「は〜い、注も〜く。今からミ〜アの林間学校特別ミッションを開催しま〜す」  
司会役の女子生徒が芝居がかった口調で叫ぶと、周りから喝采があがる。  
狭い部屋の中に二十人ほどの男女が集まり、その真ん中には怯えた表情をしたショートカットの小柄な少女が座っている。  
中林美亜。それが真ん中に座る少女の名前だった。  
可愛らしい顔立ちながら、ショートカットの髪に色気のないジャージを着たその様は、見ようによっては少年のようにも見える。  
しかし、この少女を少年だと思う者はいないだろう。なぜなら、生地の厚いジャージの上からでもそれとわかるほど、  
小柄な体格には似つかわしくない膨らみが、ジャージの胸の部分を押し上げていたからだ。  
少女を取り囲んだ者達の大半は女子で、男子は僅か四人しかいない。そして、皆真ん中に座るの少女を、  
ある者はニヤニヤと、またある者は冷めた眼差しで、見つめていた。  
「今日は特別ミッションって事で、いつもよりちょ〜っとだけ過激だよ!ミアにはお風呂で体を洗ってもらいま〜す♪」  
「え〜?それのどこが過激なの?」  
「まあ、待ちなよ。で、今日はどんなルール?」  
「重要なのはここからだよ!ミアが自分で洗うのはNG、だから誰かにお願いして洗ってもらいま〜す♪  
 そして、その誰かはまだ決まってませ〜ん。で、今ここで決めちゃいましょう。なんなら複数だってOKだよ♪」  
「あ、な〜んだ、そういうこと!だったら、いっそ山ヶ淵とかが良いんじゃない?」  
美亜の体がビクリと震える。山ヶ淵という少年は、背は小さく、体重は重く、その容姿はとても褒められた物ではない。  
そして、その外見により長い間いじめられ、いつも誰かの顔色を窺い、作り物の笑顔を貼り付けている、そんな少年だった。  
「うわっ、ひっど!つか、いきなり男子かよ」  
「まあ、弄繰り回すのも楽しいけどさ、たまにはいいんじゃない。それにいじめられっこ同士でお似合いじゃん」  
「よりにもよって山ヶ淵って…それ、最高じゃん!」  
「反対意見は無いようね。ミア、何か言いたいことある?」  
静観していたグループのリーダーである宮本が口を開くと、辺りはしんと静まり返る。急に話を振られた美亜は、  
口をパクパクとさせ必死に言葉を搾り出そうとする。話しかけられた以上は、何も答えないわけにはいかなかった。  
もしも、無視ととられれば、それこそどんなことをされるかわからない。  
「あ、あの…あの…」  
「ん?な〜に〜?何か言いたいことでもあるの?」  
「うっそ!あたし達に意見する気?へぇ〜、ミアも随分偉くなったもんだね」  
「ち、違います!意見なんて、そんな…私もそれで…それがいいです!」  
少しでも機嫌を損ねないために、従順に相手の意に沿うように、自分から言葉を選ぶ。  
期待通りの言葉に、宮本は冷酷な笑顔を向ける。  
「ふぅん…そう、山ヶ淵君に洗って欲しいの?どうしても?」  
「はい。どうしても…です。山ヶ淵君が…山ヶ淵君がいいです…」  
心にもないことを、嫌で嫌でしょうがないことを、必死に口から吐き出す。できるだけ明るい声で、できるだけはっきりと。  
それでも所々詰まってしまう。そして、そんな必死な美亜に、周りからはクスクスと嘲笑が向けられる。  
「へぇ〜、ミア、そんなに山ヶ淵なんかに洗ってもらいたいの?信じらんない」  
「これってさ…ひょっとして、愛の告白?ミアって、趣味悪いね〜」  
「しかもさ、洗ってもらうってことは、男子の前で裸になるんでしょ?それってさ、女として、どうなのよ」  
「しょうがないんじゃない?学校でも下着つけない女だし。淫乱なんでしょ」  
ここにいる者には、美亜の意見など聞く気は無い。その上で、最初から美亜自身が望んでいたかのように責め立てる。  
美亜はいつものことと自分に言い聞かせて、それでも痛む心を押し隠して、表情にだけは出さないように耐えて押し黙る。  
美亜が悲しそうな顔をすれば、相手を喜ばせるだけだから。  
「それでさ、確認はどうやってすんの?男子についていかせるだけ?」  
「そこは大丈夫。ちゃ〜んと、防水のビデオカメラとついでにデジカメも、有志の方々からご提供いただきましたので♪」  
「じゃあ、男子の誰か、そのこと男子達に伝えてきてよ。いきなりだと驚くだろうし」  
「あ、山ヶ淵のことは伝えない方が盛り上がりそうじゃない?それで、男子みんなの中から、美亜に選ばせるの」  
「それはいい考えね。ミア、みんなが貴女のために協力してるんだから、できなかったらどうなるかわかってるよね?  
 痛いのは…もう嫌でしょ?」  
 
「!は、はい、わかりました」  
酷く怯えた様子で了承を口にする少女は、かつては明るてよく笑う、どこにでもいる普通の少女だった。  
 
 
事が激化し始めたのは、数ヶ月前。しかし、始まりはそれより一年前、美亜が中学に入学したときに遡る。  
その当時の美亜は、まだ髪も長く、子供っぽく人懐っこい性格で、チョロチョロと動き回りコロコロと笑い、  
クラスでは男女問わず人気があった。…一部の者を除いては。  
美亜には、兄のように慕う幼馴染がいた。サッカー部のフォワードを務め、成績優秀、クールで誰も寄せ付けない孤高の人。  
ファンの女生徒がそんなイメージを描いていた先輩。しかし、それは美亜の前でだけは違った。  
美亜に対してだけ、優しく微笑みかけ、笑顔で会話し、ときには子供っぽく言い合いもしたりする。  
ただ一人の、特別な存在。  
それが、ファンの女生徒には気に食わなかった。憎らしかった。妬ましかった。  
いじめのリーダーである宮本は、別に心酔していたわけでもないし、それどころかファンですらなかった。  
しかし、校内で一目置かれる人気者に特別扱いされ、それを当然のように受け入れる少女が、気に食わなかったのは確かだった。  
 
そして、一年が経った新学期。クラス替えと先輩の卒業、たったそれだけで美亜の周りは一変した。  
それまでは陰口を叩かれる程度だったが、先輩にばれる心配がなくなった女子達はこれまでの鬱憤を  
晴らすかのように美亜にあたりはじめ、そして、同時に宮本達と同じクラスになったことで、  
クラス内でも美亜は公然といじめられるようになった。  
仲の良かった筈の友達はそれこそあっという間に離れ、一月もしないうちに美亜と仲良くする者はいなくなった。  
女子達はある者は自らの保身のために、ある者は嫉妬で助ける者などいなかったし、男子とて助けようとする者はいなかった。  
いじめは、最初は肉体的なものだった。  
小突いたり、足を引っ掛けたりと、体に何らかのあとが残る物ではなかったが、だんだんとエスカレートしていった。  
しかし、あることをきっかけにして、いじめは性的なものが中心になった。  
それは、美亜の長い髪を無理矢理押さえつけて切ったときのことだ。  
長く綺麗な髪を切られそうになったとき、美亜は泣き叫び、手がつけられなくなり、力尽くで黙らせたのだ。  
それから美亜は近くで手を上げられるだけで、怯えるようになった。宮本達にとっても少し脅すだけで  
従順に言うことを聞く美亜は、オモチャとして都合が良かった。  
そして、美亜もよほど肉体的ないじめが怖いのか、性的ないじめは対しては、嫌がりながらも泣き叫ぶことはなく、  
クラスの連中もいろいろな反応を見るのが楽しいらしく、意外と好評だった。  
男子は単純に可愛い女子が辱められればそれだけで良く、女子にとっても可愛らしい美亜が男子の前で、自分達の前で辱められ、  
その顔を、肌を、真っ赤に染め上げ、健気に耐える姿は、嗜虐心を、嫉妬心を、大いに満足させた。  
それほど時を要さずに美亜いじめはクラス全体の娯楽となり、同時に共犯関係となったことで、クラス内に連帯感すら生まれていた。  
 
