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高揚は僅かの間だった。  
あの”現実”を知ってしまえば、今の”非現実”はより深く。  
 
ただ遠かった景色は今は遠さに痛みさえ伴って、弥生の前にあった。  
夕刻。暮れなずむ日に生徒の多くは校舎内へと戻りつつある。  
弥生だけがゆっくり、足を引きずりながら裏庭へと向っていた。  
水は確保できたとはいえ貴重で、例え淫獣に犯されたとはいえ、体に浴びる程の余裕はなかった。  
せめて、濡れタオルで体を拭くように勧められたが、弥生は謙虚さを装い、  
それを拒否した。狼の体臭が、精液の匂いが、まだ少し自分を  
”現実”に繋いでくれるような気がしたのだ。――全くの、気のせいだったが。  
 
暗い闇に沈みつつある木々は、やはり薄いベールの向う、  
或いはスクリーン上の映像のように遠く、そして、弥生に激しく訴えかける。  
 
”もう一度超えておいで”  
 
その声に呼ばれるように、弥生は校舎の白い外壁に手をつきながら歩を進める。  
一歩一歩に身を裂くような、子宮と、膣口の痛みが走る。  
――こんなことならば処女なんか捨てておくんだったと、弥生の柳眉を寄る。  
言い寄る男がいなかった訳ではない。  
――寧ろ、モデル然とした容姿を持ちながら浮世場慣れした風の弥生を  
賛美する男は多かった。あからさまにできる勇者は限られたにしても。  
だが、美しいだの、好きだの、愛してるだのいう言葉は  
弥生の心になど届かなかった。  
……私に、心があるならね。思い返すたびに弥生は自嘲する。  
もう少し強引に弥生に誘いをかけた男もいた。  
だが、そんなものはただ不快で、  
不快な”映像”のスイッチを消して罪悪感はなかった。  
(例えば、刃物で切り裂くとか、そんな感じで?   
押し倒す、なんて下衆な手段には上等すぎやしない?)  
初体験の相手は異世界の化物。  
 
それはあの、海の傍の麗しい現実に馴染めない自分には、相応しい気が、した。  
 
体が酷く飢えていた。  
昼間、淫獣に犯されたばかりだというのに、もう、足りない。  
刺激が欲しいんじゃない。  
げんじつ、がほしかった。  
あの刺激が忘れられないからこそ、一度知ったからこそ欲しかった。  
愛撫も痛みもどうでもいい。あの絶頂、あの一瞬があればいい。  
現実に連なるあの一瞬をくれる化け物がいるなら、  
私は跪き、あの醜悪なペニスを喜んで口に含むだろう。  
「誰もいない……誰もいないから……おいでよ……」  
裏庭、外部に面する暗い森の前に立ち、弥生はゆっくりとスカートを捲りあげる。  
するする、するすると劇場のカーテンのように上がっていくチェックのスカートの下から、  
弥生の白く細い脚が露になる。無駄な肉のない太腿の付け根は狼の精液に汚れ、  
毛の薄い陰部が落ちゆく最後の光に照らされ、なまめかしく光った。  
 
★  
 
「黒川さん、何処に行ったんだろ?」  
 
弥生と同じ一年生の少女、日下部祥子は、夕食の支度もかしましい校舎の中を、  
ぐるりと見回した。普段なれば、己が弥生を見失う筈はない。あの長身、あの美貌、  
そして、自分は弥生に――その、あこがれ、というか、好意を抱いてるのだから。  
好意と言っても、恋慕じゃないのよ、と慌てて祥子は否定する。  
人付き合いが悪いからといって、冷めているからといって、  
弥生が悪人だとは祥子にはどうしても思えないのだった。  
強いて言うならば――――可哀相。  
生まれる場所を間違ったような、そして冷たい表情の影に、  
「ここは何処なのだろう」と言いたげな雰囲気を漂わせる弥生を、  
入学当時から祥子は気にかけていた。  
「ほっときなよ。また何処か勝手に行ってるんじゃないの?」  
いささか呆れ気味に――それも、弥生の評判を知っていれば当然かもしれないが――返す  
同級生の言葉も聞かず、祥子は自分の分担をさっさと終わらせると、  
弥生を探そうと、教室を出て行った。  
――武器を持つ、などという頭は、お嬢様育ちの彼女にはなかった。  
彼女がもつのは女らしくやわらかな肢体、小柄な体躯に似合う、  
童顔気味の愛らしい顔。そしてやわらかなセミロングの髪。  
 
