白髪混じりの淫毛に覆われたソレは、
青白く張りのない肌に覆われた太股の間でぶらぶらと揺れていた。
エロサイトに侵入したとき、何度か見たことがあるが、
こうしてまざまざと観ると、それはえらくグロテスクなものだった。
しなびた果実のように皮をシワシワにたるませて、
ところどころ縮れ毛を生やした塊から、
象の鼻のように細長いものがぶらりと垂れ下がっていた。
垂れ下がっているそれは、
太い血管の青筋が浮いた皮に覆われており、
先端部分だけが、扇状に飛び出していた。
睾丸と淫茎……とにかく気持ち悪かった。
師匠はそれを掬いあげるように手の平に載せた。
「本番……と、言いたいところじゃが、
わしも年じゃな。
目の前にご馳走があって、
いじくりまわしても、勃たんなんて……はぁ」
師匠はしょぼくれた表情で自分のものを見つめ続けた。
人の身体をご馳走呼ばわりされるのは
腹立だしかったが、内心ホッとした。
ついさっきまで自分の身体がされたことも
許容できることではなかったがーーー初体験を奪われことよりはマシだった。
私は息を呑んでことの成り行きを見守った。
師匠は大事そうに、自分のモノをしばらく見つづけた後、ため息を漏らして
こちらに視線を向けた。
「これではなんともならん……」
私は沈黙を守った。
下手に言葉を発して師匠を刺激するのは
避けたかったのだ。
下手な言葉を挟んでこれ以上何かをされるのはごめんだった。
「……仕方ない」
そう言うと師匠は画面外に歩き始めフェードアウトした。
私は自分の願いが通じたと、心底神に感謝した。
ピラミッドには股を開いて寝息を立てる私の姿だけが
映し出された。
さっきまで、師匠の行為に目を奪われていた私は、
自分の本体をまじまじと見てみた。
ーーーぬめり気を帯びて隆起した乳首。
ーーー濡れて充血した割れ目の中。湿り気を帯びて、ペタリとくっつき合う淫毛ーーー。
ーーー眠っていても、朱く染まる頬。
……我ながら情けなかった。
意思が無いとはいえ、こうも正直に反応する
自分の身体が信じられなかった。
好きな人にされてこうなるのならまだしも……。
「……バカ」
私は自分の本体に一言呟いた。
自分の本体を観察しながら、私は師匠が戻って来ないことに不安を覚えた。
これ以上本体をいじくりまわされないことは、
ありがたかったが、
一向に意識が本体に戻されないことに私は焦りを感じた。
ーーー勃起しない師匠は、私を犯すのを諦めた。
それが、私の願望だった。
しばらくして、師匠はひょっこりと現れた。
手には四つ脚の椅子を持っていた。
師匠のアパートのダイニングに置いてある椅子ーーー痔を患っている師匠のために私が買ってあげた
クッションがついたやつだーーー。
師匠は私の本体の真横にそれを置くと、
下半身を露出したまま膝立ちの姿勢で椅子の上に上がった。
そして、私に目線を向けた。
「わしのモノを勃たせるためには、おまえさんの
手を借りんといかんようじゃ
……正確には、借りるのは手ではなくて口じゃがの」
そう言うと師匠は両手で私の頭を掴み、自分の方に向けさせた。
そして下半身を私の顔に近づけると、
力無く半開きになった私の口に、自分のモノを押し込んだ。
……ピラミッドには股を開きながら首だけを真横に向けて師匠のモノを、
くわえ込んでいる私の姿が映った。
師匠の股ぐらに顔埋める自分ーーー受け入れがたい光景だった。
「これアリア!もっと上手にくわえんか……
と、今のおまえさんに言っても無駄か」
そう言うと師匠は、自分の精器を中心に円を描くように
私の頭を動かしはじめた。
