「幼馴染みって言葉についてどう思うよ?」
「…何がよ?」
「こうさ、物足りないって感じしないか?」
「うーん、どうかな…」
「どこか子供っぽさが抜けないっていうか、幼いっていうかさ」
「それ、単に『幼』って字が入ってるからでしょ」
「そう! それなんですよ!」
「わぁ、変なスイッチ入った」
「でさ、考えたんだけど、『大人馴染み』って言葉についてどう思うよ!?」
「そんな言葉はないと思う」
「そう、俺のオリジナルだ。大人馴染み。幼馴染みの一歩先を行ってる感じがしないか?」
「うーん…まぁ、うーん」
「で、それを踏まえて、だな。何を言いたいかっつーと、ですね」
「うん」
「そろそろ…俺らも、その、幼馴染みから、大人馴染みにならないか…みたいな」
「……………」
「……………あの、」
「60点」
「へっ!?」
「オリジナリティは認めるけど、前置き長過ぎ」
「そ、そうか」
「うん。それと、さ」
「うん?」
「そういうのって、もっと前にする話じゃない?」
「も、もっと前って?」
「少なくとも、こうして裸で抱き合う関係になるよりは前、かな」
「……なるほど、ごもっとも」
「いいけどね、別に…」
「やっぱり、痛かったか?」
「うーん、思ってたほどじゃなかった、と思う」
「…強がりなやっちゃなぁ」
「そんなの、知ってるでしょ?」
「うん。そういうとこ、好きだしな」
「………」
「何点?」
「…バカ」