 
美亜にしてみれば、それは無力感と諦めの日々だった。  
着替えをすれば下着を奪われ、ノーパンノーブラで授業をさせられ、教室の黒板に落し物として貼り付けられる。  
下着を返してとお願いもしたが、皆の前で下着が自分の物である証明、つまり下着を着けていないことを、  
胸をはだけ、スカートを捲くられ、無理矢理証明させられた…が、結局美亜の物である証明とは認められず、  
その日はノーパンノーブラで授業を受けることになった。  
しばらくすると、美亜には専用の体操服ができた。それは、誰かが小学校のころに着ていた小さな体操服だった。  
小さな体操服は体のラインを浮き彫りにして、ノーブラの胸はその小柄な体格の割には大きな胸の形を、  
そして乳首の色形すらもくっきりと透けさせていた。  
制服に着替えることを許されず、その胸が透けて見える小さな体操服のまま、授業を受けさせられたこともあった。  
これだけ目立つことをしているのだ、教師の中には気づく者もいただろう。しかし、それが咎められることはなく、  
教師達、そして学校そのものが、自分を救う者ではないことを理解させられ、逆らうことの無意味さを思い知らされた。  
 
たった数ヶ月。たったそれだけの期間で、いつも明るかった美亜は暗い表情で口数も少なくなり、いつもなにかに怯えるように、  
教室の隅で一人で過ごすようになり、今に至る。  
 
 
 
「神田。バカな男子があたしのオモチャを傷つけないように、見張り、お願いね」  
 
「ああ。まかせとけ」  
神田と呼ばれたのはこの場にいる男子の中で、最もがっしりとした体格の一見穏和そうな男だった。  
事実、普段の神田は温厚で、とてもいじめをするような人間には見えない。  
しかし、裏では神田はこのグループのサブリーダーであり、神田に逆らうことは自分がいじめの標的になることを意味し、  
それを知ったうえで神田に逆らうものなどおらず、宮本から主に男子のまとめ役を任されていた。  
 
 
神田達に連れられて美亜が脱衣所につくと、男子達が待ち構えていた。  
「お、ついにお姫様の到着だぜ」  
「ミアちゃん、体洗って欲しいんだって?俺に頼めばいくらでも洗ってあげるよ」  
「当たり前だ!こんな可愛い子に頼まれたら、俺だっていくらでも洗うわ!」  
男子達の狂喜染みた喜びようとは逆に、美亜の心は暗く沈んでいく。  
沈むだけで、死んではいない。それは美亜にとっては、良いことではなかった。  
今この場に、男子用の脱衣所にいるだけで、美亜の心臓はその鼓動を速くする。  
これからの想像は、羞恥心を刺激し、その体を熱く、赤く色付かせる。  
いつまでたっても、何度辱められても、美亜の心は鈍感にはなってはくれなかった。何度男子にスカートを捲られても、  
何度肌を晒しても、以前と同じように、いや、以前よりももっと強く羞恥を感じていた。  
「ミアちゃん、脱がないの?まあ、時間はたっぷりあるから、ゆっくり脱ぐといいよ」  
「い、いえ…脱ぎます…」  
早く脱げばその分早く終わるということはないだろう。しかし、時間をかければかけるほど、  
辛くなりそうで、動けなくなりそうで、そうなる前に無理矢理にでも脱がなければならなかった。  
カシャ、カシャと機械的な音が響き、美亜が光に照らされる。  
「着替える前も、撮っとかないとね」  
美亜は暗い諦めた表情で、脱衣所の真ん中まで歩く。  
 
美亜はわざわざ脱衣所の真ん中、何一つ隠すもののない場所でジャージへと手を伸ばす。端の方で着替えることなど許されていない。  
ジャージのファスナーを下ろされ、その華奢な肩が露になると、周りから歓喜の声があがる。  
「うお、なんか、すげ〜色っぽい」  
「ほっそりしてて、やっぱ小柄だな〜。でも胸はでけえんだよな〜」  
「肌も白くて綺麗で…ああ、触りてぇ」  
「しっかしよ〜、もっと可愛い服着てくれないかな?その方が絶対良いのに」  
「いいじゃん。ジャージはともかくあの白い無地のシャツとか、着飾ってない普通の子っぽくて」  
男子は好き勝手に感想を言う。それがどんなに美亜の心を傷つけているかも知らずに。  
男子の心無い言葉が発せられるたびに、美亜の体がピクリと震える。誰からも気づかれないほど、微かに。  
美亜の脱衣が進むたびに、男子は美亜をからかい、美亜はそれを無理矢理意識しないようにして脱衣を続ける。  
「お、今日は珍しくブラしてんじゃん」  
「学校だとノーブラでスケスケだもんな。ほんと、目の毒だよ」  
「あ、パンツも穿いてるんだ。なんか新鮮」  
「おいおい、下着着けてるだけでそんなに言われるって、まるで痴女だな」  
「実際、喜んでんじゃないの?学校にだって、休まず来るしさ」  
「そりゃ、あんな立派な胸してたら、男に見てもらいたいだろうよ」  
美亜はその肌を赤く染め上げながらも、その顔から表情は読み取れない。  
美亜は男子の言葉を聞いて、肌を染め、心を震わせ、それでも表情にだけは出すまいと懸命に耐えていた。  
自分が反応するほどに男子達は喜ぶ。それがどれだけ惨めなことか、身を持って味わったからだ。  
 
しかし、美亜は動けなくなった。  
もう残された衣服は下着のみ。  
これから、男子の前で、自らの手で脱がなければならない。  
美亜の胸を見たことのない男子はこのクラスにはいないだろうし、アソコを見た男子すらいる。  
だが、それは、誰かの手によってがほとんどだった。  
脱がされることはあっても、脱ぐことはほとんどなく、晒されることには少しだけ慣れても、晒すことには慣れていなかった。  
「お〜い、どうした〜?動きが止まったぞ〜?」  
「いいねえ。恥ずかしがる女の子。俺こういうの好きだわ」  
「ま、下着の上から見ても良い体してるのわかるし、ほかにも見る場所はいくらでもあるしな」  
美亜の、表情には出すまいとした決意は早くも揺らぎ、目はギュッと瞑られ、体は小刻みに揺れ、  
その震えを押さえるように体を抱きしめる。  
 
まだ、十三の少女なのだ。いくら心を強く持とうとしても、その決意は簡単に揺らいでしまう。  
 
美亜が懸命に、その心を落ち着かせるようとする中、男子達の声と、デジカメの撮影音が絶え間なく美亜の心をいたぶり続ける。  
剥き出しの肌を視姦され、恥らう表情の一つ一つすら克明に記録されていく。  
心を傷つけられながら、その心を懸命に奮い立たせる。美亜には最初から、逃げ場など用意されていないのだから。  
 
三十秒ほどの間、美亜は自分を落ち着けるように、体を抱きしめて深呼吸をする。  
まだ、その体は微かに震えたまま、その手がゆっくりと背中に回される。  
「おっ!ついに脱ぐのか?」  
「早く、そのでかいオッパイ見せろ〜」  
男子の声がするたびに、決意は鈍り、心は悲鳴をあげていた。  
けれど、それでも…無理矢理に体を動かして、ブラのホックへと指を伸ばす。  
カチッ…  
小さな、とても小さな音があたりに響く。  
ホックは外された。しかし美亜は両手で胸を覆い、顔を俯ける。  
平静を装っていた顔は、真っ赤に染まり、今のも泣き出しそうなほど弱弱しい苦悶の表情を浮かべている。  
心が悲鳴をあげ、体は動くことを拒否していた。  
(もう、嫌だよぉ…逃げたいよ…助けて……お兄ちゃん、私を…助けて…)  
そんなことを考えても、無駄なことはわかっていた。しかし、心の中でも平気な振りを続けられるほど、強くはなかった。  
 
「おい、いつまで止まってんだ」  
「まあまあ、落ち着けよ。どうせ逃げられっこないんだしさ」  
「そうだぞ、あんな怯えて…可哀相だろ」  
「とか言いつつ、エロイ目で嘗め回すように見てるくせに」  
美亜はようやく動きはじめ、肩からハラリとブラの肩紐がずれる。片方ずつ、時間をかけて。  
これから、ブラもパンツも全部脱がなければならない美亜にとって、無駄なこととわかっていても、  
ぱっと脱ぐことなどできなかった。苦しみが長引くだけとわかっていても、肌を晒したくなかった。  
慎重に気を使いながら、肩紐を腕から抜いていく。その過程で僅かでもブラから手を離すたびに、  
男子は「おおっ」とか「見えた!」などと言い、美亜はその度に体をビクリと震わせ、胸へと手を戻す。  
 
