舌先でなぶられた片側の乳首だけが、つんと隆起していた。
「ほう……固くなってきたな」
手で乳房を握るように掴みながら、師匠は私の乳頭を舌先で転がすようになめはじめた。
まるで味でも確かめるようにれろれろと音をだしながらなめ続けた。
唾液まみれにされた私の乳首はぬめぬめと濡れており、
師匠が舌先を乳首から離す度に、乳頭から唾液の糸を引いた。
時折、師匠は固さを確かめるように唇や歯で私の乳頭だけを噛むようにしては、こちらに下卑た笑いを向けた。
もはや私には師匠の顔は人間の姿には見えなかった。
そこにいたのは餓えた汚らしい野獣だった。
貪るようになめ回される私の身体、
正直可能であれば二度とあの身体に戻りたくはないと思った。
自分の身体をなめ回されることが、これほど気持ちの悪いことだとは思わなかった。
ーーーましてや私は他人に自分の裸体を見せたことは一度もなかったのだ。
私は物心ついたときからスラムでゴミを漁って生きてきた。
一緒にゴミを漁っていた友人の中には売春婦になったものもいた。
それでも私は身体を売ることだけはしなかった。
別に自分の身体を大切に思っていたわけではない。
……スラムの中で生きていて、何度も無理矢理犯されそうになった経験から、
男が信じられなくなっていったのだ。
その生活から救い出してくれた男ーーー
しかし、その男もまた私を犯そうとした連中と変わらなかった。
いや、力ずくで犯しにくるほうがまだましな気がした。
今、目の前で起きている行為は畜生にも劣る卑劣な行為だった。
ーーースラムから私を救い出して、生きる術を教えてくれた師匠が、今最悪の形で私を裏切っていた。
「この卑怯者!」
師匠は私の声など聞こえないように
私の身体をいじくりまわすのに夢中のようだった。
ピラミッドに映る私は相変わらず何事もないような、表情のまま目を閉じていた
師匠は乳首から唇を離すと、爪先で引っ掻くように隆起した乳頭を何度も弾いた。
弾力を持った乳頭は弾かれる度にプルプル震えた。
私に見せ付けるように、ニヤついた目をこちらに向けながら、上下左右に指先だけで乳頭を撫で回した。
それに反応したのか
指だけでいじられていただけのもう片方の乳首も、
意志をもったかのように隆起しはじめ、師匠の二本の指の間でぴんと張りはじめた。
「若いというのは、すばらいしいのお」
師匠は再び乳首に唇を寄せて、餓えた子猿が母親の乳首を吸うように、
私の胸にしゃぶりついた。
「……ずっと、私をそういう目で見てたの……」
私が尋ねると師匠は、乳首からうなじまでベロリとなめあげて、目線をこちらに向けた。
「そりゃ、そうじゃ。色気のない貧相な身体のおまえが、
少しずつ、胸を膨らませて女らしゅうなっていくのを
わしはずっと我慢して見てきたんじゃ」
「あんた……最低ね」
「わしが拾わなんだら、おまえなど今頃野垂れ死んどるか、
売春婦が関の山じゃ。
感謝されるこてはあっても、怨まれる筋合いはないわい」
師匠の暴虐を阻止したくても阻止できないジレンマに、私は強烈な苛立ちを覚えた。
しかし私にはなす術がなかった。
私が、ピラミッドに映る師匠のいやらしい顔を睨みつけていると、
師匠は唇の端を歪ませて楽しそうに言った。
「……さて、上はそろそろいいかのぅ」
そう言うと師匠は私のスカートの中に手を突っ込んだ。
スカートの中がもぞもぞとまさぐられる。スカートの下で何が起きているのか
見えなかったが、いやでも想像はついた。
「やめて!」
無駄だとわかっていても叫ばずにはいられなかった。
師匠がスカートの中をまさぐる度に、私の本体は小さく顎をしゃくりながら、小さな喘ぎ声を漏らしはじめた。
「……うんっ……あっ……あっ……あんっ」
師匠の腕の中で感じている自分に、私は身の毛もよだつような嫌悪感を覚えた。全身が総毛立つ。
