いやらしいことをしようとしているわけではなかった。  
 自分としては、ただふつうに自然の流れで発した言葉だったのだが、妹にとってはそう  
ではなかった。俺にとっては自然な流れでも、妹には自然に受け入れられる内容ではなかっ  
たようだ。  
 妹――浅羽みのりは顔を真っ赤にしてうつむいてしまっていた。  
 それが羞恥から来るものなのか、それとも我慢しているからなのかはわからない。いや、  
おそらくは前者なのだろう。俺がもしみのりの立場だったら、きっと同じように恥ずかし  
がっていただろうから。  
 しかし、そうも言っていられない。  
「なあ、みのり。兄ちゃん見ないようにするからさ、それならいいだろ」  
 俺がそう聞くと、みのりは顔を上げて睨みつけてきた。  
 顔を紅潮させ、しかも目の端に涙まで浮かべて、必死に睨みつけられると、どうにも自  
分が少女相手にイタズラしているオッサンのように思えてしまう。  
 まあ、俺がみのりに対して要求している事柄は、確かにそうした変態オヤジたちと変わ  
らないことだった。  
「よし、じゃあ、ズボンとか脱がすからな」  
 そういってみのりのズボンに手をかけると、みのりは恐れるように後ずさりした。  
「や……、ちょっと待って」  
 もう五分近くもこの狭いトイレの中で待っていたのだが、かわいい妹がそういうのであ  
れば兄としては待たざるを得ない。  
 だが、  
「待つのはいいけどさ。でも、お前だってもう我慢できないだろ」  
 それは事実なのだろう、みのりは薄い口唇をへの字に曲げた。  
「う、まあ……そうだけど」  
「ならさ、とっととやっちゃおうぜ」  
「でもっ」  
 理解できていても、感情的にできない事柄があるというのは分かる。特に今年中学に入  
学したばかりの思春期まっさかりの妹にとっては、理性よりも感情のほうが強く働くのだ  
ろう。自分自身避けられない事柄であったとしても、それに付随する恥ずかしさを考える  
となかなか実行に移せない。  
 しかし、既にこれ以上先延ばしにはできない。  
 先程から妹は両脚をぴったりとあわせた内股で、腰をうねうねと動かしながら、今にも  
暴発しそうなそれを堪えていた。本当なら下腹部を手で押さえたいところだろうが、今の  
みのりにはそれはできないことだった。  
 なぜなら、みのりは両腕を怪我してしまっているから。  
 両腕には包帯がぐるぐると巻かれ、更に利き手である右手は手の甲まで包帯で覆われて  
いた。  
「そんな手じゃズボン脱げないだろ、だからさ」  
「……それは、そうなんだけど」  
 部活の最中怪我をしてしまったみのりは、入院してもよかったのだが、病院にいたら退  
屈だからという理由で自宅療養を選択したのだが。生憎とうちの両親は共に海外へ出張中  
であり、怪我をしたみのりの面倒をみれるのは俺しかいなかった。  
 俺としては面倒でありながらも、一回り歳の離れた妹だけに、幼かったころの妹の面倒  
を見ていた頃を思い出して懐かしい気分にもなれるから構わなかったのだが。  
 あの頃とは些か事情が違った。  
 幼いころのみのりは――といっても、今でも俺からすればみのりは幼いのだが――お兄  
ちゃん子でなにをするにも俺と一緒じゃなければ嫌だった。ベッドも一緒だったし、お風  
呂に入るのも一緒、更にはトイレの個室に入るのを怖がるみのりの為にトイレの前で待っ  
てやったりもしていた。  
 だから、俺からしたら、みのりの裸をみることなんてどうということもない――いや、  
意外とそうでもなかった。  
 女の子は得てして成長が早いものらしく、胸は出始めていたし、腰にもくびれがあった。  
肉付き自体は少ないものの、みのりの身体は既にやわらかな女の子のそれになっていた。  
 ……けれど、妹は妹だ。  
