とても照れ臭い『告白』が終わり、その場に発生したなんだかラブい雰囲気に戸惑っていると、不意に桃姉がそわそわと身を捩りだした。
「それで、さ……ハル」
ボサボサの髪を弄り、黒縁の眼鏡を忙しく直しながら、チラチラこちらを伺っている。
「えーと……し、しないの……?」
「……何を?」
「こ、この間の続き……」
「…………」
この間、というのはやはり前回ここに来た時の事だろう。
続き、というからには前回中断した事なのだろう。
この前俺が中断して帰ってしまった事といえば……?
……まあ一つしかない。
「えと、したいの……?」
質問に質問で返すのはルール違反だろうか。と、全く関係ない思考が頭をよぎった。
「だ、だってこういう風に誤解を乗り越えた2人はそのまま流れでしちゃうものじゃないの?」
「どこでそんな知識仕入れてきた……」
「え、えっちなマンガとかで……」
そんなもの真に受けるなよ。というかそんなもの持ってるのかよ。
「……どこにそんなの隠し持ってんだ?」
「ふふん、ハルの知らないトコだよ」
「……タンスの下着が入れてある段の奥か」
「え!?なんでわかったの!?」
得意げな顔を即座に驚愕へと変える桃姉。
ちなみに理由は俺が掃除していない場所がそこくらいだからだ。
「コホン……それで……あの、どうする……?」
「どうするって……」
「さっきも言ったけど、ハルが私にした事……私は別にいい……っていうか、イヤじゃなかったよ?この間はいきなりだったからビックリしたけど……」
「いや……でも、そんな、いきなり……ほら、そういうのって段階踏んで……」
しどろもどろに言葉を紡ぐ内に俺は気付いた。
桃姉が聞きたいのはそういう言葉じゃない。したいのか否か。単純なイエスノーなのだ。
ならば答えは一つしかない。それでもわずかな躊躇いの後に俺は答えた。
「したい……です」
「ん……じゃあ」
桃姉は身を乗り出し、目を閉じてすっと唇をつきだしてくる。よく見ると微かに震えている。
俺も同じように目を閉じると、逸る心を押さえそっと唇を重ね合わせた。
「んっ」
漏れ出た吐息はどちらのものだったのか。軽く触れ合う程度の口付けに、俺も桃姉も鼓動が高鳴るのを押さえられなかった。
「……はあっ」
やがて顔を離した俺たちは、そのまま暫くぼーっと見つめあい、再び唇を重ねようとした。その時――
「ちょ、ちょっと待って!」
「え……な、何?」
突然の制止に戸惑う俺。まさか今さら嫌だと言われるのか?そんな心配をよそに桃姉はもじもじしながら呟く。
「やっぱりちょっと、準備させて欲しいかな……って。ほら私、服も髪もこんなだし」
「ああ、なんだ……そういうことか」
俺は内心安堵しつつ桃姉の野暮ったいジャージとボサボサの髪を眺めた。
「今更過ぎるよ桃姉。俺がどんだけそのカッコ見慣れてると思ってんの」
「お、女心がわかってないなぁ。こういう時は綺麗な自分でいたいじゃない」
「桃姉は今のカッコでもキレイだよ」
「…………ふぁ」
桃姉は真っ赤になって一言唸ると膝に鼻先を埋めてしまう。
「そもそも俺は普段のそのカッコの……だらしない桃姉が好きなんだからさ」
「…………ハルって結構プレイボーイな台詞言うんだね」
「……今のは自分でも恥ずかしかったと思ってる」
俺の言葉にふふ、と小さく桃姉が笑う。俺もまた微かに微笑むと、桃姉のか細い肩に手をかけ、ゆっくり床に押し倒しながら再び唇を触れ合わせた。
「ん……くちゅ、はむ……んんっ、ちゅぶ……ん、はぁ……」
二度目のキスは深く濃厚だった。互いの舌が結びつかんばかりの勢いで絡み合っていく。2人共経験なんてないはずなのに、まるでそうする事が自然なように口内を舐め合っていた。
やがて息苦しさから口を離す。ねっとり絡み合っていた舌がほどかれ、つぅ、と舌先から唾液が一条、糸を引いて途切れた。
「はぁ、キスって……すごいね……気持ちいい」
惚けた表情で桃姉が呟く。俺自身も半分惚けた頭で黙って頷くしかできなかった。心臓がバクバク高鳴り、何も考えられない。
「あ……やぁ」
