知り合いがAVに出演した。
よくある話ではあるけれども、それが実際自分の身に降りかかると、思っていた以上にショックだ。
俺の場合、その出演した知り合いはバイト先の後輩だった。
バイトの中でも特別に仲が良いという訳ではなく、ただ何度か話をした事がある程度の仲だ。
とはいえ俺の方は、結構その子に下心を抱いていた。
莉子という名前で、当時まだ17歳の女子高生。
とはいえ背は低めで顔も童顔なため、まだ中学生だと言っても誰も疑わないだろう。
性格は少々やんちゃというか、年上の男相手でも言いたい事は遠慮せずに言うタイプだ。
ただ愛嬌はあり、ルックスも中々に良い。
好奇心が強そうなアーモンド型の瞳に、小ぶりな鼻、ぷっくりと前に突き出た柔らかそうな唇。
そしてそれらのパーツを、頬がやや膨らみ、顎にまろみを残す中学生のような輪郭が覆っている。
髪は鎖骨辺りまでを覆う濃いダークブラウンで、少し陰のある所に入ると黒髪にしか見えなくなった。
肩の辺りで毛先が軽くカールしているのが、まさにお洒落を覚えはじめた子供といった感じでゾクゾクする。
子供じみた見た目で可愛い彼女は、かなりの頻度で痴漢にも遭っていたようだ。
バイト先の友達は本人以上にそれを心配して、行き帰りが一緒の時には『莉子を守る会』を結成してさえいた。
痴漢をしたくなる心理は俺にも解る。
莉子は背も低めで一見幼児体型に思えるが、制服のスカートから覗く脚だけはしっかりと年頃のそれだった。
太腿は程よくむちりとして、けれども膝下も含めた全体はすらりと長い。
ハイソックスと革靴が似合う女子高生の脚だ。
俺は莉子とバイト先へ向かうために降りる駅が同じで、シフトも大抵被っていたため、
バイトへ向かうまでの道を一緒に歩く事がよくあった。
そんな時、横断歩道の白い部分だけを歩こうと爪先立ちで先行する莉子の脚を見て、俺は密かに鼓動を早めた。
バイト先へ着き、従業員室へ向かうべく階段を上がる時でも、ショーツが覗く事に頓着がないので随分と眼福に浸れたものだった。
実際、バイト仲間で男が集まれば、可愛い女子の話題として真っ先に莉子の名前が挙がる。
ルックスが良く、無邪気に性的な魅力を振りまくうえ、愛嬌もある方なので当然といえば当然だろう。
ただ、後になって知る事になるが、莉子はそうした男の生理をよく理解していたようだ。
自分の脚線が男を釘付けにするものだとよく理解し、制服のスカート丈を見栄えよく調節していた。
毎朝制服に着替えた後に、歩く仕草をして魅力を確かめもしたらしい。
電車の中で痴漢に遭うのも、ほどよい日常の刺激としてむしろ喜んでいたくらいだという。
いわゆるぶりっ子とは違い、子供っぽい部分も間違いなく彼女の一部だが、あざとい部分もかなりある。
それが莉子という娘の知られざる本性だった。
『廣岡先輩って、女の子の太ももが大好きですよね。あと、おしりもかな?
私が階段を先に上がるとき、凄く凝視されてるのが伝わってきていつもドキドキしてました。
嫌だっていう意味じゃないんですよ、ちなみに』
バイトで一緒になった休憩中、先にそうメールしてきたのは莉子の方だ。
俺が図星を突かれて顔を上げると、莉子は携帯を持たない方の手でスカートを摘んでウインクを寄越す。
『私も、えっちな事は大好き。人に言えないような歪んだ性癖もあるんです。
先輩は口が堅そうだし、趣向も合いそうな人だから言ってしまいますけど、バイトの皆には内緒ですよ』
メールの文はそう続いた。
それから俺達は休憩室で一緒になった時、声の届く距離でメールをやり取りしはじめた。
会話の内容が万一にも人に聞かせられない物だったからだが、同じ部屋にいながら黙々とメールを打つ俺達は、
周りからは仲が悪いと思われていたようだ。
しかし実際には、
『先輩、この間の痴漢ビデオありがとう。本当に容赦なかったですねぇ。他にも良いのないですか?』
『先週でた二穴物がハードだったよ。結構太いのが、ケツの中にぶっすりいってる。モザイクも薄いし。
女優が何となく莉子ちゃんに似てるから、感情移入しやすいかもよ』
『さすが、よく解ってます!じゃ、いつもみたく“わざと”ビデオ入りの袋を忘れて帰ってくださいね』
そうしたやり取りを絶え間なく行っていた訳だ。
正直に言えば、俺はそのやり取りが事が誇らしかった。
バイト内でも密かに男子人気が高く、俺自身も少なからず可愛いと思っている莉子との秘密の会話。
自分の貸したAVで莉子が自慰に耽る様や、休憩室で覗き見た莉子の膝頭、その奥の割れ目を夢想した。
普通のカップルでもしないようなコアな性的話題を交わしながら、一度も触れた事のない莉子のカラダ。
おそらくは小ぶりだろう尻肉の感触、むちりとした太腿の弾力、服の上からかすかに膨らみが見える胸の柔らかさ。
関係性が壊れるのを恐れて実際に触らせて欲しいと言い出す事もなく、俺はただそれらを夜のオカズにした。
何しろ俺はまだ童貞なのだ。
莉子も俺が女に慣れていないと見抜いたからこそ、秘密を打ち明けてきたのだろう。
可愛い莉子と話が出来ること、ある意味それ自体が口止め料のような物なのだから、俺が秘密を暴露するはずもない。
ただ不思議なもので、俺と莉子とのメールのやり取りは、お互いの顔が見える状況でしかやらなかった。
お互いに友達付き合いがあるというのもあるが、家に帰ってまでメールするほどの間柄ではなかったとも言える。
友達未満他人以上。その微妙なラインでの付き合いは、俺が大学を卒業するまで続いた。
それ以降は、駅で脚の綺麗な女子高生を見かけるたびに思い出しはするものの、接点は全くない。
つい先ほど、懐かしいアドレスからメールが届くまでは。
『件名:AVに出てみる事にしました。
廣岡先輩、ご無沙汰してます。お元気ですか?
