【シスターズ+α】 序
朝食を終え家を出た高門填流をいつものように出迎えたのは、隣に住む捺里家の姉妹だった。
「おはよう、填流くん」
「おはようございます、明日穂さん」
「こらぁ、遅いぞ填流!」
「悪かったよ奈瑠」
「早く行きますよ填流さん」
「ああ、行こうか菊花ちゃん」
いつも通りの朝のやりとりを済ませ、填流たちは並んで歩き出す。
この辺りで噂に名高い美人三姉妹を引き連れ、羨望と嫉妬の視線を浴び続ける填流の心境は複雑だった。
「あ、填流くんに言っておかなくちゃ」
「なんです明日穂さん?」
「わたしのアナルプラグ、サイズを一つ上げたの。ちょっとまだ辛いけど、これで填流くんの巨ちんちんもぴったりジャストフィットよ♪」
「ちょっ、お姉ちゃんったらなに抜け駆けしてんのよ! それに、アナルは拡がればいいってモンじゃないわ。柔らかさと締まりこそ命よ! あたしみたいにね!」
「ふたりとも声が大きいよっ、みんなに聞こえる!」
「・・・アナルビッチなんて○ねばいいのよ。清純なアナルこそ最高なんだから」
「菊花ちゃんも黒いこと吐いちゃダメっ!」
「ふふ、妬む菊花ちゃんてば可愛いー♪」
「確かにカワイイ、なにしろあたしらと違っていまだに最少のプラグしか入んないんだもんね」
「それは言うなぁ乳牛どもめええええーーーっ!!」
ロシア人の母の血を順調に受け継いで見事なバストに育った姉たちにくらべ平均的日本少女の体型でしかない菊花は、日頃の無表情を振り捨て激怒する。
こんなやりとりも毎朝のことなので慣れはしたが、填流の心労が減るわけではなかった。
「とにかくみんな落ち着いて。・・・まったく、明日穂さんが悪いんですよ、登校の途中でいきなりあんなこと言い出すから」
「だって、報告はちゃんとしないと。填流くんは、わたしたちのアナルのご主人様なんですから」
(ああ・・・過去に戻ってあの過ちをなくせたら・・・)
何万回目になるであろう言葉を心につぶやき、填流は大きなため息をつく。
10年前、いつものように捺里家で三姉妹と遊んでいたあの日。
マリカーで明日穂を、腕相撲で奈瑠を、ナゾナゾで菊花を撃破した填流は得意満面だった。
「くぅ〜〜、もう一回!」
「もういいよ、みんな弱っちいし」
「じゃ、じゃあ、今度負けたら填流の言うこと何でもきく! お姉ちゃんも菊花もそれでいいね?!」
母親と同じ金髪の少女はそう叫んでトランプで勝負を挑んできた。
そして10連敗したのだった。
「もう一回っ! 今度こそ最後、最後だからっ!!」
「だって、『三人とも一生僕の言うこときく』って賭けて負けたじゃん。それ以上なに賭けんの?」
「あらあら大騒ぎね、どうしたの?」
「ママ!!」
姉妹の母親である捺里アナ(旧名アナスタシア・ペトローヴァ)が現れ、一連の事情を問いただす。そして頷いた。
「つまり、三人とも賭けに負けて填流ちゃんの牝肉淫乱奴隷になる瀬戸際なのね。いいでしょう、可愛い娘の処女を守るのは母親のつとめ。わたしが替わって勝負するわ!」
結果は惨敗。そしてアナは涙ながらに言ったのだった。
「いくらなんでもこんな小さいうちからこの娘たちを肉穴便器にするわけにはいかないわ。負けの代償として、わたしたち4人のアナルは填流ちゃんのものとする。それで許して!!」
「は、はい、それでいいでふ・・・」
次から次へと続いた勝負に疲弊し朦朧としていた幼い少年はその申し出に白目でがっくりと頷く。
そうして、填流と三姉妹の運命は決まってしまったのだった。
(あのときさっさと勝負をチャラにしていれば・・・)