 今も涙目で睨みつけてくる視線とか、パジャマから覗く胸元とかに、変な気分になりそ  
うだったが――それはそれだ。  
 これで俺が遠慮や躊躇をしていて、妹がお漏らししてしまったら、兄に下腹部を見られ  
るということ以上の羞恥にみのりは襲われてしまうだろう。  
 それだけは避けなければならない。  
 
 みのりはもう我慢できないという風に、身体をくの字に曲げ、足踏みすら始めてしまっ  
ていた。  
 もう既にみのりの膀胱は我慢の限界が近い。  
 俺は心を鬼にすることにした。  
「みのり、すまん」  
 そういって、目を瞑ると、直ぐにみのりのズボンをパンツごと下ろした。  
「ひゃっ」  
 みのりの驚く声が聞こえた。それで暴発してしまわないか不安だったが、それは流石に  
なかった。  
 俺は目を瞑ったまま、みのりに背を向けた。  
「ほら、見てない。全然見てないから安心しろ」  
「……ほんと?」  
「ああ、ほんとだよ」  
 俺は即座に応えた。  
 その言葉を信じたかは分からなかったが、みのりは小さな声で呟いた。  
「……そう……それならいいけど」  
 その言葉を聞いて俺は立ち去ろうとした、その瞬間――  
「あ、アニキ――ふぁっ」  
「へ?」  
 呼ばれて俺は思わず振り返ってしまった。  
 状況を考えれば振り返ることなど言語道断なのだが、反射的にみのりのほうを向き直っ  
てしまっていた。  
 その瞬間、『じょぼぼぼぼ』と激しい水音が鳴り始めた。  
 便座に座る妹をみると、見下ろしてしまうため、どうしてもそれが目に入ってしまう。  
わずかに開かれた脚の隙間から覗く便器、そこへと放出される一条の黄金色の液体。  
「なっ――」  
 ふと、妹の顔を見ると、みのりは口をぽかんと開き、振り返った俺の顔をみていた。そ  
の顔に段々と怒りがにじみ始め、俺が「あ、やばい」と気づいた瞬間には、妹の言葉になっ  
ていない怒声がトイレに響いていた。  
「なななななな、なんで振り返るのよ! ていうか、なんで見てんの、やめてよ。みない  
で、変態!」  
 そう言いながらも、みのりの尿は途切れなく便器を叩いていた。  
 俺は、  
「ごめん」  
 と勢いよく謝ると、トイレから出て扉を閉めた。  
 トイレの中からは「変態」とか「ほんと最低」とか罵声が続いていたが、俺は応えずト  
イレの扉に背中を預けると、へなへなと座り込んだ。  
 見るつもりはなかった。  
 といってみのりは信用してくれるだろうか?  
「……無理くせえ」  
 激昂しているみのりをなだめることは俺には不可能だ。  
 一回り歳の離れた妹は、うちではまるでお姫様のような扱いで育ってきたし、みのりに  
とって俺とか親は自分のわがままを叶えてくれる存在でしかない。  
 アニキ、アニキと甘えてくるのも何か欲しい物があるときだけ、お願いがあるときだけ  
で、それ以外はまるで寄ってこない。  
 だが、それでも俺にとって妹は可愛い存在だ。  
 こんなことで嫌われてしまったらと考えると、すごい憂鬱な気分になってしまう――が、  
「ほんと最低だよ、俺」  
 妹の放尿シーンをみて、俺の陰茎は昂っていた。  
 履いているジャージの上から掴んでみると、今にも射精しそうなほどいきり勃っている。  
 俺はジャージの中に手を突っ込むと直に握った。  
 最低だ。  
 そうと理解しながらも、トイレの扉越しに聞こえてくる妹の涙混ざりの罵声と放尿の音  
を聞きながら、俺はオナニーを始めていた。  
 妹は、妹だ。  
 そうと理解している、分かっている。  
 俺にとってみのりは幼いころから見てきた娘のような存在ですらある。  
 けれど、  
「……みのり」  
 
 すくすくと成長し始め、次第に女へと変わっていく過渡期の少女の姿は、たまらなく魅  
力的だった。  