突然ですが、私ついに、自分でもAVに出てみる事にしました。『Blue bloom』っていうサイトです。
前からそこの動画が凄く好みで、自分も調教して欲しいなって応募してたんですけど、やっと順番が来たんです。
内容はアナル開発で、かなり丁寧にやって貰えるみたい。
撮影は明日なんですけど、監督さんから撮影に向けて一週間大きい方をしないように言われてるから、
お腹が張っちゃってちょっとだけ苦しいです。
でもそれもまた変に興奮しちゃって、もう明日なんだって思うと堪らなくて、先輩にメールしちゃいました。
こんな話できるの、私の周りじゃ先輩くらいしかいないから。
サイトに動画がアップされるのは明後日になると思います、暇があったら是非観てみてください。
知ってる人に凄いところを観てもらえると、出演する私としても嬉しいです』
メールにはそうあった。
俺は早速、その中に書かれた『Blue bloom』というサイトを検索してみる。
ヒットするのは歌や英語のページばかりだったが、さらに『アナル』『SM』と言葉を足して検索を続けると、
ネットの海の片隅とでも言うべき辺りに、ようやくそのページが現れる。
俺自身SMに興味があり、コアなSMサイトはおよそ調べ尽くしたと思っていたが、そこは全くの未知だった。
莉子の奴もよくこんなページを見つけたものだ、と感心さえする。
『Blue bloom』はどうやら、個人、あるいはごく小規模な組織で運営されているサイトのようだ。
そして普通のAVメーカーとは違い、極めてマニアックな性癖を持つ人間相手に特化しているらしい。
例えば、ハーフめいた女性の鼻をフックで吊り上げ、鼻の穴に綿棒を突っ込んで鼻水まみれにしたり。
OL風の女性を椅子に縛りつけ、尿道のカテーテルで生理食塩水を吸い上げては失禁させ、をぐったりするまで繰り返したり。
開口具を付けさせたまま秘部に指責めを施し、涎の滴る様を口とフローリングにできた液溜まりの交互の映像で映し出したり。
手足をラップでぐるぐる巻きにしたままバイブを二孔に埋め込み、不自由にのたうつ姿を延々と撮影したり。
そうした映像を、時には40分、時には3時間近くも撮影し、おおよそその再生時間に比例した金額が付けられる。
たかが15分ほどの映像で2000円台にいく場合もあるが、その類は『好きな』人間の欲求を満たしうるマニアックさがあり、
多少高くても一定の需要が見込めるだろうと思われた。
ただサンプル動画を見る限り、やはり素人作のようで手馴れていない部分が目立つ。
AVのように場面転換がなく、撮影開始から終了までカメラが回り続け、場所を移すシーンなども全て映されている。
バイブに悶える女性を俯瞰で延々と撮り続ける、まるで釣りのような眠たい映像も場合によってはあるようだ。
撮影現場もラブホテルか、あるいは普通のマンションの一室を暗幕で覆って擬似スタジオにしたもの。
正直言って安っぽいが、しかし言い方を変えれば生々しくもある。
まるで隣のクラスの誰々がクラスメイトを相手に撮ったAVらしい、とでもいうような身近なエロさ。
そして、撮影対象が恐らく正真正銘の素人と思われることも、その生々しい興奮に拍車をかける。
お腹がぽちゃっと少し出ていたり、一見美人でも内腿に虫刺されがあったりと、あからさまに素人臭い。
とはいえ、女優のレベル自体はマニアックなサイトとしては決して低くなかった。
また20代や、ともすれば10代にさえ見える若くスレンダーな娘が多いのが素晴らしい。
小規模で資金力の無さそうな会社なのに、何故若くてそこそこルックスの良い娘を揃えられるのか不思議だったが、
『作品に出演している女優について』という項目を見て納得する。
出演者はほとんどがそのサイトの愛好者のようだ。
生々しい映像に惹かれ、自分にもして欲しいと金を二の次にして出演を希望した若き痴女。
事実、俺がこのサイトを見るきっかけとなった莉子もその一人だ。
サイトのコメント欄を見る限り、あまり数はいないものの熱狂的なファンが多いのがわかる。
やはりそのサイト独自の、素人が素人を調教する、という生々しさが受けているらしい。
また出演者がサイトの愛好家である性質から、コメント欄で実際に撮影を受けた本人とやり取りできるのも画期的だ。
『あの開口具、顎が外れそうですごく苦しかったです。手を後ろに縛られてたから拭けないし。