だが、男子の全てが胸を見ていたわけではない。胸を隠しながら肩紐を外すことに必死な美亜は、  
それ以外のことに頭が回らなかった。慎重に上半身を動かすため、クネクネと腰を振りお尻は揺らし、男子の声に反応しては  
体をビクリとさせる。  
胸ばかりに目がいきがちだが、美亜はお尻も大きめで、動くたびにだんだんとパンツを食い込ませていた。  
「ミ〜アちゃん。胸ばっか気にしてるけど、お尻のほうはいいのかな?」  
「そうそう。パンツが随分食い込んで、プルンプルンしたお尻が見えちゃってるよ」  
「え?…あ、やぁ!」  
美亜は、はっとした表情になり、片手をお尻へと回す。  
視線からお尻を守ろうと手のひらをいっぱいに開いて、お尻の前にかざす。  
「あ〜あ、もうちょっと黙っとけよ。せっかく気づいてなかったんだから」  
「でも、全然隠れてないぜ。尻もでかいからな」  
「ミ〜アちゃん、アレやってよ、水着とかでよくやってる食い込み直すヤツ」  
「胸も結構やばいぜ。片手だから、ちょっとブラがずれてる」  
「マジだ、下乳見えてる」  
美亜は目には涙をため、すでに体全体を赤く染め、オロオロと動揺する。  
「いや…いやぁ…」  
美亜は完全に動けなくなっていた。片手では胸を守りながら肩紐を腕から抜くこともできず、かといってお尻をそのままに  
胸の方に両手を回すこともできなかった。  
「ミアちゃん、動揺しすぎ。そんなんじゃ、一番肝心なところが守れないよ」  
「結構抜けてるんだね。ミアちゃんってさ」  
「ひっ!…やぁぁ、見ないでぇ」  
男子の視線が自分のどこを見ているか理解した美亜は、片手でお尻を隠しの、片手で胸を覆い、その場に座り込む。  
必死に足をよせて視線をさえぎり、体を丸めて胸をかばう。  
こんなことをしても、ほんの一時しのぎにしかならないことは、頭ではわかっていた。しかし、それでも体が動いてしまったのだ。  
「小さな背中も、震えてて可愛いな」  
「足だって、あんなに一生懸命擦り合わせちゃってさ。チラチラ見えてるのに」  
「お尻もアレで隠してるつもりなのかね?」  
 
美亜はもう、どうしていいかわからなかった。隠すために、少しでも恥ずかしさ和らげるために、  
背中や足で必死に守ろうとしているのに、それすらも男子達にとっては、自分を辱める道具になってしまう。  
 
 
「中林、なにをしてる?宮本の言葉を忘れたか?」  
「わ、忘れてません!…忘れて、ないです…」  
「なら、立つんだな。それなりに余裕はあるが、時間には限りがある」  
「……あの………はい…わかり、ました…」  
男子達は黙ったまま、二人に会話を聞いていた。神田が話しているときに、茶々を入れられる者などいなかった。  
美亜はその顔を俯け、もう一度強く自分を抱きしめると、悲しみに満ちた決意を胸に、その顔を上げる。  
座ったまま、肩紐を外し、胸を押さえながら立ち上がると、ゆっくりと手を下ろした。  
白く、大きな胸はほんのりと赤く染まり、恥ずかしそうにそらされた顔は、目をギュッと瞑り何も見ようとはしない。  
体中を赤く染め、握り締められた手はフルフルと震え、必死に羞恥と戦っていた。  
 
数瞬の間、誰も何も言わなかった。ある者はゴクリと唾を飲み、ある者は息をすることすら忘れていた。  
微かに震える体、耳まで真っ赤に染め、恥ずかしそうにそらされた顔、ギュッと閉じられた瞼。  
白い胸はほのかに色付き、呼吸に合わせてフルフルと揺れ、淡いピンクの突起はツンと立ち、男子の目を引き付ける。  
しんと静まり返った中、美亜はその手を強く握り締める。  
 
そして、静寂が打ち破られる。下卑た言葉と、断続的に浴びせられるフラッシュによって。  
「うはっ!やっぱ生は良いなぁ、おい!」  
「あの、恥ずかしがり屋のミアちゃんが自分から脱ぐなんてな!」  
「おう!ミアちゃんストリップ最高!」  
「うおお!俺、ほとんど見たことなかったんだよぉぉ!」  
「白くて…柔らかそうで…桃みたいで…ああ、触りてぇ」  
「ほんとだよ!乳首の色も綺麗だし…ツンと立ってて…クソ、女子の奴ら、毎日好き放題にしてんだろうなぁ」  
肌を刺す視線と、心を嬲る言葉と、自分の剥き出しの胸を記録する光に、美亜の心は悲鳴をあげ続ける。  
男子の声を聞きながら、震える体もそのままに、美亜はその手を最後の一枚へと伸ばす。  
その身を苛む男子の言葉も、その心があげる泣き声すら、全部無視して美亜はその身を隠す最後の布切れを一気に…  
 
 
………  
下ろせなかった。  
躊躇ってしまった。最後の最後で…  
「い、いやぁ…もう、いやぁぁぁ!」  
美亜は震える体を抱きしめて、またも座り込む。  
「おいおい…焦らすのもいい加減にして欲しいぜ」  
「ここまでやっておいて、嫌はねえだろ」  
男子からは不満の声が溢れだし、神田も不機嫌そうな顔になる。  
「中林、いい加減にしろ。服を脱ぐだけで、どれだけ時間を使うつもりだ?」  
「お、お願いです…せ、せめて…関係ない男子は…」  
神田はしばらく考え込むと口を開いた。  
「……しょうがないな。俺達が宮本に掛け合ってやろう」  
「あ、え?……あっ、ありがとうございます!!ほんとに…ほんとに、ありがとうございます!!」  
美亜の喜びに満ちた顔とは対照的に、男子達は落胆の色を隠さなかった。  
「か、神田さん、そりゃあんまりですよ」  
「ここまできて、お預けかよ…」  
神田は脱衣所の出口へと向かう。いつのまにか、その手には美亜が脱いだジャージが握られていた。  
「え?あ、あの!服!私の服、どうして…持って…るんですか?」  
「ああ、宮本にお前が頑張ったことを証明するためだ」  
「ダ、ダメです!…あ、すいません…服、返してください…それがないと、私…」  
「心配はない。ここにいるのは、クラスメイトだけだ。たとえ裸でも、ここにいれば変質者に襲われたりはしないだろう」  
そこまで聞いて、美亜はようやく神田が何を考えているかを理解した。気づきたくなかっただけなのかもしれない。  
周りの男子達の目はギラギラとした光を放ち、今までのようなふざけ半分の物ではなく、  
凶暴な男のものへと変わっていた。  
不自然に出された「襲う」という単語は、男子達にソレを期待させた。  
「あ!お願いです、待ってください!わ、私脱ぎます!だから一人にしないで!!」  
美亜にはもう頼るものがなかった。美亜を辱めている張本人である神田達以外には、頼れるものがなかったのだ。  
 
「いいだろう。ただし、もう逆らうな。いちいち手間を掛けさせるな。いいな!」  
「は、はい…わかりました……あの、ありがとうございます…」  
「お前達もいいな」  
男子達は不満を露にしながらも渋々了解する。期待した分落胆も大きかったが、それでも文句を言う者はいなかった。  
 
美亜は悲壮な決意を固めて、みなの前に立つ。  
先ほどよりもギラついた男子の目。もしも神田達に見捨てられれば、そのときはなにが起こるか、考えるまでもなかった。  
美亜はゆっくりと、少しずつ少しずつパンツを脱いでいく。それが男子の目を楽しませるだけだとわかっていても、  
一気に脱げるほどには、開き直れなかった。  
「おっ!お尻の割れ目、見えた!」  
「ほんとプルップルしてるなあ」  
「尻組みめ…羨ましい…」  
「あと少しだ、あと少し耐えればこっちが勝ち組だ」  
「俺は胸が一番好きだから、十分勝ち組だな」  
美亜は必死に太股を擦り合わせて、視線を遮ろうとする。しかし、そのお尻を振るような動きは後ろから見る男子を楽しませ、  
恥ずかしそうにもじもじとする動き、そして、体の揺れに合わせてプルプルと揺れる胸の動きは、前から見る男子達をも楽しませる。  
美亜が恥ずかしがり、余計な動きをすればするほどに、男子は野次を飛ばし、美亜はより恥ずかしい思いをするだけだった。  
美亜にとってとても長い、しかし実際には着替え始めてから僅か十分ほどの、羞恥の時間はやっと終わりを告げ…  
新たな羞恥が始まった。  
 