 今はまだ男を知らないのだろうが、いつかあの子が誰かの手によって犯される日が来る  
のかと思うと、気が狂いそうになるほど怖かった。  
 みのりは身内びいきを差し引いてもかなりかわいい。  
 本当に俺の妹なのかと疑いたくなるレベルですらある。  
 ……本当に、俺の妹でなければ――、  
「アニキ、そこにいる……?」  
 妹の声に俺は我に返った。  
「ああ、いるよ」  
 そういいながらも俺は手コキを続けていた、もう少しでイけそうだった。  
 だが、それは叶わなかった。  
「その、終わったからさ……入ってきて」  
 みのりの恥ずかしそうな願いに、俺は「ああ」と応え、肉棒をしごくのをやめてズボン  
を上まであげた。  
「分かった。じゃあ、はいるぞ」  
 俺はそういって立ち上がると、トイレの中に入った。  
 みのりは便座に腰掛けた状態で、見上げるように俺のほうを見た。  
「……あ」  
 その視線がある部分で止まり、みのりはぽっかりと口を開いた。  
 俺は不思議に思い、みのりがどこを見ているのか視線を追って、まずいことに気がつい  
た。  
 下腹部にテントができあがっていた。  
 中途半端な状態で自慰をやめられたサオは、ジャージの中から飛び出したいという風に  
アピールしていた。  
 俺は、  
「さっきは、ごめんな」  
 何事もないという風に妹の頭を撫でた。  
 先程まで陰茎を掴んでいた手で、妹の頭を撫でているのかと思うと、わずかに興奮して  
しまった。その興奮のせいで、陰茎はぴくんと反応し、テントが揺れた。  
「わっ」  
 それをみて妹が驚いて声をあげた。  
 俺はみのりがそのことについて話題に出す前に、とっととこの場から逃げて自室に戻り  
自慰して猛る自らを静めることにした。  
「さ、ほら、みのり立てズボン履かせてやるからさ」  
「……え」  
 みのりは俺の言葉にようやく、ソレに注目するのをやめ――だが、視線はそこから離れ  
ていない。  
「あ、その前にお願いしたいことがある……んだけど……」  
「おねがい?」  
 みのりは俺の下腹部を注視したまま、迷っているような口ぶりでいった。  
「あ、あのさ、ふいて欲しいんだけど」  
 その言葉に今度は俺が驚いた。  
 おしっこをしたのだから当然付随してくる問題だったというのに、全く考えていなかっ  
たが。女の子がおしっこをした後、拭く必要があるのは当然だ。  
「でも……」  
 みのりは「うーん」と唸りながら俺の下腹部を見つめていた。  
 そんなに興味があるのなら、ここで出してみせたいとも思ったが、そんなことをしたら  
まずいのは理解していた。  
「あのさ、アニキ」  
「うん、なんだ?」  
 みのりは下腹部から顔へと視線を移し、俺の目を真っ直ぐに見据え、訊いてきた。  
「なんかやらしいこと考えてない?」  
 俺は、  
「――え」  
 どう答えるべきか即座に思いつけなかった。  
 なぜならやらしいことを考えていたのは確かだから、そしてやらしいことを今現在考え  
続けているのも確かだ。  
 みのりの股間を拭くということは、割れ目とかにも触れたりできるかもしれないという  
ことだから。  
 
 そして間違った振りをして、妹の割れ目に指を挿入したら、みのりはどういう反応をす  
るんだろう。そう考えると、勃起は収まるどころか、どんどんと激しいものになっていた。  
 みのりは俺が答えあぐねたことで、それが答えだと理解したのだろう。  
「……そっか」  
 困ったように唇を尖らせると「うーん」と唸った。  
「そういうのってさ、一回だしたらおさまるのかな?」  
「うん?」  
「だからさ、ソレ」  
 そういってアゴで俺の股間を示すと、みのりは眉を八の字に曲げ、呆れたようにため息  
をついた。  
