なあ、エルフってそんなにいいものかな?
俺、エルフなんてそんなにいいもんじゃないと思うんだけどな。
だってアイツら俺らと時間感覚違うんだぜ?
アイツらの一週間がアイツらの一日だったりするんだぜ?
この前、近所のエルフっ子と一緒に映画行こうって待ち合わせしたんだけどさ……
一体何時間遅刻してきたと思う? なんと10時間だぜ!?
モーニングショーの予定がレイトショーになりやがった。ふざけんな。
それなのにエルフっ子ときたら
「あたしの友達だったら3日遅れとかよくあるよ? 10時間なんて遅刻に入らないって!」
と、けろっとしてやがる。
遅れた奴のいうセリフかよ?
雨の中、10時間待ち続けた俺のことを少しは気遣ってくれてもいいんじゃないか?
まあ、種族の差だから仕方が無いといわれればそれまでなんだが……まだあるんだ。
映画を見終わったあと、腹が減ったからファミレス行ったんだよ。24時間営業の。
そしたらさ、「サラダしか食べれるものがないからつまんない」だとさ。
ふざけんな。お前が遅刻しなかったら選択肢がいっぱいあったんだよ!
せっかくベジタリアン向けの店を調べておいたのに水の泡だよ。あーあ。
その後ホテルに行けば「あまりエロとかわからないんだよね」と何もしないし
そのくせ感覚が鋭敏だからすぐに潮吹いてイっちゃうし。
ヤってるとイキすぎて死ぬんじゃないかと思うぐらいビクビクするんだよな。
おかげでこっちも内心ビクビクだよ。
エルフって体力ないし、万が一のことがあったらと思うとさ。
せっかく「繁殖期じゃないから生でもいいよ」って言ってくれたのに
結局一発も発射できずに、耳ばかり舐めてたよ。
まあ、耳を攻められて、甘い声を上げてくたくたになるエルフっ子を見るのはきらいじゃないんだけどさ。
で、まあ、そんなこんなでホテルから出て、家に帰ってきたんだけどさ。
その日からエルフっ子の様子がおかしいんだよな。
まるで俺の人生が丸ごと彼女のものになったような言い方をするんだ。
家にも居座るようになったしさ。バカかと。嫁かと。
まさか俺の死に目まで看取る気じゃないだろうなアイツ……。
ああめんどくさい。
というわけでさ、俺、エルフなんてそんなにいいもんじゃないと思うんだ。
いやまじで。