★  
 
「あッ……あん…、あ、ふ……アッ……」  
人気のない裏庭に、女の声がひそやかに、夕闇に混じりながら響いていた。  
弥生の声だ。官能に彩られても、あの冷たい雰囲気は残り――より、淫靡。  
いけにえにされたアンドロメダの如く、裏庭の大きな岩に  
磔にされる如く押し付けられた弥生の細い肢体に絡みつくは、  
植物型の緑の触手数本と、青い毛並みの狼が二匹。  
制服は乱され、触手に拘束された四肢は大の字に開かれ、  
少女の体は既に淫獣への供物といって良かった。  
狼の一頭は既に破瓜を終えたばかりの弥生の赤い秘所に  
歪に捩れた一物を深く突き入れ、抉るような激しい抜き差しを繰り返す。  
其のたびに苦しげに眉を寄せ、薄い胸を乗せた体をしならせた。  
「ひぃっ……あん、ア…んぁ、強く…しちゃ…千切れちゃうぅ……  
 んッ、んぐッ……あぁん! んッ、ふぁあんッ……」  
狼の激しい突き入れと共に、一度飲み込まされたザーメンと愛液が  
秘所を光らせるようにあふれ出す。漂うメスの匂いと強烈なオスの匂いに、  
もう一匹の狼が我慢も限界というように、悶える弥生の首筋に  
ざらついた舌を這わす。其の首筋にも、細かな繊毛のついた触手が絡みつき、  
四肢を拘束するだけだった植物もあふれる体液を欲してか、  
次第上へとじりじりとあがり始め、弥生の性感を煽った。  
 
成熟した女性ならば、何度も絶頂を迎えるに違いない愛撫も、  
破瓜を迎えたばかりで、まだ痛みの勝つ弥生には、  
息を荒げ、股間からいくら愛液を滴らせたとしても、  
あの時感じたエクスタシーにはまだ遠かった。  
もっと…激しく……壊してくれる程酷く……  
喘ぎ、狼のペニスに媚肉を抉られながら、弥生は懇願する。  
「あん、あッ、奥……破けちゃう……ぁ、あん、壊してぇ、  
 壊して――私を……」  
 
いらない。  
こんな現実感のないまま、遠い世界の中でで生きるなら、  
 
 
――――――私、なんか、要らない。  
 
 
触手の絡みついた弥生のしなやかな両腕が、タワシのような毛並みの狼の首に巻きつく。  
ぐってと腰がより、結合がより深くなり、弥生は痛苦に頭を振った。  
「ぐ、……あ、う……ん、……強く…もっと、強くしてぇ……」  
全ての男をとろかしそうな声で、弥生は言葉をもたぬ獣に哀願する。  
グチュッと音がたち、陰部からあふれた蜜が、まるで水溜りのように  
岩に流れ落ちた。シュル…と弥生の見せ掛けの官能に答えるかのように、  
植物が小さな乳房に絡みつく。  
 
「ひゃぁん、あぁんッ!」  
暗緑色の植物は乳房と乳首を抉るように二重に胸にまきつき、  
乳首をぎりぎりと締め上げた。痛い。……この痛みから逃れ、  
ただ快感を追おうと、弥生はすがるように自らにペニスを突き立てるオスへと  
抱きついた。  
 
-----  
上半身が密着すると同時に、獣と少女の性器が結合を深める。  
身体の大きさも違う異種族との無理のある結合に、弥生の全身を痛みが貫き、  
彼女は長い髪を振り乱し、悶えた。  
「あぅっ……あぐ、く、……ぃたいぃい! あぅう……ッ……」  
狼の捩れた赤黒いペニスは、弥生のまだ初々しい秘所を  
切り裂くように深く潜り込み、陰唇を捲れかえらせていた。  
大きく開いた足の間、捲られ、晒され息づく赤い粘膜に、  
性器を根元まで埋め込んだ青狼の硬い体毛が擦れる。  
無限の爪で絶え間なく引っかかれるような、  
痛みとしか感じられない刺激に、また苦しげに弥生は柳眉を寄せた。  
それでもなおも弥生は甘い声を作り、けだものに懇願する。  
「あぅ、う……イかせてぇ……お願いぃ……  
 ィかせて、いッ、ひッ…ぁん……かはァぁああッ!!」  
ぷち、と音がして、一度切れた処女膜が、また裂ける音をたてた。  
あまりの痛みに、ガクンと細い喉が反り返る。  
苦悶に大きく見開かれた硝子の様な瞳に、暮れていく空と、  
空を掴まんとする黒々とした森の木々がぼんやりと映った。  
 