やっと裸になった美亜は、下着を籠に入れて、胸と下腹部に手をやって隠す。  
「中林、時間を掛けすぎだ。それと隠すな」  
神田の言葉は、今の美亜には絶対だった。美亜は苦悶の表情を浮かべながら、その手を体の横につける。  
一糸纏わぬ裸身。男子達も、数えるほどの人数しか見たことのない、何一つ隠す物のない姿。  
「うおおおぉぉぉ!!!!」  
男子は一斉に歓声をあげる。  
同時に、神田の表情が僅かに曇り、近くにいた男子に指示を出すと、美亜の後ろに二人の男子が立った。  
「い、いや…触らないで…お、お願いします…」  
美亜は危険を感じ身を竦めて、必死に懇願する。  
「おい、ミア、隠すなよ!」  
「そうだそうだ。見・せ・ろ!見・せ・ろ!」  
男子達はさらに騒ぎ、神田の表情は不快感を露にしたものになっていった。  
「あ…ごめんなさい…か、隠しませんから…見捨てないで…」  
美亜は神田の表情の変化を感じ取り、また手を体の横にやり、気をつけの姿勢をとる。  
そしてまた男子が騒ぎはじると、脱衣所の入り口から大声が響いた。  
 
「おまえらぁぁ!!何騒いでる!!」  
男性教師の怒鳴り声にとたんに場は静まりかえり、男子達は固まったようになった。  
「お前らは、風呂ぐらい静かに入れんのか!!誰だ、騒ぎの原因は!?」  
美亜は気が気でなかった。今、美亜は後ろの男子達に両腕を押さえられ、その身を何一つ隠すことなく立っている。  
後ろを固めた二人の男子により、教師からはせいぜい頭が少し見える程度であり、即座にばれることはなかった。  
しかし、両腕を押さえられたことで、しゃがむこともできず、また神田の命により隠すこともできなかった。  
ほとんどの男子はそそくさと着替え始めたが、何人かの男子は怯えている美亜をニヤニヤした顔で見つめている。  
「おい!聞いてるのか!?正直に言えば、少しは罰も軽くなるんだぞ!」  
教師の歩く音が脱衣所の中に響く。美亜はばれないことを祈りその身を固くし、目をギュッと瞑る。  
後ろから見ただけでは、ショートカットの美亜は男子とそう変わらない。しかし、もしも胸を見られれば、正に一目瞭然だ。  
(来ないで……お願い…誰か、助けて…)  
怯えてギュッと目を瞑り、不安そうに体を震わせる美亜を、男子達はニヤニヤと眺める。  
体の震えに合わせ、その胸もフルフルと震えるさまはとても魅力的で、着替えをしていた男子もいやらしい目で美亜を見はじめる。  
男子達の視線に気づき、教師もそこに何かあると思ったのか、まっすぐに美亜の方へ歩き出した。が、  
神田が男子の行動にため息をつきながらも、笑顔で教師に話しかける。  
「すいません。何人かがふざけてしまって…罰は俺が受けますので、みんなは勘弁してやってください」  
「む…まあ、神田が言うなら…今回は大目に見ることにする。ああ、罰もなしだ。お前ら、風呂は静かに入るんだぞ!」  
教師は神田が出てきたとたんに、手のひらを返したように弱気になり、そそくさと脱衣所から立ち去った。  
教師も、このクラスで最も厄介なのが宮本、そして神田であることを知っているのだ。  
「お前ら、さすがにこの場を見られるのはまずい。声くらい抑えろ」  
 
「す、すいません」  
「はい!気をつけます!」  
教師の来訪を乗り切ったことで美亜は安堵し、その顔に笑顔が零れる。  
可愛らしい微笑みは、かつて美亜がまだ明るかった頃のような笑顔だった。  
 
 
「さて、中林。そろそろ、頼んだらどうだ」  
「…は、はい…」  
美亜は浴場の真ん中で、タオル一枚身に付けさせてもらえずに、どこも隠すことを許されずに、両手を体の横に添えて立つ。  
一方男子達は、しっかりと腰のタオルを巻き、美亜一人だけが何も身に付けていなかった。  
美亜はただ一人何も身に付けず、その肌をカメラのフラッシュとビデオのレンズ、そして男子の視線に晒されていた。  
「うわっ、緊張してきた!」  
「誰が洗うのか…俺だったらどうしよう」  
「あの、ちょっと質問いいかな?ミアちゃんが自分で選んだって本当?」  
「あ!俺もそれ気になる!」  
「ふむ…答えてやったらどうだ、中林」  
美亜は顔を俯け、誰の目も見ないように、少し小さな声で言った。  
「はい…自分で…自分から、その人が良いと言いました」  
「それってさ、やっぱ好きってことだよな!」  
「そいつ…この体を好きにできるのか…羨ましい」  
「まあまあ、誰が選ばれても、恨みっこなしにしようぜ」  
実のところ、男子達もこの言葉を額面どおりに受け取った者はいなかった。  
美亜の心をいたぶり、恥ずかしがらせ、その様を楽しむ、普段行われているのは、そういういじめだったからだ。  
「今から告白タイムか…俺でも恨むなよ」  
「俺だったら、どこから洗ってあげようかな」  
楽しげな雰囲気で会話する男子達と対照的に、美亜の心は暗く沈む。  
これから、好きでもない男に告白紛いのことをさせられ、自分の肌を触らせ、撫で回されなければならない。  
「あ、あの…その…聞いてください」  
美亜は決心し、少しだけ大きな声を出す。  
「あ、あの……あの!や、山ヶ淵、君…わ、私の体…洗ってください!お願いします!」  
辺りは一瞬しんとなった。そして、すぐに不満が漏れ出す。  
「うわっ、なんだよ…なんで、山ヶ淵なんだ…」  
「はぁ〜、幻滅だぁ…」  
指名された山ヶ淵も、困惑しきっていた。山ヶ淵にとってこれはラッキーなどではなく、男子に恨みを買い、  
今日を無事に過ごすことができなくなるかもしれない、むしろ迷惑以外の何物でもなかった。  
「え、えっと、中林さんからそんなこと言われて光栄だけど、俺はいいよ。誰か、別のやつに頼んで」  
もちろん、山ヶ淵とて、美亜の体に興味がないわけではない。しかし、今この時点ですら身の危険を感じる山ヶ淵には、  
美亜の申し出を受けるという選択肢など、選べるわけがなかった。  
「えっ?…でも…」  
美亜は神田を見ると、神田は首を横に振る。ダメだという意思表示に、美亜の中に宮本の言葉が蘇る。  
『できなかったらどうなるかわかってるよね?痛いのは…もう嫌でしょ?』  
美亜はブルッと大きく震え、怯えたような表情で山ヶ淵に懇願する。  
「あの!お願い、お願いだから…なんでも言うこと聞くから、わ、私の体を、洗って…」  
山ヶ淵はその必死さに気圧されながら、周りの男子達が自分を睨んでいることに気づく。  
もう手遅れ、洗おうが、洗うまいが、今日を無事に乗り切るのは無理だ……どうせ、ひどい目にあうのが確定なら、いっそのこと…  
山ヶ淵が開き直るのに、時間はあまり必要ではなかった。  
「はあ……いいよ。洗うよ。まずは、少し体を濡らそうか。ああ、シャワーも俺がかけてあげるよ」  
美亜の体をお湯が流れていく。  
「あ……うぅ…ん」  
シャワーの水圧によって、プルプルと柔らかそうに揺れる胸を、山ヶ淵の手が乱暴に撫で回していく。  
眉間に皺を寄せ、体を少し引きながら、苦しそうな声をあげる美亜の顔を男子達は思い思いの顔で眺める。  
「ああ…ついにミアちゃんが、山ヶ淵なんかに…」  
「すっげえ嫌そうな顔してるな」  
「プルップルしてていいなぁ…俺も触りてぇ」  
じっくりといたぶるように、シャワーをかけながら撫で回し、山ヶ淵は美亜の胸を弄繰り回していた。  
 