「なんかそんな状態で世話されてたら、いつ襲われるか分かったもんじゃないから怖いし  
さ。だから、一回出しちゃえば、普段どおりのアニキで接してくれるのかなって」  
 いわれて俺は妹のいいたいことに気がついた。  
「ああ、これなら気にするなよ、生理現象みたいなもんだから」  
「気になるの!」  
 妹は怒鳴った。  
「だって、そうなってるってことは、アニキやらしいこと考えてるんでしょ?」  
「いやこれは、うーん、こうなってるからってやらしいこと考えてるってわけでもないん  
だが……」  
 みのりは怒ったような視線を向けながらいった。  
「だって、学校で習ったよ。男の子はやらしいことを考えてるときそうなるって」  
「うーん」  
 小学校の修学旅行の前にそういうことを習ったとコンドームを見せびらかしながら妹が  
教えてくれたことがあったが、しかし、どうにも色々大雑把にしか聞いていなかったよう  
だ。  
 学校で教えるなら、勃起するのは別にいやらしいことを考えているときだけ、ではない  
とも教えているはずなのだが。  
 まあ、みのりは学校の勉強が苦手だし、人の話を聴くのも不得手だから、分かる部分だ  
けをかいつまむとそうした理解の仕方になるのはある意味で仕方のないことなのかもしれ  
ない。  
 みのりは幾分表情を和らげ、訊いてきた。  
「怒らないから正直に話してよ、アニキいまやらしいこと考えてた?」  
 俺は妹の問いに、  
「ああ、実を言うと……すこし、興奮してる」  
 正直に答えることにした。  
「お前だって知ってるだろ、俺、彼女とかいたことないし。だから、妹とはいえ女の子の  
裸みれて少し嬉しくて、その……やらしいこと、考えてた」  
 そうして話すと、少し気分が落ち着いた。  
 みのりは大きくため息をつくと、  
「……ほんと、うちのアニキはきもいなぁ……」  
 額に手をあて首をふった。  
「でも、まあ、しょうがないか。今、頼れるのはアニキだけだし」  
 みのりはそういうと、改めて俺の目を真っ直ぐに見つめた。  
「……していいよ」  
「えっ」  
 驚いて声をあげると、妹は慌てたようにつけたした。  
「あ、その、一人でやってさ、だしちゃっていいよってことだから。わたしに触ったら怒  
るからね」  
 俺は妹の提案に素直に従うことにした。  
 情けない話だったが。今にも暴発しそうな状態で、みのりの股間についた尿を拭いたり  
したら、本当に暴発してしまいかねない。それは嫌だった。  
「分かった、じゃあちょっと部屋に戻って」  
 自室に戻ってしてこようと思った俺を、妹が引きとめた。  
「ちょっと待って、するならここでしてよ」  
「……は?」  
 さすがに、こればかりはみのりの言っていることが理解できなかった。  
「ここでって……お前の前でしろってこと?」  
 みのりは大きく頷いた。  
「そうよ」  
 当然だという風にいうみのり。  
 
 しかし、それは到底ありえない提案だった。  
「お、俺に妹の前でオナニーしろってのか……」  
 思わずそう呟いてしまうと、みのりは頷いた。  
「だって、アニキの部屋でするならまだいいけど、わたしの部屋でされたらきもくてやだ  
もん。それにさ――」  
 みのりは口元に笑みを浮かべた。  
 それはまるで天使の皮を被った悪魔のような、愛らしくそれでいて意地悪な微笑だった。  
「見てみたいんだもん、男の人のオナニーするところ」  
 俺はみのりのその提案を――  
「……分かった」  
 受けてしまった。  
 みのりの兄としては、いや、一人の男としてはそんな提案受けてはいけないんだと分かっ  
てはいたが。  
 しかし、その提案はひどく魅力的だった。  
 妹の前で自慰させられる。  
 それも妹からの提案で。  