「やめてよ!」
私は懇願にも似た叫びをあげた。
それでも師匠は私のスカートの中をまさぐるのをやめなかった。
あいかわらず乳首を弄りながら、私の唇を貪りながらーーー。
しばらくして、ピラミッドに師匠の指先がアップで映った。
師匠の指先は、何かの液体で濡れており、てらてらと光っていた。
頭の中がざわざわと鳴った。
「おまえさんの愛液じゃ」
そう言うと師匠はその指先を自分の口元に持って行き、
美味しそうにしゃぶりはじめた。
私は全身に鳥肌が立つ感覚に襲われ、絶叫した。
「うん……ええ味じゃ。おまえさんもスカートがあると自分が何をされているかわからくて不安じゃろう。
どれ、ちと待っておれ」
そう言うと師匠は、私のスカートをめくりあげ、下着を脱がしはじめた。
ピラミッドにはスカートを腰までまくしあげられて、大股開きで師匠の太ももに座る私の姿が映し出された。
左足首には脱がされた下着が申し訳なさそうに巻き付いていた。
ーーー今、再び師匠の手が私の秘部に伸びようとしているときも、
私の本体は健やかな寝息を立て続けていた。
ピラミッドに映し出された私は、師匠の股の上に腰を下ろしたまま、
平和そうな寝顔で大股を開いていた。
私自身、自分のアソコを、まざまざと見たことはなかったが、嫌でも目に入る。
普段はぴっちりと淫唇が閉じているはずなのに股を開かれているためか、
淫毛の中に桃色の裂け目が見えていた。
「幼い顔の割に意外に毛深いのお」
にやにやしながら師匠は私の淫毛を引っ張っては離すを繰り返し始めた。
わさわさと言う毛がこすれあう音が耳障りなノイズのように、私の耳に届いた。
「やめろ!」
私が怒気を込めて叫ぶと師匠は、わざとらしいおどけた顔を作る。
「……おお。怖い、怖い。
おまえの本体はおこりっぽいのお」
師匠は抜け殻の本体の耳元で、人形相手にでも話すように囁き、私の耳をぺろぺろとなめはじめた。
そして私の淫毛を弄んでいた指先を、私の秘部にあてがって、上下に動かしはじめた。
「そんなとこ、触んないで」自分の敏感なところに勝手に触れられることほど、おぞましいことはなかった。しかし、師匠は触り続けた。
指先だけをぴくぴくと動かしながら、何度も同じラインをなぞりはじめた。
。
ーーー師匠の指先は時折往復運動を止めては、小刻みに左右に震えて、ライン状の一カ所をさすりはじめた。
しばらくさすったあと、また上下に撫ではじめては動きを止めては、一カ所を左右にさすりはじめる
ーーーその行為がしばらくの間繰り返された。
その動きを何度も繰り返しやがて師匠の指先がライン状の一カ所を執拗にさすりはじめた。
狙いを定めたように指先は円を描きながら、暴れ回る蛇のように一点でくねくねと暴れた。
入り口を捜し当てた指先は、小刻みに震え割れ目の内部へと侵入していった。
門内に侵入した指先は、さらに動きをエスカレートさせた。
次第にくちゅくちゅと、私の内部を掻き回す卑猥な音が聞こえ始める。
誰かに触られたことなど一度もなかった。
私はその秘部が今いじられ、濡れているーーー
背筋を冷たい氷が走った。「もう、やめてよ!」
しかし師匠はやめない。
「んあっ……あっ……うんっ……あんっ……」
抜け殻の私は師匠の指先に反応し始める。身体をぴくんぴくんと震わせながら頬を赤く染め、
力無く開いた口から甘い吐息を漏らしはじめたーーー。
自分の意志と裏腹に反応を示す本体の姿は、
私に激しい屈辱感を植え付けるのに十分なものだった。
師匠は皺だらけの指を私の内部に出し入れしながら高笑いをあげた。
「ほうほう。感じはじめじたぞ」
師匠は私のアソコを弄りながら楽しそうに笑う。
「違う!感じてなんかない」ーーー誰が。誰が。誰が……。
「ひゃっはっはっはっ!