師匠は私の口の中に淫茎と睾丸の両方を、
捩込んでいた。
「……鼻息が荒いな。おまえさんの鼻息がくすぐったいぞ。
そんなに興奮しておるのか?」
口での呼吸が妨げられた私の本体が必死で鼻だけで
息をしているのだろうーーー
私は激しい嘔吐感を覚えた。
あんな汚らしいものが自分の口に捩込まれていることは、
耐えがたいモノだった。
師匠の股間に顔を埋められ、動かされるたびに
私の顔が師匠の淫毛と擦れ合う音が響く。
思うように息が出来ない私の本体は、
苦しそうな表情を浮かべながら、
ますます顔を朱く上気させていった。
「うむ……うむ」
何かに納得するように師匠は何度も頷く。
時折私の口元に掛かる髪の毛を手で払いのけながら、 師匠は私の頭を揺さぶり続けた。
円運動を繰り返していた、私の頭は次第に
ーーー前後に揺さぶるだけの運動に切り替わっていったーーー。
最初、睾丸まで押し込まれていた私の口は、いつのまにか
師匠の淫茎だけを出し入れしていた。
ピストンのように出し入れされていた師匠の淫茎は私の唇と師匠の淫毛の間で、
次第に太くなりはじめているように見えた。
私がそう思いはじめたとき、師匠が動く度に、
内部から突かれるように、私のほっぺのあちらこちらが
ぽこぽことーーー歯磨きをしているときのようにーーー膨らんだ。
それに合わせるように、私の本体はより、苦悶の表情を強めていった。
ーーー私の口の中で、師匠のものが硬度を帯びはじめたのだーーー。
「おお!勃ってきたぞ!」
嬉しそうに師匠は叫んだ。
そんな師匠とは裏腹に私の本体はーーー口の中で膨張するものが呼吸の妨げになっているのか、
あるいは咽頭を突かれているためかーーー
眉間に深いシワを寄せて目尻をぴくぴくとさせていた。
睫毛はうっすらと濡れており、顔色が朱から紫に変わっていった。
今にも吐き出しそうな顔だった。
苦しそうに身体全体がびくんびくんと波打った。
「よし!」
力強く叫びながら師匠は私の口から自分の
淫茎を引き抜いた。
師匠の淫茎の先から、私の唇にかけて、一筋の光が弧を描いた。
「見ろ!おまえさんのおかげじゃ」
師匠はカメラの前にそそり立ったモノを向けた。
師匠のモノは全体を私の唾液に濡らしており、
うっすらと湯気を立てていた。
……ピラミッドに映し出されたそれは、筆舌に尽くしがいモノだった。
「……では、始めるかの」
師匠は椅子から降りると、私の腰を浮かすように持ち上げ、
その下に自分の腰を滑り込ませた。
私の本体は再び師匠の股の上に座らせる格好となった。
師匠は私の脇の下に右腕を差し込み、
抱え込むように私の胸の前に腕をはわせて、
私の身体を持ち上げた。
私と師匠の腰の間に隙間が出来た。
師匠は自分の淫茎に手を添えて、先端を私の秘部にあてがい始めた。
中々狙った場所に自分の淫茎を持っていけないのか、
師匠はもたもたと世話しなく手を動かして、淫茎の位置を調整していた。
私の淫毛の中で師匠の亀頭が、入口を探すかのように、
くねくねとうごめいた。
私にとってその光景は、恐怖以外のなにものでもなかった。
今から自分に襲いかかる出来事を想像して私は、
身体が凍りつく思いだった。
もたついていた師匠の手元はやがて、ぴたりと動きをやめた。
ーーー入口を捜し当てた師匠の手が淫茎から離れたのだーーー。
「さて、どんな具合かな?」 師匠の淫茎を先端にあてがわれた私の本体は、
先ほどまでの呼吸困難から解放されたためか、
大きく腹を上下させながら、ゆっくりと呼吸を整えているように見えた。
その姿はまるで、焦る私の意識とは裏腹に
これから起きることに備えているようだった。