 こんな状況二度とあるか分からなかったし、それに俺の股間で疼く欲望が素直に従えと  
昂っている。  
「ふふ、やった」  
 みのりは嬉しそうに笑うと、早速はじめろとせがんできた。  
 俺は素直に従い、下着ごとジャージを下ろして、みのりの顔の前で陰茎をだした。  
「わわっ」  
 みのりの顔に触れそうなほど近くに現われたそれをみて、みのりはびっくりしたのか顔  
を引いた。  
「見たいっていったのはお前だろ」  
「う、うん……でもこんなに大きいとは思わなくて」  
 びっくりして大きく開いた目で眼前の陰茎をみつめるみのりの言葉に、俺は嬉しくなっ  
てしまったが。  
 少女の体の小ささを考えれば、俺の陰茎はみのりの手首より一回り小さいくらいなのだ  
から、怖いと思っても無理はなかった。  
 俺はそんな妹が愛おしく、また、そんな妹に欲情してしまっている。  
「じゃあ、始めるぞ」  
「え、あ、うん」  
 みのりが応えると同時に、俺は自らの陰茎をしごき始めた。  
 立ってオナニーするのは初めてだったが、今はこの体勢以外ではしたくなかった。なぜ  
なら、しごいている直ぐそばに無垢な妹の顔があるからだ。  
「……すごい」  
 みのりが呆然とした様子でそう呟いた。  
 ぽっかりと開いた口、やわらかそうな下唇をみて、俺は咥えてほしいと思ったが。流石  
にそれは無理だろうと思った。  
 けれど、あることを思いついた。  
「そういえば、みのり、知ってるか?」  
「え、なに?」  
 みのりは俺の手コキを見つめながら応えた。  
「女の子はな精液を飲むと胸が大きくなるらしいぞ」  
 俺の言葉に、みのりは  
「……は?」  
 と怪訝そうな声をだした。  
「なにそれなにいってんの」  
 いっている自分でもうさんくさいと思っているのだから、いわれているみのりにしたら  
うさんくさくてしょうがないだろう。  
 しかし、俺は当然のように続けた。  
「いやいや、これは本当らしいぞ。精液飲むと胸は大きく育つ、これ実証データもあるん  
だけど。まあ信じないなら仕方ないが。けど、グラビアアイドルとかでいきなり胸が大き  
くなる子がいるのは、精液を飲んでいるからだそうだ」  
 こんな誰も本気にしないような嘘も、ここ最近自らの胸の大きさを気にし始めているみ  
のりには、とても魅力的な話に聞こえたのだろう。  
「……ほんと?」  
「ああ、ほんとだよ」  
 俺は即答した。  
 
 みのりはわずかに考え込むような様子をみせたが、なにかを決心したかのように頷いた。  
「じゃ、じゃあ、飲む。飲んでみる」  
「ああ、わかった」  
 俺は内心の喜びを抑えつつ、それが当然であるかのように言葉を続けた。  
「じゃあ口あけて舌だせ、そこに射精してやるから」  
「う、うん」  
 みのりは恐る恐るといった風に口を開き、わずかばかりに舌をだした。  
「それじゃあ、ダメだよ。もうちょっと、ほら」  
 俺はそういってしごくのをやめると、ちんぽを掴んでいた手で妹のべろを掴んで引き出  
すと、反対の手でアゴを押さえて口を大きく開かせた。  
「これくらい開いておいてくれ」  
「ふぁ、ふぁい……」  
 妹はどこまでも純粋に俺の言葉を信じて従ってくれた。  
 俺はそれに満足し、妹の唾液がついた手でしごくのを再開した。  
 妹の頭を押さえながら、その眼前で自慰している。  
 このまま妹の口の中にちんぽを突っ込んでやりたかった。  
 両腕が使えず抵抗できない妹を犯してやりたかった。  
 けれど、まるで自分の娘のように面倒を見てきたかわいい妹に、そんなかわいそうなこ  
とはできなかった。  
 いや。  
 こんなことをしている段階でもうアウトだろうが、それでも、まだこれは兄妹の合意の  
上での行為だ。みのりが望んだことなのだ。  