シャワーで軽く流した後、山ヶ淵がボディソープを泡立てる間、美亜はまた手を体の横に添えて待つ。、  
少し熱めのお湯と、望まぬ山ヶ淵の手によって、美亜の体をいっそう火照り、女としての色気を漂わせていた。  
ほのかに赤く染まった体は、お湯に濡れて光を反射し、水滴が流れ伝う。  
 
隠すことを許されない美亜は、肌を見られる気恥ずかしさに僅かに前のめりになる。その結果、  
大きな胸の先端に流れるお湯が集まり、雫となって溜まり、自重によって零れ落ちていく。  
「おい、乳首見てみろよ。雫が溜まって、落ちてるぜ」  
「雫が乳首の先で大きくなってくのが、エロイな」  
「おっ、また溜まってきた」  
美亜は男子達の言葉に慌てて胸を張る。その顔は恥ずかしそうに真っ赤に染まっていた。  
 
山ヶ淵はじっくりとボディソープを泡立て、美亜は顔を俯けたまま気をつけの姿勢で待ち、男子達は美亜の肌を隅から隅まで眺め回す。  
「ミアちゃんって、まだ生えてないんだな」  
「いや、あれ、剃られたんじゃないか?」  
「え!そうなのか。…おっ、マジそんな感じだ!」  
「ねえねえ、ミアちゃん。アソコの毛、剃られたってほんと?」  
「なあ、もっと足開いてよ。そうすりゃ、もっと良く見えるんだからさ」  
美亜は真っ赤な顔のまま、さも何も聞こえないといった顔で待つ。しかし、その体は男子の声にしっかりと反応を示し  
それがかえって男子達の言葉を誘う。  
「中林さん、せっかくだし見せてあげなよ」  
山ヶ淵の声だった。美亜が驚きに顔を上げると、いやらしい笑顔の男子達が目に入る。  
その顔は、宮本達と同じ、美亜をオモチャとしてしか見ていない顔だった。  
「ほら、ミアちゃん。山ヶ淵もああ言ってるし。足開いてよ」  
「え…だって…い、嫌……そんなの…嫌ぁ」  
「あれ?じゃあ、洗って貰わなくていいの?自分から山ヶ淵の言うこと、何でも聞くって言ったじゃん」  
今、この場において山ヶ淵の言葉は、美亜に大して宮本達と同等の力を持つ。  
それは絶対に等しい力だった。  
「中林さん。じゃあ、洗わなくていいかな?俺は、洗わなくてすむなら、それでいいけど…」  
「……はい…わかりました…だから…」  
美亜はオズオズと足を開く。内腿を寄せて、少しでも見えにくいように、無駄に近い努力をしながら。  
男子達は美亜のすぐ近くから見上げるように、美亜のアソコを覗き込む。  
「中林さん。そんな内股だと、疲れるよ。ほら、体育の休めってあるでしょ、あの姿勢で待っててよ」  
美亜の精一杯恥ずかしさから逃れようとする努力は、山ヶ淵の一言ですぐに無駄に終わる。  
(そんな!…そんなかっこしたら…隠せないどころか、まるで…)  
美亜が躊躇っていると山ヶ淵の手が止まる。  
無言の意思表示に、美亜は唇を噛み締めながら、手を腰の後ろで組み、足を肩幅ほどに開く。  
その結果、胸と下腹部、女の子にとってもっとも隠さなければならない場所が、まるで美亜自身の意思で  
見せつけるているかのように、男子達の目の前に突き出される。  
突き出された胸、大きく膨らみツンと誇らしげに立つ乳首、引き締まったウエストに丸みを帯びて柔らかそうなお尻、  
そして、無防備に晒されたワレメと、その周りにぽつぽつと点在する細く短い毛。  
見えない枷により開かれた足と腰の後ろに固定された手は、何も守れず、それどころか後ろに組んだ手により胸は突き出され、  
肩幅に開かれた足は、もっとも守らなければならない場所を強調する。  
「うわっ、大胆なカッコ!」  
「これは…普通の子なら泣くな」  
「やっぱ、毛は剃ったみたいだな」  
「でも、剃らなくてもあんまり濃そうじゃないな」  
「そんなに突き出して、恥ずかしくないの?」  
「ほら、ミアちゃん、また内股になりそうだよ。もっと足開かなくちゃ」  
男子達の言葉が、断続的なフラッシュが、美亜の心をいたぶり、美亜は後ろで組んだ手を強く強く握り締め、唇を噛み締める。  
 
山ヶ淵の準備が終わると美亜はイスに座らされた。  
山ヶ淵は美亜の後ろから、手、足、背中をじっくりと時間をかけて洗っていく。  
不自然なほどに、胸やアソコを避けて。  
その間、美亜は足を少し開いて、手はお腹の前と命令されていた。  
当然目の前には男子達が群がり、美亜のツンと突き出た胸を、そして足の間からのぞき見える、一本のタテスジを  
代わる代わる視姦していく。  
「やっぱ胸だな。山ヶ淵が擦るたびにプルプルしてやがる」  
「白い肌が、少し赤く染まってるのもいいよな」  
「マンコも、足がちょっと開いてて、そこから見えるのがいいぜ」  
美亜は耳まで真っ赤に染まった顔を横に向けて、目を瞑り、山ヶ淵の手が体を擦る感覚を、男子の声が自分の体を評する言葉も、  
全部無視して、懸命に耐えていた。  
 
「ふう…大体は洗い終わったかな。あとどこを洗えばいいの?」  
 
明らかに意図的に、山ヶ淵がそう聞いてくる。  
「…あの…た、たぶん……胸…だと思います」  
美亜のただでさえあまり大きくない声が、言ってるうちにだんだんと小さくなっていく。  
「ダメだな、もう一回。それと胸じゃ色気がないよ。もうちょっと言い方変えてさ、みんなに聞こえるように言ってよ」  
「……あの、オ、オッパイ…だと思います…」  
美亜の言葉に男子達から物言いが入る。  
「あれ〜?ミアちゃんはお尻とかマンコは洗わないの?」  
「ねえねえ、ほんとに洗わないの?臭くなっちゃうよ?」  
「あ、あの…自分で洗うときは、そんなには……シャワーとかで、その、流したりする程度で…あんまり触ったりは…」  
「なら、丁度いい機会じゃん。山ヶ淵に洗ってもらえば」  
「内側とかも、洗ってもらうといいよ」  
「そ、そんな!お、男の子に洗ってもらうなんて……その、敏感なところだから…自分でだって、怖いのに…」  
美亜は本心から怖がる様が、無自覚に男子の嗜虐心を煽っていく。  
「神田さん、ちゃんと洗わないとダメですよね?」  
「…そうだな。全部洗わないと認められないだろうな」  
「だってよ。ミアちゃん、山ヶ淵に洗ってもらいたかったんでしょ?なら、いいじゃん」  
「あの…でも…わ、私、怖いです…」  
「じゃあ、中林さん、まずはオッパイを洗おうか。その間に気分を落ち着かせて、怖くなくなったら洗おうね」  
いくら嫌がったとしても、神田にダメだといわれた時点で、美亜には逃げる道などなく、男子達に従うほかに道はなかった。  
 
「それでさ、悪いんだけど、俺ちょっと疲れたんだよね。俺が手をこうやって前に出すから、自分で洗ってくれない?」  
山ヶ淵はイスに座って、手を顔より少し上の位置に上げる。美亜が立ったときに、胸が来るくらいの高さに。  
「え!?…そんな……で、でも、山ヶ淵君が洗ってくれないと…」  
「問題ないんじゃないかな。ほら、山ヶ淵の手だし」  
「まあ、ミアちゃんはお願い聞いてもらってる立場だし、そのくらいの協力は当然だよね」  
男子達はいつのまにか山ヶ淵を援護し、協力して美亜を追い込みにかかる。  
「あの……神田君…それで、いい…でしょうか?」  
「まあ、そのくらいなら宮本も認めるだろうな。俺も口添えしてやる」  
「……わかりました…」  
美亜は、その顔をいっそう暗くする。山ヶ淵は手を動かさない。それは美亜自身が胸を山ヶ淵の手に擦りつけるということだ。  
今までのような受動的ではなく、美亜が自分から辱められなければならない。  
「あ、あの…山ヶ淵君…そ、それじゃ……く…くっつけるね…」  
美亜は両手で胸を持ち上げて、山ヶ淵の手に自分から胸をくっつけようとする。  
しかし、美亜の動きがまた止まる。  
山ヶ淵の手に自分から胸を擦り付けて洗ってもらう。  
宮本達に言われたときから、触られるのは覚悟していた。  
何も考えなければ耐えられる、そう思っていたし、シャワーのときも心を苛む不快感から必死に耐えた。  
…だが、それはあくまで耐える覚悟だった。  
(でも…でも…自分で……自分からだなんて…)  
美亜はまだ、自分からすることには慣れていない。  
そんな美亜が、自ら胸を男子に触れさせることなど考えるわけもなく、言われてすぐにできる覚悟程度では、できるはずがなかった。  
 