涎がひどいから床は映さないでって後半何度か言ったんですけど、映像見ると舌が動くばっかりで喋れてないですね。
おまけに監督さんの指責めが凄く上手くて、Gスポットを何度も刺激されて、映像内でもかなりイっちゃってます』
『おしっこの穴はさすがに凄かったです……。何度も尿道へ塩水の出し入れされるうちに、クリトリスまで固くなっちゃって。
撮影の後に監督さんにビンビンだったね、って囁かれて、顔から煙出そうに恥ずかしかった』
そのように女優自身によって撮影秘話が明かされると、俄然映像への興味が増し、精の衝動で簡単に数千円を払ってしまう。
販売方法としては中々に憎いやり方だ。
そしていくつかの動画をダウンロードしてみると、そこには熱狂的人気を得る要因である様々な工夫が見て取れた。
『ハメ撮り』を意識しているのか、映像内には極力男優の手や身体が映り込まないよう配慮されており、
セックスシーンでも女の顔や乳房などをアップにして、あくまで女優自身の被虐をメインに据えている。
まるで視聴者自身が素人女性を調教していると錯覚させるかのように。
また女優の方も、AVにありがちなわざとらしい喘ぎ声や絶頂演技などは不要とされているようだった。
それゆえどの映像でも、初めの方は女優がマグロ気味で息を吐く程度しか反応しないが、
それだけに“本気で感じてきた”時の表情や声色は、童貞の俺でも思わず自然だと納得させられてしまう。
それはコメント欄で一人が言っている通り、『作り物のAVに飽きた人間が辿り着く楽園』と言えるかもしれない。
そしてその楽園に、俺の見知った顔は確かに存在していた。
『新作情報』の一番上、明日調教決行と赤字で書かれた欄にセーラー服姿の女の子の写真が映っている。
その制服には見覚えがある。薄く目線が入っていても、その輪郭から在りし日の彼女の姿が瞼に甦ってくる。
「この間高校を卒業したばかりの、ロリ顔の女子大生。アナル開発に興味があって応募して来てくれました」
そう説明文のついたその女性は、間違いなく莉子本人だ。
写真をクリックすると、撮影前の打ち合わせの様子が写真つきで綴られたページに飛ぶ。
私服で駅前に現れた所から、助手席でシートベルトを締める莉子の太腿を胸の辺りから撮った写真。
事務所の壁に手をついて、スカートから僅かにショーツを覗かせながら肉感的な太腿をカメラに晒す姿まで、
様々な場面が写真に収められている。
恐る恐るそのページのコメント欄を見ると、当然というべきか、すでに大盛り上がりとなっていた。
莉子の愛くるしさに期待を寄せる声。撮影の中でして欲しいプレイのリクエストなどが、何十にも渡って続く。
その熱狂振りは、当人でない俺が見ても胸がざわめくほど凄まじいものだった。
莉子が俺にメールをしてきた理由も何となく解る。
これが自分の事として降りかかってきたら、俺が彼女の立場でも誰か顔見知りに胸の内を吐露したくなるだろう。
目の肥えた『Blue bloom』の常連達は、明後日に迫った莉子の映像のアップロードを今か今かと待ち侘びている。
次の日、俺は莉子の事ばかりを考えて過ごした。
今頃はもう撮影に入っているだろうか、どんな事をするのだろう。
まさかあの視聴者のリクエストにあったような事を、全部させられるのか。
そのような事を悶々と考えた末、日が暮れた頃に一度だけ様子を訊ねるメールを送る。
しかしついにそれに返事はなく、2日後、動画がアップロードされる日を迎えた。
人生には、この日に限ってという事がよくある。
この時の俺も正にそれで、莉子の動画がアップされる当日に、ちょうど仕事の修羅場を迎えていた。
何とかキリをつけて会社を出たのは、定時を3時間過ぎたころ。
金曜の夜でもないのに、帰りの電車をもどかしく感じたのは初めてだ。
家に辿り着き、スーツを脱ぎもしないままにパソコンを立ち上げる。
焦っていた。本当なら定時に帰り、いつもサイトの更新が行われる午後六時を余裕をもって待つつもりだった。
別に彼女という訳でもないが、莉子の様子を他の誰より早く見届けたい。そんな妙な意地を持っていた。
しかし震える指で新作のページを開いた瞬間、すでに怒涛のコメントが付いているのを見て敗北感を味わわされる。
『公開前の写真からも薄々見て取れましたが、本編のモザイク無しで見ると滅茶苦茶可愛い子。
本気でアナルが好きみたいで、開発されて気持ち良さそうな顔をしてます。
最後のアナルファックのシーンでは、薄いモザイク越しに愛液が滴っている所がバッチリ見えますよ!!』