 そう、だから、俺は妹が望んだとおりに、その小さな口めがけて射精した。  
「――んっ!?」  
 みのりは口の中に飛び込んできた白いどろどろとした液体に、驚いたが、しかし胸を大  
きくしたいという願望からか抵抗せず、されるがままに精液を口の中に受け入れ続ける。  
「んっ、んぐ、……ぅんっ……」  
 精液は口の中だけといわず、妹の唇や頬をも汚してしまう。  
「おっとと」  
 俺は腰をぐいっと前に突き出し、亀頭が妹の唇に触れそうなほど近くまで寄せた。  
 陰茎に妹の荒い息遣いが触れる。  
 俺は射精しながらもしごき続け、妹の咥内を俺の精液で侵していく。  
「……ふう」  
 ひとしきり射精し終えると、妹の口を閉じさせた。  
「んっ……んぐっ」  
 みのりはそれを嚥下すると、口をへの字に曲げて。  
「……まずい」  
 今にも吐き出しそうな声でそう言った。  
「でも、これでおっぱい大きくなるんだよね……あっ」  
 みのりは舌を出すと、俺の亀頭から垂れ下がる精液をすくいあげ、更に亀頭についた精  
液を舐め取った。  
 その光景を驚いたようにみている俺に気づくと、みのりは恥ずかしそうにいった。  
「……もったいない、から。……そう、もったいないから!」  
 妹のその言葉に俺は思わず、  
「そんなに胸大きくしたいのか」  
 呆れてしまった。  
「お兄ちゃんとしては、みのりは胸大きいほうだと思うんだけどなあ」  
 みのりの胸は気にするほど小さいわけではない、いやむしろ同世代の少女に比べれば育  
ちすぎな気もする。けれど、年頃の少女としては一歩でも早く大人に成りたいのだろう。  
 みのりは頬を膨らませて言った。  
「……うるさい」  
 その言い方におもわず微笑ましい気分になっていると。  
「あ、小さくなってく」  
 射精したおかげか、陰茎はおとなしく縮んでくれた。  
「ほんとに小さくなるんだ……」  
 感心した風にいうみのり。  
 しかし、兄としてはそうやって見られていると再び大きくなってしまいそうだったので、  
ジャージをあげて隠した。  
「よし、これでいいだろ。ほら、さっさと拭いて部屋に戻ろうぜ」  
 そういうとみのりは「え、ああうん」と股間から視線をそらした。  
 
 俺はトイレットペーパーを巻き取ると、妹の前にしゃがんだ。  
「ほら足広げろ」  
「え、……うん」  
 兄の自慰という衝撃的なものをみたせいか、みのりはおとなしく脚を広げてくれた。  
 影になっていてよく見えなかったが、みのりの股間にはまだ毛は生えておらずつるつる  
としていた、それでいて少しぷっくりと盛り上がっていて、押し開いてみたい気分になっ  
た。  
 だが、そんなことをしたらみのりに嫌われてしまう。  
「じゃあ、拭くぞ」  
 そういうと俺はおとなしく股間についたおしっこをふき取るだけにした。  
「ひゃっ」  
 トイレットペーパーが触れるとみのりはあられもない声を上げ、俺をにらみつけた。  
「……触り方がきもい」  
「いや、意味わからんし。なんだ触り方がきもいって」  
「うー、さーわられーてるよー。やだー」  
「はいはい、そう思うならとっとと怪我治そうな」  
「うー、早く治れわたしのうでー」  
 そういっている間に拭き終えると、パンツとズボンをずりあげ履かせてやった。  
 妹のおしっこがついたトイレットペーパーをそのまま捨てると、俺は立ち上がった。  
「立てるか?」  
「うんー」  
 みのりはそう応えると。  
「ああそうだ」  
「……うん?」  
「触らせてあげたんだからおこづかいちょーだい!」  
 妹の無邪気な提案に、俺はにっこりと微笑み。  
「却下だ」  
   
   
 了  
 
 

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