが……。  
アニエスの手から器が落ち、床にぶつかって軽い音をたてた。  
気づけば自分の体が小刻みに震えているのに気がついてアニエスは言葉を失った。  
 
「どうかしたの?」  
様子がおかしいことに気がついてタランが眉をひそめた。  
だが、なんでもないと言おうとして口を開いて出てきたのは言葉ではなく嗚咽だった。  
「ふ………っ」  
タランが驚いたような顔をした。だが、静めようとすればするほど  
感情の波は大きくアニエスの心を揺さぶった。  
「うっ……く」  
顔を背けたものの横にいるタランの視線を痛いほどに感じていた。  
いまさら取り繕うような仲でもないが情けない所を見せたと思う。  
 
『あれ』はただの性行為だ。職業意識のある娼婦なら割り切ってできるような  
程度のことだ。それなのにこんなに動揺したりして情けない。  
アニエスはテーブルに手をついてぎっと爪を立てた。  
 
タランが求めるのは彼自身を変えるほどの力を持った契約者だ。  
だから強くならなくてはならないと思うのに、今この時この場の  
自分はこんなにも弱かった。  
「アニエス」  
名を呼ばれ、アニエスは途切れ途切れながら何とか返事を返す。  
「……ちょっと、待って。もう少ししたら、ちゃんとした受け答え、できると思うから………」  
だがその言葉は途中でさえぎられた。  
タランが手を伸ばしアニエスの目をふさいだからだ。  
「なに……?」  
どういうつもりかと問うアニエスにタランが返したのは直接的な答えではなかった。  
「僕は、夢に干渉できる」  
アニエスは口を挟まず相手の言葉を待っていた。  
すると、触れられた手のひらの揺れからタランが少し笑ったのが分かった。  
 
「……アニエスは疲れてんだよ。一晩寝れば元のアニエスに戻れるよ。  
だから、余計なもの見せずに眠らせてあげる。わかった?」  
アニエスがうなずくとタランの手のひらから熱を感じた。  
少しずつまどろみのように柔らかな眠気がアニエスを包んでいく。  
嫌なことも恐ろしいことも闇の奥に消えていく。それは彼女にとって救いだった。  
 
タランはアニエスのまぶたに触れたまま、精神を同調させて無のイメージを  
送っていた。これで彼女は夢もなくただ眠りに落ちる。  
かくん、と力を失ったその体を支えると、抱き上げて寝室まで連れて行った。  
 
寝台に横たえると、その目の端から涙が滲んでいるのに気がついた。  
タランはそれを指でぬぐう。そしてそのまま手を広げて頬を包むようにして触れた。  
空[から]の夢の中にいる女の寝顔を見ていたタランは上体を近づけ口付けようとして  
なぜか不意にその体を止めた。  
 
(『――醜き者よ』)  
湖の主の言葉が甦る。そう呼ばれたのは久方ぶりであった。  
ずっとアニエスといたからだ。  
アニエスは彼のことを『タラン』だと認識しているから。  
 
それでいいはずだ。  
忘れ去られ、消え去る運命にある奴らの言葉など気にする必要はない。  
 
なのに妙に苦い気持ちで『タラン』は自分の契約者たる娘を見つめていた。  
 
*  
 
次の日、背徳の司祭は突如、王都に戻ると言い出して  
周囲の人間を困惑させた。だが決意は固く、彼は馬車を呼び寄せ  
さっさと帰ってしまったようだった。  
 
そしてその話を牧師から聞いた村の人間は感嘆した。さすが魔女だと。  
どう話をつけてくれたものか分からないが、アニエスはすごいなと。  
 
本当のことは村の人間は誰も知らない。司祭自身ですらもう覚えてはいない。  
真実を知っているのは魔女と、彼女の悪魔だけ。  
 
(おわり)  
 

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