目を開いて、最初に見えたのはとても綺麗な見知らない空だった。
身体を動かそうとして、クリミアは激痛に襲われた。
「い、ったぁ〜〜〜…」
呻き声を上げながら周りを見回すと、緑の濃い香が鼻をついた。
そこは宵闇に染め上げられた深い森の奥のようだった。
そもそも、どうしてこんなところで倒れているのかを思い出そうとして、クリミアは再び背中の力を抜いた。
第一皇女クリミアと言えば皇国の面々にとって少し頭の痛い存在だった。
15歳になろうというのに全く女らしくなることなく、短く肩口で切りそろえたショートの赤髪を揺らして、もっぱら剣の修行に精を出すばかり。
早く良い嫁ぎ先を見つけてもらいたいと嘆く王の思惑とは裏腹に、皇女の剣の腕は同世代の少年少女らの間では抜きん出て、ボーイッシュな容貌とも重なって国民のアイドルとしての立場を固めていった。
「父様へ、西の辺境で近頃民を騒がせている魔族を平定して参ります」
そんな簡潔な書置きを残して皇女が旅に出たのは一ヶ月前、もちろん今皇国は上も下も大騒ぎで、消えた少女の行方を捜していた。
一方クリミアはといえば、旅の少年剣士に成りすまして滞りなく辺境に至り、近頃は村落を辿りながら周辺の魔物を退治していた。
その腕は確かで、次第に辺境の民達の人望を集めつつあった。
「魔物どもなんて、あたしが一匹残らず退治してやるんだから!」
健全的なエロさを迸らせながら元気よく誓言する少女に、村の男の多くが鼻の下を伸ばして女房にしばかれたのはまた別のお話。
そしてその夜、クリミアは調子が乗っていたのか、今までならばやや苦戦していた魔物をも容易く倒して、魔の森の深くへと進んだ。
やがて「シャーッ!」という怒号と共に眼前に現れたのは、どこが本体とも判別できないような巨大な蔦の怪物だった。
大小数千本とも思しき蔦が蠢く様子はとてつもなく気味が悪かったが、クリミアは畏れずに切りかかった。
―――記憶はそこで途絶えていた。
漸く記憶が現在においついて、クリミアは改めて自分が置かれている状況を確認する。
「な、なによこれ!?」
四肢にも胴体にも強く蔦の一部が絡み付いて、少女は全く動けずに居た。
身を守るための鎧などとうに脱がされたらしく、上半身は薄手の下着一枚である。
そして下半身は完全にむき出されて、更には両足を大きく開いた形で蔦によって空中で固定されている為、性器や肛門は全く丸出しにされているのである。
「きゃー、な、なに、私負けたの?ちょっと、離しなさいよ!」
経験したことのない羞恥に暴れてみるが、如何せん四肢全てを硬い蔦に掴まれているのだ、力が入らず抵抗は無駄に終わる。
少女が悲鳴を上げると、無数の蔦のうちの細い一本が蠢き、その股間へ向けて伸ばされる。
「や、やだァ、なにをするの?」
相手は単なる植物の塊で、言葉など通じないだろうことは理解している、が、それでも問わずにはいられない。
その蔦は唐突に柔らかくしなり、少女の抵抗を窘めるようにその股間へと叩きつけられた。
ピシッ!パシッ!細い鞭そのものの動きで少女の割れ目の中央、クリトリスを目がけて一定のリズムで振り下ろされる。
「ぎゃーァ!い、痛いィー!やめ、やめてー!やめなさい!」
下半身から込み上げる激痛と非生物に性器を打たれて躾けられる羞恥で、クリミアは絶え間なく泣き声をあげる。
されど鞭打ちは無慈悲な程機械的に延々と続けられた。
「ひ、ひっく…やめて、ください。もうやめて…、お願い。痛い、痛いの…」
やがてクリミアの声が悲鳴から懇願になった頃、やっとその仕打ちは中断された。
クリミアの性器は赤くはれ上がり、いつの間にか小便を漏らしていたらしく、肉付きのいい小ぶりな尻から黄色い液体が蔦の上に滴っていた。
「どうして、ひっく、こんなこと…するの?もう離してよ…攻撃しないから、ね?」
両手を固定されたままでは泣き腫らした目を擦ることすら叶わず、クリミアは微かな望みをかけて蔦に語りかけたが、無論答えは返らなかった。
その夜、深い森の奥で、少女は濡れた股間を大きく広げられたまま、冷たい風に晒されて、気を失うように眠った。
翌朝、クリミアは口に乱暴に硬いものを突っ込まれる感触で目覚めた。
「うごっ…ご?うごごご!」
状況が理解できていない少女の口の中に、苦く青臭い液体が流し込まれる。
栄養値の高い分泌液であるそれは、魔物が少女に与えた食事の代わりであったが、少女がそれを悟るのはもう少し先である。
「げほっ、ごふっ、な、何するのよ?!」
口から蔦を抜かれると噎せながらクリミアはその液体の一部を吐き出した。
するとそれを咎めるように、四肢を固定していた蔦が動いて、少女を四つんばいの格好にさせる。
その間もクリミアは暴れ続けたが、やがて一本の蔦が首輪のようにその細い首に強く絡まり、湿った地面へと彼女の頭を引き下げる。
これによりクリミアは、白い尻を天に向けて高く突き上げるような格好を強いられるのだ。
背後に一本の太く逞しい蔦が迫り、クリミアは自分が何をされるのか悟りつつあった。
いまや先日の元気さが微塵も無く、青ざめた顔を歪ませて、何度も「やめて」と呟き続けるより他無かった。