「ああ、中林さん、いい眺めだよ。そんなにオッパイ見て欲しいのかな?」  
「え?…や、違!…違います…」  
美亜は丁度、山ヶ淵の目の前に両胸を突き出すような格好で立つ姿、  
それは山ヶ淵が言ったように、自分の胸を見せつけているような姿だった。  
「ミアちゃん大胆だねえ。両手で突き出してまで見せつけてさ」  
「あれじゃ、見てくださいって言ってるようなもんだよな」  
美亜の顔を真っ赤に染め、その顔を両手で覆う。  
男子に改めて指摘されると恥ずかしさが込み上げてくる。  
(…わ、私なんて格好を……胸を突き出して…男の子の前で…そんな格好で…)  
美亜はその肌を隠すことよりも、顔を隠す。肌を見られる羞恥よりも、その行為による精神的羞恥が上回り、  
無意識的に自分の顔を覆い、周りから目をそらす。  
「ミアちゃん、オッパイは隠さなくていいの?」  
「今更顔だけ隠しても、全部見られちゃったんだから意味ないじゃん」  
「ねえ、中林さん。早くしてよ。手上げてんのも、疲れるんだよね。それとも、やめる?」  
「あ…ごめんなさい…や、やるから…手上げてて…」  
 
美亜が胸を持ち上げるとカメラのフラッシュが光り、美亜の恥ずかしい格好がまた一つ記録された。  
 
「…は…あ、ん…やぁ…う、動かさ、ないで……うん……あ!ん…」  
美亜は胸を擦り付けるたびに、悩ましい声を上げる。  
掲げられた山ヶ淵の指に、手のひらに、その胸の先端を擦りつけている。それは美亜の胸を洗うというよりも、  
むしろ、美亜の胸を使って、山ヶ淵の手を洗っているようにしか見えなかった。  
山ヶ淵も巧みに手の位置を上下左右に動かし、乳首が手のひらに微かに触れるようにしたり、指の間に挟んだりと、  
美亜に性的な快感を与えるように動かしている。  
美亜は自分の行為による羞恥も合わさり、どんどんその身を昂らせていった。  
一方、男子達にとっても、それは刺激的な物だった。  
一生懸命に山ヶ淵の手の動きに合わせて、胸の位置を調整している美亜は、後ろから見るとそのお尻を悩ましげに動かし、  
まるで男を誘っているかのように見える。動きやすさを求めて足は徐々に開かれていき、時折、ビクリと体を震わせる。  
また、必死に山ヶ淵の手を追う美亜には、開かれた足の間から、ビデオカメラが狙っていることにすら気がつかなかった。  
美亜も後ろからの視線を忘れていたわけではなかったが、敏感な胸を擦り付けるたびに生じる快感と、  
山ヶ淵の指からもたらされる快感に耐えながらでは、後ろを気にしている余裕などあるはずがなかった。  
 
じっくりと、十分な時間美亜に洗わせてから、山ヶ淵は口を開く。  
「中林さん。熱心に頑張ってるとこ悪いけどさ、足の間を見てみなよ」  
「?…はい……え!?嫌あぁ!!…や、やめて、撮らないで!!……そんな…いつから…」  
「ミアちゃんが大きく足を開いたときからかな?まあ、ほとんど最初からだね」  
「一生懸命にお尻振ってるとこも、バッチリ撮ってあるぜ。もう、すっげえ可愛かった!」  
「てかさ、ほんとは気づいてたんじゃないの?だから足も開いてたんじゃないか?」  
「そんなの…気づくわけ…あ、あの!そこだけでも、消して…くれませんか?……私…そんなの…恥ずかしいです…」  
強制であることに変わりはない。しかし、誰かに何かをされるのと、誰かに何かをさせられるのは、  
美亜の中では全然違う物だった。されるのであれば、簡単に誰かのせいにできる。だが、させられるのは、  
まるで自分が卑しい存在になってしまったような気がして、それが美亜には堪らなく嫌だった。  
「ダメだよ、これは証拠なんだよ?宮本さん達に見てもらわないと」  
「ミアちゃんも困るでしょ。証拠がなくなっちゃったら」  
「…あの………はい…わがまま言って、ごめんなさい…」  
美亜とて、それで消してもらえるとは思ってはいなかった。それでも、彼らの良心を信じてみたかった。  
 
「じゃあ、中林さん。俺、もう十分休んだから、今度は俺が洗ってあげるね。そこのイスに座ってくれる?」  
「え?あの…次は……お尻じゃ、ないんですか?…」  
「ん?…いや、やっぱり、手を動かさないとちゃんと洗えないと思ってね…もう少し、胸を洗おうと思うんだ」  
「そ、そんな!…だって…それじゃあ、いままでのは…」  
「うん、だから手短に済ますよ。さっ、座って」  
美亜には最初から拒否する権利などはなく、山ヶ淵の言葉はすべて強制も同然だ。  
「手が邪魔だから、頭の後ろで組んでくれる?」  
「…はい…」  
手を頭の後ろで組み、少しだけ前のめりになって、ほんの僅かでも胸が目立たないように気を使う。  
しかし、もとより自己満足以外にその行動に意味はなく、男子達の目は無防備な胸へと集中していく。  
「うは…乳が垂れてて、エロイな」  
「なんか…絞りたくなってくる」  
「クラスの乳牛女か。ミアちゃんにはぴったりじゃないか」  
重力に引かれた胸はいやらしく垂れ、男子の目を引き付ける。  
「…いやぁ……山ヶ淵君…早く…早く洗って……もう、解放して…」  
「ん?洗って欲しいんだ…じゃあ中林さん、もっと背筋を伸ばしてよ。その体勢だと、洗いにくそうだからさ」  
「はい…だから…早く」  
美亜は頭の後ろで手を組んだまま背筋を伸ばすと、豊満な胸は重力に逆らい、ツンと誇らしげに前へと突き出される。  
「う〜ん、やっぱでかい」  
「胸の形もいいし、薄いピンク色の乳首も綺麗だし。最高だぜ!」  
「乳首もちゃ〜んと立ってるぜ。恥ずかしがってるくせに、ほんとは見られて嬉しいんじゃないか?」  
背筋を張り、胸を突き出しても、なかなか山ヶ淵は洗おうとはしなかった。  
その間も、男子達は感想を口々に言い、美亜を辱め続ける。  
「あの…山ヶ淵君?…は、早く、洗って…お願い…」  
「ああ、うんわかった」  
 
美亜のすぐ後ろ、背中に山ヶ淵の体温を感じながら美亜はじっとして我慢する。  
山ヶ淵の手が抱きつくように後ろから伸びてきて、お腹を撫で回した。  
「ひゃっ!あ、あの…む、胸じゃ、ないの?…」  
「いや、お腹もまだ洗ってなかったなって思い出してさ。それともそんなにオッパイ洗って欲しい?」  
「…ううん…そんなことないけど…」  
山ヶ淵は大きな円を描くようにお腹を撫で回し、たまに胸の下を押し上げるように動き、  
その度に胸はプルルンと、大きく弾むように震わせる。  
プルルンと弾む胸に集中する視線に、美亜の顔は真っ赤になって困惑の声を上げる。  
「やぁ…み、見ないでぇ…あ!撮っちゃだめぇぇ……や、こんなの…嫌ぁ!!」  
美亜の声を無視して、山ヶ淵はわざと胸が揺れるように手を動かし、弾むように揺れる胸を見て男子達も声を上げる。  
「見ないでぇ……お願いやめて、山ヶ淵君…もう揺らさないで!」  
「プルップルしちゃって可愛いオッパイだな〜」  
「あんなエロイ胸を見るなって方が無理だな」  
「いいぞ山ヶ淵!もっと揺らせ!もっといじめろ!」  
「ミアちゃん、ちゃ〜んと撮っとくから安心してね」  
美亜を捕らえて離さないレンズと、逃れられない閃光、そして嬉しそうに顔を綻ばせ野次を飛ばす男子達。  
美亜が恥ずかしそうにするたびに、心が傷つくたびに、男子達はそれを喜び、歓喜の声を上げる。  
 
