ほとんど無意識に薙いだ刃が、上手い具合に触手を半ばから切り落とした。  
触手はその先端をクリトリスに吸い付かせたまま、だらりと垂れ落ちる。  
「ぁうっ」  
落ちた衝撃がそのままクリトリスに伝わり、リタは小さく身体を震わせた。  
何度も味わわされた絶頂の余韻は、まだ体中で燻っている。  
しかし、ぐずぐずしてはいられない。こいつは非常にのろまなモンスターではあるが、触手の1つを切り落とされたくらいではダメージを受けない頑丈さを持っているのだ。  
股間に触手の先端をくっつけたまま、リタは可能な限りの速さで、その場から離れた。  
のろまなモンスターは、その頃になってようやく、触手が断ち切られたことに気づいてのそりのそりと動き出している。  
 
びたり、びたり。  
マヌケな姿なのは百も承知だが、触手を引き剥がすより安全な場所を探すほうが先決だ。あれは巨体だから、どこか入り口の狭い洞窟に入ってしまえば、回復するのにじゅうぶんな時間を得られる。  
リタは、ぬめる触手が内腿に張り付き、クリトリスに間断なく刺激を与えてくるのを必死に耐えて洞窟を探す。  
もともと洞窟の多い地形なので、さほど時間をかけずに理想的な洞窟を見つけることが出来た。  
モンスターや獣の気配、あるいは他のハンターが使用していた形跡もないことを確認して、リタは洞窟に潜り込んだ。  
入り口にモンスター避けの薬草を撒いて、壁にもたれかかり、リタは安堵のため息を吐く。  
頬が熱い。目も潤んでいるだろう。太股を濡らしているのは、触手の体液だけではない。  
リタは1度大きく息を吸い込むと、触手を掴んで引っ張った。  
 
「ぁああんっっ!!」  
洞窟に嬌声が響く。  
断ち切られてなお、触手はクリトリスに張り付いて剥がれない。  
ぬるぬるした粘液をまぶされたクリトリスが、触手にしごかれて強烈な快楽をリタに叩き込んでくるが、ここで辞めるわけにはいかない。  
「あっ、あっあ…ん!」  
二度、三度。  
引っ張るだけでは取れないので、ぐりぐりと回転させてみたり、逆に股間に押し付けてみたり。その触手の中では、その動きに合わせてクリトリスが淫猥にこねくり回されているのだ。  
「あーっ!……や、あっ!」  
リタの脳裏に快楽の火花が散る。  
(こ、これじゃ……わたし、まるで自分で……)  
違う違う!  
首を振り、嬌声を上げないように歯を食いしばって、リタは手に力を込める。  
ぐじゅ、じゅぷっ!  
クリトリスへの刺激に呼応して、下の口から溢れる愛液が粘液と混じって卑猥な水音が洞窟に響く。  
力技では無理かと、リタは触手の縁に指を這わせた。  
「あ…」  
奮闘の甲斐あってか、少し剥がれかけているらしく、クリトリスの付け根が外気に触れている。  
(ここを……指で……)  
親指に力を入れて、触手を押し上げるように動かす。  
体液でぬめるので、指は何度もクリトリスを弾く。  
「あっは……うんっ…んっ…」  
ずる、り。  
触手がわずかに後退する。  
太股がびくびくと痙攣する。  
度重なる絶頂に、感覚の鈍くなってきた指先を、それでも動かした。  
ずりゅ、ず。  
「あ、あ、…も、すこし……!」  
クリトリスをきつく吸われるような感覚に、リタは耐えかねて前のめりに倒れた。  
尻を高く上げて、股間に両手を差し込んで……娼婦でもしないような痴態だが、あと一息で触手がクリトリスから剥がせそうなのだ。  
ちゅぶ、ちゅぶ。  
クリトリスの先端部分に鋭い刺激。  
くにゅ、くにゅ。  
股間に添えた指に力が入るたび、圧のかかったクリトリスから子宮に鈍重な快感が伝わる。  
自分で与えている刺激ではあるが、それから逃れようと身をよじり、リタは仰向けになった。  
「……ああーっっ!!!」  
ちゅぷん。  
その拍子に、ついに触手はクリトリスから剥がれ落ちた!!  
同時に大きな絶頂の波に飲まれたリタは、しばらく股間を剥き出しにしたまま、自失した。  
 
「は……」  
我に返って、リタは半身を起こした。  
腰が重い。だが、触手はもう、股間にはない。  
清々しい思いで股間を一瞥したリタだが…下萌から顔を覗かせているピンクの肉芽に、絶望の呻きをあげた。  
「うそ……」  
ぷっくりと膨らんだソレは、触手に食まれ、しごかれ、さんざんにこねくりまわされて……親指ほどにも肥大した、クリトリスだった。  
 
END  

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