そのまま俺は無我夢中で桃姉のジャージのファスナーを開いた。桃姉が思わず恥じらいの声をあげる。
中は白無地のTシャツで胸の部分だけ暴力的なまでに盛り上がっている。そこからむわっと汗の匂いが漂っていた。
「あ、あんまり嗅がないでよぉ……お風呂入ってないのに……」
「ううん、いい香りだよ、桃姉の汗の匂い」
恥ずかしそうに諌める桃姉に俺はスンスンと鼻をひくつかせる。女性特有の濃厚な体臭は、普段ならいざ知らずこの状況では興奮を煽るものでしかない。
実際、俺には桃姉の身体から沸き立つ匂いがとても甘美なものに感じられた。
「うう……何かちょっと変態っぽいよぉ……」
桃姉の小さなぼやきを黙殺し、俺は二つの膨らみに狙いを定めた。
「じゃあ、この前の続き……するよ」
「ん……うん」
すっと手を伸ばし、はちきれそうな双丘に指を沈ませていく。
Tシャツの上からだったが想定していた固さがなく、ふにゅっという感触が指先から伝わってきた。
「桃姉、ひょっとして……ノーブラ?」
「え、や……ち、違うの!今日はたまたま……」
俺の指摘に桃姉は慌てたように釈明する。まあズボラな桃姉の事、家にいる時は下着を着けないでいる事もあるかも知れない。だが、その事実は俺を更に悶々とさせる。
「すっげぇ柔らかい……」
「あっ、やん」
触るのはこれで二度目だが、やはりその柔らかさは素晴らしく、思わず荒々しく揉みしだいてしまいそうになる。
だが俺はその興奮を抑え、できるだけゆっくり優しく指を動かしていった。
「はんっ……く……ふぅ」
感じてくれているのか、桃姉の口から熱の篭った吐息が漏れる。
下から掬いあげるようにすると、それに合わせてタプンと形を変えてくるのが楽しくて、何度も乳房を責める手を往復させた。
「はぁ、ん……」
「桃姉、気持ちいいの?」
「ん……うん、なんかハル……上手……」
うっとりとした声でそう言ってくれるのが嬉しくなる。もっと気持ちよくしてあげたい、そう思って揺れる膨らみの天辺、Tシャツの上からでもわかるほど固くなった突起を少しだけ強く摘まんだ。
「ひゃうっ!?」
途端、桃姉は甘い一声を上げて身をビクンとすくませた。目蓋はぎゅっと閉じられ、身体はヒクヒクと小刻みに痙攣している。
(もしかして……イッたのか?)
女性の絶頂などAVでしか見たことがない俺には、最初そうとはわからなかった。正直、もっと派手な声を上げて大げさにイくものだと思っていた。
そんな俺を目を開けた桃姉が見つめてくる。
目尻に溜まった涙と切なげな表情に段々実感が伴ってくる。
(俺……桃姉をイカせたんだ……)
長年憧れてきた女性を絶頂に導いた。その事実に俺は感動すら覚えていた。そしてその興奮のままに俺の手は勝手に動き始める。
「あっ、やだ……!」
Tシャツの裾に手をかけ、一気に捲り上げると二つの生乳がバルンッと放り出された。その大きさと美しさに思わず言葉を忘れて見とれてしまう。
「はんっ……やぁ!あんっ……んんっ!」
瑞々しい大型の果実のような白い乳房、その先にピンと固く凝った桜色の突起に顔を近付けて吸い付いた。
「くひぃ!やっ、ハル、ダメぇ!」
桃姉の制止を余所に、俺はその敏感な箇所を責め続けた。
餅のような柔らかさの乳肉を口に含むと、先端をコロコロと舌先で転がす。そのままジュルジュルと音を立ててバキュームする。
「あんっ!はぁ!す、吸っちゃ……やぁ……!」
吸引に合わせて形を変える乳肉の柔らかさと、乳首の固さの感触に俺は夢中で桃姉の豊乳を貪る。同時に空いてる手でもう片方の乳首を摘まむと、桃姉の身体がびくびくと跳ねた。
「んあぁ!もう、ダメ……イクっ!またイッちゃうのぉ!」
一度達しているからか、胸への直接の刺激が強かったのか、今度はさっきよりかなりあっさりとイッてしまった。
「はあ……はあ」
「……っ」
荒い息をついてる桃姉の痴態に俺はゴクリとつばを飲む。余韻からヒクヒク動くジャージのズボンに手をかけると、一気にずり下ろした。晒された飾り気のない下着は、クロッチの部分が目に見えて湿っていてうっすらと女性器の形が浮き出てしまっている。