『短大生との事ですが、見た目には女子中学生にさえ見えてしまう幼さです。
肝心のアナルも色・形共にビックリするほど綺麗。
声も可愛く、反応もいいので、これからも色んなビデオに出演して欲しい。』
『ルックスはこのサイトで公開された作品中でもトップクラス。元スッチーの「まり」さん以来の上玉です。
アイドルグループに混じっていても、全然違和感がないと思います。
そんな可愛い子が、お尻の穴を容赦なく開発されてしまうのはこのサイトならではでしょう。
女優さんはこの撮影の為に一週間ウンチを禁じられていたとの事ですが、お陰で凄い映像が撮れています。
本当に、今日までこのサイトについてきて良かった!』
熱狂するそれらのコメントが、俺に先んじて映像の凄まじさを伝えてきた。
俺は自分の会員ページに入り、予め入力してあったカード番号を元に迷わず動画を購入する。
『童顔美少女、アナル徹底開発』
それが目当ての動画のタイトルだ。
3200円という金額は新米社員としては決して安くないが、買わないなどという選択肢はなかった。
DL数282、再生時間2:35:20。
その他の作品と比べても圧倒的な情報を視界の端に捉えながら、テーブルを指先で叩いてダウンロードを待つ。
やがてダウンロード率100%の表示の後、俺のデスクトップに新たなアイコンが保存される。
あの愛くるしい後輩の、あられもない姿を記録した映像ファイルが。
俺は、喉の渇き具合から興奮している事を自覚しつつ、大きく深呼吸してそのファイルを開いた。
※
映像の中に、高校時代と同じ制服を着た莉子が映し出される。
目にモザイクはかかっておらず、幼い顔はそのままに晒されていた。
変わらない。流石に緊張のせいか強張っているように見えるが、昔と同じく愛くるしい顔だ。
やや薄暗い映像内で黒髪のように見える髪色もそのまま。
ただ久しぶりに見た事もあって、そのぷくっと先へ尖った唇に視線が吸い寄せられる。
これほどに可愛かっただろうか。俺はこんな相手と、卑猥なメールのやり取りをしていたのだろうか?
撮影場所はいつもの通り、どこかのスタジオのようだ。
部屋の壁と床には雨具のような質感の黒いシートが一面に敷き詰めてある。
その一部が捲れて元の床が露出していたり、映像の端に撮影機材が映りこんでしまっているのも、素人作業らしい所だ。
莉子はちらりとカメラの方へ目をやった後、映像の外へ向かって歩き出す。
カメラがその姿を追うと、そこには一面黒い部屋に浮き出るかのようなベッドが設けられていた。
莉子はそのベッドの傍らに立ち、スカートのホックに手を掛ける。
スカートの上部が切り裂かれたように開いた部分から、白いショーツが露わになった。
かつてバイト先の階段で覗いた時には、一度も着けていなかった色。
けれどもその純白のショーツは、制服とハイソックス、革靴とセットになって異様なほど興奮を煽る。
ぱさり、とスカートが細い脚の間を抜けて床へ落ちた。
尻肉の盛り上がりに合わせてやや食い込むようなショーツ、その下に伸びる太腿。
莉子の小さな指がそのショーツの脇に掛かり、糸のように細く布地を巻き込みながら脚の間を通していく。
すぐに黒い茂みが覗き、薄めのモザイクが秘部を覆った。
そのモザイクが、かえって莉子のあそこが見えるようになったのだと興奮を煽る。
革靴を履いたままの足首からショーツを抜き取った莉子は、すぐに拾い上げたスカートでそれを包もうとするが、
カメラをちらりと見て動きを止める。
そしてやや躊躇った後、恥ずかしそうにスカートを落とし、ショーツを指の間に掛けたまま股布を晒した。
カメラが股布に接近する。
そこには黄ばみもないが、カメラが映す角度をやや変えると、かすかに濡れ光るものが見て取れた。
撮影を前にしてすでに興奮しているのだろう。隠しておきたかったそれを早くも暴かれ、莉子の頬が桜色になっている。
下に穿いていたものを脱ぎ去った莉子は、微かに躊躇いを見せながらベッドシーツに革靴の底を載せた。
『革靴とハイソックスを身につけたままでの肛門晒し』
常連のリクエストが脳裏を過ぎる。本当に、あの意見が採用されているらしい。
リクエストした人間は、今のこの映像を見て歓喜していることだろう。
ベッドに上がった後、莉子はMの字を描くように脚を開き、腿の外側から手を回して秘部を開く。
黒い繁みの下、薄いモザイク越しにでも解る実に鮮やかなピンク色。