しかしてその願いは当然叶えられることなく、蔦はしなり、白い尻への激しい鞭打ちを開始した。
最初の一撃でクリミアの無防備な尻には赤い痛ましい跡が残り、同時に少女は絶叫と言っていい悲鳴を上げたが、鞭打ちは昨日と同じよに続けられる。
「いやァー!やめて、痛いッ!痛いよォ!もう吐かない!吐かないから!」
「おねがい、お尻、お尻許してェ!ごめんなさい!ごめんなさぁぁぁい!」
激痛に身体を震わせながら、全く意思が読めない蔦が気に入るような謝罪の言葉を捜す、滑稽極まりない姿だった。
蔦からは一言の返事も返ってこないが、昨日の仕置きで既に刷り込みをされているクリミアは、このほかにこの虐待から逃れる方法を知らない。
「すみません、ごめんなさい、あたし…クリミアは悪い子です!」
「これからはちゃんと与えられたものを飲みます!もう吐きません!生意気な口、聞きません!」
「だから許して、悪いクリミアのお尻を許してェェェー!」
そんな恥ずかしい台詞を泣き叫びながら一通り叫んで、ようやく真っ赤に腫れ上がった尻は打擲から解放された。
依然性器と尻穴を犬のような格好で晒しながら、クリミアはうわごとのように何度も「ありがとうございます」と呟いていた。
泣き叫んでいる間に口に入ってしまった土を吐き出しながら、クリミアはまだ痛みに苦しんでいた。
その時、今まで尻を打っていた蔦がふと、少女の肛門に触れた。
「ひゃぁっ!?」
状況が理解できず恐怖に震えながら、クリミアは何とか振り向いて背後の様子を確認しようとしたが、拘束が緩まないままでは叶うはずがなかった。
蔦はもう一度、振り向こうとしたクリミアを窘めるように真っ赤な尻に鞭を振るってから、なにやら生温い粘液を出しながら、クリミアの肛門へと差し込まれていった。
「あ、あがァ…い、いたぃ、無理だよ、入れちゃだめェ!」
メリメリと肛門が軋む心地悪さにすすり泣きながら、クリミアが何らかの反駁を行おうとする度に、細い他の蔦が尻や背に落ちる。
そして事態は更に悪化する。もう一本の蔦が、同じような粘液を出しながら、クリミアの割れ目へと差し込まれていくのだ。
「そ、そこは…やめて、お願い、やめてェ…」
性に関する知識は一般的な若者に等しく持っているが、皇女であるクリミアは当然処女である。
聞き遂げられるはずのない懇願を繰り返しながら、少女は蔦の怪物に2穴を同時に破瓜されるのだった。
ねちゃ、ねちゃと厭らしい音を奏でながら、少女の尻穴と性器から垂れ下がった二本の滑稽な尻尾は、クリミアの中をえぐる。
「はぁ、ああああっ…!」
尻穴の排泄感は単に心地悪いものだったが、膣に差し込まれた蔦の方は少女の内壁を浅く柔らかく擽り、もっとおぞましい悪寒を与える。
破瓜された血が太ももを伝って足元に流れ、代わりに念入りに蔦の分泌する粘液が少女の中に塗りこまれていく。
「お尻ィ!お尻やァァー!いや、前もいやァァァー!壊れる、壊れちゃうよォォォー!」
クリミアの悲鳴が省みられることはない。感じたこともない内部からの蹂躙はねちっこく続けられた。
蔦の動きは終止柔軟で緩慢なものだったが、そんな陵辱が数時間続けられた頃には、クリミアは声も涙も枯れ果てて、時折嗚咽のようなうめき声を立てるだけの人形になっていた。
やがて蔦は尻と膣から抜き取られ、またしても器用な動きで他の蔦らによってクリミアは吊り上げられ、空中で大きく股を開く格好で固定された。
いつの間にか口元を噛んでしまったのか、唇からは一筋の赤い血が流れている。
少女は今は、広げられた股間を恥じる余裕も失って、腹の中に残る違和感に苛まれていた。
どれ程の時間が過ぎたのだろうか、森に夕暮れが迫る頃、クリミアは新たな災難に気づいた。
たっぷりと触手によって粘液を塗りこまれた股間と尻穴が、なんだかムズ痒いのだ。
それはかつて経験したことのないすざましい痒みで、叶うことなら今すぐ股間と尻穴を爪を立ててバリバリと勢いよく掻きたくなるようなものだった。
「あ、ああっ!痒い痒い痒い痒い痒いーーーー!おしっこの穴とお尻が痒いよォォーー!」
「掻かせて!お願い、掻かせて!…掻いて!掻いてェ!」
足をばたつかせても蔦は頑固に沈黙を保つまま、異質な痒みに小便が自分の意志とは関係なく流れ出た。
空中に浮かされた不安定な格好のまま、クリミアは激しく尻を振った。
周りの蔦に尻穴や股間を擦り付けて、少しでも痒みを軽減しようと試みたのだが、叶えられなかった。
「おねがぃ…おねがぃ…入れて、さっきみたいに入れて、入れてボリボリしてェ、してよ!」
余りに激しく暴れたせいか、沈黙を保っていた蔦の一本が、クリミアの股間へと昨日と同じように数発の鞭打ちを行った。
それは丁度一番痒いクリトリスに命中して、激痛に呻きながらもクリミアは刹那の間痒みから開放されたのだ。
「打って、おしっこの穴打って!お尻打って!打ってくださいぃぃ、お願いします、お願いしますぅぅ!」
その後、夜明けまでクリミアは台詞を変えて懇願を続けたが、蔦はまるでただの植物であるかのように、ぴくりとも動かなかった。
もはや羞恥をも凌駕する苦悶に、クリミアは自分の中で何かが壊れてしまった音を聞いた。