「ハ、ハル……待って」
そこに手を伸ばそうとしていた俺を押し留めながら、桃姉は余韻の残る身体を億劫そうに起こした。
「ハ、ハルばっか私の事好きに弄ってズルい……わ、私もしてあげる、から……」
一方的にイカされたのが悔しいのか、俺のズボンのベルトに手をかけ、カチャカチャと外し始める。
「ちょ……桃姉!」
「わ、私の方が七歳も年上なんだし、こういうことはちゃんとリードしてあげるんだから!」
「いや、でも……桃姉も初めて……」
「い、いいから、お姉さんに任せなさい!大人の女の余裕ってものを……ひゃあぁ!?」
ズボンから俺の物が取り出されると、桃姉は驚愕の悲鳴を上げる。さっきからキスしたり胸を揉んだりイキ声を聞いてたりしたせいで、既にそこはギンギンに凶暴にいきり立っていた。
「うわ、ウソぉ……こんな、大きいなんて……」
顔をひきつらせ、涙目になる桃姉。そりゃまあ初めて見るには多少グロテスクだよな……。
「あ、あの桃姉……無理すんなって」
「む、無理なんてしてないよ。大丈夫……!」
顔を真っ赤にしながら恐る恐る俺の物をくわえてくる。口腔内の熱さが刺激になり、思わず腰をビクンと動かしてしまった。
「はむ……ぢゅぷ、べろ……ぢゅる、んっ……」
ぎこちなくゆっくりとした舌使いで舐めてくる。正直巧いのかどうかなんて経験のない身ではわからないが、気持ちいいのは確かだった。
「く、あ……桃姉、いいよ……」
「う……んん、ぷはっ!……ゲホッゴホッ……ハァーハァー……」
「……」
いい感じに昂ってきたところで、突然桃姉は口を離し激しく咳き込んだ。
どうやら呼吸のタイミングがわからなくて息苦しくなってしまったらしい。
「え、えっと……ゴメン、私……」
「い、いや、いいよ……」
すまなそう見上げてくる桃姉を慰めるが、半端に刺激されたせいで俺の物はさらに硬くなっていた。
「じゃ、じゃあ……!あの……こ、こっち使って、気持ち良くなって……」
そう言って桃姉は下着を脱ぎ捨てると、恥ずかしさのあまり顔を背けるようにして、割れ目だけ隠しながら俺を誘った。
喉からゴクリという音がするのを自覚し、桃姉の身体に覆い被さっていく。
「い、いくぞ……!」
「う……うん」
トロトロになっているそこにペニスをあてがい、腰を動かした。一瞬優しくした方が、と思ったが焦らされた興奮から勝手に勢い良く奥まで突き入れてしまう。
「ひぎっ!?い……ぐ、かはっ……」
ズン、と膜を突き破る感触と共に桃姉の苦悶の悲鳴が漏れる。
「い、痛……やだ、これ……ホント痛い、ちょっとムリ……」
「え、あ……大丈夫か?」
本気で泣きが入っている桃姉の様子に俺は思わずたじろいだ。すぐにでも動きたかったのだが慌ててそれを止める。
「あぅ、痛いよう……身体バラバラになっちゃう……」
「ご、ごめん。あんま動かないようにするから」
(うぁ、キツ……出したい……)
無理をさせないよう動かないでいたが、桃姉の中はぎちぎちと容赦なく締め付けてくる。そのせいかおあずけが続いたペニスも痛いくらいに勃起してきていた。
腰を動かしたい、思いきり射精したい、本能がそう訴えてくるのに必死で抵抗する。
(えーと、えーと……何か今日学校であったこととか……)
気が狂いそうな刺激に耐え、全く関係ない出来事を考えることで気を紛らわそうとする。同時に好きな人とセックスしているのにそんな事をせざるえない状況に少し泣きたくなった。
「うぅ……ぐす、うぐ……」
不毛な努力に勤しんでいると、突然桃姉がベソをかき始めた。驚いた俺は何事かと問いただす。
「な、何、どした!?まだどっか痛いの!?」
「ううん、違うの……ゴメンね、ハル……」
「な、何が……?」
「……だって私、フェラチオもうまくできないし……中で気持ちよくなってもらおうとしたのに、痛がってて全然ダメだし……」
「いや、それは……初めてなんだし」
「でも……私だけイっちゃって、ハルのおちんちんずっと苦しそうだし……」
「……あ、えと、それは」
必死に我慢していたのはバレていたらしい。
