肌がぶつかり合う激しい音と共に、私は画面の奥で尻を突き出すような格好をしていた。
師匠は私の腰を片手で押さえながら自分の下半身を前後に動かし続けていた。
「これで、おまえさんも痔仲間じゃな」
顔は見えないがにやけた師匠の顔が容易に想像できた。
師匠に髪の毛を引っつかまれた本体の顔は、
それまでにない苦痛の表情を浮かべていた。
半開きに開いた口からよだれを垂れ流し、師匠にの腰がぶつかる度に、
口の中で舌を痙攣させた。「……ひんっ……ひんっ」
師匠の腰をぶつけられる度に、眉間が歪む。
肛門に出し入れされるのは、想像したこともなかったが、
その顔がすべてを物語っていた。
私が本体の顔を見つめ続けていると、再び私の顔が床に突っ伏した。
師匠は私の頭から手を離して、私の両手首を握った。
私の身体は飛行機のように両手を拡げて
上半身を浮かせ始めた。
師匠に突かれる度に胸が揺れていた。
「こっちの穴も、しまりがぐーじゃ」
師匠は笑いながら腰を動かしつづけた。
そのうち、私の身体は再び、どさっと前のめりに倒れた。
ジャラジャラと金属が擦れ合う音が聞こえたと思うと、
師匠は私の本体の両手に手錠を嵌めた。
私の本体は背中の上で両手を拘束された状態になった。
師匠はカメラの位置を再び替えた。
次にピラミッドに映ったのは尻のところで、後ろ手に手錠をかけられた本体の背中だった。
私の本体はピラミッドに背中を映して、やはり股を開いて師匠の腰の上に
載せられていた。
最初のときと違い、私の本体は身体の正面を師匠の方に向けていた。
師匠は私の開かれた両の太ももの付け根部分の下に、
両の手を挟みこんでおり、そのまま私の体ごと自分の身体を上下させはじめた。
上下される度に、繋がれた手錠の鎖がじゃじゃらと冷たい音を立てた。
「そろそろ、フイニッシュじゃ。もうすぐ、おまえさんの意識を戻してやる
……変に抵抗されると困るるからのお……
手錠で拘束させてもらったわい。
いやあ、わしがイクときおまえさんがどんな顔するのか楽しみじゃワイ
……」
だんだんと上下運動が早まっていくたびに、
シワだらけの師匠の顔に、より深いシワが走りはじめた。
顔全体が朱くなりはじめ、だんだんと顎があがっていった。
「よし、戻ってこいアリア」 師匠の片手が、私の身体から離れコンソールに伸びた。
その瞬間、私の眼前の風景が一瞬で溶けた。
そして突然目の前に、薄気味悪く歪んだ笑いを見せている師匠の顔が現れた。私は反射的顔をのけ反らせようとした。
しかし、激しい激痛が股間を襲い、それどころではなかった。
何か硬く凶悪ものが、私の中で暴れ回っており、
引っかき回していた。
「やっ……痛い、痛い」
膣内から沸き上がる痛みの波動が、意図せず私の喉を飛び出した。
これでもかというくらい、映像で自分が犯されるのを見せつけられていたが、
実際の行為は想像を絶していた。
敏感な粘膜の中を、痛めつけるように何度もごりごりと引っ掻かれた。
意図せず師匠のモノに張り付いてしまう、
内壁のヒダが師匠のモノが出入りするたび、
ひきちぎられるような感触が痛みとなって私を襲った。
その異物感と痛みは、
まさに暴れ回る蛇に、内部を食い荒らされている、
感覚だった。
得に私が痛みを感じたのは、淫茎が最奥部からでていくときーーーおそらくだが亀頭の傘の部分ーーー
が、私の内部の肉をこそげ取るようにでていくときだった。
身体を離して逃れようとしたが師匠は、
私の背中に手をまわし抱きしめるようにして、
私の逃亡を阻止した。
手を突き飛ばしたかったが、両手は後ろ手に手錠で拘束されており、
自由に動かせない。
師匠に抱かれながら、なんとか身体をよじらせたが、
がっちりと抱擁され身動きが出来ない。
師匠は私を抱きしめながらなおも腰を動かす。
「やめて、はなしてっ、はなしてっ……いやっ」
顔を出来る限り反らしたが、師匠は私の方に顔を寄せヒルのよえに首筋に吸い付き始めた。
「やああああああっ!」
そんな私の声など聞こえないように、師匠は言った。
「ああっ……アリア……出すぞい」
全身を氷に包まれた。
「やめろっ……出すな……出すな……やめてっ」
師匠が、私を揺するスピードがどんどん上がっていった。
私は力の限り師匠の中で暴れたが、
がっちりと抱き着かれており、師匠の腕をほどくことができなかった。
私はなんとか後ろ手に拘束された両腕を前にだそうとめちゃくちゃに動かした。