細い太腿の付け根が苦しげに引き攣り、白い肌の上を伝う淫らな液に、  
薄い朱が混じる。分泌液は少女の愛液だけでなく、勢力絶大な狼の先走りも混じり、  
量が多く少しねばついていた。それを潤滑油にして、狼のドリルは深く弥生を貫く。  
「ア、ぐ…ん!!……あひ、ぃ……裂け…ァ、また、裂け……う、うぁ……ひィ!」  
見開いた目から、意志などなく涙がぽろぽろと零れる。  
肉を裂かれ、脈打つものが少女の体内に入り込んでいる。  
膣内のオスの存在は否応なく、痛みとして、異物感として、  
弥生の意識に叩きつけられ、弥生の華奢な体がただの無力なメスとして跳ねる。  
「はぁあ、あ……あぐ、あん……ハあ……あぅうッ! く――ッ!」  
二匹目のこの青い狼は、弥生の純潔を奪った狼よりも巨根の持ち主らしい。  
一度目で空いた穴では、まだまだ太さが足りないようだ。  
狼は低い唸りをたてながら、鼻息を荒くし、  
獣の性器に絡みつく少女の甘美な肉を味わうように腰をひき、  
グジュッと再び捩れた剛直を暴力的に突きたてる。引き抜かれるたびに、  
少女が防衛のたびに分泌する液が狼の性器を濡らし、  
次の突き入れをたやすくさせる皮肉。  
「あううぅッ……あ、あ……あぁああ!! あくぅうッ!……」  
悲鳴のように上がる断続的な声は、森の木々が揺れる音にかき消された。  
天候は、荒れるらしい。強い風が天空で吹き荒れ、折れた枝が空に舞う。  
 
足りない、まだ足りない。  
弥生は無意識に細い足を狼の奮う腰に回す。  
スカートから剥き出しになった白い肌が、艶かしく震えた。  
腰を抱かれた形の狼は、根元さえ重なる深い突き入れに満足したように、  
暫し動かず、弥生の膣の感触を味わった。乙女でこそなくなったとはいえ、  
弥生の膣はまだ狭く、初々しく、そのくせオスに絡みつく  
極上の肉を持っていた。  
入り口の括約筋に近い狭い締め付けと、  
内部の柔肉で全体を包み、緩急をつけて握りこむような蜜壷の感触は、  
人間のオスならば即、中だししてしてしまう程に心地よく、  
青狼ならば、何時間でもその快感を愉しんでいられる。  
青狼は腰を小さく揺らしながら、異形の性器で乙女の肉を味わった。  
「はぁ……ア、あん……んぁああ……」  
太いペニスの脈を感じながらも、それが激しい動きをやめたことに一旦安堵したように、  
こわばっていた弥生の足から、少し力が抜ける。  
その足に、シュル……と緑の蔓が巻きついた。機会をうかがうように、  
岩の上をのたくっていたものの一本であり、  
形状は弥生の胸を締め上げているものと同じ蔓だっだ。  
全体的には、アイビーに似ているが、葉は紅葉のように切れこみが深く、  
茎の太さはばらばら、茎や葉の全体に繊毛がある。  
また、先端も葉のもの、茎がそのまま蔓になったもの、白く尖った蕾をもつものと  
様々であった。  
だが、こうして蠢かなければ、森にある植物と何ら変わりはなく、見過ごしていただろう。  
 