バイト時代、俺が何度も夢想した性器がそこにある。イメージ通りの綺麗さで。
俺はそれに感動を覚えると同時に、これを撮影している監督という奴はナマでそれを拝んでいるのだと思い至り、
悔しいような感情を抱く。
莉子は割れ目をしばしカメラに撮らせた後、腰を浮かせるようにして体を反らす。
その上で指で尻肉を押し開けば、ついに莉子の肛門が露わとなった。
カメラが待ち侘びていたかのようにそこへ近づく。
前と違い、肛門には一切のモザイクが無しだ。
初めて目にする莉子の尻穴は、割れ目よりはやや色素沈着があるものの、それでも充分に綺麗な淡い桜色だった。
放射状に皺の並んだ形もまさに菊の花といった様子で、そこが排泄の穴だという事さえ忘れてしまう。
「ち、近いよ……」
カメラの上方から莉子の声がした。皺の一本まで映そうかというほどに接写され、さすがに羞恥が勝ったのだろう。
カメラがやや引いた後、莉子は改めて尻肉を拡げ、息を吐きながら括約筋を開いては閉じる。
「ンっ…………ッッふぅ……」
肛門の開閉がはっきり見える横では、むちりとした白い太ももが強張っては弛緩する。
また腿の先、膝下から伸びるハイソックスと革靴もこれでもかと背徳心を煽る。
悔しいが、この格好をリクエストした人間はよく解っていると言わざるをえない。
やがては尻肉を押し広げていた莉子の指は、ゆっくりと肛門の皺へと這い寄っていく。
まるで蟻地獄へ吸い込まれるかのように。
「…………っ…………」
小さく息を詰まらせる音を立てながら、莉子の細い指は肛門の輪を揉みほぐし始めた。
カメラが一瞬上を向き、必死な顔で下を向く莉子の顔とかち合う。
影になった顔の中、額の辺りにかすかに汗が見て取れた。
下半身を丸出しにしてカメラに撮られているという状況のせいか、ひどく興奮している様子だ。
莉子は再び肛門付近を接写されながら、ぐにぐにと自らの肛門を刺激し続ける。
そうして菊の輪がかすかに開くほどになった辺りで、カメラの後ろを窺いながらベッドを降りた。
リクエスト通りに進むなら、次は牛乳浣腸だ。
「あっ……あっ、あふぅあっ…………!!」
映像の中に切なそうな喘ぎが響く。
莉子は壁に手を突かされ、肩幅に開いた脚をピンと伸ばしたまま浣腸を受けていた。
莉子がピンと脚を伸ばした場合、膝下が三日月を描くように反るというのは新たな発見だった。
画面外から手だけが映る人物が、淡々と洗面器の牛乳を浣腸器で吸い上げては莉子の尻穴に含ませていく。
カメラは基本的に莉子の肛門と脚のみを映すようにし、男を映像に入れないようにしているようだった。
「……も、もう……無理、です…………。」
浣腸器の六本目が入った辺りで、壁に手を突いた莉子が後ろを振り向く。
映像の浣腸器は一本につき50mlほど入るだろうから、300mlといった所だろうか。
やや少ない印象を受けるが、浣腸に慣れていない人間なら仕方のない所だろう。
何より、莉子はこの撮影に向けて丸一週間、排便を禁じられていたともいう。
男の手が浣腸器を置き、莉子のブラウスを捲り上げる。かすかに張った下腹が露わになった。
以前に伸びをした莉子の下腹を偶然見たときは、骨盤の外側が薄っすら透けて見えるほどに締まっていたはずだ。
とすれば明らかに膨らんでいる。
一週間の溜め込みと、300mlの牛乳。それが内部で荒れ狂っている所だろう。
事実、一分ほどもしないうちに、莉子の腹部は腹を下した時の音を立て始めた。
ぐうるるるる、ぎゅるるるるる、と何とも苦しそうに。
「う、ぐ、くっ……!!」
莉子は眉を顰め、幼い表情を苦痛に歪めている。
小さな手のひらが壁の黒い幕を握りしめ、すらりとした脚が細かに震える様は官能的だ。
ふと、肛門を接写する映像の外から男の手が伸び、必死に窄まろうとする蕾を押し開いた。
「あ、や、やぁっ!!」
莉子の、本当に中学生ではないかという澄んだ悲鳴が響く。
肛門はその指での押し開きによって、かすかに繁みの方へと白い流れを伝わせていた。
苦しむ莉子の姿が散々撮影された後、とうとうその腰はぶるりと細かに震え上がる。
「ほ、本当にだめっ!!もう、もう…………!!」
子供っぽく、口を尖らせるような言い方をする事の多い莉子は、それまで聞いた事もないほど真剣な口調で訴えた。
それを受け、男の手が彼女の脚の間にバケツを置く。
莉子はそれを振り返るようにして覗いた後、中腰に屈み、手の指を尻肉に押し当てながら息み始めた。
