粒クリ2  
 
 
薬を注入して肥大させる方法は、感度が落ちる、肥大しっぱなしだから日常生活に支障をきたす、と説明された。  
 
だから薬剤注入ではなくクリをトレーニングして育てる方法を選択したのだけれど、もろ手を挙げて「こっちを  
選んでよかった」と言えるかというと微妙だった。  
 
先々月の終わりから始めたトレーニングの効果は、徐々にではあるが現れ始めてきた。  
一番問題としている大きさについてはいまいちなのだけれど、感度は……格段に敏感になったと思う。  
それこそ、日常のふとしたときに感じてしまうし、ふいの刺激に腰が蕩けそうになるくらいに。  
そういう意味では、薬剤で肥大化させたのと同じ、日常生活に支障が出ているのかもしれなかった。  
 
 
「……っふ…ぅ……んぅ…、」  
 
パンティのクロッチの位置が微妙にずれてる……と気付いたのは玄関ですっかりブーツに足を入れてファスナーを  
上まであげてからだった。  
ブーツを履き直すのもジーンズを脱ぐのも面倒で、歩いているうちにどうにかなるだろうと考えたのだが甘かった。  
以前の私なら、どうにかなっただろう。何も感じなかった筈だ。  
でも、今は違う。  
ジーンズの少し硬い布地が、足を動かすたびに少しずれたパンティのクロッチ部分を擦っていく。  
クロッチ部分……二枚の布を縫い合わせて処理されたそこは硬く盛り上がっていて、そこが微妙に上下するたび、  
うっかり真下にすげられることになったクリを、薄い包皮ごとコリコリと甘噛みするみたいに揉みしだくのだ。  
 
ぢゅわ……、と膣奥から愛液が溢れた気配に、ペダルを踏む足が止まってしまう。  
濡れたパンティがぺったりと肌に貼り付き、むくむくと尖り始めたクリの頭を押さえ込むように圧をかける。  
ずくぅ、と濡れた布地に圧されえたクリが、快感を小爆発させた。  
 
漕がなくちゃ……  
 
足を動かさないと自転車は止まる。倒れてしまう。  
少しだけど、下り坂でよかった。でも――  
 
「んく…ッ!!」  
 
路面の小さな段差がタイヤを弾ませ、クリを圧し潰すみたいに挫いた。  
 
脳天まで快感の火花が駆け抜ける。  
 
「あ、あっ……っく……!」  
 
こんなに感じるなんて。  
小指の先くらいの小さな突起に、こんな淫らな感覚だけが集中しているなんて。  
しかもその突起は、頭のてっぺんとか肩なんて場所ではなくて、体のほぼ中心にある。  
体の真ん中で、快感が爆発するのだ。  
 
「あ……ふぁ…ぁん……」  
 
大きめのマフラーで覆った口から、熱い吐息を零す。  
幾度か甘ったるい溜息を吐いて気を落ち着けてから、よろよろと覚束ない自転車を立て直すべく膝に力を入れる。  
 
 
駅前の駐輪所に自転車を預けて、それから地下鉄に乗って、それで……  
 
やるべき行動はちゃんと理解しているし、そうしたいのは山々なのに、体がいうことを聞かない。  
滑らかな路面を選んで走行すれば少しは楽だと、頭では分かっているのに、手が勝手にハンドルを操作して、  
アスファルトが凸凹している場所へと舵を切る。  
 
前輪が小石に乗り上げて、刹那、クリがガツン!と突き上げるように甘く殴られた。  
 
「…ひぁッ……あっ、あ――っ」  
 
じーん…という酩酊するような痺れに、頭がくらくらする。  
快感に僅かに潤んだ視界の中、先の路面が見える。  
アスファルトが途切れ、インターロッキングを敷き詰めた『自転車歩行者兼用道』。  
インターロックのあの細かい継ぎ目がクリに襲いかかったら……  
あんな、10センチ間隔でクリをずんずんされたら……  
 
ごくり、と自分の喉鳴りがやけに大きく響いた。  
濡れた下着に包まれたクリが、ひくっ、ひくっ、と期待するみたいに痙攣する。  
性感というものを知り初めて間もない私のクリは、今が性の目覚めとばかりに貪欲で、私の立場とか  
理性とかそういったものなんて全く考慮せず、見境が無い。  
へなへなと脱力気味だった足が、ぎゅっと一旦強張った後、力強くペダルを踏んだ。  
 
「っひ……あぅぅう……ッッ!!」  
 
びしょびしょになって、もはやパンティの小さな布なんかでは吸収できないくらいの愛液にまみれたクリが、  
路面の規則的にして細かな段差に打ち据えられた。  
 
「ぃっ……っく……いくっ……!」  
 
ダダダダ……、と小刻みに乱打されるクリが、焼けるような熱さを感じて、ヤバい、と理性が一瞬だけ  
警鐘を鳴らしたのに、体は私を裏切った。  
私の愛液でぬめるクロッチが、薄い包皮を容赦なく捲り上げ、クリに直接照準を合わせて貼りついた。  
クリの付け根――膣の内側がきゅんきゅんと激しく痙攣して、連動するようにクリが益々尖ったのが  
見なくても分かった。  
お腹の奥が、波打つみたいにうねり始める。  
 
「…ぅぁあ……っだ、だめ……」  
 
イってるのに。  
イってるから、もう……。  
 
でも自転車は、漕がなければ倒れてしまうわけで。  
駐輪場まであと少し……あと少しだけれど、イき続けるには長すぎる距離。  
 
「―――――っっ!!」  
 
幾度も軽い絶頂に襲われて、息も絶え絶えな心地だったのに、最後の最後、駐輪場が見えた、  
と安堵したその瞬間に、それは訪れた。  
街路樹の根元を囲むように植えられた花に、水をやっていたのだろう。  
ホースが道を横切っていた。  
私の自転車はそれをガタンガタン、と前輪後輪次々と乗り越えた。  
ずんずん!と大きく二回連打されたクリが、まるでしゃっくりでも起こしたみたいにひくついた。  
自らの愛液に濡れまみれたパンティが、びんびんに尖ったクリにとどめを刺した。  
 
ぐちゅぐちゅ!  
 
体の内側からか外側からか分からないけれど、確かに濡れた淫らな音が、私の下肢から盛大に爆ぜた。  
 
 
 
終わり。  
 
 

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