地中から伸びていたその「植物」は、狼より更に低級な生物だった。  
知能もなく、群れもない。犯す、という認識もなく、  
食虫植物のように、獲物の栄養分を貪る。ただ、獲物を食らうのではなく、  
獲物の分泌物だけを食らう点が若干異なっていた。  
地下茎を伸ばして繁殖するこの植物は、昼間ここで弥生と狼が残していった  
精液と愛液の匂いに反応して、蔓を伸ばしてきたのだった。  
蔓は始めは黒の薄い靴下に包まれた足首をなぞっていたが、  
やがて細く折れそうなふくらはぎへと顫動しながら上がっていった。  
細かな毛の生えた蔓が素肌に巻きついていく感覚は、  
猫の細い舌でちろり、ちろりと舐められるようで、  
挿入の痛みに悶えながらも、弥生は背筋を震わせ、甘い声を上げた。  
「ぁ……あふ…あん………ん…」  
高まる弥生の体温にあわせるように、緩やかに蔓は彼女の体に絡み付いていく。  
肌をなぞり、突起に絡みつき――ブラウスの上から乳房を覆い、乳首を強く引いていた蔓も、  
それでは弥生の性感が煽れないと知ったか、  
(薄い胸の持ち主にありがちなように、弥生の胸の感度は高すぎた。  
――安物のブラジャーの布でさえ、痛いと感じる程に。  
だから弥生は常に学生には過ぎた高級な、  
それゆえにエロティックな下着を身に付けていた。昼に破かれるまでは)  
乳首を弄っていた蔓はシュルリと離れると、代わって小さな手のような葉が胸の上を覆い、  
やわやわとビロウドのような手触りで乳輪全体を優しく包み込んだ。葉が小さく動くたびに、  
葉の切れ目から覗く立ち上がった乳首が、白のブラウスを紅く透かして、ぷるん、と震える。  
乳首だけが強調されたその眺めは、酷く淫猥だった。  
「ぁん……んッ……ふぁ……あ、胸……だめ…  
 何も、つけてないのにぃ…ア、ん……んんッ……アん…」  
 
弥生は薄い色の瞳を細め、くすぐったいと言いたげに首を横に振るが、  
潤んだ瞳が明らかに官能を物語っていた。はあ、と唇から落ちる息も、甘い。  
蔓は二匹目の狼の舌の這う頚部に優しく巻きつき、  
繊毛で薄い肌を擦り、白い蕾をつけた先端で、半開きの唇をつついた。  
細く長い蕾は、香りもまた百合の蕾に似て、  
そして淫靡な動きから、包茎の男性器のようにも見えた。  
「ぁあん…… 甘い――香りぃ……」  
唇の端を刺激され、開かれた口からチュク…と唾液が零れる。  
浅く唇を突く蕾の先端が透明の唾液を掬い上げ、キスのように糸を引かせた。  
「あん…… ん……、…ぁ…ん……んぅ……」  
狼との荒々しい性交に無理矢理目覚めさせられた弥生のメスは、  
下級植物の優しい愛撫によって、ゆっくりと成長しつつあった。  
蔓が弥生の体に絡みつき――まるで柔肌を縛り上げていくかのように――緩々と動くたびに、  
貫かれる淫裂からジュク…と蜜が流れ、狼はいっそう深く、狭い膣を突き破り  
子宮口を塞ぐ勢いで腰を深めた。ゴリ、と弥生の骨盤が軋み、剛直に絡む陰唇が  
太い根元を咥えきれず、限界まで引き伸ばされる。  
「ぁぐう、ん――ッ!! が……、ぃう、……ひィッ……!」  
苦しげに声を詰め、子供のように身を丸め、より深く狼に抱きつきながらも、  
弥生の腰は狼の屹立に貫かれたまま、逃げようとはしなかった。  
「強く……して……ぁん、強くぅ……」  
グル……と弥生の背後、というか、岩に斜めに倒された頭側、に立つ狼が、  
首筋や頬を舐めていた舌を引き、飢えた声を上げた。  
見れば、その体躯のやや小さい狼の性器も勃起している。  
 
性器の太さこそもう一匹に劣るものの全長は長く、  
カリを幾重にも重ねた如く深い段差を持ち、捩れ、  
赤黒く猛々しく天を仰いでいる様子はより凶悪にも見える。  
二匹目の体毛のやや黒い狼は群れの序列により、  
メスとの性交こそ一匹目に先を譲らねばならなかったが、こんなうまそうなメスを前にして  
獣性が抑えられよう筈もない。  
狂ったように猛った性器は岩の上で震え、耐え切れずあふれる  
先ばしりは弥生の美しい髪を粘液で汚していた。  
細い髪が先端に絡むのは、狼にとっても気持ちがよく、  
髪を汚されるのは、女にとっては恥辱に他ならない。  
……尤も、弥生は目の前の痛みと異物感に、そんなことを気にもできなかったが。  
この小さなメスの肌や肌から流れる体液は確かにうまいが、もっとうまいものを食いたい。  
黒狼はグル……ともう一度喉を震わすと、  
白のブラウスの下で蔓に絡みつかれ、ぷるぷると軟体のように震える  
弥生の乳房に噛みついた。  
「ひぁあああッ――!! あ、ア……! あぅうう、ア――!!」  
もちろん、メスへの愛撫だ。歯は立てず、大きな口内に含み、  
長くザラついた舌を押し当てるだけだ。だが、黒狼の大量で獣臭い唾液に弥生のブラウスは  
一気に透ける程に濡れ、巻きつく触手の感触も、黒狼の舌の感触も、  
もう殆ど素肌に直にあてられるのと変わらなかった。  
「あん、あッ……ああ、胸、ちぎっちゃだめ……   
 ひゃぁあん、溶けちゃ……あ、あ……ひぃいぁ、あ……!」  
黒狼がやわい肉隗を息を荒げながら幾度も食む。  
そのたびに細い少女の体が跳ね、弥生の声が理性を失っていく。  
 
