・超短編「こたつ」  
 
「ただいまー。」  
 
「ぅっや…だめ…」  
「ほらほらぁ…脚が震えてるよ?」  
 
「…ただいまー?」  
「あ、おかえりーぃ。お姉ちゃんっ」  
「…っ、…おかえり。ねえさん…んっ」  
 
「うん。…で、二人とも、なにしてたの?」  
「え!?…べつに、なんにもしてないよ。…だよね××?」  
「うん。…っ、…なにも、してない…っ」  
 
「…?」  
「…(にこにこ)」  
「…。…ひっ…」  
 
「…寒いし、お茶でもいれてくるね」  
「…うん!」  
「…っ、…。」  
 
ドア越しに、耳を澄ませる。  
「…ばか…!○○のばかっ、姉さんがいるのに…!」  
「いいじゃん別に〜。…暖かくなるでしょ?」  
「た、たしかにそうだけど…んッ!」  
「ほらほらぁ…すごくイイ顔してる♪」  
「…ぁ、ぅぁ…っ、あぁッ…!」  
「そら、そらそら!」  
「あッ!やめ、そん…強すぎ…!だめ…、…いッ!!あッ!?」  
「お?」  
「…ッ!…ッ!! ―…っ…。」  
「…はは!どうやら、まーたイっちゃたみたいだね〜♪」  
「…はぁ…はっ…」  
「ふふふ! すごいねー!ビクビク痙攣してる…!」  
「…はぁ…、ぁ…、も、もうやめ…」  
「ん〜? …まだ足りない、って顔には書いてあるけどな〜♪」  
「…ち、ちが…」  
「さ〜てさて、それじゃー四回戦目、行ってみようかな…それ!」  
「…あぁ!?ああ! ダメ、ほんと、だめ、もう…!ひゃぁ!」  
「それ!それそれ!」  
「うぅ!?ふぅ!…くぁ!ああ、んッ!あん…!」  
「うふふふ…!かわいい…本当にかわいいねぇ…!」  
「はぁ…はぁ…ダメ、ほんと、だめ…ぇあ!」  
「んん〜?」  
「うぅ…そ、そろそろ姉さんが、戻ってくる…だから、やめ…っ」  
「大丈夫だよ〜? コタツの中でしてんだから! 外からは見えないし、絶対バレないって!…たぶん。」  
「で、でも…声、が…もれ、ひぁッ!」  
「…それは私にはどうしようもないな〜。どうしてもお姉ちゃんにバレたくないなら、自分でしっかり、口を閉じてるしかないね〜♪」  
「そ、そんな…ぅぁ!?」  
「ほら!ほらほらぁ!」  
「あぁ!ぅぁッ!」  
 
…。  
…私は、妹たちの声に背を向けて、  
…ゆっくりと、お茶の準備を始める。  
 
…もう少しだけ、  
…二人きりにさせてあげよう…  
 

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