次の瞬間、ぶじゃああっという音を立てて黄色い奔流がバケツの淵を叩く。
固定されないバケツが揺れ動くような衝撃であふれ出す液。
斜め下からその瞬間を接写するカメラには、流れの一部が雷のような線を描きながら腿裏を伝う所までが映されている。
「やっ……ああぁぁっ…………!!」
切なそうな莉子の声は、ある意味で宣言だったのだろう。
肛門から出るものは、当然黄色い液ばかりではない。
一週間溜め込んだものが、牛乳の流れにつられて肛門を抜け出していく。
『女優さんはこの撮影の為に一週間ウンチを禁じられていたとの事ですが、お陰で凄い映像が撮れています。』
動画の感想の一つが思い起こされた。
確かに凄い映像だ。あれほど可愛い莉子の、子供のようにぷりっとした尻の中から、おぞましい物が滴り落ちていく。
桜色の肛門を押し広げ、顔を出し、途切れては落下していく。また顔を出し、奔流に押し出されるように溢れ出る。
可愛かろうが排泄は排泄だといわんばかりに、ぶびゅぶびゅと排便そのものの音をさせて。
このような場面を見る機会が、日常でどれだけある事だろう。
制服を着た子供のように愛くるしい少女の、あられもない排便姿。その音。筋肉の蠢き。
少なくとも俺は、思わず勃起の兆候を得るほどに興奮していた。このサイトを覗く連中も同じだろう。
俺だけでない皆、皆がこの映像を目の当たりにして、自慰の足しにしているのだ。
そう考えると、自分でも異様なほど気分が高揚してくる。
ようやくに排便が終わった後、カメラは容赦なくそのバケツの中身を正面に捉えた。
「あ……や、やだぁっ!!」
それを横から出てきた莉子の腕が必死に邪魔し、映像は一旦彼女に戻る。
莉子は再びベッドの上に戻り、カメラに向けて腹這いで高く尻を突き上げるような格好を取らされた。
するとその白い脚の間に、様々な形状の器具がばら撒かれる。洗面器に入った、玉蒟蒻のような物も。
当然ながら、莉子の初々しい肛門に対して使用するべく用意されたものだ。
「はっ……はぁっ……」
莉子はシーツの上に散らばった器具を一つずつ視界に収めた後、呼吸を深め、不安と期待の混じった視線でカメラを見上げた。
男が手にしているのは、小さめの球が数珠つながりになった紐だ。
男はそのひとつひとつを莉子の肛門に押し当て、指の腹で押し込んでいく。
四個、五個、六個……と一つずつ。
「す、すご……おっ…………どんどん、入って……くる…………」
莉子はシーツを髪の先で撫でるようにしながら俯き、未知の感覚に浸っていた。
もがくたびに腹部を覗かせる制服のブラウスが、そこに絶妙の色気を纏わせた。
やがて男の指は、珠を一つ残した状態で数珠から離される。
残った一つの珠とその先についた輪の部分が、ぷらりと莉子の脚の間にぶらさがる。
男はその部分を指の先で弾きまわした。
「あっ!!」
莉子は初々しい反応を見せて尻肉を引き締める。
男は役得とばかりに何度も珠を弾いて莉子を弄んだあと、輪の部分に指を掛けた。
ずるるるるっ、と勢いよく珠の列が引きずり出される。
与えられるのは、排便の快感だろうか。
「くはああああっ!!!」
俯いていた莉子の顔が正面を向いた。
目を見開き、歯を喰いしばっている。実に反応がいい、責め甲斐もある事だろう。
男はそれからも一つずつ珠を押し込み、ゆっくりと引きずり出し、また勢いよく引き……と繰り返した。
莉子はその度に腰を揺らして良い声を上げる。
肛門が細い数珠に充分慣れてくると、次にはさらに太さのある物が選ばれた。
先端はピンポン球ほどで、末端に行くにつれ直径を増していく弾力のある棒。
それが先ほどの物と代わり、口を開いた肛門に入り込んでいく。
「あ、ふ、太い……っ!?」
莉子は驚きの声を上げたが、片膝を前に進め、脚の開きを大きくして迎えようとする。
すでに肛門性感をはっきりと感じ始めているのだろうか。
「ふんむむむううっ……!!」
先程より太い、半ばほどではウズラの卵大になる器具を差し込まれ、莉子はシーツを指で掴む。
その下唇は皺を寄せて噛みしめられ、目はつらそうに細められて。
それでもその顔は、エクスタシーに達する女性の顔にも似ているものだった。
ずりゅっずりゅっと音もしそうなほど肛門を捲り上げられ、黒い瘤つきの棒が前後する。
左手の親指・人差し指で肛門を開き、右手で力強く棒を抜き差しする男の手には緩みがない。
「あ、ふああああっ!!そ、それっ、太いの抜き出される時が……っっ…………!!