「私のがお姉さんなのに……私がリードして気持ち良くしてあげられなくって……ゴメンね、ハル……」
「桃姉……」
俺はポロポロと涙を流す桃姉の肩を掴み、ぎゅっと抱き寄せた。
下半身は相変わらず火がついたような熱さだが、それをなんとか無視して、桃姉に胸の内を吐露した。
「あのさ……俺、さっきスゲー緊張してたんだ。その……俺、桃姉よりやっぱり年下だし、そりゃ桃姉だって経験ないのは知ってるけど……なんとなく、こういうのって年上のが余裕ありそうだなって思ってて……」
「そ、そんな事……」
「だからさっき、桃姉がイってくれたのが凄い嬉しかった。……俺でも桃姉を感じさせられた、歳の差なんて関係なく、これで対等だなって思ったんだ」
「ハル……」
「だから、その……俺ばっかり桃姉を感じさせてるってのは、正直嬉しい」
「じゃあ、ハル……怒ってない?」
「もちろん」
そろそろ俺の方も限界だけどね、と冗談半分に言うと桃姉は未だ繋がりっぱなしの結合部に視線を落とし、再び俺の目を覗き込んできた。
「……ありがと、ハル。でも、やっぱりハルにも気持ちよくなって欲しい。それに……ハルのおちんちん苦しそう。だから……」
俺を見据えるその瞳には決意の色が浮かんでいる。
「動いて、いいよ……ハル。大丈夫だから……」
「桃姉……でも俺、動いたら多分もう止まれないと思う……」
「が、我慢するから……絶対我慢するから……!」
容赦できないという宣告に、一瞬恐れを見せるも、覚悟を決めたように桃姉は力強く頷く。
それに応えるため、俺もゆっくりと動きだした。腰を引き、また挿す、それだけの単純な動きだったが、中が食いちぎらんばかりに締め付けてくる。
「ひっ、ぐ……はっ、あ……い、いだっ!……くない、痛くない……!」
桃姉は俺の身体に正面からしがみつくようにして、悲鳴が漏れるのを堪えている。痛がると俺が気にするからか、「痛くない」とうわごとのように繰返していた。
そんな様をいじらしいと思い、なるべくゆっくり愛でていたかった。だが、先に俺の方が限界を迎えてしまう。
「あっ、ヤバ……もう、出る……」
「え、あ……ああぁ!?」
我慢を重ねたペニスがついに決壊した。爆発したのかと思うような射精の快感。気付いた時にはドプドプ、と膣奥へ流し込んでいた。
「くぅ……はぁ……」
「うぁ、出てる……中、出てる」
数秒にわたる射精の快楽に歯を食いしばって耐える。そんな俺とは別に桃姉は膣内射精の感覚に戸惑いの声を上げる。
乱れた荒い息を整える頃にはなんとも気まずい空気が出来ていた。
「ゴ、ゴメン、我慢できなかった……」
「ううん、ハルずっとおあずけだったんだし、しょうがないよ」
桃姉は優しくそう言ってくれたが、俺は凹んでいた。なんとなくさっきフェラに失敗した桃姉はこんな気持ちだったのかと思う。
(噛み合わないなぁ……)
お互い初めてなんだから仕方ないかも知れないが、何か身体の相性とかが悪いのではないか、と余計なことを考えてしまう。
上の空だった俺に桃姉が恥ずかしそうに声をかけてきた。
「ハル、あの……挿れっぱなし、なんだけど……」
「え!?あ、ゴメン!」
「あ!待って、抜かないで!」
慌ててペニスを引き抜こうとする俺を桃姉が押し止めた。
「あ、あの……私、ようやくちょっと痛くなくなってきたの。なんか奥がジンジンして……ムズムズして……」
挿入してから結構な時間が経っているからか、桃姉は大分痛みに慣れてきたらしい。モジモジと切なそうに身を捩っている。
「それに……ハルのもまだ固いまんまだし……だから、その……このまま、もう一回……」
確かに俺の物は桃姉の中に入ったまま、一度射精したにも関わらず萎えていなかった。
お互い挿入の痛みに泣いてしまったり、動き始めてすぐ出してしまったりで散々だったので、仕切り直そうということか。
「ん、わかった。今度こそ……」
そう言って俺は再び動き始めた。今だに中はキツく、押し入れるのも引き抜くのもスムーズにはいかない。
ただひとつだけさっきとは違うことがあった。
「んっ、あぅ、あ……はぁ、やっ……んぁ、あぁ……」