「じゃあわたしはここで」
「あ・・・明日穂さん、またね」
高校の前に着くと大学生の明日穂は手を振って自分の大学へと向かう。
ちなみに菊花は中学生だが学校は高校の隣なので一緒のままだった。
「ね、ねえ」
「うん?」
「今夜、お姉ちゃん絶対填流に迫ってくるよ。填流はど、どうすんの?」
「どうするって・・・」
日頃の強気はどこへやら、視線を合わせないようにしながら小声で聞いてくる奈瑠の言葉に、填流は思わず母親似の明日穂の肢体を思い浮かべる。
天然でぽわぽわした性格とダイナマイトなメリハリボディ、そして白人ハーフ特有の彫りの深い美貌。しかも10年前から約束に則り母親の手によってアナル調教されている。
未熟を理由にできる限り引き延ばしては来たが、ここに至りアナルセックスは時間の問題でしかなかった。
「あたしたちのアナルは填流のものなんだから、いつしようがあんたの勝手だけどさ・・・お姉ちゃんとだけ先になんて、ずるいよ・・・アナル奴隷になったのは三人一緒なのに・・・」
顔の彫りは母や姉ほど深くはないが、金髪と碧眼は奈瑠だけが受け継いだ。
それに加えスタイルも16才にしてグラビアモデル級の彼女に愁いを含んだ瞳で見つめられると、うかつな返事はできなくなってしまう。
いつもワガママ勝手な奈瑠が滅多に見せない弱気な姿は、ふと浮かびかけた明日穂への欲情を打ち消し彼女への想いを深めるのに充分なものだった。
「な、奈瑠・・・」
「填流・・・」
見つめ合うふたりの両手がいつの間にか重ね合わされ、激しく拍つ胸と唇がこの上なく近づいていく。
その間を打ち割ったのは女子中学生の冷たい声だった。
「ふたりとも盛り上がってるみたいだけど、もうすぐ始業時間よ。遅刻なんて恥、したら許さないからね!」
短い黒髪、スラッとした細い肢体の少女 菊花が和風のきつい面差しで眼鏡をクイッと上げつつそう告げる。
規律に厳しい委員長のような美少女は、本当にクラスの委員長なのだった。
「そ、そうだな。サンキュー菊花ちゃん。行こうぜ奈瑠」
「チッ・・・そうね、行きましょ。菊花、余計な口出しどうもありがと!」
「ふん、ホルスタインめ」
明日穂には劣るものの高校生にしては驚異的な奈瑠の胸を横目にしつつ、菊花は自分の教室に急いで向かう。
同じ血を引きながらほとんど純正日本少女の容姿であることにコンプレックスを抱いている彼女だったが、成績は国内トップクラスだったので辛うじてプライドは保たれていた。
(あんなバカ姉たちにお兄ちゃんを取られるわけにはいかない! 誰よりも先にアナルの処女をあげられるようにしないと・・・!!)
発情期の雌牛のごとく自然かつ大胆に迫る長女、計算ずくで挑発し細心の所作でたらし込もうとする次女のふたりを、三女は無表情の仮面の下で嫌悪していた。
そして豊満な肉体を武器に持つ姉たちを出し抜くべく、秘策を練り続けていたのだった。
(もう機は熟し切っている・・・明日穂お姉ちゃんが高校の時にお兄ちゃんとしてたら絶対追いつけなかったけど、中学になった今のわたしならなんとかなる!)
通販で手に入れた睡眠薬と催淫剤、そして色香を補うべく手に入れたセクシーランジェリーのことを思いつつ計画を確認する。
今夜姉たちは填流を夜食に招待するだろう。しかし火花を散らすふたりの隙を突いて初肛交をするのは自分なのだ。
姉たちを打ち負かし、愛する男性と蕩けるような夜を過ごすことを考えると菊花のアナルは熱く火照り、激しく疼く。
そのままトイレに駆け込んでアナル自慰に耽りたい衝動を必死に抑え、少女はギリギリで教室に駆け込んだのだった。