「ごめんごめん。今洗うからさ、機嫌直してよ」  
軽い口調で山ヶ淵はそう言ってから、胸へと手を伸ばす。  
胸を覆う不快な体温と、ねちっこく揉みしだくいやらしい手の動き。  
肌を這う不快感、胸を蹂躙される悲しみ、そして、それを克明に記録されていくという絶望。  
美亜の心は少しずつ沈んでいく。麻痺もせずに。死にもせずに。  
「ああ、柔らかくて…プニュプニュしてて……ああ、でも固い…コリコリしてて、すごく良い触り心地だよ…」  
胸全体を揉み解すような動きと、乳首を指先でコロコロと転がし、二本の指で摘んでコリコリと固さを確かめるような動きを、  
美亜の不快感を高め、同時に心とは裏腹に体を昂らせていく。  
苦しげに閉じられた瞼は微かに震え、僅かに開いた口からは熱い吐息が漏れる。  
閉じられていた足は、少しだけ開き。足の間からは、時折光の反射が見えた。  
「中林さん、気持ち良い?どこか洗って欲しいところがあったら、言ってね」  
「……そんな、気持ち……良くなんか……あ、や!……それより…早く、終わら…せ、て…」  
「ああ。じゃあ、もうちょっと急ぐね」  
胸の上を手のひらが何度も往復していく。  
少し浮いた手のひらで乳首を掠めるように動き、その弱い刺激すら敏感な美亜の体には重く、衝撃が駆け抜けていく。  
洗うための行為ではなく、快感を与えるための行為。  
じっくりと焦らし、美亜の体がモジモジとし始めると、指の位置を調節してさらに責めたてていく。  
ツンと立った乳首は、指が通るたびに乱暴に弾かれ、弾かれるたびに元の位置にピンと立ち、そしてまた弾かれる。  
乳首を弾かれるたびに体はビクリと反応し、乳首は硬度を増してピンと立ち、また指に弾かれる。  
幾度も繰り返し、繰り返されるたびに美亜の吐息は熱くなり、足をモジモジと擦り合わせて何かに耐えようとする。  
「中林さんって、乳首大きいんだね。さっきから指に引っかかってる」  
「やぁん…そんな…ン…そんなこと、言わないで…」  
ツンと立ち大きく膨らんだ乳首をコロコロと転がし、指で摘みクリクリと弄び、  
指の動きに合わせて、美亜は艶かしい声を上げ切なげに体をくねらせる。  
その光景を映像係の男子が接写し、写真と映像に記録していく。  
「このビデオさ、後で見られるんだよな」  
「写真は売り出すのかもね」  
「俺、そうなったら大切に使わせてもらうね」  
「ミアちゃんは幸せものだな。こんなに大勢の男に好かれててさ」  
胸を弄ばれ快感に打ち震える様が、写真に、ビデオに、男子達の脳に刻まれていった。  
 
ようやく山ヶ淵の手から解放された美亜は、もう散々弄繰り回され、その様子を記録された胸を庇うように抱きしめる。  
ほっとしたようで、しかし、不安に怯えたような表情は男子の劣情を誘い、  
弱弱しく人の顔色を窺う様は、保護欲をかき立てられると同時にいじめたくなる部類の、ある意味で天性のものだった。  
「中林さん、そろそろ終わりだよ。頑張ったね」  
「はい。ありがとうございます……あの、次はどうすれば?」  
終わりと聞いて美亜は笑顔を浮かべる。可愛らしくて、まだあどけなさの残る笑顔。  
しかし、従順に山ヶ淵の指示を待つその様は、いじめてもらいたがっているようにすら見える。  
 
「それじゃあ、そこに四つんばいになって」  
「!…あ、あの…それじゃ…その……全部…見えちゃいます…」  
「?見えなきゃ洗えないに決まってるでしょ」  
「……はい…」  
美亜はぺたんと床に座り込み、両手を床につくと恥ずかしそうに後ろを振り返る。  
すでに後ろには大半の男子達が今か今かと待ち構えて、ギラギラとした視線を美亜に向ける。  
「ほら、お尻を上げて」  
無言のまま、美亜はお尻をゆっくりと持ち上げていく。今だ思い切ることのできない美亜は、もぞもぞとした緩慢な動作で  
お尻を持ち上げていく。足が動くたびに僅かにフルフルと揺れるお尻。そして、しっかりと閉じ合わされた足、しかし、  
その付け根の三角形に開いた無防備な空間。美亜の体は本人の意思に反して男子達を誘惑し、より美亜自身を追い込んでいく。  
「うおっ、丸見えだ!」  
「ミアちゃんのマンコもお尻も、全部見えてるよ〜」  
「おい、早く写真取れ!ビデオももっと近づけろよ!」  
「見、見ないで…下さい…お願い、ですから…」  
「中林さん、もう少しだけ我慢してね。あと少しで終わるから。…でさ、見やすいようにお尻を手で開いてくれるかな?」  
「え!?…や、そんなの嫌です…したくないです……」  
「ほら、ちゃんと洗ってあげるからさ。ほんとにあとちょっとで終わるからさ。ね?」  
「……はい……あの、できれば、見ないで…」  
美亜が前のめりになると大きな胸がタイルに押しつぶされ、肩と胸に体重を預けてお尻を高く掲げ、そのまま手を後ろへとやり  
躊躇いがちにお尻にあてた手を少しだけ左右にずらす。  
ほんの僅か、しかし、それだけで十分だった。もともと高く掲げられたお尻は何も隠すことができず、美亜にできることなど  
お尻に力をこめることぐらいしかなく、その程度では自分の手で開かされたソコを守ることなどできるわけがなかった。  
「おおっ、ミアちゃん大胆だねぇ〜。お尻の穴もよ〜く見えるよ」  
「これで見るなって言われてもなぁ〜。自分から見せておいてさ」  
「おい、お尻の穴ヒクヒクしてっぞ!」  
「ミアちゃん恥ずかしいね〜。お尻の穴もオマンコも、みんなに見られちゃったね〜」  
「そんなに足をモジモジさせても無駄なのに」  
「そうだな。つ〜か、余計卑猥だよな」  
「嫌ぁ!…お願いです…見ないで……言わないで……ひゃっ!」  
不意に足の付け根、アソコのすぐ側が撫でられる。  
「そのままお尻を高く上げてるんだよ。いろいろ触るけど手を動かさないでね?」  
「はい……あ!…くぅ……はぁん!」  
山ヶ淵はあくまで洗うように、優しくソフトに撫で上げていく。僅かに開かれた襞を、プクりと膨らんだクリトリスを、  
お湯ではない液体をジワリと溢れさせる秘唇を…  
山ヶ淵の指が撫で上げるたびに、美亜の口からは吐息が漏れ、悩ましげにお尻を振るう。  
敏感な体を長い時間をかけてじっくりといたぶられてきた美亜には、その焦らすような刺激すら強く、しかし、  
疼き続ける体には物足りず、昂った体は指の動きを追う様に不様にお尻を振り続ける。  
「なあ、あれさ、指に擦りつけてねえ?」  
「ああ、俺も思った。さっきから動き変だよな」  
「見ないでとか言っておいて、あんだけ激しくケツ振って。やっぱタダの淫乱なんじゃねえの?」  
「やぁ、ん…そんな…私は…ン……そんなこと…ない、です…」  
心は羞恥に染まり言葉で否定し、美亜はありったけの精神力を動員してお尻の動きを止めようとする。  
しかし、そんな美亜の努力を嘲笑うように、指の動きが快感を与えるように変化し、襞をくすぐるように動き、  
クリトリスを二本の指先でクルクルと撫で、指を軽くアソコへと埋め込むだけで、  
美亜の吐息は荒くなり、お尻は艶かしく動き出す。  
「中林さん、あんまり動かないでよ。洗いにくくてしょうがないよ」  
「あ…ごめん、なさい…でも……」  
「なに?俺はただ洗ってるだけだけど?とにかくじっとしててよ。洗いにくいからさ」  
「はい…」  
山ヶ淵の目がギラリと輝くと、その指はまっすぐに一点を目指して突き進む。  
「ひゃっ!あ、あの…そこは…き、汚いから、いいよ…」  
「遠慮しないでよ。それに汚いなら尚更綺麗にしないと」  
お尻の真ん中、快感が走るたびにヒクヒクと蠢く、山ヶ淵が唯一まだ触れていない部分。  
「お!ちゃんと洗うんだ。スルーかと思ったぜ」  
「尻の穴を躊躇いなく触るとか、これも愛かね?」  
「つ〜か、山ヶ淵の奴、顔がにやけてるぜ。こっちも変態なだけだろ」  
美亜の息遣いはいっそう荒くなり、お尻を掴む手にも力が入り、お尻は逃げるように動き出す。  
 
