「何なら私が彼女になってあげよっか? なんて、わわっ!?」  
 夕食後の兄の部屋。  
 小夏は兄をからかったつもりだったが、言葉を遮るかのように兄に押し倒されてしまった。  
「お、お前が悪いんだからなっ! いつも俺の気持ちも知らないでっ!」  
 ベッドに押し倒された拍子に、服がはだけ小夏の可愛い臍が顔を出した。  
「あにぃ、ちょっ、じょうだ、んんんっ!?」  
 いきなりの荒いキスに小夏は目を丸くした。  
「悪ぃ、もう限界だから」  
 上半身にのしかかられ、小夏は身動きが取れなくなってしまう。  
 目の前で兄がベルトを外す姿に、小夏はわたわたと慌てる。  
「ま、まって、わた、しっ、ほんとうはっ、んぐぅっ!」  
 兄のモノで口を塞がれ、小夏は苦しみの声をあげた。  
「小夏っ! 俺だけの小夏っ!」  
 容赦なく喉奥まで犯され、小夏は息を整える暇すらない。  
「んごぉっ! ぶぶっ、ぐぶっ!」  
 苦しみのあまり小夏の目から涙がこぼれる。  
「くっ、小夏っ!」  
 兄は小夏の頭を両手でしっかり抱き、小夏の口を犯し続けていく。  
「やっ、ぶぁっ、んぐっ、んあぐっ!」  
 小夏はばたばたと暴れるが、兄に敵うはずがない。  
「んーっ、んんーっ! ぐぁぅっ!」  
 涙で視界が霞む。小夏は行為が早く終わることを考えながら、シーツをきゅっと掴んだ。  
「小夏っ!」  
 兄が小夏の頭を押さえ付けるのと同時に、口の中に未知の味が広がった。  
「んむぁあぁぁっ……、ぅ、あぁあっ」  
 小夏は息を整えることさえできないまま、兄の精液を飲み下していった。  
 
「ほんと、ごめん、やり過ぎた……」  
 事が終えると兄は土下座して小夏に謝り始めた。  
「小夏が他の奴に取られるの嫌だったから……」  
 頭を擦りつけながら兄は小夏に謝り続ける。  
「彼女になるって言われたの嬉しくて、つい……」  
 兄の情けない本音に、小夏はつい微笑んでしまった。  
「なんだぁ、あにぃも私のこと好きだったんだ。よかったぁ……」  
 小夏の嬉しそうな声に兄は顔をあげた。  
「え、小夏は俺のこと嫌いなん」  
「違うよっ!!」  
 兄の言葉を遮り、小夏が叫ぶ。  
「私っ、前からあにぃのこと好きだったんだからっ!」  
 小夏のショートヘアがぽふっと跳ねる。  
「だからっ、キ、キスされて、嬉しくて、でも、でもっ」  
 小夏の目から一筋の涙が流れる。  
「さっ、きの、あにぃ怖く、て、どうすれば、いいっ、か、わか、っなくてっ」  
 鳴咽を漏らしながら小夏は言葉を紡ぐ。  
「すき、っなのにっ、きら、いっ、に、なるのっ、い、やだっ、たかっ、らっ」  
 目をきゅっとつぶり、俯き震える小夏。  
「ごめんな」  
 震える小夏を兄は優しく抱きしめた。  
「あ、にぃ、あにぃっ……」  
 小夏も兄にしがみ付き、兄の温もりに触れる。  
 心臓の音が重なり合う心地よさに、小夏は再び笑顔を浮かべた。  
「えへへっ、あにぃっ……」  
「小夏、ごめんな、俺が素直に好きって言ってれば……」  
 兄の悲しそうな声。小夏が聞きたいのはそんな兄の声じゃなくて。  
「私平気だよ? だから元気出してよあにぃ」  
 抱き着いていた小夏が兄から離れ、とびきりの笑顔を向ける。  
「ありがとう小夏。んと、順番違うけどさ、俺の恋人になってくれる?」  
 兄の笑顔に小夏は顔を赤く染めた。  
「うんっ! あにぃだーい好き!」  
 嬉し涙を流す小夏が兄の胸にぽふっと飛び込んだ。  
 
「えっと、ね、さっきみたいなこと、優しくだったらしても、いい、よ?」  
 抱き着き合い、恋人気分を満喫する中、小夏がぽしょっと呟いた。  
「え、いいのか?」  
 兄が驚きの声をあげた。  
「うん……あにぃだから……」  
 顔を林檎色に染め、小夏はぽしょっと呟く。  
「なら早速頼むっ!」  
 神業の如くベッドに押し倒され、小夏の目の前に兄の顔が迫る。  
「わ、わっ、ちょっ、と、まって!」  
 小夏がわたたっと慌てる。  
「ま、まだ心の準備がっ、んむぅっ!」  
 可愛い声をキスで塞がれてしまう。  
「大丈夫だよ。次は優しくするからな」  
 兄の真っすぐな笑顔に小夏の思考はとろけてしまった。  
「あぅっ、あにぃっ、だいすきっ……」  
 ふたりの熱い熱い夜はまだまだ続く。  
 

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