漏れ出る桃姉の声に確かに混ざる艶。痛みを堪える中に隠しきれない甘い響きがあった。
「桃姉……感じてる?」
「はっ、あ……ん、なんか変……痛いのに、気持ちいい……」
一突きごとに矯声の割合が強くなり、秘所から溢れる愛液が挿入の滑りを助ける。
「アソコから……すげえ、音してるよ。グチュグチュって」
「やっ、そんなこと……んっ、言わなくて、いいよぉ……」
恥ずかしそうに顔を背ける桃姉が可愛くて、少しだけ乱暴にその唇を奪った。
「んむっ、ぢゅる……んっ、ちゅぷ、ふぅむ……ぢゅるる、んんっ……ぷはぁ!」
三度目のキスはもはや遠慮も恥じらいもなく、互いを求めて貪り合う獣のそれだった。
息が続くまで吸い合い、唇を離すと、桃姉がイタズラっぽく笑いかけてくる。
「ふふ、キスしたら、ハルのおちんちん、カタくなってきた」
「桃姉こそ……また中が、すごい締まったよ」
「だ、だってぇ……」
「ん、気持ちいいもんな」
はあはあと熱い吐息を交わしながら、より深く快楽を求め、ストロークを強くしていく。腰を打ち付け合う音と甲高くなっていく桃姉の喘ぎが周りに響いた。
「ハ、ハルぅ……」
「……どう、したの?」
「私、ん……変かなぁ?初めてなのに、あんっ、さっきまで処女だったのにぃ、こんなに感じちゃってる……今もまだ……痛いのに、はぁ、どんどん気持ちよくなってるよぉ。私……すごいえっちなのかも……」
快楽からの悦と未だに残る痛み、そして僅かな不安をない交ぜにして、桃姉が訴えかけてくる。
俺は一突きごとに揺れ弾む乳房を揉みしだきなから答えた。
「そう、だね。こんな……エロくて、いやらしい身体してるし、桃姉……すごいエッチなのかも」
「あんっ、そんな……」
「でも、感じてる桃姉の顔、すごく可愛いから……だから、もっと感じていいよ」
「ホント……?ん、気持ちいいよ、ハル……!」
表情から不安の色が消え、より強く快楽を求めてくる。そんな桃姉を正面からぎゅっと抱きしめ、ラストスパートとばかりに腰を振った。
「あはぁ!んんっ!あっ、来ちゃう!ハル、私……また、イッちゃう!」
「くっ、俺も、もう……」
「いいっ!いいよ!中に出していいからぁ!」
強烈な射精衝動がこみ上げてくる。なんとか堪えようとしたが、その瞬間桃姉の身体が絶頂を迎え、中をきつく締め上げる。それに耐えきれず、俺も再び限界を越えた。
「あっあああ!イクっ!イクううぅぅッ!」
「く、ああ、出る……!ああぁ!」
突き抜けていくような快感に頭が真っ白になり、それ以外の感覚が喪失していく。思わず腕の中の桃姉を逃さないように思いきり抱きしめると、桃姉の方も同じように力強く俺の身体抱きしめてきた。
意識がホワイトアウトしそうな中で、互いの存在を確かめ合うように、指が背中に食い込むほどの強さで抱き合い、快感の波が去るのを待っていた。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ……」
獣のような息づかいが口から漏れる。やがてピクピクと痙攣していた身体が落ち着きを取り戻してきた。
「桃……姉」
「ハル……」
絶頂の余韻に浸りながら、もう一度互いの存在を確かめるように名前を呼び合う。桃姉は俺の目を見て微笑みを浮かべ、俺もまたそれを見て笑顔を返す。
やがて二人ともその心地いい余韻に浸りながら眠りに落ちていった。
三日後、俺はもう一度桃姉の部屋を訪れていた。
「おばさんと話したの?」
「うん、お母さんすごい喜んでた。『ハル君なら安心ね』って。お見合いも断ったって」
「はは、ずいぶん信用されてんだな、俺」
「娘の一人暮らしを支えてる男の子だもん、当然だよ」
「にしても将来も知れない高校生をねぇ……」
口ではそう言っていたが、俺は既に決心していた。その期待に応える事を。
「あー、あのさ……桃姉、一応言っとく」
「なーに?」
「……幸せにするから」
俺の宣言を聞き、一瞬桃姉はきょとんとした顔になる。そして一拍遅れてからゆっくりと笑顔を見せた。
「よろしくお願いします、旦那様」
了