おっ、おおううっ!!い、いや、変な声でちゃ…………おッ、んほぉおおおうんううっっ!!!!」
莉子は口を尖らせ、膝裏には限界まで力みからの溝を浮かせて、責め具のもたらす心地よさに浸っていた。
何度も、何十度も奥深くまで埋め込まれ、引き抜かれして肛門をゴリゴリと刺激されていくうち、
黒い責め具には妙にサラサラとした液が纏いつき、飛沫を上げるようになっていく。
明らかに潤滑油として使われているローションではない。
目にするのは初めてだが、おそらくは腸液だ。あの莉子の腸液。
やがて明らかなほどその腸液に濡れそぼった珠の棒が抜き出され、シーツに染みを作りながら投げ出される。
次に選ばれたのは、洗面器に入った玉蒟蒻のような物体。妙に白いのが気になる所だ。
男の指がその一つを拾い上げ、指で押し込んで弾力の豊かさをカメラに伝える。
そうした後に、その一つ目をかなりの大きさにまで咲きはじめた菊の輪に押し込んでいく。
「つ、つめたいっ……!!」
快感に呆けていたような莉子が、その瞬間に身を起こす。
男の指はなお淡々と、その玉蒟蒻のようなものを莉子の体内に押し込んでいく。
五個、六個、七個、八個……限界を試すかのように、かなりの容量を。
「くっ、う、うわっ、凄い圧迫感……骨盤が開いちゃう」
莉子は弱弱しく腰を振るが、男の指は容赦をしない。
とうとうその玉蒟蒻のようなものを12個、莉子の小さな腸の中に入れてしまう。
「ひ、ひいっ……!!う、動くたびにゴリゴリにゅるにゅるって、気持ち悪いぃ……!!」
さすがに不安そうな顔になる莉子をよそに、男はその莉子の尻肉を掴んで揉みしだく。
腸内で軟体を動き回らせるかのように。莉子は悲鳴を上げていた。
男はしばらくそうやって莉子を苦しめたあと、自分もベッドの上に上がって穿いていたものを脱ぎ捨てる。
そこでついに男の逸物が露わになった。
そこだけは俺達視聴者の代表とは言いがたい、黒く、太く逞しく、カリ首が蛇のように張った剛直だ。
ただそれは特徴的で、この監督の作品を見慣れた人間には、水戸黄門の印篭のように馴染みの光景となっていることだろう。
「…………っ!!!」
莉子も目を見開き、鼻先に突きつけられた本物の凶器に見入っていた。
ごくん、とカメラに拾われるほどに喉を鳴らし、天を仰ぐようにしてその匂いを嗅ぎながら、
眩しそうに目を細めて逸物の先端を見下ろす。
男がゆっくりとした動作で逸物をその口元へ押し当てると、柔らかそうな唇は、ゆっくりと開いて逸物を迎え入れた。
カメラは例の如く、極力男を映さないようにし、莉子の顔を正面から、あるいはすぐ側面から接写する。
「おっ……う、うっ……あうぉ、おむっ…………!」
莉子は明らかにフェラチオというものに不慣れらしく、初めこそ舌を使って舐めしゃぶっていたものの、
逸物がいよいよ大きさを増してくると、喉元まで飲み込もうとしては肩を竦め、オエッとえづく事を繰り返していた。
カメラは小さな口の中を極太の物に制圧され、咥えることさえやっとで眉を顰める莉子の顔を、
あるいは首元にだらだらと涎を垂らし、頬を膨らませる横顔を延々と撮影し続ける。
やがて逸物の全体が莉子の唾液で濡れ光るようになると、ようやく男は逸物を引き抜いた。
そして莉子の後ろへ屈み込み、洗面器を莉子の脚の間に滑り込ませる。
「はっ、はっ……」
莉子は待ち侘びていたという様子で洗面器を跨ぎ、ベッドのヘッドボードに肘をつくようにしながら力を込める。
びゅちっ、という音で一つ目の軟体が姿を現す。続いてびゅち、びゅちちっと他の粒も。
「ああ、あ……!!」
莉子は、排泄の快感に浸りきっているのか、やけに色めいた声でその産卵を迎えていた。
ヘッドボードについた肘の上から振り返る、憂いを帯びた表情。
それは今までの莉子のイメージを一新するほどのものだった。
洗面器に白い軟体が生み出されていく。ローションなど全くつけていないのに、何かの液で濡れ光りながら。
ぬらぬらと光を反射するその軟体の塊は、莉子が完全に肛門性感を目覚めさせたという、解りやすい例だった。
すべて軟体を排出し終えると、男は洗面器を床に置き、いよいよ太さを増した逸物を莉子の肛門に押し当てた。
「………………ッ!!!」
それが解ったんだろう、莉子は膝と肘をしっかりとベッドに突き、迎え入れる姿勢を整える。