しかし、鎖の擦れ合う音だけが、私を嘲笑うように、なるだけだった。
私は、手首が契れるくらい力を入れた。
……瞬間、師匠が私を揺さぶるのをやめた。
私の膣内に生暖かい何かがじわっと広ががった。
。
腰を動かすのをやめたはずなのに、師匠のモノが、私の中で生き物のようにびくびくと波打ちながら、
私の中に何か粘液状のものを吐き出し続けているのを感じた。
「おお、でるぅ……」
師匠は、私の首筋を吸うのをやめて、
弛緩しきった口元から涎を垂らしていた。
すべてを悟った私は、力無く師匠にもたれかかった。
視界が急激に滲み、目から熱いものがいくすじも
頬を伝っていた。
頭の中は真っ白で何も考えることはできなかった。
そんな私を余所に、師匠は性器に残った残留物を吐き出し切るように、
再び腰を動かしはじめた。
……その後、私は再び電子の牢獄に閉じ込められた。
毎日のように私の本体は蹂躙され、師匠がイクときだけ
本体に呼び出された。
私の腕にはどこから仕入れてきたのか、栄養剤が入った点滴の針が刺されており、
師匠は私を犯すために生かし続けるつもりのようだった。
呼び出される度に私は、師匠の腕に抱かれ、
膣内に汚らわしい精液をぶちまけられる地獄を味わわされ続けた。
膣内に発射される度に、反応が薄くなる私に、飽きたのか、そのうち師匠は私を本体に戻したまま、
私を犯すようになっていった。
犯されるときだけ本体に戻される私は、次第にほぼ無反応のまま師匠に、
いじり回されるようになっていった。
それは決して何も感じないようになってしまったからではない。
長い間、電子の牢獄に閉じ込められた私の体質に、
ある変化が訪れたからだ。
長い間、意識と本体を切り離されていた私は、
本体に戻りながらも、意識を切り離すことができるようになったのだ。
犯されているときの感覚を切り離し、
あたかも自分ではない第三者が、
凌辱されているのをモニター越しに見ているような感覚で見ることが、
できるようになったのだ。……私はそれを利用して、動かない人形のような本体が弄ばれるのを見ながら、
チャンスを待った。
師匠は反応を示さなくなった私を完全に壊れてしまったと思ったようだった。
あるとき、私を犯し終わった後、私をネットの中に閉じ込めずに師匠は
いびきをかきはじめた。
最大のチャンスと思った私は師匠が寝ているまに、
師匠とPCを繋いで師匠の意識を、電子の牢獄に封じ込めた。
こうして私は自由を得た。
師匠の意識体を幽閉した私は、すぐに病院に行き膣内の洗浄を受け、
すぐさま師匠のアパートに戻り、あるプログラムの製作を始めた。
時折ネット内にいる師匠をモニターに映すと、
なにやら私にがなりたてていたが、私は無視してプログラム作りに没頭した。
特にグラフィックにこりたかった私は、
あちこちのサイトから資料を集めた。
そして遂にプログラムは完成した。
私は久しぶりにモニターをつけて、意識体の師匠に挨拶した。
「お久しぶりです。師匠」
師匠は私に懇願するように言った。
「アリア。すまんかった。本当に反省したから、
ここから出してくれ」
私はそんな師匠の言葉を無視して言った。
「師匠。師匠はセックスが好きなようなので、
意識体のまま楽しめるプログラムを作って上げましたよ」
師匠はわけがわからないという顔を私に向けた。
私は師匠がいる電脳空間に、渾身のお手製プログラムを走らせた。
その瞬間、意識体の師匠間の回りに、
3Dポリゴンでリアルに造られた、クモ、ゴキブリ、ムカデと
いった不気味な虫達が現れた。
虫達に囲まれた師匠が、叫び声を上げた。
「大丈夫ですよ。とって食いやしませんから
その虫達は師匠を犯すだけです
……一応師匠が逆に犯せるようにもプログラミングしておきましたが」
ついでに言えば意識体にダイレクトに痛みや感触を、
与えるようにプログラミングしてあるーーー
と、説明を続けたが虫達に襲われ始めた師匠は、
もはや、私の話を聞いていられないようだった。
私は師匠が洋服ダンスに隠し持っていた、
栄養剤の点滴の針を、
師匠の太ももや、腕に適当に刺した。
ーーーこの状態で師匠はどのくらい生きるのだろうか?
ーーーたまに戻ってきて点滴を交換してあげるのもいいかもしれない。
そんなことを考えながら私はアパートのドアを開けた。
寒空の下、きらきらした雪が風の中で踊っていた。
<了>