性とは無縁な程に細く涼やかだった脚はあられもなく開かれ、オスの体に強く巻きつき、  
その間、桜色だった花びらはとうに赤く充血し、  
きゅうきゅうと歪な男根を締め付け、泉のように愛液を流し、  
痛みばかりを訴えていた蜜壷が、今や熱くオスを欲する。メスとしての絶頂と、  
オスの子種を求めて、甘い淫液の匂いを垂れ流して、オスを誘う。  
それに答えるように青狼の荒い腰の動きが早まった。  
ジュプジュプと激しい突きたては飽くまで深く、内臓を抉る程に。  
引き抜くもまた、淫裂を巻き上げ、先端さえ見えそうな程激しく。  
動きのたびに弥生の腰が秘部を晒すように持ち上げられ、  
襞スカートはもはや岩の上に広がり、狼と少女の淫液を受け止めるだけ。  
青狼の動きは岩の上の人形を叩き壊さんばかりに激しい。  
下半身を玩具のように犯され、上半身を黒狼に押さえつけられ、  
蔓に素肌を覆われながら、弥生は嬌声を上げ続けた。  
「あ、アッ、アァん……ひ、ィ……壊れ、  
 あ、あぅ、う、あ、私……私…ぃいぁああ、や、ああ、ひああ、あ!!」  
 
壊して。壊して。壊して。壊して。  
いらないの、いらないの。  
こんなゲームみたいな世界も、私も、いらない。いらない。  
壊して。壊して。壊して。壊して。壊して。壊して。壊して。壊して。壊し……………  
 
腕にさえ絡む触手に動きを抑えられながらも、  
弥生は青狼の首に深く抱きつき、涙を零しながら哀願した。  
普段の冷えた面持ちからは考えられないような、  
全てを預けきった顔で。  
 
「ぃッ、あ、ぃかせ…てぇ、ぁんッ、欲しい、  
 欲しいのぉ……お願いぃ、ィかせてぇえ、ぃかせ…て…ァう―――……!!」  
――ブルッと青狼の腰が震えた。  
充血し、白い淫液にまみれた陰唇を絡みつかせながら、ギリギリまで引き抜かれた  
赤黒い剛直の先端が子種を撒き散らさんと細く開きかける。青狼は低い唸りを上げ、  
腰を深く突き出すと、禍々しい性器を深く少女のヴァギナに突きこんだ。  
ドリルのような剛直が濡れた肉を抉り、太い先端が子宮口を埋め尽くす。  
ドクッと獣の性器は狭い肉筒と共に震え、一呼吸おいて、  
少女の子宮に直に熱い白濁液がドクドクと注ぎ込まれた。  
「ィッ……ひぁあ、ア――――、  
 ぁあアぁぁああああんッ!!」  
……――熱い……熱いぃいい――……!!  
下半身が叩き壊されるような衝撃の中で、弥生は狼の精液の熱さを、  
生々しく感じていた。目はまだ開けない。開いたとしてもきっと涙で何も見えない。  
けれど、けれど、欲していた、現実感が束の間、弥生の五感を支配していた。  
 
此れが、欲しかったの。欲しかったの。  
 
みっちりとペニスに塞がれた秘裂から、糸のように細く白濁液を零しながら、  
弥生は”絶頂”に――”現実感”に酔っていた。満足だった。頬を濡らす涙は、  
嬉し涙だったのかもしれない。獣臭いザーメンの匂いの中で、弥生は幸せでさえあった。  
狼が唸りながら長い射精を続けている間、  
肌に絡みつく蔦触手は、全身からじわりと透明の液体を滲ませはじめていた。  
そう、触手は本格的に、少女の体液を欲し始めたのだ――。  
 
<続く>  
 

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