カメラが逸物と肛門の接触点を中央に捉える。
そしてカリ太の逸物は、力強い動きで莉子の肛門へと押し付けられた。
かなりの太さを持つ逸物は、けれども充分に開発された肛門をへこませながら呑み込まれていく。
間違いなく、莉子の肛門に入っている。
モザイクの向こうでかすかに花開いている秘裂がそのままで、その後ろが満たされているのだから間違いない。
「くあああああああっっ…………!!」
莉子の声がした。紛れもなく莉子のものだった。
あの頃、その太腿にときめいた彼女が、あの愛くるしい莉子が、ついに排泄の穴を犯されている。
その衝撃的すぎる出来事は、時間をかけてゆっくりと、俺の中に浸透していった。
見知った人間がAVに出演し、肛門を犯されている。
これは現実になると非常にへビィだ。
俺は莉子の肛門性交を、どこか遠い視線で見つめていた。
興奮はしている、勃起も痛いほどにしている。けれども自慰に至る気にはなれない。
「あっ、あっ、ああ、あっ、あっっ……!!!」
莉子は様々な体位で抱かれていた。
カメラはその様子を、肛門の接合部を中心に、秘部も入れる形で取り続けた。
後輩位で腰を掴んで抜き差しされている時には、その下から。
背後から抱きすくめるような形での背面座位では、大きく開かれた莉子の脚の正面から。
片膝を立てた状態で背後から尻穴を穿たれているシーンでは、斜め下から、まるで秘部に密着するかのように。
肛門に入り込んだ逸物からは粘ついた音が鳴っていた。
パンッパンッパンッパンッと、莉子の尻肉が音を立てている。
つまり男と莉子の肉が密着しているということで、逸物が根元まで入り込んでいるということ。
あの立派なものが根元まで入り込み、カリ太の部分で腸壁ごと強引に引きずり出される。
そんな事を繰り返されていて、気持ちの良くない筈がない。
蜜が滴り落ちていた。
三度目のバックスタイルでは繁みの奥から光る雫が一突き毎に滴り落ち、
片膝を上げてのやり方では、太腿の裏が強く引き締まったあと、薄いモザイクの端から飛沫がシーツに音を立てた。
七度目の騎乗位、男がベッドに腰を降ろして莉子に弾むように腰を使わせる時には、
モザイク越しにも秘部がとろとろに蕩けているのが見えるようだった。
熟しきった果実へ、肛門から薄皮一枚隔てて延々と刺激し続ければ、当然に果汁があふれ出す。
その果汁は莉子のおさない尻の線を伝い、尻肉の最下部から滴り落ちる。ぬら、ぬらっと光り方までいやらしく。
凄まじい肛門性交だった。
何度も何度も女の極まりの瞬間が記録され、愛らしい喘ぎ声が響き渡っていた。
反応はとてもよく、AV女優として申し分のないものだった。
……きっと、彼女を全く知らない状態でなら。
いつの間にか二時間余りの映像は終わり、黒い停止画面に俺の顔が映るのみとなっていた。
倦怠感がひどい。
遠くで携帯が光っている。
引き寄せて確認すると、莉子からの返信が来ているようだ。
『ごめんなさい、返信遅れちゃって。
撮影が終わってからどっと疲れが出て、ちょっと寝込んじゃってたんです。
今も下半身が痺れたみたいになってて歩けなくって、お姉ちゃんに食べ物買いに行って貰ってて。
私の映像、見てくれました?ちょっと値段高かったでしょうか。まさかあんなに長くなるなんて。
でも、凄かったんですよ。本当におしりが気持ちよくて、何回もイっちゃったんです。
カメラでずっと映されてるのも、最初はちょっと気が散ったけど興奮したし……。
ありがたい事に好評みたいですし、私、これからまた何回も出演するかもしれません。
その時はまた、先輩にお知らせしますね……』
陶然とした顔が浮かぶようなその文が、また俺の心をざわめかせる。
なんだろう、この不安定な気持ちは。こんな気持ちを持ち続けてはいけない。
そのうち俺は、このビデオへの出演をネタに莉子を脅しかねない。
今度は見るだけでなく、自分自身の指で莉子のアナルを穿りまわし、匂いを嗅ぎ、吸い付き、嘗め回す。
そしてありとあらゆる道具でぽっかりと穴があくほどにして、その菊の穴で童貞を卒業する……。
そんな外道じみた考えが、今俺の中にはある。
そう考えながら下に目をやると、ズボンの股の部分が濡れていた。
本当に興奮すれば、手の刺激によらず射精できることもあるのだと、俺はまた一つ学ばされた。
終