女らしいそぶりを見せんおまえさんでも所詮
こんなもんか!身体は正直じゃのう!」
相手が誰であろうと無条件に感じている自分の身体をみて私は、
拒絶する意識体の自分と、感じている自分、どちらが本当の自分なのか
段々とわからなくなっていった。
。
そんな私の葛藤を余所に
師匠は、
たんたんと私の身体を好き勝手にいじりまわすのをやめようとしなかった。
最初、指先だけが出し入れされていただけだったが、
師匠の指はだんだんと根本まで私の秘部に侵入し始めた。
チュポチュポと、固めのゼリーをえぐるような音を立てながら、
出し入れされる指先は、
私の愛液で濡れていた。
師匠の指先はさらに動きを加速した。
最初出し入れされていただけの師匠の指先は、やがて不規則な動きを見せはじめた。
師匠の指の動きはまるで狭い穴を広げていくように、激しさを増していき、
無遠慮に私の膣内をこねくりまわすように掻き回しはじめた。
そのあまりにも激しく無理矢理ほじくるような指の動きに、
私は自分のアソコが壊されてしまうんじゃないかという恐怖に襲われた。
そんな私の恐怖を差し置いて、
私の本体は師匠の指の動きに合わせるように身体を小刻みに震わせ、
小さかった喘ぎ声をだんだんと大きなものにしていった。
喘ぐ度に小さく顎がしゃくりあがる。
「ひんっ……ひあっ……いっ……あっ……はっ……うんっ」
胸の上で汗が球となり肌の上を幾筋も滑り落ちていく。
身体の異変に対する反応なのか、時折薄目を開ける私の本体は、
まるで助けを求めるように見えたが、
ネットの中に囚われた私にはどうすることもできなかった。
「……充分に濡れてきたみたいだし、そろそろころあいかのう……
が、その前に」
そう言って師匠は私の秘部からようやく指を抜いた。指先から秘部にかけて一筋の糸が引いた。
やっと、私のアソコをいじるのを止めた、
師匠は大股開きのままの私を担いで前に歩み寄った。
ピラミッドには私のアソコがどアップで移された。
淫唇の周囲の淫毛は濡れて湿っており、割れ目から除く内部も水気を帯びて
、新鮮な果実のようにてらてらと光っていた。
「ええ、濡れっぷりじゃろう。
男を受けいれる準備は万端じゃ……さて味もみておこうかの」
そう言うと師匠は再び後ろに下がり、
私のまたぐらに顔をうずめた。
猫が皿のミルクをなめるような音が聞こえはじめた。
大股を開いた私の股間に顔を埋めながら、
師匠の頭は小刻みに揺れた。
師匠の両手は私の胸の上で、せわしなく動き回り、
相変わらず乳首をつねったり、
乳房をしごくように撫で回していた。
自分のまたぐらで何が起きているのか……直接見えなくても、
何をされているかは想像がついた。
それは考えたくもないことだった。
もし本体が受けている感覚が、
電子の海で意識体だけになっている私に伝わってきたのなら
私は発狂しているにちがいなかった。
……しかし、私の本体は真逆の反応を示しているようだった。
眠っている人間がくすぐられているように、閉じた目をぴくぴくと痙攣させながら、本体は小さな喘ぎを繰り返していた。
時折、大きく顎を跳ね上げては、いやらしい吐息を漏らすその姿
ーーー認めたくはないがうっとりしている顔ーーー
は、私の自尊心を粉々に打ち砕いた。
「……あっ……ふぁっ……ひんっ……はんっ」
聞くに耐えない声を無理矢理聞かされるーーー
生き地獄だった。
私がいくら叫んでも師匠は振り返らず、
黙々と私の股に顔を埋めつづけた。
しばらくの間、私の股間が舐められつづける音と、
それに反応する私の声だけが電脳空間にこだました。
延々と続くかと思われた不快な音の共鳴……しかし、だんだんとある変化が起きはじめた。
私の本体が発する喘ぎの感覚がだんだんと短く、
そして声そのものが大きくなっていったのだ。
それに合わせて身体もぴくぴくと痙攣するように震えはじめる。
「あっ、あっ、あふっ、あっーーー」
何かの予兆のように、私の本体は息を荒立て始めた。
次の瞬間、私の本体が電流でも流されたかのように、
びくんと大きく波打ち、叫ぶように声をあげた。
「んあああああっ!」
今だかつて、一度もだしたことのない声。
そして、おそらく作ったことのない表情ーーー
私は自分の身に起きたことが、理解できず困惑した。
……しかし、次の瞬間自分の身に何が起きたのか、
一瞬で理解した。
「きたぞ!」
そう言うと師匠はさっと身体をどかした。
ジョウロから水が流れるような音と共に私の股間から黄色い液体が、
弧を描いて飛び出した。
白い湯気が立ちのぼり、その向こうで、
私の本体は小刻みに震えながら
放尿していた。
その表情は弛緩しきっており、気持ちよさ気だった。
頭の中で、何かがガリガリと音を立てた。胸の中に恥辱と屈辱の波押し寄せ、
誰かに殺して欲しいとまで願った。
ーーーこのジジイの舌で私はイカされたのだ。
そんな私を嘲笑うかのように師匠は嫌らしくにやけて見せた。
「ハハハ。わしの舌でイキおった。どれ、こっちの味もみておくか」
そう言うと師匠は、横向きの蛇口から水を飲むように、
顔を横にして私の尿を口の中に入れはじめた。
無数の水滴が連続して弾ける音と、ごきゅごきゅと喉のなる音。
もはや私の頭は真っ白になり正常な思考ができなくなっていた。
ピラミッドに映る信じがたい光景を、
私はただぼんやりと見つめるしかなかった。
私の本体が放尿をやめると師匠は口元を拭いながら、
こちらに目線を向けた。
「……ふむ。健康なようじゃの。
やや、しょっぱいかな。
おや、どうした。そんなしょんぼりして……
本番はこれからじゃぞ」
そう言うと師匠ズボンを下ろして、股間をこちらに向けて見せた。