「あ、逃げるんだ。まあいいけどね。でも、お尻の穴って、結構固いんだね。中林さん、もっと力を抜いてくれない?」  
「いや……そこは、いやぁ……触らないで…もう十分だからぁ…」  
美亜はお尻を振って逃れようとしても、その程度で逃げられる訳がなく、山ヶ淵もそれを楽しむようにお尻の穴を突っついて弄ぶ。  
キュッと窄まった穴は指の侵入を拒むが、その抵抗を楽しむように指先でこね回すように解され、だんだんと抵抗は弱まっていく。  
「ハァ…やぁ……お、願い…もう、やだぁ…」  
「中林さん、感じてるでしょ?声、すごく可愛いよ」  
「ぁ…ち、がう……そんな、こと、ない……ない、よぉ…」  
「尻で感じてるのか。やっぱミアちゃんはそういう素質あんのかね?」  
「あれだけ甘い声で鳴いてりゃ、そういうことだろ」  
「それに、さっきからマンコがヒクヒク動いて、何か入れて欲しそうにしてるぜ」  
くにゅくにゅと山ヶ淵の指が美亜の肛門を弄んでいると、美亜が「ひゃあっ!」と大きな声を上げる。  
「あ…ごめんね、入っちゃったよ。まあいいか、中も洗えて丁度いいよね?」  
ボディソープと美亜の愛液に濡れた指を、美亜の肛門は意外とすんなりと受け入れてしまった。  
「やぁ、やだ…やだぁ!指、指が…ぅあ…抜い、てよぉ…」  
「随分いい反応するね。でも、痛くはないんでしょ?なら、大丈夫。それよりも、あんまり締め付けないでよ」  
山ヶ淵は美亜の声を無視して、入れたまま前後に指を動かし、中で指を曲げたりと好き放題に弄繰り回す。  
内側を撫で、引っ掻き、指をくるくると回し、抜ける寸前まで指を引き一気に奥まで突き入れる。  
美亜がお尻に力を込めれば込めるほどに、山ヶ淵はその感触を楽しむように、指をより激しく暴れさせる。  
美亜はお尻に指を食い込ませて耐え、時折その体をビクッと大きく震わせる。  
「やぁ、ん…お尻……お尻が、熱いぃ……う、動かさない、でぇ…」  
「だから、綺麗にしてるだけだって。中林さんが勝手に気持ちよくなってるだけでしょ」  
「…そんなの……はぁん……そんなこと…ない…ない、よぉ…」  
「あ、そう?じゃあ、ちょっと確かめてみようね」  
山ヶ淵はその体を退かして、男子達のよく見えるようにしてから、もう片方の手で美亜のアソコを開くと  
すでに濡れてキラキラと光を反射している美亜の秘部から、じんわりと液体がにじみ出て、トロ〜ッとした液体が  
流れ出て、山ヶ淵の手を濡らしていく。  
「おっ!なんだよ、垂れるてくるほど濡れ濡れじゃん」  
「女の子ってほんとに濡れるんだな」  
「あれは濡れるなんてレベルじゃないだろ」  
「アレで感じてないって、誰が信じるよ?」  
美亜はうわ言のように「いやぁ…いやぁ」と繰り返し、お尻を押さえていた手は役目を放棄し、ギリギリと床に爪を立てる。  
「ダメだよ、中林さん。ちゃんと手で押さえてくれないと……まあ、いいか。喜んでくれてるみたいだし」  
「……はぅ、ン…や、嫌あ!…お尻…掻き回さないでぇっ!…」  
「ほら、みんな見てるよ。中林さんがお尻に指入れられて、悶え喜んでるところをさ!」  
次の瞬間、お尻に入っていた指が引き抜かれる感覚と、間髪いれずにまた突き入れられる感触が美亜の脳裏を駆け抜ける。  
山ヶ淵の指によって十分に解されたお尻の穴は、美亜に痛みすら感じさせずに二本の指をあっさりと受け入れた。  
「…あっ!うぅん!…そんな……や…お、お尻が、苦しい……嫌!見ないで……みんな、見ないでぇ!」  
山ヶ淵の指の動きに合わせてクチュクチュという音と、美亜の息遣いの音があたりに響く。  
体の中を激しく暴れまわる感触に、美亜は苦しそうに絶え間なく、しかし、甘く艶っぽい息遣いを続ける。  
 
「ほら、みんな中林さんの大事なところを見てるよ。カメラだってそうだ!中林さんがお尻に指を突っ込まれて感じてるところを、  
 中林さんのアソコから愛液が流れてくところを、全部、ぜ〜んぶ記録してるんだよ!!」  
山ヶ淵の指が入り口近くまで引き抜かれ突き入れられ、引き抜いては突き入れ、また引き抜いては突き入れられ湿った音を響かせる。  
その度に美亜のお尻は衝撃に震え、緩慢な動作でお尻を振って抵抗しようとするがお尻を動かすたびに美亜は甘い吐息を吐き、  
山ヶ淵はその抵抗すら楽しむように指の出し入れを続けながら、もう片方の手で愛おしげにお尻を撫で回す。  
「中林さん、お尻なんか振っちゃって、もっと弄って欲しいのかな?そんなことしなくても、いくらでもしてあげるよ」  
「ふぁ……もう、もうやぁ…苦しいの……ダメ、なの…」  
「ああ、そうだ!お尻以外も洗ってあげるね」  
弱弱しい懇願に山ヶ淵の目がいっそう輝き、お尻に入れられた手の動きが一段と激しくなり、もう片方の手が  
美亜の秘部を、その敏感な突起を軽く僅かに触れるように撫でる。  
あくまで軽く、しかしはっきりと擦れる感覚に、美亜は息を呑み、体をフルフルと何かを堪えるように震えだす。  
抵抗する力も残されていない美亜のクリトリスを、山ヶ淵はじっくりと撫で回してからキュッと摘んでコロコロと転がす。  
「ひゃあっ!……や、あ!ン……もう……やだ、やだやだぁぁ……やぁぁぁぁぁぁんンン!!……」  
美亜が一際大きな声を上げ、一度大きく背をそらした後、グッタリと前のめりに倒れると同時に、アソコからピュッピュッと  
愛液が飛び出し、男子達は食い入るように目を見開き、カメラはその恥ずかしい光景を克明に記録していく。  
山ヶ淵は最後のサービスとばかりに、お尻を抱え上げ、もうグッタリとした美亜のアソコとお尻を男子達の前に曝け出す。  
「……もう……やぁ……み…ない…でぇ…」  
キラキラと濡れ光るアソコは愛液を溢れさせ、お尻の穴はキュッと窄まってはゆっくりと開き、また窄まってはと繰り返す。  
「……まあ、こんなものだろう。山ヶ淵、中林の体を拭いてやれ。他の奴らは、さっさと風呂に入れ」  
終わりを告げる神田の言葉に、男子達は残念そうにしながらもそれぞれ体を洗い始める。  
美亜は汗に濡れた髪を額にはりつけ肩で息をしながら、それでもやっと終わった恥辱に安堵し微かに笑顔になった。  
 
 
「……あの……これから…どうすれば?」  
美亜は乱れた呼吸を整えながら、男子の視線から逃れるように入り口近くで体を丸めている。  
「男湯に入りたいのか?もう終わったんだから、服を着てもいいぞ」  
「あ、はい!すぐに着替えます!……あの、守ってくれてありがとうございます」  
神田は美亜の言葉に苦笑し、美亜は不思議そうに首をかしげる。  
「宮本に言われたことをしただけだ。……いいから早く服を着ろ。いつまでその格好でいる気だ?」  
美亜は胸と腰の前を手で隠しながら頭を下げて、脱衣所へと向かった。  
 
 
 
終わり  
 

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